火災保険で盗難被害の補償は可能?盗難被害の例や注意点を確認

火災保険で盗難被害の補償は可能?盗難被害の例や注意点を確認

火災保険といえば火災による被害を補償するイメージが強いですが、実は盗難被害も補償の対象となる場合があります。ただし、盗難補償を受けるには特約の付帯など、一定の条件を満たす必要があるため、事前の確認が欠かせません。

本記事では、火災保険で盗難被害が補償されるケースや具体的な補償対象、保険金請求の手順をわかりやすく解説します。さらに、盗難被害に備えた保険の見直しポイントについても紹介します。

火災保険を活用し、万が一の盗難被害にしっかり備えましょう。

mokuji目次

  1. 火災保険で盗難補償を付けないと補償はされない
  2. 火災保険の3つの補償対象
    1. 建物
    2. 家財
    3. 建物と家財
  3. 盗難で補償が受けられる例
    1. 自転車やバイクは補償の対象外
    2. 現金盗難の補償も可能
    3. 宝飾品・美術品の補償は事前確認が必要
  4. 空き巣や盗難の被害に遭ってしまったら?
    1. 警察にすぐに通報する
    2. 盗難届を提出する
    3. 被害にあった家財を確認してまとめる
    4. 加入している保険会社に連絡する
    5. 現場確認調査が実施される
    6. 必要書類を揃える
    7. 保険金を受け取る
  5. 万が一の盗難被害に備えた保険の見直しを!

火災保険で盗難補償を付けないと補償はされない

火災保険で盗難補償を付けないと補償はされない

火災保険は火災による被害だけでなく、盗難被害も補償の対象とすることが可能です。ただし、これは「盗難補償」を付帯している場合に限られます。盗難補償を付けずに加入していると、たとえ空き巣などの被害に遭っても保険金を受け取ることはできません。

警察庁の統計によると、2021年の全国の窃盗被害件数は17,283件に上り、1日あたり約47件もの住宅侵入盗が発生しています。これは決して少なくない数字であり、誰にとっても身近なリスクと言えるでしょう。

こうした状況を踏まえると、火災保険を選ぶ際は、盗難補償の有無を必ず確認することが重要です。現在加入している保険についても、契約内容を見直し盗難補償が含まれているか確認することをおすすめします。

空き巣被害に遭うと、建物の破損や家財の盗難など、複数の損害が同時に発生することがあります。例えば、窓ガラスが割られて侵入された上、現金や貴重品を盗まれるといったケースです。

こうした被害に対して保険金を請求するには、事前に盗難補償を付帯しておく必要があります。

火災保険の3つの補償対象

火災保険の3つの補償対象

火災保険の補償対象は次の3つがあります。

建物のみ
家財のみ
建物と家財

以下で、それぞれの補償範囲を説明します。

建物

火災保険における「建物」は、家屋そのものに加え建物に固定された設備や付属物を指します。具体的には、備え付けのエレベーターやリフト、システムキッチン、ガス台、浴槽、トイレなどの設備が含まれます。

さらに、物置などの付属建物や門、塀、畳、ふすま、備え付けの押し入れなども建物の一部として扱われます。

マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、補償対象は専有部分に限られ、共用部分は含まれません。なお、土地は建物としての補償対象には含まれないので注意が必要です。

家財

基本的に、建物以外の動かせる物は「家財」として扱われます。タンスやチェスト、テーブルなどの家具類、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった家電製品が該当します。また、パソコンや周辺機器、洋服、カーテン、自転車なども家財に含まれます。

ただし、30万円を超える装飾品、貴金属、美術品については、契約時に「明記物件」として申告が必要です。また、現金や小切手、有価証券類は、特約を付けることで補償対象となります。

一方で、ペットなどの動物や植物、コンピュータのソフトウェアやデータ類は、家財の補償対象外となるため注意しましょう。

建物と家財

建物と家財の両方を補償対象とした場合、侵入犯による建物の損壊や汚損、家財の盗難など、両方の被害に対して保険金が支払われます

例えば、空き巣が窓を壊して侵入し、土足で室内を荒らして現金やパソコンを盗んだ場合、建物の破損と盗難された物品の両方が補償されます。

ただし、いくつか注意点があります。敷地内に停めてあった自動車や自動二輪車が盗まれた場合、「建物と家財」の補償が適用されず、保険金の支払い対象外となります。自動車の盗難については、別途自動車保険で対応する必要があります。

また、住宅と店舗が併設されている場合、業務用の商品や備品は補償対象外となるため、専用の保険でカバーする必要があります。

盗難で補償が受けられる例

盗難で補償が受けられる例

火災保険の盗難補償では、以下のような被害が補償の対象となります。

補償例

建物

・侵入時に窓ガラスを割られた被害
・玄関のドアや鍵を破壊された損害
・土足で室内に侵入され、フローリングが傷つけられた被害
・車を盗む際にガレージのシャッターを壊された損害
・物置を盗まれた被害

