マンションの地震保険は必要?補償内容や相場・加入の判断基準

マンションの地震保険は必要?補償内容や相場・加入の判断基準

「マンションは地震に強いから地震保険はいらない」と考えていませんか。実際には、倒壊しなくても壁のひび割れや家財の破損は起こり得ます。しかし、こうした地震による損害は火災保険では補償されません。

この記事では、専有部分・共用部分の補償範囲や保険料の目安、割引制度、損害認定の仕組みなどをわかりやすく解説します。加入すべきか迷っている方は、判断基準としてお役立てください。
ファイナンシャルプランナー 金子賢司

監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司

東証一部上場企業で10年間勤務後、業務中の交通事故を機に福利厚生や社会保障に関心を持ち、学びを深める。

現在はファイナンシャルプランナーとして、個人・法人の相談対応やテレビ番組のコメンテーター、セミナー講師(年約100件)として活動。健康とお金を軸に豊かなライフスタイルを発信している。

mokuji目次

  1. マンションに地震保険は必要か?加入すべき理由と役割
    1. 賃貸と分譲(持ち家)で異なる必要性と加入対象
  2. マンションの地震保険の補償内容と適用範囲
    1. 「専有部分」と「共用部分」の違いと加入者
    2. 建物だけでなく「家財」への備えも重要
    3. 火災保険とセットでの契約が原則
  3. マンションの地震保険料の相場と割引制度
    1. 都道府県と建物の構造で決まる保険料の目安
    2. 耐震等級などが影響する4つの割引制度
    3. 地震保険料控除による税制メリット
  4. 損害認定の基準と支払われる保険金額
    1. 「全損」から「一部損」までの4つの区分
    2. 保険金額の上限と支払われる割合
    3. 共用部分の被害状況が専有部分に影響する
  5. マンションにおける地震保険への加入率
  6. マンションの地震保険に加入するメリット・デメリット
    1. 地震保険のメリット
    2. 地震保険のデメリット
  7. 地震保険が「いらない」ケースとは?加入の判断基準
    1. 居住エリアのハザードマップと地震リスク
    2. 建物の耐震性や免震構造の有無
    3. 住宅ローンの残債と資産状況
  8. マンションでも地震に備えて保険加入を検討しよう

マンションに地震保険は必要か?加入すべき理由と役割

マンションに地震保険は必要か?加入すべき理由と役割

マンションは耐震基準を満たした鉄筋コンクリート造で建てられていることが多く、戸建て住宅に比べて倒壊リスクは低い傾向にあります。

しかし、過去の大規模地震では、倒壊を免れたマンションでも壁や天井のひび割れ、室内の家具・家電の転倒や破損など、生活に支障をきたす被害が発生しています。

とくに高層階では、建物の構造上、地震の揺れが増幅されやすい傾向があり、家具や家電の転倒・破損リスクが高まることがあります。

また、耐震性能が高いマンションであっても、地震を原因とする火災や損壊は火災保険の補償対象外です。地震による損害に備えるためには、火災保険に加えて地震保険への加入を検討しましょう。

賃貸と分譲(持ち家)で異なる必要性と加入対象

分譲マンション(持ち家)を所有している場合は、専有部分の修繕費用や住宅ローンの返済に備える必要があるため、建物と家財の両方について地震保険への加入が望ましいでしょう。被災後も住宅ローンの返済は続くため、保険金を返済に充当できるメリットがあります。

一方、賃貸マンションに住んでいる場合は、建物に対する地震保険は大家(建物の所有者)が加入するため、入居者が加入する必要はありません。ただし、自分の家具や家電といった「家財」については入居者自身が保険で備えなければなりません

このように、所有者か入居者かによって、備えるべきリスクと加入すべき保険の対象が異なります。自分の立場に合った備えを検討しましょう。

マンションの地震保険の補償内容と適用範囲

マンションの地震保険の補償内容と適用範囲

マンションの地震保険は「専有部分」「共用部分」「家財」の3つに分類され、それぞれ加入者や適用範囲が異なります。

地震保険が補償の対象とするのは、地震・噴火・津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失による損害です。火災保険では地震を原因とする火災や延焼による被害は補償されないため、これらのリスクには地震保険で備える必要があります。

