「当て逃げ」されたとき、補償してくれる自動車保険は?

  • 【画像】個人賠償責任特約

 どれほど安全運転をしていても、交通事故に巻き込まれてしまうことがあります。自動車同士が接触した物損事故の場合、ぶつけたまま加害者が逃げてしまう「当て逃げ」に遭遇するケースもあるのです。

 当て逃げに対して、自動車保険ではどんな補償があるのでしょうか。今の保険で補償されるのか、当て逃げに備える保険の入り方などについてもご紹介します。
 交通事故によって人に怪我をさせて、そのまま逃げてしまった場合は、「ひき逃げ」となりますが、人的被害がなく、車だけを破損させて逃げた場合は、「当て逃げ」となります。

 交差点などで走行中に起こった事故だけでなく、駐車場で車を停めようとした際に隣の車をこすったり、ドアを開ける際にぶつけたりして逃げた場合も、当て逃げに含まれます。このような駐車場での事故は、発生時に現場を目撃できない場合がほとんどですので、加害者に逃げられてしまうことが多々あります。
 一般の自動車保険に加入していれば、当て逃げによる車両の損害も保険金でカバーすることができます。しかし、自動車保険を利用すると、保険料を定めるための等級が3等級下がることになります。(条件や自動車保険の種類によっては1等級下がるだけで済む場合もある)。つまり、自動車保険を利用すると、それだけ翌年以降の保険料が高くなり、自費で車を修理するよりも、結果的に支払い総額が上回ってしまうこともあるのです。

 自動車保険を利用することで等級が下がるかどうかを知るためにも、一度保険会社に確認してみるといいでしょう。なお、エコノミー型の車両保険に加入している場合は、加害者を見つけない限り補償を受けられませんので、注意が必要です。
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 当て逃げに遭った場合は、最初にしっかりと対応できるかどうかによって、受けられる補償や取れる対抗手段が大きく変わってきます。事故に遭うと気持ちが動転してしまい、なかなか冷静な行動が取れないこともあります。下記の3つを覚えておき、日頃から意識しておくようにしましょう。

1. 相手のナンバーを記録する 
 まず、交通事故が起きたときに最初にすべきなのは、加害者の車のナンバーを記録することです。相手が停まってくれればいいのですが、停まらない場合は逃げた加害者を特定するためにナンバーが必要になります。駐車場での当て逃げの場合は犯人がわからないこともありますが、走行中の場合は、走り去ろうとする車をチェックできる場合もあります。目視したあとにメモを取っておくか、可能であれば携帯電話などのカメラで撮影しておくといいでしょう。
 また、加害者が停車し、話し合いをしたとしても油断してはいけません。相手が、嘘の連絡先を教えて逃げてしまう場合もあります。ですから、一番いいのは、事故が起きた時点ですぐにナンバーを控えておくことなのです。

2. 警察に届ける 
 事故を起こしたときは、ただちに警察を呼ばなくてはいけません。軽い物損事故の場合、「警察を呼ぶほどではない」と考えるかもしれませんが、保険を利用するためには「事故証明」が必要となります。そもそも被害届を出さなければ、ナンバーを控えていたとしても捜査をしてもらうことはできません。「軽い擦り傷だけなので、保険の利用や犯人探しをするつもりはない」という場合でも、車を動かしてみたらあとから不具合が出る可能性もあります。「事故=警察を呼ぶ」というのは、当て逃げの場合でも徹底しておきましょう。

3. 手掛かりになる証言や証拠を探す(相手を特定して賠償請求するため)
 店舗の駐車場などで起こった事故の場合でも、ひどい物損事故の場合は大きな音がするため、通りかかった方の印象にも残りやすいものです。後々、証言者が必要になる場合もありますので、店舗スタッフに聞いてみたり、その場で目撃者を探したりしてみましょう。
 また、店舗の駐車場であれば、現場の様子が防犯カメラに映っている可能性があります。原則として、第三者が防犯カメラの映像を見せてもらうことはできませんが、警察に捜査を依頼すれば、こうした映像についてもチェックしてもらえる可能性が高まります。
 「当て逃げされてから、なんとなく肩が痛い」「首が回りづらくなった」といった身体トラブルが起こった場合、ちょっとした痛みだからと無視してしまわずに、異常があると感じたら病院に行くようにしてください。運転していた人や同乗者がけがを負った時は、人身傷害(補償)保険、無保険車傷害保険、搭乗者傷害保険で補償される可能性があります。
 当て逃げの犯人が、あとから見つかる可能性は高いとはいえません。しかし、見つかった場合は、相手に修理代金を請求することができます(車両保険からすでに保険金を受け取っていると請求できないこともあります)。相手が任意保険に入っている場合は、相手の保険会社との交渉になります。しかし、相手が保険に入っていない場合は、弁護士があいだに入って話を進めることになります。弁護士への依頼費用は高額ですので、保険の弁護士特約などを利用するのがいいでしょう。各社で定めている補償の内容にもよりますが、弁護士特約の利用で翌年の自動車保険の等級が変わることはありません。
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