ローンが残っている車は売却できる?方法や注意点を徹底解説

ローンが残っている車は売却できる?方法や注意点を徹底解説

ローンが残っている車でも売却は可能です。

本記事では、売却方法や高く売るためのポイント、注意すべき点を網羅的に解説します。

ローンが残っていて売却を迷っている車の所有者が、安心して適切な手続きを進められるようサポートします。

mokuji目次

  1. ローンが残っている車は売却できる
  2. ローンが残っている車を売却する方法
    1. 自分名義の車を売却する方法
    2. 家族名義の車を売却する方法
    3. ディーラー・ローン会社名義の車を売却する方法
  3. ローンが残っている車を高く売却するポイント
    1. 自分の車の価値を知る
    2. きれいな状態で車を査定に出す
    3. カスタムした場合は純正オプションを用意しておく
    4. 高く売却しやすい時期に査定に出す
    5. 複数の車買取会社の見積もりを比較する
  4. ローンが残っている車を売却する際の注意点
    1. ローン契約書の禁止条項を確認する
    2. ローン滞納は信用情報に傷がつくリスクがある
    3. 名義が他人の場合は名義変更が必須
    4. 売却額が残債を下回る場合は返済方法を考える
    5. 新規ローンは審査が厳しくなる可能性がある
  5. ローン残債がある車は売却額で返済計画を立てよう
高見 陽子

監修者高見 陽子

ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター

元大手銀行で個人営業を担当。現在は資産形成・相続・ライフプランなどの執筆や監修を行い、コンテンツ制作やSNSを通じた情報発信を支援している。

ローンが残っている車は売却できる

ローンの支払いが残っている車であっても、売却は可能です。

ただし、車を売却するには、車の所有者が「自分名義」でなければいけません

ローンを組んで車を購入した場合、所有者がディーラーやクレジット会社になっていることがあるため、まずは自動車検査証の「所有者」に記載されている名義を確認しましょう。

所有者の名義が自分と自分以外の場合では、売却するまでの手続きが異なります。

以降では、自分名義の車を売却する方法と自分以外の名義の車を売却する方法を詳しく説明します。

ローンが残っている車を売却する方法

ローンが残っている車を売却する方法

ローンが残っている車の売却方法は、車検証に記載されている所有者の名義によって大きく異なります。

「自分名義」「家族名義」「ディーラー・ローン会社名義」の3つのパターンがあります。

それぞれ必要な手続きや書類が変わるため、まずは車検証の「所有者の氏名又は名称」欄を確認することが重要です。

名義

売却の可否

注意点

自分名義

可能

車の売却代金でローンを一括返済することが基本

家族名義

可能

所有者本人(家族)の同意と、委任状や印鑑証明、本人確認書類等の書類が必要

ディーラー・ローン会社名義

可能

自分でローンを完済してから売却するか、車買取会社にローン返済を代替してもらう必要あり

それぞれの名義パターンについて、具体的な売却方法を詳しく見ていきましょう。

【名義別】ローンが残っている車を売却する方法

自分名義の車を売却する方法

自動車検査証の所有者が自分名義であれば、名義変更などの手続きをすることなく、自由に車の売却が可能です。

前述のとおり、ローンを組んで車を購入すると、所有者が自分以外の名義になる場合があります。

しかし、ローンの中でも「銀行ローン」は、金融機関からの貸付を元に自身で車を購入する仕組みのため、所有者は自分名義となっているケースがあります。

所有者の名義が自分であれば、最終的にローンを返済する必要はあるものの、車の売却は自由です。

売却の基本的な手順は、ローン残債額の確認→査定→売却額と比較→清算手続きとなります。

また車の売却金額をローンの返済にあてられるケースもあるため、車買取会社で相談するといいでしょう。

家族名義の車を売却する方法

家族名義の車を売却する場合、所有者本人である家族の同意が必要です。

名義人から委任状を書いてもらい、適切な手続きを踏めば売却できます。

必要な書類は委任状、印鑑証明書、本人確認書類等です。

家族名義の車を勝手に売却することはできないため、必ず名義人の許可を得てから進めましょう。

手続きが複雑になる場合があるため、車買取会社に相談して代行してもらうことをおすすめします。

ディーラー・ローン会社名義の車を売却する方法

自動車検査証の所有者が自分以外の場合、売却には名義変更の手続きが必要です。

ディーラーでローンを組む「ディーラー・ローン」では、完済まで所有者がディーラーやクレジット会社になっていることが多く、この状態を「所有権留保」といいます。

ローンを完済するまでは自分の車ではないため、売却する権利もありません

売却するには、大きく分けて以下の2つの方法があります。
1. 残債を一括返済して名義変更する
自分でローン残債分を用意し、完済後に所有権を自分名義へ変更すれば売却可能です。