「専有部分」と「共用部分」の違いと加入者

マンションの地震保険は、「専有部分」と「共用部分」で加入者が異なります。

専有部分(室内の天井、床、壁、キッチンやトイレなどの設備)は区分所有者(個人)が個々に加入し、共用部分(エントランス、外壁、廊下、エレベーター、バルコニーなど)はマンション管理組合が一括して加入するのが一般的です。

区分

主な範囲・具体例

加入者(契約者)

専有部分

室内の天井、床、壁(内側)、キッチンやトイレなどの設備

区分所有者(個人)

共用部分

エントランス、外壁、廊下、エレベーター、バルコニー、玄関ドアの外側など

マンション管理組合

注意したいのは、バルコニーや玄関ドアの外側など、一見すると専有部分に見える場所も「共用部分」に含まれるケースがある点です。管理規約で確認しておくとよいでしょう。

また、共用部分の地震保険への加入は義務ではないため、管理組合が加入していない場合もあります。加入状況を管理組合に確認しておくことをおすすめします。

建物だけでなく「家財」への備えも重要

建物に目立った被害がなくても、地震の揺れによって家具や家電が転倒・破損するリスクはあります。とくに高層階では揺れが大きくなりやすいため、家財への保険加入も検討しておきたいところです。

家財の地震保険で補償される対象と対象外のものは以下のとおりです。

区分

具体例

補償の対象

・家具(タンス、ソファ、机など)
・家電製品(テレビ、冷蔵庫、パソコンなど)
・衣類、寝具
・食器、陶器置物など

補償の対象外

・通貨(現金)、有価証券(小切手、株券など)
・印紙、切手
・預貯金証書
・1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、美術品
・自動車
・業務に使用するもの

参考:財務省|地震保険制度の概要

なお、家財の損害認定は専有部分ごとの状況で判断されるため、個別の被害状況に応じた保険金が支払われます。

火災保険とセットでの契約が原則

地震保険は単独で契約することができず、火災保険とセットで加入する仕組みになっています。これは「地震保険に関する法律」に基づくもので、火災保険への加入が前提です。

すでに火災保険に加入している場合でも、契約期間の途中から地震保険を追加(中途付帯)できます。火災保険の契約内容を見直す際に、あわせて地震保険の付帯を検討すると手続きまでスムーズに進められます。

マンションの地震保険料の相場と割引制度

マンションの地震保険料の相場と割引制度

地震保険は「地震保険に関する法律」に基づき、政府と民間の保険会社が共同で運営しています。保険料には保険会社の利潤が含まれておらず、どの保険会社で加入しても保険料と補償内容は同じです。

保険料は主に「建物の所在地(都道府県)」と「建物の構造」によって決まります。マンションの多くが該当する鉄骨・コンクリート造(イ構造)は、木造(ロ構造)に比べて保険料が低く設定されています。

また、保険期間を最長5年の長期契約にして一括払いにすることで、1年ごとに更新するよりもトータルの保険料負担を抑えられる仕組みです。

都道府県と建物の構造で決まる保険料の目安

地震保険の基本料率は、建物の所在地(都道府県)と構造区分によって異なります。構造区分は、鉄骨・コンクリート造などの「イ構造」と、木造の「ロ構造」に分かれており、マンションは一般的に「イ構造」に該当します。
【地震保険の基本料率(保険金額1,000万円あたり、保険期間1年につき)】 単位:円

都道府県

イ構造

ロ構造

北海道

7,300

11,200

青森県

7,300

11,200

岩手県

7,300

11,200

宮城県

11,600

19,500

秋田県

7,300

11,200

山形県

7,300

11,200

福島県

11,600

19,500

茨城県

23,000

41,100

栃木県

7,300

11,200

群馬県

7,300

11,200

埼玉県

26,500

41,100

千葉県

27,500

41,100

東京都

27,500

41,100

神奈川県

27,500

41,100

新潟県

7,300

11,200

富山県

7,300

11,200

石川県

7,300

11,200

福井県

7,300

11,200

山梨県

11,600

19,500

長野県

7,300

11,200

岐阜県

7,300

11,200

静岡県

27,500

41,100

愛知県

11,600

19,500

三重県

11,600

19,500

滋賀県

7,300

11,200

京都府

7,300

11,200

大阪府

11,600

19,500

兵庫県

7,300

11,200

奈良県

7,300

11,200

和歌山県

11,600

19,500

鳥取県

7,300

11,200

島根県

7,300

11,200

岡山県

7,300

11,200

広島県

7,300

11,200

山口県

7,300

11,200

徳島県

23,000

41,100

香川県

11,600

19,500

愛媛県

11,600

19,500

高知県

23,000

41,100

福岡県

7,300

11,200

佐賀県

7,300

11,200

長崎県

7,300

11,200

熊本県

7,300

11,200

大分県

7,300

11,200

宮崎県

11,600

19,500

鹿児島県

7,300

11,200

沖縄県

11,600

19,500

参考:財務省|地震保険の基本料率(令和4年10月1日以降保険始期の地震保険契約)

