車の売却で確定申告は必要?個人・事業主の判断基準と書き方を解説

車の売却で確定申告は必要?個人・事業主の判断基準と書き方を解説

車を売却すると、車種にもよりますが概ね数十万円〜数百万円の代金を受け取ることになります。車買取業者などからまとまったお金を手にして、「税務署に納税額を申告する確定申告の対象になるのでは?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、車の売却によって確定申告が必要になる場合と不要の場合のほか、確定申告の流れについて解説します。
ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター 高見陽子

監修者ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター 高見陽子

元大手銀行で個人営業を担当。現在は資産形成や相続、ライフプランを中心に、車の売却・買い替えなど家計に関わる判断について、金融と生活実務の両面から情報提供を行う。

mokuji目次

  1. 車の売却で確定申告が必要かどうかの判断基準
    1. 通勤や通学など「生活用動産」の売却は原則不要
    2. 確定申告が必要になる3つの主なケース
  2. 【ケース別】車売却で確定申告が必要になる条件
    1. 個人事業主が「事業用」に使用していた車を売却した場合
    2. 転売や事業として車の売買を行っている場合
    3. レジャー車などで購入額より高く売れ「利益」が出た場合
  3. 車の売却益「譲渡所得」の計算方法と特別控除
  4. 譲渡所得の計算式と50万円の特別控除の仕組み
    1. 所有期間5年超えの「長期譲渡所得」は税負担が軽い
  5. 車売却の確定申告のやり方と必要書類・書き方
    1. 1. 確定申告に必要な書類を準備する
    2. 2. 確定申告書を作成する
    3. 3. 確定申告書を提出する
    4. 4. 税金を納付する
  6. 車の売却と確定申告に関する注意点とQ&A
    1. 売却損(損失)が出た場合は損益通算できる?
    2. 車を下取りに出した場合も申告対象になる?
    3. 確定申告をしないとバレる?無申告のリスクは?
  7. 車を高く売るには車買取会社のランキングを確認しよう

車の売却で確定申告が必要かどうかの判断基準

車の売却で確定申告が必要かどうかの判断基準

車を売却したとき、確定申告が必要かどうかは「車の用途」と「利益の有無」によって決まります。多くの方が日常的に使用している車は確定申告の対象外ですが、一部のケースでは申告義務が生じるため注意が必要です。

ここでは、確定申告が不要な「生活用動産」の考え方と、申告が必要になる主な3つのパターンについて解説していきます。

通勤や通学など「生活用動産」の売却は原則不要

通勤、通学、買い物、家族の送迎など、日常生活に使用している車は税法上「生活に通常必要な動産(生活用動産)」として扱われます。生活用動産を売却したときの利益は譲渡所得の課税対象外とされているため、たとえ売却益が出ても確定申告は不要です。

生活用動産とは、個人が日常生活を送るうえで通常必要とされる財産を指します。ファミリーカーや通勤用の車など、日々の生活の足として使っている車両がこれに該当するでしょう。

通常のマイカーを手放すだけなら、売却益の金額にかかわらず確定申告の心配は不要と押さえておくと安心です。

確定申告が必要になる3つの主なケース

車の売却で確定申告が必要になる主なケースは、以下の3つです。
レジャー用、趣味の車で利益が出た場合
個人事業主が事業用車を売った場合
営利目的で売買した場合
これらのケースに共通するのは、車が「生活に通常必要な動産」ではないという点です。

レジャー用やコレクションとして所有していた高級スポーツカーやクラシックカーは、日常生活に必須ではないため、売却益が出れば課税対象となり得ます。ただし、実際に課税されるのは特別控除50万円を差し引いてもなお利益が残る場合です。

個人事業主が業務用に使っていた車両も同様に申告が必要となります。

さらに、転売目的で車を購入し、利益を得る目的で繰り返し売買している場合は、事業所得として扱われることが多く、確定申告が求められます。

確定申告が必要かどうかは、車の「用途」と「利益の有無」で判断されます 。自分のケースがどれに該当するのか、次の章で詳しく確認していきましょう。

【ケース別】車売却で確定申告が必要になる条件

【ケース別】車売却で確定申告が必要になる条件

車の売却時の条件によって、確定申告が必要になるケースもあります。ここでは、車を売却して確定申告が必要になる場合について解説します。

個人事業主が「事業用」に使用していた車を売却した場合

個人事業主が業務で使用していた車を売却した場合、その車は「事業用資産」として扱われ、譲渡所得として申告が必要になります。生活用動産のような非課税枠は適用されません。

