火災保険の見直しって必要なの?乗り換えのタイミングと注意点を徹底解説!
火災保険の補償内容や保険料を定期的に見直せば、現在のライフスタイルや住宅環境に合った最適なプランを選択できるでしょう。
この記事では、火災保険を見直す必要性やタイミング、注意点について解説します。さらに、見直しをしないほうがよい場合にも触れながら、乗り換え時に知っておくべきポイントも紹介します。
火災保険の見直しを検討している方はもちろん、「今の契約が適切か不安」という方も、ぜひ参考にしてください。
目次
火災保険をおさらい
そもそも火災保険とは
火災以外にも、落雷や風災、水災、雪災などの自然災害による損害も補償の対象となります。また、個人賠償責任保険などの特約を組み合わせれば、より手厚い補償が得られるでしょう。
加入時には補償の対象を以下から選択します。
・家財
・建物と家財の両方
火災保険の見直しが必要な理由
・結婚
・子どもの誕生
・就職
・転勤
・一人暮らし
・両親との同居
・住宅の増築
・子どもの独立
たとえば、住宅を増築した場合は建物面積が増えるため、増築した分の保険金額を増額する必要があります。逆に、子どもの独立などで同居する家族の人数が減った時は、家財が減る分、保険金額を減額できるでしょう。
火災保険は見直しができるの?
賃貸物件の場合、不動産会社から提案される火災保険のプランに必ず加入しなければならないわけではありません。
ただし、「借家人賠償責任保険」などの特約の付加が必須条件となっているケースが多いため、別のプランを検討する際は事前に確認が必要です。
住宅ローンを組んでいると、金融機関が火災保険に質権を設定している場合があります。質権が設定されている場合、勝手に火災保険の解約はできず、金融機関の同意が必要となりますので注意してください。
火災保険を見直したら、払った保険料はどうなるの?
たとえば、5年契約で一括払いした火災保険を3年経過時点で解約した場合、残りの2年分に相当する保険料が返還されます。ただし、返戻金の額は保険会社が定める解約返戻率に基づいて計算されるため、単純な日割り計算とはならない点に注意が必要です。
なお、賃貸物件から引っ越す場合は、賃貸借契約の解約だけでは火災保険は自動的に解約されません。必ず保険会社に連絡して解約手続きを行い、未経過期間分の保険料を受け取るようにしましょう。
火災保険を見直すタイミング
・火災保険を更新するとき
・住宅を住み替えるとき
・住宅をリフォームしたとき
・家族構成が変化したとき
・退職したとき
・補償内容に不安を感じたとき
・火災保険料が改定される前
それぞれのタイミングにおける見直しのポイントを解説します。
火災保険を更新するとき
火災保険の満期が近づくと、保険会社や保険代理店から更新の案内が届きます。更新の案内には、現在加入している火災保険の補償内容等が記載されているため、見直しの絶好の機会となるでしょう。
保険商品は時代とともに進化しており、契約当時には存在しなかった新しい補償やプラン、割引制度が登場している場合も少なくありません。また、同じような補償内容でも、保険会社によって保険料が異なる場合もあります。
更新時期に見直しを行えば、更新手続きとプランの見直しを同時に行えるため、効率的です。現在の契約内容が今の生活環境に適しているか、他社の保険商品と比較して保険料は適正か、しっかりと確認してみましょう。
次の更新までは長期間あるため慎重な検討が大切です。
住宅を住み替えるとき
賃貸から持ち家、または持ち家から賃貸へ引っ越す場合、現在の火災保険契約の引き継ぎができません。新しい物件用の火災保険に加入し直す必要があります。
一方、賃貸から賃貸、または持ち家から持ち家へ引っ越す場合は、保険会社に連絡して手続きを行えば、現在の契約の引き継ぎが可能です。
ただし、現在より保険料が高くなったり、保険料の追加払込みが必要になったりする可能性もあります。ほかの保険商品との比較検討も行った上で、引き継ぎの判断をするとよいでしょう。
住宅をリフォームしたとき
具体的には、面積が増えた分の保険金額増額や、建物の構造が変わったための保険料変更などです。
増築・改築・リフォームを行った際は、必ず保険会社に連絡をして、補償内容や保険料の再計算を依頼しましょう。建物評価額や建物構造は、火災保険の保険料に影響する重要な要素です。
保険会社への通知を怠ると、万が一の際に増築部分への保険金が支払われなかったり、契約が解除されたりするリスクがあります。
家族構成が変化したとき
逆に、子どもの独立や配偶者の転勤などで同居家族が減れば、家財も減少する場合が多いでしょう。
家財の保険金額は、家族構成に合わせた適切な金額設定が大切です。たとえば、4人家族を想定して設定した家財の補償額のまま夫婦2人暮らしになったら、保険金額が過剰となり必要以上の保険料を支払っているかもしれません。
過剰な支払いを避けるためにも、家族構成が変化した際はまず保険会社に相談するようにしましょう。
退職したとき
しかし、火災保険を解約してしまうのは賢明な選択とはいえません。収入が限られている状況だからこそ、災害等で住まいを失った時の経済的負担は大きくなるためです。
