火災保険と地震保険の違いをチェック!火災保険を選ぶ際のポイントも

火災保険と地震保険の違いをチェック!火災保険を選ぶ際のポイントも

火災や地震などの自然災害から大切な住まいを守るために、火災保険と地震保険への加入は欠かせません。しかし、補償内容や保険金、保険料などに違いがあるため、どの保険を選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、火災保険と地震保険の基本的な違いをわかりやすく解説し、それぞれの特徴や補償内容のポイントを紹介します。また、火災保険を選ぶ際に押さえておきたいポイントについても解説します。

適切な保険を選び、万が一の災害にしっかり備えるための参考にしてください。

mokuji目次

  1. 火災保険と地震保険の違いって?
    1. 補償内容の違い
    2. 保険金の違い
    3. 保険料の違い
    4. 所得控除されるかどうかの違い
  2. 地震保険は火災保険とセットで契約する必要がある
  3. 火災保険を選ぶ際のポイントを確認
    1. 対象を決める
    2. 建物の構造級別をチェックする
    3. 補償範囲を決める
    4. 契約期間を決める
    5. 地震保険を契約するか考える
  4. 火災保険と地震保険の違いをチェックして万が一に備えよう

火災保険と地震保険の違いって?

火災保険と地震保険の違いって?

火災保険と地震保険は、それぞれ補償内容が大きく異なります。また、保険金の支払われ方や保険料の決まり方、税制上の取り扱いなど、多くの点で違いがあります。これらの違いを理解することが、適切な保険を選ぶための重要な鍵となります。

以下では、それぞれの保険の違いを詳しく説明します。

補償内容の違い

火災保険は、その名前から火災のみを保障するものと思われがちですが、実際には自然災害や日常生活で発生するさまざまな損害も補償対象となります。

ただし、地震や噴火、これらによる津波を原因とする損害は補償されません。これらの災害に備えるには、別途地震保険への加入が必要です。

火災保険で補償される主な損害は以下の通りです。

種類

内容

火災・破裂・爆発、落雷

失火・延焼・ボヤなどの火災、ガス漏れなどによる破損・爆発の損害、落雷による損害を補償

風災・雹災・雪災

台風等の強風による損害、雹や霰による損害、豪雪の際の雪の重み、雪の落下などによる事故または雪崩により生じた損害を補償

水災

台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどにより生じた損害を補償

水濡れ

給排水設備の故障や他人の戸室で生じた事故による水濡れ損害を補償

物体の落下・飛来・衝突

車の飛び込みや飛び石など建物外部から物体が落下・飛来・衝突したことにより生じた損害を補償

盗難

家財の盗難や盗難に伴う鍵や窓ガラス等の建物の損害を補償

騒擾・集団行動等に伴う暴力行為

集団行動などに伴う暴力行為・破壊行為による損害を補償

破損・汚損など

子どもが室内でボールを投げ、窓ガラスが破損してしまった等、突発的な事故によって生じた建物や家財の損害を補償

地震保険は、火災保険では補償されない地震・噴火・津波による損害を補償します。地震保険で補償される主な損害は以下の通りです。

種類

内容

地震による倒壊・損傷

地震の揺れによって建物が倒壊・破損した場合の損害を補償

地震による火災

地震が原因で発生した火災による建物・家財の損害を補償(火災保険では補償されない)

