2018年06月18日 08時50分

「投信積立」と「つみたてNISA」何が違うのか

投信積立とつみたてNISA、2つの違いについて解説する(画像はイメージ) [拡大する]

投信積立とつみたてNISA、2つの違いについて解説する(画像はイメージ)

 ネット証券を中心に、月々100円や500円といった少額からでも積み立て投資ができるようになった。一度手続きをすれば、あとは自動的に積み立てをしていくので忙しい人にも向いている。だが、いざ始めようと思ったものの、投信積立とつみたてNISAという言葉が出てきて、両者の違いが分からずにつまずいたという声も聞かれる。今回は、両者の主な違いについてお伝えしよう。

■つみたてNISAには税金がお得になる仕組みがある

 そもそも積立投資とは、まとまった金額で投資をするのではなく、少額でこつこつと積み立てて投資をしていく投資法のこと。「投信積立」とは、“投資信託”を積み立てていく投資法で、つみたてNISAもその一種だ。

 基本的に、投資で得た利益(売買益や分配金)には20.315%(復興特別所得税含む)の税金がかかる。ところが、つみたてNISAでは利益に対して税金がかからないというのが大きなメリットだ。たとえば、持っている投資信託を売却して1万円の利益が出た場合、通常口座だと2031円ほどの税金が差し引かれることになる。ところが、つみたてNISAでは税金が不要なので、利益をそのまま得ることができる。

■つみたてNISAはいくつかの制約がある

 「税金がお得になるなら、つみたてNISAの方がいいのでは?」と思うかもしれないが、つみたてNISAにはいくつか制約がある。まず、つみたてNISAに該当する商品は決められている。株式投資信託やETF(上場投資信託)のうち、長期の積み立てや分散投資に適していると認められたものしかつみたてNISAでは購入できない。

 また、1年あたりの非課税投資枠が40万円まで、投資期間が20年間と定められている。たとえば月々4万円積み立てたいと思ったら、4×12ヶ月=48万円になるため、上限金額を超えてしまう。つみたてNISAでは、月々およそ3万3000円までしか積み立てができないと覚えておこう。

■同じ年にNISAとつみたてNISAの併用はできない

 もうひとつの注意点として、つみたてNISAと通常のNISA口座は同じ年に併用ができないことがあげられる。もし、すでにNISA口座を持っていて、そちらで2018年に株や投資信託などを一度でも購入しているとNISA口座を利用したことになり、つみたてNISAに切り替えることができない。すでに今年NISA口座を利用していて、投資信託の積み立てを始めたいと思ったら、通常のNISA口座内(ただし、1年間あたり120万円が上限で、原則的に投資期間が5年間)で買うか、NISAではない通常口座で行うことになる。

 税金がお得になる制度はとても有利なので、NISAをまだ利用していない人は検討してみてはいかがだろうか。

(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。2児の母。これまでに1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材を行うほか、女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修なども行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。

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