空き家でも火災保険は必要?加入条件や選び方、保険料を抑えるコツ

空き家でも火災保険は必要?加入条件や選び方、保険料を抑えるコツ

空き家にも火災保険が必要なのでしょうか?住んでいない家に保険をかける必要はないと思うかもしれません。しかし、空き家特有のリスクや放置によるトラブルを考えると、火災保険の重要性はむしろ高いといえます。

放火による火事や自然災害で受ける被害、老朽化による家の倒壊など、空き家を取り巻くリスクは多岐にわたります。

この記事では、空き家に火災保険をかけるメリットや適した保険の選び方、保険料を抑える方法について詳しく解説します。空き家の管理や防災対策に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
金子 賢司

監修者金子 賢司

東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。

mokuji目次

  1. 空き家に火災保険は必要!放置で高まるリスクとは
    1. 放火や自然災害(台風・地震)のリスクが高い
    2. 近隣トラブルや賠償責任への備えが必要
    3. 解体費用の負担を軽減できるメリット
  2. 空き家でも火災保険に加入できる?条件と種類
    1. 「住宅物件」として加入できるケース(別荘など)
    2. 「一般物件」扱いになるケース(完全な空き家)
    3. 加入できないケースと「空き家専用保険」などの選択肢
  3. 空き家の火災保険料の相場と安く抑える方法
    1. 一般物件は住宅物件よりも保険料が高い傾向
    2. 補償範囲(水災・盗難など)を見直して保険料を節約
    3. 長期契約(5年など)の一括払いで割引を活用
  4. 空き家に火災保険をかける際のよくある質問
    1. 築年数が古い空き家でも加入できる?
    2. 解体予定の空き家でも保険に加入するべき?
    3. 親の住んでいた空き家を相続した場合の注意点は?
    4. 地震保険は空き家でも加入できる?
  5. 空き家の火災保険でリスクに備え、安心の管理を

空き家に火災保険は必要!放置で高まるリスクとは

空き家に火災保険は必要!放置で高まるリスクとは

空き家であっても、火災保険への加入は欠かせません。誰も住んでいないからこそ、火災のリスクが一般の住宅よりも高まることがあります。

例えば火災が発生した場合、建物の解体費用や焼け残った家財の処分費用などで、数十万円から数百万円規模の出費が必要になることもあります

また、空き家の所有者は自然災害や不可抗力による火災で近隣に被害を与えた場合、通常は賠償責任を問われません。しかし、適切な管理を怠り建物の老朽化が進んだ結果、倒壊などの事故が発生すると、管理責任者として損害賠償を求められる可能性があります。

火災保険に加入していれば、こうした予期せぬ出費に備えることができます。保険金で解体費用や家財の処分費用、見舞金などをカバーできる可能性があるため、空き家の所有者にとって大きな安心材料となるでしょう。

放火や自然災害(台風・地震)のリスクが高い

空き家は人の出入りがないため、放火の標的になりやすいだけでなく、出火しても発見が遅れやすい傾向があります。

住人のいる住宅であれば煙や異臭にすぐ気づいて消防に通報できますが、空き家では近隣住民が異変に気づくまで時間がかかることも珍しくありません。発見の遅れは消火活動の困難化や、近隣への延焼リスク拡大にもつながるでしょう。

また、台風や豪雨による被害も想定されます。管理が行き届かず老朽化が進んだ空き家では、強風による屋根・外壁の損壊や、浸水被害が発生しやすくなります。

さらに、地震による倒壊リスクにも注意が必要です。老朽化した空き家は耐震性能が低下しているケースが多く、地震の揺れで建物が損壊し、隣家や通行人に被害を与えるおそれがあります。

地震を原因とする火災や損害は通常の火災保険では補償されないため、地震保険への加入も検討しておくとよいでしょう。ただし、空き家が「一般物件」扱いの場合は地震保険に加入できない点に注意しなければなりません。

詳しくは後述の「地震保険は空き家でも加入できる?」で確認してみてください。

近隣トラブルや賠償責任への備えが必要

空き家の管理を怠ったことが原因で近隣に被害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を負う可能性があります。

失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)では、火災を起こしても重大な過失がなければ損害賠償責任を負わないと定められています。

一方で、建物の管理に欠陥(瑕疵)があり、それが原因で他人に損害を与えた場合には、民法717条(土地工作物責任)により、所有者が過失の有無にかかわらず賠償責任を問われることがあります。空き家は管理が行き届きにくいため、こうした責任が生じるリスクが高いといえるでしょう。

例えば、老朽化した外壁が崩れて隣家を損傷させたり、放置されたゴミに放火され近隣に延焼したりしたケースでは、管理不全を理由に責任を追及される可能性が考えられます。

被害の程度によっては高額な損害賠償を請求される可能性もあり、空き家の所有者にとって経済的リスクとなりかねません。

こうした賠償リスクに備える手段として、火災保険の特約を活用する方法があります。「類焼損害補償特約」を付帯すれば、自身の空き家から出火して近隣に延焼した場合の損害を補償できます。

