車買取でトラブルを防ぐには?よくある事例と対策を紹介

車買取でトラブルを防ぐには?よくある事例と対策を紹介

車買取では毎年、一定数のトラブルが発生している現状があり、消費生活センターなどに相談が寄せられています。車買取を検討している人の中には、不安を感じている人もいるかもしれません。
車買取では、トラブルなく取引を進められるよう、慎重に判断をしたり、事前に最低限の知識を身に付けておいたりする必要があります。一部の悪質な車買取会社とのあいだでトラブルが起きてしまうと、自分で解決することが難しい場合もあるため、トラブルが起きてしまったときの相談先を把握しておくと安心でしょう。

今回は、車買取で起こるトラブルの事例や、トラブルが起きた際の相談先に加え、トラブルを未然に防ぐポイントをご紹介します。車買取を検討している人は、参考にしてください。

車買取で起こるトラブルの事例

車買取では、どのようなトラブルが起きているのでしょうか。

国や全国の消費生活センターなどと連携して、消費者の問題解決に取り組む国民生活センターには、中古自動車に関する相談が毎年7,000件以上寄せられています。この数字は、車買取以外の中古自動車に関するトラブル全般が含まれていますが、「車の売却で仮契約をしたところ、その後、無理矢理買い取られてしまった」「買取業者からエンジンの異音を理由に減額か返品すると連絡があったが、売却時にそうした症状はなかった」など、車買取会社でのトラブルも複数含まれています。

まずは、車買取会社でのトラブルと対策を把握し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。ここでは、車買取のトラブルに関するよくある事例と、その対策をご紹介します。

※独立行政法人国民生活センター「各種相談の件数や傾向 中古自動車」「増加する中古自動車の売却トラブル−強引な勧誘やキャンセル妨害も−

契約後に査定額から大きく減額される

車買取のトラブルでは、査定額を確認して契約したにもかかわらず、「エンジンに異音があるため、買取額を減額したい」など、査定時には見られなかった不具合を理由に、査定額から大きく減額されることがあります。

売り手が大きな修復歴を黙っていたなど、事実を隠していたケースでは、契約後の減額も仕方ないかもしれません。しかし、修復歴や事故歴などを正確に伝えた上で買取会社が査定額を出したのであれば、不具合を理由に減額することは、買取会社に問題があると考えられます。

契約後に査定額から大きく減額されるトラブルへの対策は、「査定時に車の修復歴や事故歴などを隠さず報告する」ことです。また、減額に関する内容が契約書に記載されているか、契約を締結する前に確認することも大切です。

強引に契約や売却を迫られる

車の売却を検討しているものの、「ひとまず査定額が知りたい」といった目的で査定に出す場合もあるでしょう。しかし、査定だけのつもりでも、強引に契約や売却を迫られることがあります。「クーリング・オフできるから問題ない」「今すぐ売却すれば査定額を上乗せする」など、言葉巧みに誘導して契約を取り付けようとします。

査定を依頼しても、必ず売却しなければならないということはありません。強引な勧誘を受けた場合は、すぐに契約をせず、売却をはっきりと断ることがトラブルを回避する対策となります。
また、査定をお願いする時点で、「売却は検討中」と伝えておくこともトラブルの防止につながります。

契約後のキャンセルができない

契約後、何らかの事情でキャンセルする場合があるかもしれません。契約書に記載されたキャンセル可能期間であれば、契約後であっても契約のキャンセルは可能です。しかし、キャンセル可能期間であるにもかかわらず、解約ができないといったトラブルもあります。

車の売買契約には、原則としてクーリング・オフが適用されません。買取業者が独自のキャンセル規程を設けているため、契約を締結する前にキャンセル規程を必ず確認しましょう。

多額のキャンセル料を請求される

契約後のキャンセルに伴い、多額のキャンセル料を請求されるケースもあります。消費者契約法では損害賠償の額について、「契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」については無効と定めています。
つまり、売り手は買取会社が被る損害額以上をキャンセル料として支払う必要はないということです。

不当なキャンセル料を請求されるといったトラブルに巻き込まれないためには、契約前にキャンセル料の内訳を確認しておくことが大切です。契約後のキャンセルを避けるために、少しでも迷いがあったり家族が売却に前向きではなかったりする場合は、車の売却自体を検討する必要があるかもしれません。

※e-Govポータル「消費者契約法 第一章 第九条 消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等

買取の代金の未払い・車を持ち逃げされる

車買取では、契約後に車を引き渡したにもかかわらず、買取の代金が支払われないといったケースのトラブルもあります。そのまま、車を持ち逃げされてしまうケースもあるようです。

約束した日に入金がないようであれば、まず買取会社に連絡をします。「売り手が指定口座を間違えて伝えてしまったといった」「買取会社の手続き漏れ」など、人的なミスの場合もあるかもしれません。
しかし、買取会社の資金繰りの悪化や倒産が原因で未払いが発生してしまうこともあります。このような場合は、早急に後述する窓口などに相談しなければなりません。詐欺などの疑いがある場合は、警察への相談を視野に入れる必要があります。

未払いなどのトラブルを回避するには、信頼できる車買取会社なのかどうかの判断が重要です。査定を依頼する前に、車買取会社の評判や口コミを確認することをおすすめします。

車買取でトラブルが起きたときの相談先

車買取でトラブルが起きたときの相談先

車買取でトラブルが起きてしまったときは、専門機関に相談してアドバイスを受けましょう。
続いては、トラブルに巻き込まれた際の代表的な相談先をご紹介します。

消費生活センターまたは国民生活センター

消費生活センターでは、商品やサービスなど消費生活全般に関するトラブルの相談や苦情を受け付けています。トラブル発生時はもちろん、契約する前にわからないことや不安なことなどを相談することも可能です。