事業用車両の売却では、利益が出た場合はもちろん、損失が出た場合でも確定申告を行うことが推奨されます。なぜなら、売却による損失を他の事業所得と相殺する「損益通算」により、全体の課税対象額を減らせる可能性があるためです。

譲渡所得の計算においては、過去に減価償却費として経費計上した分を取得価額から差し引く必要があります。減価償却費を考慮しないと、実際よりも利益が大きく見えてしまうため注意しましょう。

事業用車両を売却する際は、購入時の契約書や減価償却の記録など、取得費を証明できる書類を保管しておくことが大切です。

転売や事業として車の売買を行っている場合

車を仕入れて修理やカスタマイズを施し、利益を得る目的で繰り返し売買している場合、これは「事業」として扱われることが多いです。 事業の場合は 、車の売却益は「譲渡所得」ではなく「事業所得」として申告しなければなりません。

事業所得として扱われる場合、売却額が総収入金額となり、仕入れ値や修理費用などが必要経費として計上されます。譲渡所得のような特別控除50万円は適用されませんが、青色申告を選択すれば最大65万円の青色申告特別控除を受けられる点がメリットです。

また、事業として車の売買を行う場合は古物商許可が必要になります。許可を取得せずに営利目的で車を売買すると、古物営業法違反となり罰則の対象となるため注意してください。

開業届を出していなくても、反復継続して利益を得ていれば「事業的規模」と判断される可能性があります。判断に迷う場合は、税理士や税務署に相談することをおすすめします。

レジャー車などで購入額より高く売れ「利益」が出た場合

スポーツカーやクラシックカーなど、趣味性の高い車を売却し、購入額を上回る利益が出た場合は確定申告が必要になることがあります

レジャー用の車とは、週末のドライブやキャンプなど娯楽目的でのみ使用する車両を指します。通勤や買い物には使わず、趣味やコレクションとして所有している場合がこれに該当します。

課税対象となるのは、売却価格から取得費・譲渡費用を差し引き、さらに特別控除50万円を引いてもプラスが残る場合です。

たとえば、200万円で購入したスポーツカーが280万円で売却でき、譲渡費用が5万円かかったとします。この場合の譲渡所得は

「280万円 −(200万円 + 5万円)− 50万円 = 25万円」

となり、確定申告は不要です 。

なお、この特別控除50万円は車単体ではなく、その年に発生した総合課税の譲渡益すべてを合算した金額に対して一度だけ適用されます。同じ年に貴金属なども売却して利益が出ていれば、それらも含めた合計額で判断する必要があります。

希少なヴィンテージカーや限定モデルを所有している方は、売却前に他の譲渡益も含めて確認しておくと安心です 。

車の売却益「譲渡所得」の計算方法と特別控除

車の売却益「譲渡所得」の計算方法と特別控除

車の売却で利益が出た場合、その利益は「譲渡所得」として扱われます。譲渡所得には特別控除があり、計算方法を理解しておくことで、自分が確定申告の対象になるかどうか正確に判断できるでしょう。

ここでは、譲渡所得の具体的な計算式と、税負担を軽減できる特別控除の仕組みについて解説します。

譲渡所得の計算式と50万円の特別控除の仕組み

譲渡所得は、以下の計算式で求められます。
<車の譲渡所得の計算式>
譲渡所得売却価格(取得費+譲渡費用)特別控除50万円
取得費とは車の購入にかかった費用で、車両代金のほか購入手数料や改良費も含まれます。ただし使用期間に応じた減価償却費を差し引いた金額となります。

譲渡費用は、売却時にかかった費用のことです。具体的には、レッカー代や名義変更手数料、査定費用などが該当します。

たとえば、購入価格200万円、売却価格250万円、譲渡費用5万円の場合を計算してみましょう。

250万円(200万円+5万円)(50万円)=-5万円

この場合、譲渡所得はマイナスとなるため、確定申告は必要ありません

重要なのは、特別控除50万円は、車1台ごとではなく「その年の総合課税の譲渡益の合計」に対して一度だけ適用される仕組みだという点です。

同じ年に貴金属や書画・骨とう品なども売却して利益が出ていれば、それらを合算したうえで50万円を差し引きます。他に譲渡益がなければ車単体で50万円以下なら申告不要ですが、合算して超える場合は確定申告が必要になります。

