NISA(ニーサ)、商品選びのコツは? 投資初心者なら低リスクの「株主優待銘柄」と「投信積立」

 2014年1月1日から始まった『NISA(ニーサ:日本版少額投資非課税制度)』。1年間に100万円までの投資資金の範囲で譲渡益(売却益)と分配金・配当に対してかかる源泉課税を非課税にする制度だ。
 そこで今回は、NISA(ニーサ)を機に投資を始める投資初心者に向けて、運用可能な商品選びのポイントと、投資初心者でも比較的運用しやすいと言われている「株主優待付き銘柄」と「投信積立」について、おすすめ銘柄&商品も併せて詳しく解説! NISA(ニーサ)をいかに有効活用するかは、個人のニーズや投資環境によって違ってくるため、まずは自身の投資資金や投資レベルに合った金融商品を知ることから始めよう。

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おすすめ銘柄も紹介! 投資初心者の商品選び「3つのコツ」

 NISA(ニーサ)で運用できる商品はどれもリスクがともなうが、まずはリスクが低い商品から始めてみよう。投資自体が初めての人や、投資経験が少ない人に向けて、少額投資でも運用可能な商品の選び方をおすすめ銘柄&商品とともに解説する。キーワードは「株主優待付き銘柄」と「投信積立」。投資する銘柄群や運用手法、諸手数料など、詳細内容は商品ごとに違うので、購入の際は金融機関でしっかり詳細を確認して、比較検討しよう。


【選び方のコツ1】株主優待がある銘柄を選んでみよう

 初心者におすすめの選び方として、株主が企業から定期的に“プレゼント”がもらえる、株主優待のある銘柄を選ぶという方法がある。現状、株主優待を実施している企業は1000社以上あり、食品メーカー、外食チェーン店など親しみやすい銘柄も多い。数ある日本株の銘柄からどれを選べばいいのか、なかなか見当がつかない人も多いと思うので、具体的な銘柄とともに、選び方のポイントをみていこう。

■自分の予算に合った銘柄を選ぶ
 今回に限ったことではないが、投資の際は予算を決めて無理のない範囲内で投資することが大切。<表1>にある通り、銘柄によっては10万円以下で購入可能だ。「もっと安く買いたい!」という人の中には、1万円程度から株式売買ができる「ミニ株」や「プチ株」などを利用する人もいると思うが、これらでは優待は狙えないので注意しよう。というのも、株主優待の特典を受けるためには、最低でも株を1単元(1単元あたりの株数は企業によって異なる)保有して、その企業の株主になる必要がある。「ミニ株」などは単元未満で安く購入できる反面、株主になれない=株主優待をもらえないというデメリットがある。


<表1>予算別で選ぶ株主優待付き銘柄例

最低購入金額
(株価/単元/配当利回り)

銘柄
(証券コード/市場)

優待内容

5万2,700円
(5万2,700円/1株/1.9%)

ビックカメラ
(3048/東証1)

1株:株主お買い物優待券2,000円(1,000円券×2枚)

9万8,400円
(984円/100株/1.52%)


いなげや
(8182/東証1)


100円の買物割引券(年2回) 
・100株以上:10枚
・500株以上:50枚
・1000株以上:100株 など

10万8,500円
(1,085円/100株/1.47%)

ゼンショーホールディングス
(7550/東証1)

100株:1,000円分の食事
(500円券×2枚)

11万1,800円
(1,118円/100株/0.72%)

スターバックスコーヒージャパン
(2712/東証JQS)

100株:ドリンク券×2枚
(種類・サイズ・オプション問わず)

11万9,900円
(1,199円/100株/1.67%)

吉野家ホールディングス
(9861/東証1)

100株以上:300円サービス券×10枚

14万3,700円
(1,437円/100株/0.7%)


三越伊勢丹ホールディングス
(3099/東証1)