また、消費生活センターが開所していない土日祝日などは、国民生活センターでも相談を受け付けています。都道府県別に各地の消費生活センターの窓口も紹介されているため、参考にしてください。

※独立行政法人国民生活センター「全国の消費生活センター等

日本自動車購入協会

一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)は、車買取事業者が事業の健全性を維持し、消費者が有益なサービスを受けられるようにするため、ガイドラインの制定など、さまざまな活動を行っている団体です。

日本自動車購入協会では、車買取に関するトラブルの相談を受け付ける窓口「JPUC車売却消費者相談室」を設けています。車買取業界に精通したベテラン相談員がトラブルに関して、電話で対応してくれます。

※一般社団法人日本自動車購入協会「車売却消費者相談室(情報提供)

弁護士

上記の相談窓口では対応できないような深刻な事態の場合、弁護士への相談を検討しましょう。契約書の内容や法律に反する取引がないかを確認し、専門的な判断を仰げます。

特に、返金に関することなどは、消費生活センターや日本自動車購入協会では対応しきれないケースもあります。弁護士への依頼は依頼料がかかるため、その点を考慮して依頼するか否かを検討する必要がありますが、弁護士に依頼することで返金される額が大きくなるかもしれません。

トラブルの内容によっては、費用がかかっても弁護士に依頼するなど、適切な機関へ相談することが大切です。

車買取のトラブルを防ぐポイント

車買取でトラブルに見舞われてしまうと、解決するには多くの手間や時間がかかります。では、トラブルを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、車買取のトラブルを防ぐためのポイントをご紹介します。

車買取会社を利用する前に評判を調べる

車買取でトラブルが発生するリスクを軽減するには、車買取会社を利用する前に、評判を調べておくことがおすすめです。トラブルが多い車買取会社は、口コミやSNSなどに、その旨が書き込まれている場合があります。査定を依頼する前には、車買取会社の口コミを確認したり、SNSで車買取会社の店名を検索したりして、信頼できる事業者か判断することが重要です。

車買取会社 オリコン顧客満足度ランキング」では、各車買取会社を利用したユーザーによる「良かった点・気になった点」などの口コミも掲載しています。いい口コミだけではなく、マイナスな面も確認しましょう。

査定の場で即決を避ける

初めて車を売却する場合など、車買取に関する知識が少ない状態で、査定後に即決してしまうのは避けたほうがいいでしょう。算出された査定額の比較基準がないため、適正かどうかの判断が難しいと考えられます。複数の車買取会社で査定を受け、比較・検討することで、より良い条件で売却できるかもしれません。

なお、査定の場で即決する場合は、契約内容や条件、査定額に関する説明を詳しく聞き、不明点のない状態で契約することが大切です。
不安なことやわからないことは説明を求め、信頼できる車買取会社かどうかの判断が必要です。少しでも不安がある場合、焦って契約することは避けて一度持ち帰ることをおすすめします。

契約書の内容をしっかり確認する

契約書の内容をしっかり確認することで、トラブルに遭うリスクを軽減できます。契約書は取引条件などの詳細を明示し、売り手と買い手の合意を証明する重要な文書です。車買取におけるトラブルは、契約書の確認を怠ったことで起こるケースが多くあります。契約書の内容を隅々まで確認し、納得してから契約を締結することがポイントです。

契約書を確認する際、特に注目したい項目は下記のとおりです。

■契約書の確認で特に注目したい項目

確認する項目

詳細

キャンセルの条件

契約後のキャンセルの可否や手続きの方法、キャンセル料はどうなるか

買取額

買取額が正しく記載されているか

税金

消費税、自動車税、自動車重量税などが買取価格に含まれているか否か

支払い方法と期日

合意したとおりの支払い方法と期日になっているか

車の引き渡し期日

合意したとおりの引き渡し期日になっているか

修復歴や事故歴

申告した修復歴や事故歴が記載されているか

車の名義変更

車買取会社に名義変更する旨が記載されているか

修復歴や事故歴を正確に申告する

車の修復歴や事故歴は、買取額に大きく影響します。査定前に正確に申告することで、トラブルを防ぐことができます。

修復歴と事故歴を正しく申告していなかった場合、査定額が決定した後に減額されてしまっても、売り手に問題があると判断される可能性が高いでしょう。その場合、減額に応じる必要があるかもしれません。
ただし、修復歴や事故歴を正しく申告していたにもかかわらず、車の引き渡し時に修復歴などを理由に減額を求めるケースは、車買取会社に問題があります。

トラブルにならないためにも、修復歴や事故歴を正確に申告することが大切です。

車買取のトラブルを未然に防ぎ、安心して車を売却しよう

車買取のトラブルを未然に防ぎ、安心して車を売却しよう

車買取では、売り手と車買取会社とのあいだでトラブルが発生してしまうケースがあります。トラブルの事例を事前に把握することに加え、車買取会社を利用する前に各社の評判を確認したり契約書を隅々までチェックしたりするなど、ご紹介した対策を講じることが大切です。
車買取は、大きな金額が動く取引です。安心して手続きを進められるよう、信頼できる車買取会社を選びましょう。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「車買取会社 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。売却手続きや売却サポートのほか、担当者の接客力など、さまざまな視点で車買取会社を比較検討できますので、ぜひ参考にしてください。
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