地震による地盤沈下・傾斜

地震による地盤沈下や地割れで建物が傾いたり、損傷を受けた場合の損害を補償

津波による流失・浸水

地震が原因で発生した津波により建物が流されたり、浸水した場合の損害を補償

噴火による損害

火山の噴火により、噴石の落下や溶岩流による建物・家財の損害を補償

地震・噴火による土砂災害

地震や噴火による土砂崩れで建物が埋没・破損した場合の損害を補償

保険金の違い

火災保険と地震保険では、保険金の支払われ方が大きく異なります。具体的な保険金支払い件数と金額の推移は以下の通りです。
事故の種別 2020年度 2021年度 2022年度
火災、破裂・爆発 7,762件/358億円 7,816件/369億円 7,963件/381億円
落雷 36,947件/124億円 37,027件/122億円 43,515件/144億円
風災・雹災 196,418件/944億円 116,448件/475億円 218,640件/1,086億円
雪災 78,748件/457億円 87,062件/550億円 97,180件/592億円
水災 4,444件/251億円 2,555件/123億円 4,797件/205億円
水濡れ 57,693件/392億円 54,298件/365億円 57,066件/388億円
一方、地震保険では建物と家財それぞれについて、損害の程度に応じて以下のように保険金が支払われます。
【建物】
損害基準 保険金額
全損 主要構造部の損害額が建物の時価50%以上、または焼失もしくは流出した床面積が延床面積の70%以上の場合 保険金額の100%
大半損 主要構造部の損害額が建物の時価の40%以上50%未満、または焼失もしくは流出した床面積が延床面積の50%以上70%未満の場合 保険金額の60%
小半損 主要構造部の損害額が建物の時価の20%以上40%未満、または焼失もしくは流出した床面積が延床面積の20%以上50%未満の場合 保険金額の30%
一部損 主要構造部の損害額が建物の時価の3%以上20%未満、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水を受けた場合 保険金額の5%
【家財】
損害基準 保険金額
全損 損害額が家財全体の時価の80%以上の場合 保険金額の100%
大半損 損害額が家財全体の時価の60%以上80%未満の場合 保険金額の60%
小半損 損害額が家財全体の時価の30%以上60%未満の場合 保険金額の30%
一部損 損害額が家財全体の時価の10%以上30%未満の場合 保険金額の5%
火災保険と地震保険は保険金の支払い方に大きな違いがあります。

火災保険は、実際の被害状況に応じて保険金が支払われるのが特徴です。例えば築10年の木造住宅が火災で全焼した場合、減価償却後の実際の建物価値である1,600万円が支払われます。

また、火災による部分的な損傷であれば、補修に必要な実費が保険金として支給され、200万円の修理費用がかかれば、その金額がそのまま支払われるのです。

一方、地震保険は被害の程度を4段階に分類し、定められた割合で保険金が支払われます。そのため被害額の全額が補償されるわけではありません。これは、大規模な地震が発生した際に膨大な保険金請求が集中しても、迅速に支払いを行うための仕組みです。

具体的には、最も深刻な『全損』の場合は保険金額の100%、『大半損』では60%、『小半損』で30%、『一部損』のケースでは5%が支払われます。

建物の損害割合が50%以上で全損、40%以上50%未満で大半損というように、明確な基準が設けられています。

保険料の違い

火災保険の保険料は、建物の構造や所在地、専有面積、選択した補償内容など、さまざまな要素によって決定されます。各保険会社が独自に保険料を設定できるため、同じような補償内容でも会社によって保険料が異なることがあります

一方、地震保険の保険料は全保険会社で統一されており、建物の構造と所在地によって決まります。例えば、同じイ構造(鉄筋コンクリート造)の建物でも、地域によって保険料は大きく異なります。
都道府県 構造の区分
イ構造(鉄筋やコンクリート造) ロ構造(木造)
北海道・青森県・岩手県・秋田県・山形県・栃木県・群馬県・新潟県・富山県・石川県・福井県・長野県・岐阜県・滋賀県・京都府・兵庫県・奈良県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・鹿児島県 7,300円 11,200円
宮城県・福島県・山梨県・愛媛県・三重県・大阪府・和歌山県・香川県・愛媛県・宮崎県・沖縄県 11,600円 19,500円
茨城県・徳島県・高知県 23,000円 41,100円
埼玉県 26,500円
千葉県・東京都・神奈川県・静岡県 27,500円
地震保険には保険期間による保険料の違いもあります。長期契約の場合、以下のような係数で保険料が計算されます。
2年契約:1.90 / 3年契約:2.85 / 4年契約:3.75 / 5年契約:4.70
また 、建物の免震・耐震性能に応じて保険料の割引制度があり、最大で50%の割引を受けられる場合もあります。

所得控除されるかどうかの違い

火災保険料は所得控除の対象外ですが、地震保険料は所得控除の対象です。地震保険料控除として、以下の金額が所得から控除されます。
年間で支払った保険料 控除額
所得税 5万円以下 支払金額の全額
5万円超 一律5万円
住民税 5万円以下 支払金額×1/2
5万円超 一律2万5,000円
これらの控除は、勤務先での年末調整または確定申告で受けられます