2. 車買取会社にローン処理を依頼する
売却を前提に買取会社がローン返済と名義変更を代行してくれるケースもあります。

売却額でローンを完済できれば、残りは売却金額として受け取り、完済できなければ差額を分割で返済していく仕組みです。
具体的な内容について、以下で詳しく説明していきます。

ディーラー・ローン会社名義の売却方法

自分でローンを一括返済してから売却する

ローン残債分のお金を自分で用意し、一括返済してから所有権を自分に変更すれば売却可能です。

この方法は手続きがシンプルで分かりやすいのがメリットです。

ただし、まとまった資金が必要になるため、資金に余裕がある方におすすめの方法です。

一括返済時に手数料がかかる場合があるため、事前にローン会社に確認しておきましょう。

早期の一括返済により利息負担を軽減できる点も魅力の一つです。

車買取会社にローン処理を依頼する

売却代金で残債を完済できる場合と、できない場合に分けて説明します。
@売却代金で残債を完済できる場合は、買取店に清算と名義変更を依頼する
車の買取額がローンの残債を上回るケースでは、差額を売却金額として受け取れます

たとえば、下記のような例があります。
<査定した買取額が200万円で、ローン残債が150万円の場合>

車買取会社がローン会社に150万円を返済 
→ 所有権移転登録後、車の元の所有者(車を売却した人)は残りの50万円を受け取る
ただし、提携信販会社によっては対応できない場合があるため、事前に買取店で確認が必要です。

買取店は買い取った車を再販して利益を得るため、この仕組みで成り立っています。
A売却代金で残債を完済できない場合は、不足分を清算する
車の買取額がローン残債を下回るケースでは、不足分を車買取会社に支払う必要があります。

たとえば、下記のような例があります。
<査定した買取額が200万円で、ローン残債が250万円の場合>

車買取会社がローン会社に250万円を返済 
→ 名義が車買取店に変更され、車の元の所有者(車を売却した人)は残りの50万円を支払う
一括返済ができない場合は、会社によって分割でのローン払いを用意しているところもありますので、車買取会社に確認してみましょう。

ローンが残っている車を高く売却するポイント

ローンが残っている車を高く売却するポイント

前述のとおり、車の売却金額によっては、残っているローンを完済できる可能性があります。

ローンが残っている状況では、できるだけ高く車を売って返済に当てたいものです。

ここでは、車買取会社で車を高く売却するためのポイントをご紹介します。

以下の5つのポイントを押さえることで、車の買取査定額アップが期待できるでしょう。

車を高く売却するポイント

自分の車の価値を知る

査定の前に自分の車の価値を把握しておくと、査定額が上がる場合があります。

車の年式や色、販売台数、純正オプションなど、自分の車の特徴を調べておきましょう。

車の特徴を査定時にアピールすれば、査定額が上がるかもしれません。
■確認しておくと良い項目
・車の基本情報(車種、年式、走行距離、グレード、色など)

・外装・内装の状態

・修復歴・事故歴

・メンテナンス履歴(整備記録簿・保証書)