所有期間5年超えの「長期譲渡所得」は税負担が軽い

譲渡所得には、車の所有期間によって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」 の2種類があります。この区分によって、課税される金額が大きく変わるため注意が必要です。

所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり、譲渡所得の全額が課税対象になります。一方、所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、譲渡所得の2分の1のみが課税対象です。

たとえば、特別控除後の譲渡所得が100万円だった場合を考えてみましょう。
所有期間5年以下(短期):100万円が課税対象
所有期間5年超(長期):50万円が課税対象
長期譲渡所得の場合、課税対象額が半分になるため、税負担は大幅に軽減されます。

売却時期を調整できる場合で、実際に譲渡益が出る見込みがあり、他の譲渡所得も含めて特別控除50万円を超えそうなときは、所有期間が5年を超えてから売却したほうが税負担を抑えられる可能性があります。

車売却の確定申告のやり方と必要書類・書き方

車売却の確定申告のやり方と必要書類・書き方

車の売却で利益が生じるなどにより確定申告の必要がある場合、どのように行えばいいのでしょうか。ここでは、確定申告をするときの流れについてご紹介します。
  1. 確定申告に必要な書類を準備する
  2. 確定申告書を作成する
  3. 確定申告書を提出する
  4. 税金を納付する

1. 確定申告に必要な書類を準備する

まずは、確定申告に必要な書類を準備します。手書きの場合は所得税の確定申告書(原本)をはじめ、下記のような書類が必要です。

確定申告に必要な書類の例

  • マイナンバーカードあるいはマイナンバーが確認できる書類
  • 所得を証明できる書類(青色申告決算書または収支内訳書)
  • 各種控除対象の明細書・受領書(医療費など)
  • 社会保険料(国民年金保険料)の控除証明書
  • 生命保険料の控除証明書
  • 地震保険料の控除証明書

2. 確定申告書を作成する

必要書類を準備したら、確定申告書の作成を行います。確定申告書はパソコンの会計ソフトを使ったり、パソコンまたはスマートフォンで国税庁のWebサイト内にある「国税庁 確定申告書等作成コーナー」を利用したりすることで作成可能です。

手書きでも作成はできますが、マイナンバーカードを利用してマイナポータルと連携し、オンライン上で作成する方法が便利なのでおすすめです。

車の売却益を申告する場合は、確定申告書等作成コーナーで「総合課税の譲渡所得(その他の資産の譲渡)」のメニューを選択し、車の売却価格や取得費、譲渡費用などを画面の案内に沿って入力していきます。

作成方法がわからない場合には、税務署や特設の相談コーナーで気軽に相談してみましょう。

3. 確定申告書を提出する

パソコンやスマートフォンなどで作成した確定申告書は、マイナンバーカードを使用して、国税に関するオンラインサービスであるe-Tax(国税電子申告・納税システム)で送信(電子申告)できます。

確定申告書を手書きで作成した場合には、所管税務署に郵送するか、窓口に提出してください。また、窓口は混雑することがあるため、LINEで事前予約のうえ訪問すると安心です。

4. 税金を納付する

確定申告書を提出後、納期限までに所得税を納めます。課税される所得金額と、それに対する所得税率・控除額は、下記のとおりです。
所得税の速算表 (2015年以後)

課税される所得金額

所得税率

控除額

1,000円から194万9,000円まで

5%

0円

195万円から329万9,000円まで

10%

9万7,500円

330万円から694万9,000円まで

20%

42万7,500円

695万円から899万9,000円まで

23%

63万6,000円

900万円から1,799万9,000円まで

33%

153万6,000円

1,800万円から3,999万円まで

40%

279万6,000円

4,000万円以上

45%

479万6,000円

※国税庁「所得税の税率
仮に、課税される所得金額が200万円だった場合、所得税は

「200万円×10%−9万7,500円」

で10万2,500円となります。実際の納付額は、ここで計算した所得税に復興特別所得税が上乗せされた金額になります。

なお、確定申告で確定した税金の納期限を過ぎてしまうと、延滞税が課されます。

車の売却と確定申告に関する注意点とQ&A

車の売却と確定申告に関する注意点とQ&A

車の売却に関する確定申告については、さまざまな疑問や不安を抱える方も多いでしょう。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

売却損が出た場合の扱いや、下取りの場合の判断基準、無申告のリスクなど、知っておくべき重要なポイントを解説します。

売却損(損失)が出た場合は損益通算できる?