このように火災保険と地震保険には大きな違いがありますが、それぞれの特徴を理解し、自身の住まいのリスクに応じて適切な保険を選択することが大切です。

地震保険は火災保険とセットで契約する必要がある

地震保険は火災保険とセットで契約する必要がある

地震保険を検討する際に最も重要なポイントは、単独で契約できないことです。地震保険に加入するには、必ず火災保険とセットで契約する必要があります

この仕組みの背景には、地震保険が政府と民間の保険会社による共同運営で成り立っているという特徴があります。大地震が発生すると、被害は広範囲に及び、保険金の支払いも莫大になるため、民間の保険会社だけでは対応が困難です。

そこで政府が再保険という形で関与し、巨大地震発生時の保険金支払いを分担する仕組みが整えられています。この制度により、地震発生後も迅速な保険金支払いが可能となり、多くの人が早期に生活再建できるようになっています

なお、すでに火災保険に加入している方でも地震保険を後から追加できるので、地震保険の付帯を忘れていた場合でも安心です。火災保険の契約期間中は、いつでも必要に応じて見直しが可能です。

自然災害の多い日本では、火災保険と地震保険をセットで備えることで、より安心できる補償体制を整えられます。

火災保険を選ぶ際のポイントを確認

火災保険を選ぶ際のポイントを確認

火災保険を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。「どの保険が自分に合っているのか」を見極めるために、以下の項目を順番に確認していきましょう。

対象を決める
建物の構造級別をチェックする
補償範囲を決める
契約期間を決める
地震保険を契約するか考える

以下では、各ポイントについて解説します。

対象を決める

火災保険を検討する際、最初のステップは補償対象を選ぶことです。火災保険の補償対象は大きく「建物」と「家財」の2つに分かれます。

建物には本体だけでなく、門や塀、物置、車庫などの付属建物も含まれ、家財では家具や電化製品、衣服など、建物内にある動産が対象です。

どちらを補償の対象にするかによって保険の内容が大きく変わるため、自宅の状況を見ながら適切に選びましょう。

建物の構造級別をチェックする

住宅の構造によって保険料は大きく異なります。構造級別は主にM構造(マンション等のコンクリート造)T構造(鉄骨造の戸建てなど)H構造(木造建物など)の3種類の分類です。M構造が最も保険料が安く、H構造が最も高くなります。自宅の構造がどの区分に該当するかを、建物の設計書や仕様書を確認しておきましょう。

補償範囲を決める

火災保険には、すべての契約に含まれる基本補償と、必要に応じて選択できる任意補償があります。

自然災害の発生リスクや住まいの環境に応じて、必要な補償を検討することが大切です。例えば、台風や豪雨の被害が多い地域では「水災補償」を検討すると安心です。

各自治体で発表しているハザードマップや過去の災害なども参考に、自分の住まいに必要な補償を選びましょう。

契約期間を決める

契約期間は1年から5年の間で自由に選べます。一般的に長期の契約ほど保険料が割引されるため、長く住む予定がある場合は長期契約がお得です。契約期間の途中で解約した場合でも、未経過期間分の保険料は返還されます。

地震保険を契約するか考える

火災保険では地震による損害は補償されません。地震や噴火、そしてそれに伴う津波で発生した火災や建物の損壊などの被害に備えるには、地震保険への加入が必要です。火災保険に加入する際は、地震保険の契約もあわせて検討することをおすすめします。

火災保険と地震保険の違いをチェックして万が一に備えよう

火災保険と地震保険は、それぞれ異なる補償範囲を持つ保険です。火災保険は火災や自然災害による損害を幅広く補償できますが、地震による被害は対象外です。

一方、地震保険は火災保険単独では補償されない地震・噴火・津波による損害をカバーします。ただし、地震保険は火災保険とセットで加入する必要があるため、単独では契約できません。

日本は世界有数の地震多発国であり、過去にも大地震による甚大な被害が発生しています。災害に備えるためにも、火災保険と地震保険の違いをしっかり理解し、自宅のリスクに合った保険を選びましょう。

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