保険料を抑えたい場合は、まず補償内容の見直しを検討しましょう。現在の契約内容を確認し、不要な特約を見直したり、他社の保険商品と比較したりすれば、保険料を節約できるかもしれません。
補償内容に不安を感じたとき
まずは国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で、お住まいの地域の災害リスクを確認するのがおすすめです。ハザードマップは最新の情報をもとに更新されるため、契約時と比べて災害リスクが変化しているかもしれません。
火災保険料が改定される前
改定前に長期契約を結べば、改定後の値上がりの影響を受けずに済むかもしれません。ただし、契約期間は最長で5年となっています。今後さらなる値上げが予想される中、保険料改定前の見直しは保険料を抑える有効な手段となるでしょう。
火災保険を見直すときに気をつけたいポイント
・補償範囲を確認する
・「時価」ではなく「新価」で契約する
・補償の空白期間を作らないように乗り換える
・地震保険も同時に検討する
・質権設定されているときは勝手に変更できない
それぞれのポイントについて解説します。
補償範囲を確認する
火災や落雷による損害はもちろん、風災や水災、雪災といった自然災害による被害も補償の対象で、近年では、補償内容を細かくカスタマイズできる商品も増えています。
自分の住まいの状況に合わせて必要な補償を選択すれば、保険料を適正な金額に抑えられるでしょう。たとえば、マンションの上階に住んでいる場合、水災の補償は不要かもしれません。
一方で、地域のハザードマップを確認して、水災のリスクが高いエリアに住んでいる場合は、水災補償を検討しましょう。
「時価」ではなく「新価」で契約する
「新価」とは、火災等で全焼・全壊した際に、同等の建物を新たに建て直したり、家財を新品で購入したりするのに必要な金額をいいます。一方「時価」は、新価から使用による消耗分を差し引いた金額です。
以前は時価での契約が一般的でしたが、最近は新価を基準に保険金を支払う火災保険が主流となっています。時価で契約していると、建物が古くなるほど保険金額が低くなってしまい、万が一の際に十分な補償が受けられないかもしれません。
新価であれば、経年による価値の減少を考慮せずに、同等の建物の再建築や家財の再購入が可能な保険金を受け取れるでしょう。
補償の空白期間を作らないように乗り換える
特に引っ越しの際は要注意です。引っ越し前の建物や家財を所有している間は、火災保険を継続しておきましょう。
たとえば、住宅の売却を予定している場合、引き渡し日までは火災保険を継続し、新居は契約上の引き渡し日から補償が開始するように手続きを進めるのがおすすめです。
地震保険も同時に検討する
地震保険は単独での加入ができず、必ず火災保険とセットでの契約が必要です。
日本は地震大国と呼ばれるほど地震が多く、世界で発生するマグニチュード6を超える地震の2割が日本周辺で発生しています。火災保険の見直しのタイミングで、地震保険の必要性についても検討してみることをおすすめします。
質権設定されているときは勝手に変更できない
たとえば、火災で建物が全焼した場合、通常は契約者に保険金が支払われますが、質権が設定されていると金融機関が優先的に保険金を受け取る権利を持ちます。これは、住宅ローンの返済を確実にするための措置です。
火災保険に質権が設定されている場合、契約者のみの判断で保険の解約や、契約内容の変更はできません。必ず質権者である金融機関の同意を得る必要がありますので、見直しを検討する際は事前に金融機関に相談しましょう。
火災保険の見直しをしないほうがいいこともある?
現在加入している火災保険の保険期間が5年以上残っている場合は、見直しを慎重に検討した方がよいでしょう。
火災保険は近年、自然災害の急増を背景に、改定のたびに保険料が値上がりする傾向にあります。今の契約を解約して新しい火災保険に加入すると、乗り換え時点での保険料率が適用されるため、保険料が高くなるかもしれません。
また、かつては最長で36年までの長期契約が可能でしたが、2022年10月以降は最長でも5年までしか契約できなくなりました。つまり、今後は5年ごとに更新や見直しの手続きが必要となり、その都度、改定による保険料の値上げの影響を受ける形になります。
このように、火災保険の見直しにはデメリットもあります。ライフスタイルや住まいの状況に変化がない場合は、現在の契約を継続するほうが賢明かもしれません。
火災保険の見直しを定期的にすることで最適な補償を確保
また、保険料の改定や新しい商品の登場により、よりよい条件で加入できる場合もあるでしょう。ただし、長期契約中の火災保険は慎重な判断が必要です。定期的に補償内容を確認し、必要に応じて見直して、適切な保障を維持しましょう。
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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。