車の売却で損失が出た場合、その損失を他の所得と相殺できるかどうかは、車の用途によって異なります。

レジャー用や趣味の車など、生活用動産以外の車を売却して損失が出た場合、その損失は他の所得(給与所得など)との損益通算ができません。 譲渡所得の損失は、原則として他の譲渡所得の利益としか相殺できないためです。

一方、個人事業主が事業用資産として使用していた車を売却して損失が出た場合は、その損失は総合課税の譲渡所得の赤字として事業所得と損益通算でき、結果として事業の課税所得を減らせる可能性があります

事業用車両の売却損を経費計上する際は、減価償却の記録や取得費を証明する書類が必要になります。 適切に処理するためには、税理士に相談することをおすすめします。

なお、生活用動産である通勤用の車を売却して損失が出た場合は、もともと非課税であるため、損益通算の対象にはなりません。

車を下取りに出した場合も申告対象になる?

車を下取りに出した場合も、税務上は「売却」と同じ扱いになります。下取り価格が購入価格(取得費)を上回り、特別控除50万円を超える利益が出れば、確定申告の対象となります。

下取り価格がその車の「譲渡価額」とみなされ、その金額をもとに譲渡所得を計算します。
譲渡所得 = 下取り価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除50万円
たとえば、200万円で購入した車を下取りに出し、下取り価格が280万円、譲渡費用が5万円だった場合は次のようになります。
280万円 −(200万円 + 5万円)− 50万円 = 25万円
この場合、譲渡所得は25万円です。実際に確定申告が必要かどうかは、その年の他の総合課税の譲渡所得も含めた合計額や、給与以外の所得の状況によって判断されます。

下取りは新車の購入代金から差し引かれる形のため現金は受け取りませんが、税務上は「○○万円で売却した」とみなされます。購入時・下取り時の契約書や領収書は必ず保管しておきましょう

確定申告をしないとバレる?無申告のリスクは?

「確定申告をしなくてもバレないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、税務署はさまざまな方法でお金の動きを把握できるため、無申告は高いリスクを伴います。

車の売却は、買取業者との契約や名義変更などの公的手続きを伴うため、税務署がその情報を把握する可能性は十分にあります。特に高額な取引の場合、税務調査の対象になりやすいでしょう。

申告義務があるのに無申告だった場合、以下のペナルティが課されます。
無申告加算税:納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%が加算されます。
延滞税:納期限の翌日から発生し、経過期間に応じて割合が上がります。延滞税の割合は毎年見直されており、直近の割合は国税庁の「延滞税の割合」のページで確認できます。
無申告の場合、結果的に、本来支払うべき税額よりもはるかに多くの税金を納めることになりかねません

不安な場合は税理士や税務署に相談しましょう。確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日まで(期限日が土日・祝日に当たる場合は翌営業日まで)ですが 、税務署は確定申告の時期以外でも相談を受け付けています。

車を高く売るには車買取会社のランキングを確認しよう

車の売却で所得税がかかって確定申告が求められるのは、レジャー使用や業務使用を目的とした車の場合や、売却により50万円を超える利益を得た場合に限られます。

万が一、車を売却して50万円を超える利益を得た場合には、確定申告が必要となるので注意してください。

なお、車を高く売ろうと思ったら、安心に取引ができて、なおかつ高く買い取ってくれる車買取会社を探す必要があります。評価の高い車買取会社を探すには、顧客満足度ランキングなどを参照するのがおすすめです。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「車買取会社 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。売却手続きや売却サポートのほか、担当者の接客力など、さまざまな視点で車買取会社を比較検討できますので、ぜひ参考にしてください。
ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター 高見陽子

監修者ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター 高見陽子

元大手銀行で個人営業を担当。現在は資産形成や相続、ライフプランを中心に、車の売却・買い替えなど家計に関わる判断について、金融と生活実務の両面から情報提供を行う。

タグ
PR

車買取会社オリコン顧客満足度ランキング

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について
PR

\ 6,652人が選んだ /
車買取会社ランキングを見る