新NISAで証券会社は変更できる?手続きの方法と注意点

新NISAで証券会社は変更できる?手続きの方法と注意点

2024年から、現行のNISA制度が拡充され、恒久的な制度に変わります。つみたてNISAと一般NISAが実質的に併用可能になったり、非課税保有期間が無期限になったりとメリットは大きく、多くの人が注目している制度です

2024年になれば現在NISA口座を持っている証券会社で、自動的に新NISA口座が開設されるため、特に手続きなく利用できるのもメリットです。

一方で、すでにNISAを利用している人の中には、「この機会によりサービスが充実した証券会社に変更したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、新NISAを始めるにあたって、証券会社を変更する手続きや必要なもの、注意点などについて解説します。

新NISAで証券会社を変更する方法

NISA口座を開設している証券会社は、1年に1回に限って変更が可能です。
ここでは、現在NISA口座を開設している証券会社を変更し、新しい証券会社でNISA口座を開くまでの手続きと流れをご紹介します。

変更前の証券会社で行う手続き

まずは、現在NISA口座のある証券会社に、変更の申込みをしましょう
Web上で申請が可能か、電話連絡などが必要かは、証券会社によって異なります。変更の申込みには本人確認書類が必要なので、あらかじめ用意しておきます。

変更の申込みを行うと、「金融商品取引業者等変更届書」が送付されるため、必要事項を記入して提出してください。受理されると、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が発行され、郵送で受け取ることになります。
NISAの口座解約については、こちらの記事をご覧ください。
NISAは解約できる?解約の方法や積立をやめる以外の選択肢

新しい証券会社で行う手続き

変更前の証券会社で手続きを始めたら、新しい証券会社でNISA口座開設の申込みを始めます。
NISA口座の開設は、その証券会社で総合口座を持っていることが条件です。

新しい証券会社で総合口座を持っていない場合は、総合口座とNISA口座をまとめて開設する手続きを行いましょう
口座開設の申込みにも本人確認書類が必要で、マイナンバーの提出も求められます。

開設申込みを行うと、「非課税口座開設届出書」が送付されるため、必要事項を記入してください。変更前の証券会社から送付された「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と併せて郵送すると税務署で審査が行われ、問題がなければ新しい証券会社でNISA口座が開設できます。
その他のNISA口座開設に関する疑問については、こちらの記事をご覧ください。
NISA口座開設 “よくあるQ&A”

新NISAで証券会社を変更するメリット

新NISAで証券会社を変更する場合は手続きが必要なので、面倒に思うこともあるでしょう。しかし、証券会社を変更することで、次のようなメリットがあります。

商品の選択肢が増える

証券会社によって新NISAの投資可能な商品のラインナップは異なります。証券会社を変更することで、選択肢が広がる可能性があるでしょう。
新NISAは年間投資枠が増え、1つのNISA口座でつみたて投資枠と成長投資枠と併用が可能になります。これまでより投資の選択肢が広がる分、金融商品のラインナップは重要です

手数料が安くなる

同じ金融商品を購入する場合でも、証券会社によって投資信託の購入時手数料や株式の売買手数料などは異なる場合があります。証券会社を変更することで、手数料を抑えられる可能性があります。ただし、つみたて投資枠で購入する場合や、ノーロードファンド(購入時手数料がゼロの投資信託)の場合、どの証券会社で購入しても販売手数料はかかりません。

また、対面型の証券会社でNISA口座を利用していた場合、ネット証券に変更することで、取引手数料が大きく下がる可能性があるでしょう。
ネット証券各社の手数料については、こちらの記事をご覧ください。
ネット証券大手会社の手数料を比較!おトクに利用するための選び方

サービスが充実する

証券会社ごとに展開しているサービスは異なります。利用することでポイントを付与したり、口座開設や変更のキャンペーンを展開していたり、NISAの利用で何らかの優遇措置を受けられる可能性があります
証券会社によっては、新NISAについての相談窓口を開設していたり、セミナーを開催していたりするところもあるでしょう。

また、取引を行うWebサイトやアプリなどの機能や操作性も証券会社によって違うため、変更によって使い勝手が良くなることがあります。証券会社を選ぶ際は、そういった点にも注目してみてください。

NISAの証券会社を変更する際の注意点

NISAの証券会社を変更する際の注意点

NISAの証券会社は、手続きさえ行えば変更可能ですが、事前に知っておきたいこともあります。
新NISAで証券会社を変更する際の注意点は下記のとおりです。

NISA口座は一人1口座しか開設できない

銀行口座や証券口座は、複数の金融機関で口座を持つことができますが、NISA口座は一人1口座しか開設できません
申込み自体は可能ですが、税務署での審査の際にすでにNISA口座を開設していることがわかれば、申込みは無効となります。

証券会社を変更したいときは、新しい証券会社に「非課税口座開設届出書」を提出する前に、必ず変更前の証券会社で手続きを行いましょう。
NISAの複数口座開設については、こちらの記事をご覧ください。
NISA口座は複数開設できる?金融機関変更や二重申込の場合を解説

NISA口座が変更できるのは1年に1回

NISA口座を開設している証券会社を変更できるのは、前述のように1年に1回だけです。変更にはタイミングがあり、変更を希望する年の前年10月1日から、変更を希望する年の9月30日までに手続きを完了する必要があります
例えば、2024年にNISA口座の変更を行いたい場合、2023年10月1日から、2024年9月30日までに変更手続きを行うことになります。

なお、変更を希望する年の1月1日以降、NISA口座で買付を行った場合、その年は証券会社を変更することはできません。
できるだけ買付を止めずに証券会社を変更したい場合は、変更を希望する年の年末頃に手続きを行い、翌年始めから新しいNISA口座で買付を行う流れがおすすめです。

NISA口座変更の手続きは1ヵ月程度かかる

NISA口座の変更手続きは、すぐ完了できるわけではありません。証券会社での書類の発行や税務署の審査などで、1ヵ月程度時間がかかります
もし不備があったり税務署が混み合ったりしていれば、さらに時間がかかることもあるでしょう。変更には、余裕を持って手続きしてください。

変更先の証券会社に資産を移行できない

NISA口座を変更する場合、変更前のNISA口座で保有している資産を、変更後のNISA口座に移管することはできません
変更前の口座で保有している資産を変更後のNISA口座に移したい場合は、金融商品を売却して現金化する必要があります。

ただし、現金化しない場合、変更前の口座でそのまま金融商品を保有することは可能で、最長5年間の非課税期間も利用できます。

ロールオーバーできない

一般NISAの場合、非課税期間終了後はこれまで保有していた資産を再度NISA口座に移管して継続して運用する、ロールオーバーができます。
しかし、NISA口座を異なる証券会社に変更した場合は、ロールオーバーができなくなります
新NISAの移行(ロールオーバー)については、下記の記事をご覧ください。
新NISAの移行(ロールオーバー)はできない?手続きは必要?

新NISAを機会に、証券会社の見直しを検討しよう

新NISAでは、手続きを行えば証券会社の変更が可能です。注意しておきたいこともありますが、投資できる金融商品の選択肢が広がったり、手数料を抑えられたりとメリットは大きいでしょう。
投資できる商品のラインナップはもちろん、手数料やアプリの使いやすさ、相談のしやすさなど、自分が重視したいことを踏まえて証券会社を選んでください。

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