保険で盗難は補償される?火災保険の対象範囲や車の扱いを解説

保険で盗難は補償される?火災保険の対象範囲や車の扱いを解説

火災保険といえば火災による被害を補償するイメージが強いですが、実は盗難被害も補償の対象となる場合があります。ただし、補償を受けるには盗難補償の付帯が必要であり、補償される範囲は契約内容次第です。

火災保険に加入中の方や加入を検討している方に向けて、盗難補償の仕組みや「建物」「家財」ごとの補償範囲、現金・貴金属などの注意点、保険金請求の手順を紹介します。補償対象の確認や見直しの判断にお役立てください。
ファイナンシャルプランナー 金子賢司

監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司

東証一部上場企業で10年間勤務後、業務中の交通事故を機に福利厚生や社会保障に関心を持ち、学びを深める。

現在はファイナンシャルプランナーとして、個人・法人の相談対応やテレビ番組のコメンテーター、セミナー講師(年約100件)として活動。健康とお金を軸に豊かなライフスタイルを発信している。

mokuji目次

  1. 盗難被害は「火災保険」などで補償が可能
    1. 建物や家財の損害をカバーする「盗難補償」
    2. 自動車の盗難には「車両保険」が必要
  2. 火災保険の盗難補償は「建物」と「家財」で決まる
    1. 窓ガラスやドア鍵の破壊は「建物」の補償
    2. 家具・家電や衣類の被害は「家財」の補償
  3. 盗難補償が適用される具体的なケースと注意点
    1. 現金や預貯金証書も一定額まで補償される
    2. 30万円超の貴金属・宝石は事前の申告が必要
    3. 自転車や原付は敷地内なら対象の可能性あり
  4. 盗難被害に遭った際の保険金請求の流れ
    1. 警察への通報と盗難届の提出(受理番号の取得)
    2. 保険会社への連絡と必要書類の提出
  5. 万が一の盗難被害に備えた保険の見直しを!

盗難被害は「火災保険」などで補償が可能

盗難被害は「火災保険」などで補償が可能

火災保険は、火災だけでなく盗難による建物や家財の損害も補償の対象にできる保険です。ただし、すべての火災保険に盗難補償が自動で含まれているわけではないため、加入中の保険内容を確認しておくことが大切です。

なお、自動車の盗難は火災保険ではカバーできず、自動車保険の「車両保険」で備える必要があります。保険の種類によって補償範囲が異なるため、それぞれの違いを把握しておきましょう

建物や家財の損害をカバーする「盗難補償」

火災保険の盗難補償では、盗難によって破損が生じた箇所は建物の火災保険から、盗まれた家財は家財の火災保険から保険金が支払われます。建物と家財のそれぞれで契約している補償内容に応じて、保険金の支払い先が分かれる仕組みです。

なお、強盗や窃盗の未遂であっても、建物に破損が生じていれば補償の対象となります。ただし、「建物のみ」の契約では家財の盗難は補償されず、「家財のみ」の契約では建物の破損は対象外です。

不安な方は、加入中の保険でどちらが対象となっているかを確認し、必要であれば建物、家財どちらの補償も備えましょう。

自動車の盗難には「車両保険」が必要

自動車が盗まれた場合に補償を受けるには、自動車保険の「車両保険」に加入しておく必要があります。

車両保険には、補償範囲が広い「一般型」と、補償範囲を限定して保険料を抑えた「エコノミー型」の2種類がありますが、いずれも盗難は補償対象に含まれています。保険料を重視してエコノミー型を選んだ場合でも、盗難への備えは確保できる仕組みです。

車に固定されているカーナビやETC車載器なども、車両保険の補償対象となる場合があります。ただし、車内に置いていただけの携帯品は対象外となることが一般的であるため、特約でカバーする必要があります。