株主優待カード(指定店舗で消費税抜ご利用限度額内10%割引) 
・100株以上:15万円
・300株以上:20万円 など

17万200円
(1,702円/100株/1.18%)

カゴメ
(2811/東証1)

100株:1,000円相当の自社商品

19万8,400円
(1,984円/100株/1.26%)

島精機製作所
(6222/東証1)

100株:特別企画品(自社直営飲食施設での取扱商品など)

20万9,000円
(209円/1,000株/1.91%)

ANA
(9202/東証1)

1,000株:株主優待券1枚(片道1区間搭乗時普通運賃の50%割引)

24万4,000円
(244円/1,000株/1.23%)

リゾートソリューション
(5261/東証1)

1,000株:(1)リソル宿泊専用商品券3,000円分、(2)リソルゴルフ専用商品券1万円分ほか

■もらってうれしい「使い勝手の良い優待」で選ぶ
 せっかく株主優待を受けるなら、自分の日常生活で利用できるものを選ぼう。たとえば、外食企業のレストラン無料券をもらっても、近所になければ利用できないので“宝の持ち腐れ”に。男性が女性用化粧品をたくさんもらっても、使う機会が少なければもったいない。全国展開している吉野家、マクドナルドなど外食企業や、誰がもらっても困らない米やドリンク、金券(図書券、クオカードなど)を株主優待品にしている企業が比較的人気が高いようだ。

<表2>優待内容別で選ぶ株主優待付き銘柄例

優待内容

銘柄
(証券コード/市場)

最低購入金額
(株価/単元/配当利回り)

1,000株:新米魚沼産コシヒカリ5kg、ミネラルウォーター500ml×48本、カメ仕込み本格イモ焼酎「火水風」5合×4本などから一つを選択

東建コーポレーション
(1766/東証1)


4万9,900円
(4,990円/10株/1.7%)

100株:1,000円相当の自社商品詰め合わせ

キューピー
(2809/東証1)

14万1,700円
(1,417円/100株/1.41%)

自社製品
・100株以上:1,000円相当 
・200株以上:2,000円相当
・1,000株以上:3,000円相当
・2,000株以上:6,000円相当

JT(日本たばこ産業)
(2914/東証1)


34万9,500円
(3,495円/100株/1.95%)


100株以上:優待食事券×10枚(自社3月末時点の主要メニューの中から1品選択可能)

松屋フーズ
(9887/東証1)

16万5,400円
(1,654円/100株/1.51%)

優待食事券
(バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの無料引換券) 
・100〜200株:1冊
・300〜400株:3冊
・500株以上:5冊

日本マクドナルド
(2702/東証JQS)



28万2,500円
(2,825円/100株/1.06%)



500株以上:1回の食事利用につき1万円相当のご優待お食事ポイント付与(年4回)

コロワイド
(7616/東証1)

52万8,000円
(1,056円/500株/0.47%)

100株以上:3,000円クオカード

明光ネットワークジャパン
(4668/東証1)

10万5,900円
(1,059円/100株/2.55%)

・100株以上:オリジナル図書カード(1,000円相当)
・300株以上:複数の地域特産品、オリジナル図書カードから一つ選択(3,000円相当)など

稲葉製作所
(3421/東証1)


12万5,400円
(1,254円/100株/1.44%)


100株以上:5,000円相当の自社製品

マンダム
(4917/東証1)

32万4,000円
(3,240円/100株/1.91%)

1,000株以上:自社ヘルスケア商品優待セールの実施

日本ケミファ
(4539/東証1)

46万円
(460円/1,000株/2.17%)

■配当の利回りが高い銘柄を選ぶ
 配当の高い企業は業績がよいことが多く、株主に対し手厚い姿勢であることも多い。株主優待を狙いながら、さらに高配当の銘柄を選べば楽しみも2倍になるだろう。配当は年に2回あるいは1回の企業もあるので、何月決算で配当がいつもらえるのかも確認しよう。なお、配当利回りとは「1年分の配当金を株価で割った数字」のことである。