また「失火見舞費用補償特約」では、法律上の賠償責任が発生しない場合でも、近隣への見舞金として保険金を受け取ることが可能です。

解体費用の負担を軽減できるメリット

空き家で火災が発生した場合、焼け残った建物の解体や撤去が負担になるケースもあるでしょう。

火災保険に加入していれば、こうした費用を保険金でカバーできる可能性があります。「残存物取片づけ費用保険金」が付帯されていれば、焼け残った建材の撤去・処分にかかった実費が、損害保険金とは別に支払われます。

「空き家に火災保険は必要なのか」と迷っている方も、解体費用の負担軽減という観点から加入を検討するとよいでしょう。

空き家でも火災保険に加入できる?条件と種類

空き家でも火災保険に加入できる?条件と種類

空き家であっても、条件を満たせば火災保険に加入することは可能です。ただし、空き家の使用状況や管理状態によって、加入できる保険の種類や保険料が変わります。
空き家の火災保険を検討する際には、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

・自身の空き家が「住宅物件」「一般物件」のどちらに分類されるか
加入条件を満たしているかどうか
・加入できない場合の代替手段はあるか

以下では、それぞれのケースについて詳しく解説します

「住宅物件」として加入できるケース(別荘など)

空き家であっても、一定の条件を満たしていれば通常の住宅と同じ「住宅物件」として火災保険に加入できます。住宅物件に分類されると保険料が抑えられるため、該当するかどうかの確認が重要です。

住宅物件として認められる空き家の代表例は、別荘のように季節的に住居として使用しているケースが挙げられます。年末年始やお盆などに定期的に利用しており、家財が常時備えられていれば、住宅物件として扱われる可能性があります。

また、転勤などの事情で一時的に空き家になっている場合も、将来的に居住の予定があるのであれば住宅物件として認められることがあります。ただし、保険会社によって判断基準は異なるため、事前に確認が必要です。

住宅物件に分類された場合は、後述する地震保険にも加入できるメリットがあります。

「一般物件」扱いになるケース(完全な空き家)

居住実態がなく、家財も置かれていない空き家は「一般物件」として扱われます。一般物件とは、店舗や事務所と同じ分類で、住宅物件よりも加入条件や保険料の面で不利になりやすい点に注意が必要です。

一般物件に該当するのは、相続で取得したものの住む予定がない実家や、長期間放置されている空き家などが挙げられます。こうした物件は個人用火災総合保険には加入できないのが一般的ですが、保険会社によっては『一般物件』として火災保険に加入できる場合があります。

一般物件として加入する場合、人の管理が行き届かない分リスクが高いと判断されるため、保険料は住宅物件よりも割高に設定される傾向があります。また、プランによっては水災や盗難が対象外となることもあるため、契約前に補償内容を十分に確認しましょう。

加入できないケースと「空き家専用保険」などの選択肢

老朽化が進んでいる空き家は、一般物件としても火災保険への加入を断られることがあります。これは、保険会社が引き受けられるリスクの範囲を超えていると判断されるためです。

また、県民共済やこくみん共済coop(全労済)などの共済系の火災共済は、原則として居住用の住宅を対象としているため、空き家での加入はできません。

このような場合でも、近年は空き家所有者向けの選択肢が広がりつつあり、空き家の管理サービスと連動した専用保険など、従来の火災保険とは異なる形で補償を受けられる商品も登場しています。

加入条件は商品ごとに異なるため、複数の選択肢を比較したうえで検討しましょう。

空き家の火災保険料の相場と安く抑える方法

空き家の火災保険料の相場と安く抑える方法

火災保険は空き家にとって重要な備えですが、一般物件として加入すると保険料が高額になりがちです。しかし、契約方法や補償内容を工夫することで、保険料を適切に抑えることができます。

以下では、具体的な保険料の節約方法をご紹介します。

一般物件は住宅物件よりも保険料が高い傾向

空き家が「一般物件」として分類された場合、保険料は住宅物件と比べて割高になります。一般物件の保険料は住宅物件の2倍に及ぶケースもあります。

空き家は人の管理が行き届きにくく、火災の発見が遅れることで被害が拡大しやすいため、保険会社はリスクが高い物件と判断する傾向にあります。その結果、同じ建物であっても住宅物件より高い保険料が設定されるのです。

ただし、実際の保険料は建物の構造(木造・鉄骨造など)、所在地、建物の評価額、補償内容によって変わります。同じ空き家であっても、保険会社ごとに見積もり金額が異なるケースは珍しくありません。