家財

・パソコンや家電製品が盗まれた被害
・ブランドバッグやアクセサリーが盗まれた被害
・衣類や寝具が盗まれた被害
・自宅に保管していたタブレット端末が盗まれた被害
・駐輪場に置いていた自転車が盗まれた被害

ただし、補償の対象となるものや補償額には一定の条件や制限があります。以下で具体的な補償内容について説明します。

自転車やバイクは補償の対象外

自動車やバイクの盗難については、火災保険での補償対象外です。これらの車両は火災保険の適用範囲に含まれないため、車両の盗難に備えるには別途、自動車保険やバイク保険に加入し、車両保険を付帯する必要があります。

ただし、125cc以下の原動機付自転車については、マンションの駐車場や駐輪場など、保険の対象となる建物内に保管されていた場合に限り、補償の対象となることがあります

現金盗難の補償も可能

火災保険の「盗難補償」に家財が含まれている場合、現金の盗難被害も補償されます。現金・切手・印紙については上限20万円まで補償が受けられます

また、通帳やキャッシュカード、預貯金証書が盗まれた場合は、200万円または家財の保険金額のいずれか低い方が補償上限となります。ただし、補償内容は保険会社によって異なるため、契約時に必ず確認しましょう。

宝飾品・美術品の補償は事前確認が必要

高額な美術品や宝飾品については、1個または1組の価格が30万円を超える場合、契約時に保険会社へ申告が必要です。申告をしていないと、盗難被害に遭っても補償の対象外となる可能性があります。

大切な品物は、購入時の領収書や写真を保管しておくことをおすすめします。また、契約時には補償限度額や申告の必要性について、保険会社に確認することが重要です。

こうした事前準備を行うことで、万が一盗難被害に遭った際も、スムーズに保険金を請求できます。

空き巣や盗難の被害に遭ってしまったら?

空き巣や盗難の被害に遭ってしまったら?

万が一盗難被害に遭った場合でも、適切な対応手順を踏むことで、スムーズに保険金を請求できます。以下では、被害発生から保険金受け取りまでの具体的な流れを解説します。

警察にすぐに通報する

盗難を発見したら、まず警察に連絡することが最優先です。被害状況を確認し、何が盗まれたのか、窓やドアなどの破損状況などを詳しく報告しましょう。

また、クレジットカードや通帳、キャッシュカードが盗まれていた場合は、不正利用を防ぐため各金融機関に速やかに連絡し利用停止の手続きを行う必要があります。

盗難届を提出する

最寄りの交番または警察署で盗難届を提出します。提出時には印鑑と身分証明書が必要です。盗難届が受理されると、受理番号が発行されます。この受理番号は、保険金請求の際に必要となる重要な情報のため、大切に保管しておきましょう。

被害にあった家財を確認してまとめる

盗難被害に遭った家財の一覧を作成しましょう。これは、保険金請求の際の手続きをスムーズにするだけでなく、請求漏れを防ぐためにも重要です。家財一覧には「盗まれたもの」「損壊したもの」を明確に記入しておくと、後の保険請求がスムーズに進みます。

加入している保険会社に連絡する

保険会社や代理店に連絡し、保険金請求の手続きを開始します。電話やWebでの受付が可能ですが、被害状況の記憶が薄れないうちに、できるだけ早めに連絡することが大切です。

ただし、焦って連絡すると申告漏れの原因になる可能性があるため、落ち着いて対応しましょう。

現場確認調査が実施される

保険会社による現場確認調査が行われます。この際、盗難被害に遭った物品の収納場所や被害状況について、具体的に説明する必要があります。

日頃から大切な物の写真を撮影しておく、高額な物はリスト化しておくなどの対策をしておくと、この段階での説明がスムーズになります。

必要書類を揃える

保険金請求には、保険金請求書や事故内容を説明する書類が必要です。また、窓ガラスやドアなどが破損した場合は修理の見積書、盗まれた物品の価値を証明するための保証書や領収書、写真なども求められます。特に高額な物品については、購入時の証明書類があると、請求がスムーズに進みます。

保険金を受け取る

保険金は通常、必要書類が不備なく保険会社に届いてから30日以内に支払われます。ただし、被害状況の確認に時間がかかる場合や、提出書類に不備がある場合は、支払いが遅れることもあります。また、免責額(自己負担額)が設定されている場合は、その分が差し引がれた金額が支払われます。

万が一の盗難被害に備えた保険の見直しを!

火災保険に盗難補償を付帯することで、空き巣による建物の損壊や家財の被害に備えられます。全国では1日あたり約47件もの住宅侵入盗被害が発生しており、決して他人事ではありません。

補償を受けるためには事前の備えが不可欠です。特に高額な美術品や宝飾品は、契約時に申告が必要となります。また、盗難被害に遭った際の適切な対応手順を把握しておくことも重要です。

自身の生活スタイルや所有する財産を考慮し、必要な補償内容を確認した上で、適切な火災保険に加入することをおすすめします。

オリコン顧客満足度ランキングでは、火災保険の加入者へのアンケート調査をもとに算出した「火災保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。火災保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

\ 9,016人が選んだ /
火災保険ランキングを見る