火災保険の盗難補償は「建物」と「家財」で決まる

火災保険の盗難補償は「建物」と「家財」で決まる

火災保険の補償対象は、「建物」と「家財」の2つです。契約時にどちらか一方、あるいは両方を選ぶ仕組みになっており、選択した範囲に応じて補償される損害が決まります。

空き巣の被害では、窓ガラスを割られる(建物の損害)と同時に、室内の家電やバッグなどを盗まれる(家財の損害)といったように、建物と家財の両方に被害が及ぶことが予想されます。

「建物」と「家財」の両方を補償対象にしておくことで、こうした被害の全体をカバーすることが可能です。

窓ガラスやドア鍵の破壊は「建物」の補償

火災保険で「建物」を補償対象にしている場合、空き巣が侵入する際に割った窓ガラスや、壊されたドアの鍵の修理費用が補償の対象です。ここでいう「建物」とは、建物本体だけでなく、建物に付随して動かせない設備も含まれます。

具体的には、システムキッチンや浴槽、備え付けの冷暖房器具といった住宅設備のほか、門・塀・物置・カーポートなども「建物」の範囲に該当します。これらが盗難の際に損壊した場合も、補償の対象です。

マンションなどの集合住宅の場合、補償の対象となるのは入居者が使用している専有部分に限られます。共用部分(エントランスや廊下など)の損害は管理組合が加入する保険の範囲となり、個人の火災保険で備える必要はありません。

家具・家電や衣類の被害は「家財」の補償

「家財」を補償対象にしている場合、盗まれたパソコンやテレビなどの家電製品、ブランドバッグ、衣類、食器といった生活用品が補償の対象となります。

ただし、現金や高額な貴金属などについては補償額の上限が設けられていたり、事前申告を求められたりする場合があるため、注意が必要です。

盗難補償が適用される具体的なケースと注意点

盗難補償が適用される具体的なケースと注意点

火災保険の盗難補償では、品目やその条件によって補償の扱いが異なります。以下の表で品目ごとの補償範囲と注意点を整理していますので、加入している保険の約款とあわせて確認しましょう。

品目・カテゴリ

具体例

補償の扱い・注意点

家財(一般)

パソコン、テレビ、冷蔵庫、衣類、バッグ、食器など

○ 補償対象
建物内にある家具・家電などの「動産」は基本的に対象となる。

建物・設備

窓ガラス、玄関ドアの鍵、門、塀、カーポートなど

○ 補償対象
空き巣が侵入する際に破壊した箇所も修理費用が補償される。

現金・通帳

現金、切手、印紙、預貯金証書、通帳、キャッシュカード

△ 条件付きで対象
現金は20万円まで、通帳等は200万円までなど、補償額に上限が設けられていることが一般的。

高額品

貴金属、宝石、美術品、骨董品

△ 条件付きで対象
1個または1組の価額が30万円を超えるものは、契約時に「明記物件」として申告していないと補償されない場合がある。

自転車・原付

自転車、原動機付自転車(125cc以下)

△ 条件付きで対象
自宅の敷地内(屋根付き駐輪場など)に保管中に盗まれた場合のみ対象となるケースが多い。敷地外での盗難は対象外。

自動車・バイク

自動車、自動二輪車(125cc超)

× 対象外
敷地内にあっても火災保険の対象外。自動車保険(車両保険)で備える必要がある。

現金や預貯金証書も一定額まで補償される

自宅で保管していた現金が盗まれた場合も、火災保険の家財補償で対応できます。ただし、現金・切手・印紙については、1事故あたり20万円が補償の上限として設定されているのが一般的です。

預金通帳やキャッシュカード、預貯金証書が盗まれた場合には、200万円または家財の保険金額のいずれか低い方など、条件が設けられているのが一般的です。乗車券や航空券の盗難も、保険会社によっては5万円程度を上限に補償されるケースがあります。

なお、現金や通帳の補償を受けるためには、「家財」を補償対象に含めておく必要があります。「建物のみ」の契約では現金の盗難は補償されないため、契約内容を見直しておきましょう。