・純正オプションの有無や内容

きれいな状態で車を査定に出す

車を査定に出す際は、できるだけきれいな状態にしておくことが大切です。

車内外の汚れを落とし、査定士に良い印象を与えることで査定額が上がる可能性があります。

清掃のポイントは以下の通りです。
■清掃のポイント
・車内の荷物をすべて出し、掃除機でゴミやほこりを除去する

・フロアマットは車外に出して水洗いする

・ダッシュボードやメーターパネル、窓のスイッチなどの汚れを拭き取る

・たばこやペットの匂いが残っている場合は、消臭剤や除菌シートで対策する
なお、車体の傷は、自分で修理しようとすると状態が悪化してしまう可能性があります。

無理して修理しようとせず、そのままにしておく方が安心です。

カスタムした場合は純正オプションを用意しておく

中古車市場では純正オプションが好まれるため、査定時にはプラス評価になりやすい特徴があります。

特に「先進安全技術」「本革シート」「サイド・バックモニター」など、製造時に装着される純正オプションは高額査定につながる傾向があります。

純正オプションは新車購入時にしか装着できないため希少価値が高く、その分評価アップにも直結します。

一方、純正以外のカスタムパーツを取り付けている場合は、可能な限り純正オプションを用意して査定に出すと安心です。

高く売却しやすい時期に査定に出す

車を高く売却するには、査定に出すタイミングを見極めることが重要です。

例えば、車買取会社の決算期にあたる1〜3月や9〜10月は査定額が上がりやすい傾向があります。

これは在庫を多めに確保し、販売数を増やそうとする動きがあるためです。

また、3月は新生活に向けて中古車需要が増える時期でもあり、買取額が高くなるケースが多く見られます。

ただし、売却時期を待ちすぎて年式が古くなったり走行距離が増えたりすると、かえって査定額が下がる可能性もあります。

需要期を狙いつつも、タイミングが合わなければ早めに査定に出すことが賢明です。

複数の車買取会社の見積もりを比較する

車の査定は、同じ車でも車買取会社によって算出される額が異なります

そのため、査定額や査定内容を比較するために、複数の車買取会社から見積もりを取ることが重要です。

さらに、事前に手続きや査定内容、接客に関する口コミを確認しておくと安心です。

複数社の見積もりを比較することで、最も条件の良い買取会社を選べます

ローンが残っている車を売却する際の注意点

ローンが残っている車を売却する際の注意点

ローンが残っている車を売却する際は、いくつかの重要な注意点があります。

事前に確認しておかないと、売却後にトラブルが発生したり、思わぬ負担を抱えたりする可能性があります。

ローンが残っている車の売却を検討している方は、以下の5つの注意点を必ず確認しておきましょう。

売却時の注意点

ローン契約書の禁止条項を確認する

銀行のマイカーローンを利用している場合、ローン契約書に「完済前売却の禁止」条項が記載されているケースがあります。

この条項がある場合、ローンを完済するまで車を売却することができません。

車検証の名義が自分になっていても、契約書にこのような条項があれば売却は禁止されています。

売却を検討している方は、必ずローン契約書を確認し、完済前の売却が可能かどうかを事前にチェックしておきましょう。

契約違反になると法的なトラブルに発展する可能性があるため、注意が必要です。

ローン滞納は信用情報に傷がつくリスクがある

ローンを滞納すると、信用情報機関に延滞情報が記録され、いわゆる「信用情報に傷がつく」状態になります。

信用情報とは、個人のローンやクレジットカードの利用履歴や返済状況を記録したもので、金融機関が融資の審査を行う際に参照されます。

延滞情報が登録されると、住宅ローンやクレジットカードの審査に通りにくくなるだけでなく、携帯電話の分割払いや賃貸住宅の保証審査にも影響する可能性があります。

車を売却してローンを清算する場合でも、滞納は避けるよう注意しましょう。

名義が他人の場合は名義変更が必須

車の名義が本人以外になっている場合、所有権がないため車を処分することができません

必要書類を用意して名義変更の手続きを行う必要があります。

所有権留保付きの車(=名義がディーラーやローン会社になっている車)を車買取会社に依頼する場合のフローは以下のとおりです。
■ローン会社名義の車を売る流れ

1.査定・売却契約の締結

ユーザーと買取会社が売却金額に合意し、契約成立。

2.買取会社がローン残債を照会
ローン会社へ「一括返済額」を確認。

3.残債の精算
売却額が残債より多い場合:買取会社が売却額から直接ローン会社に完済。

売却額が残債に足りない場合: ユーザーが不足分を入金 → 買取会社がローン会社に一括返済。

4.所有権解除
ローン完済によりローン会社(またはディーラー)が「所有権解除書類」を発行。

5.名義変更手続き
買取会社が所有権解除書類を使い、車の名義を自社に変更。

6.差額の清算
残債清算後に余剰があれば、その金額がユーザーに入金される。

売却額が残債を下回る場合は返済方法を考える

売却額がローン残債を下回る場合は、不足分をどのように返済するか事前に検討しておく必要があります。

自己資金で完済できない場合は、資金調達の方法を考えなければなりません。

資金調達の方法としては、新しく購入する車のローンに上乗せする「オーバーローン」や、銀行でカーローンを新たに組む方法があります。

ただし、オーバーローンは月々の返済額が大きくなり、新たなカーローンは審査が厳しいため慎重な検討が必要です。

新規ローンは審査が厳しくなる可能性がある

ローンが残っている車を売却し、残債を新車購入ローンに上乗せする場合、新たなローンの審査が厳しくなる可能性があります。

その要因は、オーバーローンによる借入額の増加と返済負担率の上昇です。

残債を新車購入ローンに組み込むことで借入総額が大きくなるため、金融機関はより慎重に返済能力を審査します。

具体的には、借入限度額が低く設定されたり、金利が高くなったりするケースがあり、場合によっては審査に通らない可能性もあります。

そのため、車の買い替えを検討する際は、これらのリスクを理解した上で、売却のタイミングや資金計画を慎重に検討することが重要です。

ローン残債がある車は売却額で返済計画を立てよう

ローンが残っている車を売却するときは、車買取会社で査定を受け、自分の車がいくらで売れるのか確認した上で、ローンの返済方法を考える必要があります。

車の売却を検討する際は、今回ご紹介した、車を高く売るポイントなどを参考に、複数の車買取会社の査定に申し込んで比較してみましょう。

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売却手続きや売却サポートのほか、担当者の接客力など、さまざまな視点で車買取会社を比較検討できますので、ぜひ参考にしてください。
高見 陽子

監修者高見 陽子

ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター

元大手銀行で個人営業を担当。現在は資産形成・相続・ライフプランなどの執筆や監修を行い、コンテンツ制作やSNSを通じた情報発信を支援している。

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