たとえば、保険金額1,000万円あたり・保険期間1年の場合、イ構造の保険料は北海道で7,300円であるのに対し、東京都では27,500円と、地域によって差があります。これは地震リスクの違いを反映したものです。

建物の構造区分を比較すると、イ構造はロ構造よりも保険料が低く設定されているため、マンションは戸建ての木造住宅に比べて保険料を抑えられます

保険料の目安を確認したい場合は、日本損害保険協会が提供しているシミュレーションツールなどで概算を試算することも可能です。

耐震等級などが影響する4つの割引制度

地震保険には、建物の免震・耐震性能に応じた4種類の割引制度が設けられています。割引率は10%〜50%で、いずれかひとつを適用できます(複数の割引を重複して適用することはできません)。

割引制度

割引率

適用条件の概要

免震建築物割引

50%

「免震建築物」の基準に適合する建物であること

耐震等級割引

10%〜50%

耐震等級に応じて割引率が変動します。
・耐震等級3:50%
・耐震等級2:30%
・耐震等級1:10%

耐震診断割引

10%

耐震診断または改修の結果、改正建築基準法(1981年6月施行)の耐震基準を満たすことが確認された建物

建築年割引

10%

1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物であること

参考:財務省|地震保険制度の概要
割引の適用を受けるには、住宅性能評価書や耐震診断結果報告書など、所定の確認資料を保険会社に提出する必要があります。

たとえば、1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物であれば「建築年割引」の対象となり、10%の割引が受けられます。多くの築浅マンションがこの条件に該当するため、割引の適用可否を確認しておくとよいでしょう。

地震保険料控除による税制メリット

地震保険料を支払っている場合、「地震保険料控除」として所得税・住民税の控除が受けられます。控除額の上限は、所得税で最高5万円、住民税で最高2万5,000円です。

この控除を受けるには、年末調整または確定申告の際に、保険会社から届く「地震保険料控除証明書」を添付して申告する必要があります。

地震保険料控除を活用することで、実質的な保険料負担を軽減できるため、加入を検討する際にはこの税制メリットもあわせて考慮しておきましょう。
参考:一般社団法人 日本損害保険協会|B保険料と税金の関係

損害認定の基準と支払われる保険金額

損害認定の基準と支払われる保険金額

地震保険は、実際にかかった修理費がそのまま支払われるわけではなく、損害の程度に応じた「定額払い」の仕組みです。損害認定は、建物であれば主要構造部(土台、柱、壁、屋根など)の損害状況に基づいて行われ、家財であれば家財全体の損害割合に基づきます。

被災者の生活再建を速やかに支援するため、損害認定はパターン化された基準で迅速に行われる仕組みとなっています。

「全損」から「一部損」までの4つの区分

損害の程度は、2017年1月以降の契約から「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階で区分されています。建物と家財でそれぞれ認定基準が異なり、以下の表のとおりです。
【建物】

被害状況

基準

全損

地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の50%以上となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上となった場合

大半損

地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の40%以上50%未満となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の50%以上70%未満となった場合

小半損

地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の20%以上40%未満となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上50%未満となった場合

一部損

地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の3%以上20%未満となった場合、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmをこえる浸水を受け、建物の損害が全損・大半損・小半損・一部損に至らない場合

【家財】

被害状況

基準

全損

地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の80%以上となった場合

大半損

地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の60%以上80%未満となった場合

小半損

地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の30%以上60%未満となった場合

一部損

地震等により損害を受け、損害額が保険の対象である家財全体の時価額の10%以上30%未満となった場合

参考:財務省|地震保険制度の概要
各区分では、建物の場合は主要構造部の損害額(時価額に対する割合)や焼失・流失面積(延床面積に対する割合)が基準となり、家財の場合は家財全体の時価額に対する損害額の割合で判定されます。