<表3>配当で選ぶ株主優待付き銘柄例

配当利回り
(最低購入金額/株価/単元)

銘柄
(証券コード/市場)

優待内容

3.41%
(7万3,400円/734円/100株)



コア
(2359/東証1)



国立博物館共通パスポート
(発行日から1年有効、特別展各館1回有効、平常展無制限)
・200株以上:1枚
・1000株以上:2枚など 

3.36%
(30万6,500円/3,065円/100株)

因幡電機産業
(9934/東証1)


クオカード
・100株以上:1,000円相当
・1000株以上:1,500円相当
・3000株以上:2,000円相当

3.21%
(14万200円/1,402円/100株)


エイジス
(4659/東証JQS)


お米券
・100株以上:3s分
・1,000株以上:5s分
・10,000株以上:10s分

2.91%
(17万1,900円/1,719円/100株)


トーメンデバイス
(2737/東証1)



・100株以上:健康オイルセット5本
・200株以上:新潟産コシヒカリ5s
・500株以上:新潟産コシヒカリ10s、輸入ワイン、健康オイル10本入りの中から一品を選択

2.67%
(18万7,500円/1,875円/100株)

ユニバーサルエンターテインメント
(6425/東証JQS)

100株以上:PCメガネ

2.76%
(6万8,800円/688円/100株)

DCMホールディングス
(3050/東証1)

100株以上:自社開発商品セット(DCMブランド)、社会貢献活動団体への寄付の中から一つ選択

2.64%
(15万1,300円/1,513円/100株)

巴工業
(6309/東証1)

100株以上:ワイン1本(自社子会社取扱い商品)

2.45%
(49万円/490円/1,000株)

日本製粉
(2001/東証1)

1,000株以上:自社製品3,000円相当

2.36%
(33万8,500円/33万8,500円/1株)


ドクターシーラボ
(4924/東証1)



自社製品(アクアコラーゲンゲルスーパーモイスチャーEX50gほか) 
・1株:10,000万円相当
・2株:20,000円相当
・3株以上:30,000万円相当

2.05%
(33万1,500円/3,315円/100株)

伊藤忠食品
(2692/東証1)


100株以上:「ちょいすdeチョイス」(自社オリジナルギフト50種類の商品の中から好きなものを選択するギフト)

 
 予算、優待内容、配当など重視したいポイントが決まると、選ぶ銘柄は自然と絞られる。ただし、どの場合も現在業績の悪い会社を選べば、その会社が破綻したときには投資したお金が一銭も戻らなくなるというリスクも。業績の悪さはもちろん、決算資料を読みこめばわかるが、簡単な見分け法として配当がゼロ(無配)の場合は避けるということでざっくり見極めることができるので、覚えておこう。

【選び方のコツ2】少額投資向き!投信積立を選んでみよう

 投資経験があまりない人や、投資資金を少額で始めたい人は、投資信託を一定金額買い続ける投信積立で、投資に慣れるのもひとつの方法だ。
 NISA口座で投資信託を保有する場合、5年間で安定的に資産が増える“長期保有設計の商品”を選ぶのが賢明。値動きの激しいものは、値上がり時に利益確定をしてももちろん良いのだが、せっかく5年の運用期間があるので、途中で売却してしまうと運用期間がそこで終わってしまい、もったいない。長くじっくり育てる投資信託を選んで、1年間で100万円の枠を使いきるように積み立てをしていくのが理想だ。

<表4>の投信は1万円から1万円単位で積み立てられるものばかり。1年ごとに積み立てる商品を変えても良いし、毎月1万円ずつ複数商品を積み立て続けるのも良いだろう。


<表4>おすすめの投信積立商品の一例

ジャンル/ファンド名

特長

取扱金融機関例

国内株式型/ひふみプラス








国内外の上場株式を投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期投資を行う。株式の上昇が予測される局面では、株式の組入比率を高め、下落が予想される局面では株式を売却し、組入比率を低めることにより“資産を守りながら増やす”運用を行う。