「保険料がいくらになるか」は個別の条件で変動するため、複数の保険会社から見積もりを取って比較することをおすすめします。

補償範囲(水災・盗難など)を見直して保険料を節約

空き家の火災保険料を抑えるには、補償範囲の見直しが有効です。まず、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や自治体のホームページで、空き家がある地域の水災リスクを確認しましょう。

洪水や土砂災害のリスクが低い立地であれば、水災補償を外すことで保険料を抑えられる場合があります。ただし、保険料を安くしたいからといって、火災や風災など空き家に起こりやすいリスクへの補償まで外してしまうのは避けるべきです。

必要な補償は確保したうえで、立地や状況に合わせて不要な部分だけを外すようにしましょう。

また、空き家に家財を置いていなければ、家財補償を付けずに建物のみの補償にするのも選択肢の一つです。

長期契約(5年など)の一括払いで割引を活用

火災保険は、1年ごとに更新するよりも、長期で契約して保険料を一括払いするほうが、1年あたりの保険料を安く抑えられます。

現在、火災保険の契約期間は最長5年に設定されており、保険期間を長くするほど割引が適用される仕組みです。そのため、空き家を数年間所有する見通しがある場合は、5年契約の一括払いを選ぶことで保険料の総額を節約できるでしょう。

なお、空き家を途中で売却・解体することになった場合でも、保険期間の途中で解約が可能です。一括払いで支払った保険料のうち、未経過期間に応じた金額は解約返戻金として返還されるため、長期契約をしても途中でやめられないという心配はありません。

空き家に火災保険をかける際のよくある質問

空き家に火災保険をかける際のよくある質問

空き家の火災保険について、特に問い合わせの多い質問についてお答えします。

築年数が古い空き家でも加入できる?

築年数が古い空き家でも火災保険に加入できる可能性はありますが、加入条件が厳しくなる傾向にあります。さらに、管理が行き届いていないボロボロの廃屋状態の空き家は、火災保険への加入を断られる可能性が高くなります

火災保険に加入するためには、最低限の維持管理が必要です。

保険会社によって加入できる空き家の状態の基準は異なるため、複数の保険会社で見積もりを取ることをおすすめします。また、保険料は建物の状態によっても変動するため、適切な維持管理を行うことで、加入の選択肢を広げることが可能です。

解体予定の空き家でも保険に加入するべき?

解体予定の空き家であっても、火災保険への加入は必要といえるでしょう。自然災害や不可抗力による火災で近隣に被害を及ぼした場合、補償を受けることで近隣とのトラブルを防ぐことができるためです。

さらに、火災により燃え残った部分の処分には特別な費用がかかります。通常なら「木くず」として分別・再利用できる資材も、火災で消失すると「廃棄物」となり、処分費用が割高になるケースがあります。

火災保険に加入することで、こうした予期せぬ出費に備えることが可能です。

親の住んでいた空き家を相続した場合の注意点は?

親が住んでいた当時の火災保険をそのまま継続している場合は注意が必要です。空き家になったことを保険会社に通知せずに保険料を支払い続けても、火災が発生した際に保険金が支払われない可能性があります

相続時には必ず保険会社に連絡し、所有者や住所の変更を届け出る必要があります。また、今後住む予定がない場合は加入対象となる保険の種類が変わる可能性があるため、事前に確認し、必要に応じて保険の切り替えを検討しましょう。

地震保険は空き家でも加入できる?

空き家が「住宅物件」として認められている場合は、火災保険とセットで地震保険に加入できる可能性があります。一方、「一般物件」に分類された空き家は、原則として地震保険に加入することはできません。

地震保険は「地震保険に関する法律」に基づき、「居住の用に供する建物または生活用動産」を補償対象としている制度です。一般物件に分類された空き家は「居住の用に供する建物」に該当しないため、法律上、地震保険の対象外となります。

地震保険の補償額は火災保険の30%〜50%の範囲で設定され、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限です。また、地震保険は国と保険会社が共同で運営しており、どの保険会社で契約しても保険料や補償内容は同じとなっています。

なお、地震保険は単独では加入できず、火災保険とのセット契約が必須です。別荘として定期的に使用している空き家など、住宅物件の条件を満たしている場合は、火災保険の契約時に地震保険の付帯も検討しましょう。

空き家の火災保険でリスクに備え、安心の管理を

空き家は放火や自然災害、老朽化など、通常の住宅とは異なるリスクを抱えています。

そのため、適切な火災保険への加入が欠かせません。空き家の状態や使用状況によって保険料は変動しますが、必要な補償内容を見極めて保険プランを工夫することで、コストを適切に抑えることが可能です。

予期せぬ事態に備え、火災保険に加入して定期的な管理を行うことで、空き家の所有に関する不安を軽減できます。本記事を参考に、ご自身の空き家に最適な火災保険を選ぶ際の判断材料としていただければ幸いです。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
金子 賢司

監修者金子 賢司

東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
・CFP®資格(資格番号:90260739)
・日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事

ホームページ:https://fp-kane.com/

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