損害が「一部損」の基準に満たない場合は、保険金は支払われない点に注意が必要です。

保険金額の上限と支払われる割合

地震保険の保険金は、損害認定の区分に応じて契約した保険金額の一定割合が支払われます。全損の場合は保険金額の100%(時価額が限度)、大半損は60%、小半損は30%、一部損は5%です。

地震保険の保険金額は、セットで加入する火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲で設定する仕組みとなっており、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限額となっています。

なお、支払われる保険金は建物や家財の時価額が限度です。契約金額が時価額を上回っている場合は、時価額を基準に保険金が算出されます。
参考:財務省|地震保険制度の概要

共用部分の被害状況が専有部分に影響する

マンションの場合、専有部分(室内)の損害認定は、原則として1棟の建物全体の損害状況によって判定されます。つまり、共用部分の損害認定が、そのまま専有部分にも適用されるという仕組みです。

たとえば、建物全体(共用部分)が「大半損」と認定された場合、専有部分の被害が軽微であっても「大半損」として扱われ、保険金が支払われるケースがあります。

反対に、専有部分の被害のほうが建物全体の認定よりも大きい場合には、専有部分について個別に損害認定を受けられます。加入先の保険会社に連絡し、個別に認定を依頼しましょう。

マンションにおける地震保険への加入率

マンションにおける地震保険への加入率

では、マンションにおける地震保険の加入率はどのくらいなのでしょうか?

令和7年5月23日に財務省が公表した「地震保険の加入促進について」の資料によれば、2023年度のマンション専有部分の地震保険加入率は74.4%、共用部分は52.0%となっています。

【マンション専有部・共用部における地震保険付帯率(持ち家)の推移(新規契約件数ベース)】
年度 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
専有部 71.9% 73.9% 73.0% 73.8% 74.2% 74.4% 74.9% 74.4% 74.4%
共用部 38.1% 40.1% 42.7% 44.8% 45.9% 46.4% 49.0% 51.3% 52.0%
〈出典〉「地震保険の加入促進について」 令和7年5月23日 財務省
専有部分の加入率が概ね増加傾向である理由は、マンションが主として鉄筋コンクリート造で耐火性の高い素材で建築されており、木造建築が多い戸建住宅に比べると保険料が安くなるからです。

一方で、共用部分の加入率ですが、年々増加しているものの全体の半分ほどで、専有部分に比べるとだいぶ低くなっています

万一のとき、生活再建をスムーズにするためには、マンションの玄関ホール、廊下、外壁など共有部分にも備えが必要です。共用部分の地震保険は、マンション管理組合が加入することになります。共用部分の地震保険に加入していれば、保険金を修繕費用に充当することができます。

特に、修繕積立金に余裕がないマンションで共用部分の地震保険に未加入の場合は、加入を検討するとよいかもしれません。ご自身が住んでいるマンションの共有部分は地震保険に加入しているのか、管理組合に確認してみることをおすすめします。

マンションの地震保険に加入するメリット・デメリット

マンションの地震保険に加入するメリット・デメリット

これまで地震保険の基礎知識、保険料の目安、マンションにおける加入率について見てきました。ここからは、地震保険に加入するメリット・デメリットについて説明します。

地震保険のメリット

まずは、地震保険のメリットについて3つ説明します。

メリット1:もしもの時も安心

地震は、いつ、どこで起こるかわかりませんし、もし地震が起きて被災してしまったら、あらゆるものが損害を被り、精神的にも経済的にも大きなダメージを受けます。

しかし、地震保険に加入していれば、保険金を現金で受け取ることができるため安心です。

例えば、マンションを購入するのに多くの人が住宅ローンを利用します。住宅ローンが残っている間に地震で建物が倒壊すると、地震前の住宅ローンと再建後の住宅ローンの二重の住宅ローンを抱えることになります。

しかし、地震保険の保険金を住宅ローンの返済に充当することで、経済的な負担を軽減することができます。

メリット2:災害時でも早く補償が受けられる

地震保険の保険金は、保険会社に請求すれば速やかに現金で支払われます。地震は、精神的にも経済的にも大きなダメージを受けますが、地震保険に加入していれば速やかに現金を準備することができるため、早期の生活再建に役立ちます