SBI証券、カブドットコム証券、マネックス証券、楽天証券など

国内株式型/RS日本株式ファンド








「インデックスマザーファンド225」を通じて、日経平均株価を構成する現物株式に投資を行うほか、日経平均株価を対象とした株価指数先物取引や、日経平均株価への連動を目指すETF(上場投資信託)などを活用する。株式市場の変動が大きくなると判断される局面では、株式の実質組入比率を50%に引き下げて運用する。

SBI証券、マネックス証券、楽天証券など







国内株式型/コモンズ30ファンド





運用目線を30年の長期としている。徹底した企業調査を行い、日本の企業の中でも、世界の成長を取り込める“真のグローバル企業”を中心に30銘柄程度に厳選して投資をする。

楽天証懸念、ソニー銀行、コモンズ投信、SBI証券、マネックス証券など

インデックス型/野村インデックスファンドシリーズ(通称:Funds-i)




野村アセットマネジメントが2010年11月から運用しているインデックスファンドシリーズ。商品は全15種類。国内外の株式、債券、REITを対象に運用を行う。2013年5月から為替ヘッジ型なども運用開始。

楽天証券、カブドットコム証券、ソニー銀行、野村証券など

グローバル・バランス型/セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド




このファンド1本で世界30ヶ国以上の株式と、10ヶ国以上の債券に分散投資する。株式と債券の投資比率は原則50対50となっており、リスク分散をしながら運用を行う。手数料は同種ファンド内では国内最低水準で低コスト。

セゾン投信

グローバル・バランス型/ピクテ・アセット・アロケーション・ファンド


主に日本を含む世界の株式、債券、金などに分散投資する。市場環境に応じて資産配分を機動的に変更する。

マネックス証券、楽天証券など

ワールド・リート型/ワールド・リート・オープン(資産成長型)








NISAで複利効果を活かせるように設計された資産成長型ファンド。世界各国のREIT(上場不動産投資信託)に分散投資する。信託財産の十分な成長に資することに配慮し、収益の分配を行わないことがある。大手資産グループのひとつ「MSIM(モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント)グループ」の運用ノウハウを活用。

SBI証券、カブドットコム証券、マネックス証券、楽天証券など

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【選び方のコツ3】投資初心者必読!「運用できる商品」選びの心得3ヶ条

  • マンガ『NISA(ニーサ)運用商品選びは“洋服選び”』の一コマ

    自分に合ったNISA(ニーサ)運用商品の選び方をマンガで解説。予算やサイズ、目的など洋服選びに置き換えて考えるとイメージしやすい。

 投資初心者にとって、NISA(ニーサ)の口座開設手続きが終わり、次のステップである「商品選び」で迷うことは当然。だからこそ、運用していく商品選びは“身の丈に合ったもの”の見極めの重要性はいわずもがな。最後に、口座を開いたあと、投資初心者がおさえておくべきポイントを[[URL>choice_of_financialproducts2_s.html">マンガ『NISA(ニーサ)運用商品選びは“洋服選び”』でおさらい! 金融商品と考えると少し難しく感じるが、“洋服選び”など、日常生活でのワンシーンに置き換えて想像し、実践に役立ててみて。


投資初心者向け「運用できる商品」選びの心得3ヶ条
1)まずは定番商品から
・NISA(ニーサ)を機に投資を始めるなら、まずはリスクが低い“定番商品”から。
2)ハイリスクに手を出すな!
・「外国株」や「高配当利回り」、「株式投資値上がり」などはハイリスク商品であり、上級者用ととらえよう。
3)スキルUPを最優先
・まずは定番商品で投資に慣れること!運用のスキルUPを最優先させよう。
※今回の特集内で紹介している情報やデータは2013年12月9日現在のものです。変更される場合もありますので、ご注意ください。

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