30万円超の貴金属・宝石は事前の申告が必要

1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、美術品、骨董品などは「明記物件」と呼ばれ、契約時に保険会社への申告が必要です。申告をしていない場合、盗難被害に遭っても補償の対象外となったり、補償額が制限されたりすることがあります。

事前に申告していた場合でも、1個(1組)あたりの補償額に上限が設けられている保険商品もあります。

また、明記物件は盗難後に実物がなくなるため価額の立証が難しくなりがちです。購入時の領収書や鑑定書、写真などを保管しておくとよいでしょう。新たに高額品を購入した際には、保険会社への申告が必要かどうかを早めに確認することをおすすめします。

自転車や原付は敷地内なら対象の可能性あり

自転車や総排気量125cc以下の原動機付自転車(原付バイク)は、自宅の敷地内に保管中の盗難であれば、火災保険の家財として補償を受けられる場合があります

玄関や車庫、屋根付きの駐輪場など、保険の対象となる建物に収容されているとみなせる場所での盗難が条件です。

一方、敷地外での盗難は補償の対象外になります。駅前の駐輪場や外出先に駐輪していた際に盗まれたケースは、火災保険では補償されません。

なお、自動車や総排気量125ccを超えるバイクは、敷地内であっても火災保険の対象外です。

盗難被害に遭った際の保険金請求の流れ

盗難被害に遭った際の保険金請求の流れ

盗難被害に遭った場合は、適切な手順で対応することが保険金のスムーズな受け取りにつながります。被害発覚後の対応から保険金請求までの流れを解説します。

警察への通報と盗難届の提出(受理番号の取得)

盗難被害に気づいたら、まず警察に通報し、盗難届を提出しましょう。保険金を請求する際には、警察が発行する「受理番号」が必要になります。届け出た日時や警察署名とあわせて、受理番号は必ず控えておいてください

クレジットカードやキャッシュカード、通帳が盗まれた場合は、不正利用を防ぐために金融機関やカード会社への利用停止連絡も速やかに行いましょう。携帯電話(スマートフォン)が盗まれた場合も同様に、通信会社へ利用停止の手続きを行う必要があります。

被害状況を正確に把握するために、何が盗まれたのか、建物のどこが壊されたのかを早い段階で確認しておくことも大切です。

保険会社への連絡と必要書類の提出

警察への届け出が済んだら、加入している火災保険の保険会社または代理店に連絡し、盗難事故の発生を報告しましょう。連絡先は保険証券や保険会社のウェブサイトに記載されています。

保険金の請求にあたっては、保険金請求書や被害状況の報告書、盗難届の受理番号、被害箇所の写真などを準備する必要があります。盗まれた家財のリストや購入時期、購入金額がわかる資料もそろえておくと、手続きがスムーズに進みやすいでしょう。

被害の規模によっては、保険会社が損害鑑定人を派遣して現場確認調査を行うケースもあるでしょう。保険金の支払い時期は保険会社の約款で定められており、請求手続きが完了してから30日以内とするのが一般的です。

万が一の盗難被害に備えた保険の見直しを!

火災保険に盗難補償を付帯することで、空き巣による建物の損壊や家財の被害に備えられます。全国では1日あたり約46件もの住宅侵入盗被害が発生しており、決して他人事ではありません。

補償を受けるためには事前の備えが不可欠です。特に高額な美術品や宝飾品は、契約時に申告が必要となります。また、盗難被害に遭った際の適切な対応手順を把握しておくことも重要です。

自身の生活スタイルや所有する財産を考慮し、必要な補償内容を確認した上で、適切な火災保険に加入することをおすすめします。

オリコン顧客満足度ランキングでは、火災保険の加入者へのアンケート調査をもとに算出した「火災保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。火災保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
ファイナンシャルプランナー 金子賢司

監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司

東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。

以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

・CFP ®資格(資格番号:90260739)
・日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事

PR
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について
PR

\ 8,818人が選んだ /
火災保険ランキングを見る