メリット3:修繕費用に充てたり、生活再建に使ったり自由に使える

地震保険から受け取る保険金は、被害を受けた建物などの修繕費用に必ず充てなければならないということはなく、自由に使うことができます

被災すると、修繕費用以外にもこれまでの生活を取り戻すためにいろいろとお金がかかりますが、保険金は現金で受け取ることができるため、自身の判断で使い道を決められます

地震保険のデメリット

続いて、地震保険のデメリットとして、以下の3つを解説します。

デメリット1:保険料が高く感じる

地震保険の保険料は、火災保険の保険料に比べると高い印象があります。確かにそのとおりで、火災は自ら予防できますが、地震は未然に防ぐことができません。

そして、地震に被災すると損害は甚大なものになります。そのため、地震保険の保険料は高めに設定されていると考えられます

デメリット2:地震保険単体では加入できない

前述しましたが、地震保険は単独で加入することができず、必ず火災保険とセットで加入します

なお、すでに火災保険に加入済であれば、保険期間の途中からでも地震保険に加入することは可能です。地震保険に加入するために、新たに火災保険に加入する必要はありません。

デメリット3:補償額では家の建て直しができるとは限らない

おさえておきたいポイントとして、地震保険の補償額では必ず家の建て直しができるとは限らない点です。地震保険では、火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲内で保険金額を決めることになっており、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度です。

そのため、保険金だけで家の建て直しができるとは限りません。なお、保険会社によっては、補償を上乗せできる特約を独自に扱っているところもあります。

また、以下のような理由で保険金が支払われない場合もあるため注意が必要です。
・故意もしくは重大な過失または法令違反による損害
・地震などの発生日の翌日から起算して10日経過後に生じた損害
・戦争、内乱などによる損害
・地震等の際の紛失・盗難の場合

地震保険が「いらない」ケースとは?加入の判断基準

地震保険が「いらない」ケースとは?加入の判断基準

地震保険の必要性は、住んでいるエリアや建物の構造、資産状況などによって異なります。一概に「必要」「不要」とは言い切れないため、ご自身の状況に照らして判断することが大切です。

ここでは、加入を検討するうえで確認しておきたい3つの判断基準を紹介します。

居住エリアのハザードマップと地震リスク

地震保険への加入を判断する際は、まず自分が住んでいる地域の地震リスクを確認しましょう。各自治体のハザードマップでは、地震による揺れやすさ、津波の浸水想定、液状化の危険度などを確認できます。

ハザードマップは、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で確認できます。

住所を入力するだけで、洪水・津波・土砂災害などのリスク情報を地図上に重ねて表示する「重ねるハザードマップ」と、各市区町村が公開しているハザードマップを検索できる「わがまちハザードマップ」が利用可能です。また、お住まいの市区町村の窓口やホームページでも入手できます。

さらに、防災科学技術研究所が運営する「地震ハザードステーション(J-SHIS)」では、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率など、地震に特化したリスク情報を地図上で確認できます。

建物の耐震性や免震構造の有無

1981年6月に施行された新耐震基準で建てられたマンションや、免震・制震構造を採用しているマンションは、地震による被害を受けにくい傾向にあり、加入の優先度が下がる場合もあります。

ただし、建物が倒壊しなくても、高層階では揺れが増幅されやすく、家具や家電の転倒・破損といった家財被害が発生するリスクは残ります。建物の耐震性だけでなく、家財への備えも含めて検討することが重要です。

住宅ローンの残債と資産状況

被災後に自力で生活を再建できる十分な貯蓄がある場合は、地震保険に加入しなくてもリスクに対応できる可能性があります。

一方、住宅ローンの残債が多い場合や、貯蓄に余裕がない場合は、地震保険への加入をおすすめします。被災後も住宅ローンの返済は続くため、地震保険の保険金を返済に充当することで経済的な負担を軽減できます。

地震による経済的な破綻を防ぐための備えとして、加入を検討しましょう。

マンションでも地震に備えて保険加入を検討しよう

以上、マンションでも地震保険への加入は必要なのか、地震保険の保険料や加入率、メリット・デメリット、注意点などについて説明しました。

いつ発生するかわからない地震。被災すれば被害が甚大になる可能性があり、マンションでも耐震性があるとはいえリスクはゼロではありません。また、火災保険では地震による火災は補償されないため、リスクが低い地域でも万が一に備えて地震保険の加入を検討しましょう。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

ファイナンシャルプランナー 金子賢司

監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司

東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。

以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

・CFP ®資格(資格番号:90260739)
・日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事

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