新NISAはデメリットしかないと言われる理由は?利用する際の注意点やポイントを解説
2024年からは、安定した資産形成の推進を目的とした新NISAがスタートしました。この制度を利用する前に、特徴やメリット・デメリットをしっかり理解することが重要です。
本記事ではNISAについて、利用する際のポイントや注意点を含めて解説していきます。
■NISAとは個人投資家のための税制優遇制度
■NISAにはデメリットが多いといわれる理由
損失が発生する可能性がある
損益通算と繰越控除ができない
すでに保有している株式や投資信託などは非課税の対象外
金融機関によって投資できる商品が異なる
■NISAのメリット
運用益が非課税になる
非課税保有期間が無期限である
投資枠の再利用ができる
金融庁の基準をクリアした商品が購入できる
■NISAで資産運用をする際のポイント
長期運用・分散投資をする
積立投資をする
余剰資金で投資をする
資産運用の目的やリスク許容度に合った商品を購入する
資産運用の専門家にアドバイスをもらう
手数料の安いネット証券を活用する
■NISAで資産運用をする際の注意点
一人につき一口座しか開設できない
18歳以上の人しか口座を開設できない
旧NISAの商品は新NISAにロールオーバーできない
■ネット証券を活用してNISAのメリットを最大化しよう
NISAとは個人投資家のための税制優遇制度
例えば、株式の取引で10万円の利益があった場合、通常はその20.315%に相当する約2万円が税金として差し引かれますが、NISAを利用すると、非課税保有限度額である1,800万円までは、税金がかからず利益を全額受け取ることができます。
2024年からは、より柔軟で長期的な資産形成をサポートする新NISAが導入されました。2023年までの旧NISAと比べて、主に下記のような変更点があります。
・非課税で資産が保有できる期間の無期限化
・非課税で保有できる資産の限度額の拡大
・口座開設期間の恒久化
・つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に
・非課税投資枠の再利用が可能に
旧NISA | 新NISA | |||
---|---|---|---|---|
つみたてNISA | 一般NISA | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
制度の併用 | 併用不可 | 併用可 | ||
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 最大20年間 | 最大5年間 | 無期限 | |
非課税保有限度額 | 800万円 | 600万円 | 1800万円 (成長投資枠は1,200万円まで) |
|
投資対象商品 | 投資信託 | 株式・投資信託・ETF | つみたてNISAと同じ | 株式・投資信託・ETF (一部制限あり) |
投資方法 | 積立 | 一括・積立 | 積立 | 一括・積立 |
売却時の再利用 | 不可 | 可 |
一方、成長投資枠は、より幅広い商品への投資が可能で、高いリターンを目指すことができます。
つみたて投資枠とうまく使い分け、自分のリスク許容度(投資をする際にどの程度の価格変動まで許容できるかという度合い)に応じた投資先を選びましょう。
NISAの積立の始め方は?新NISAを始めるSTEPを解説
NISAにはデメリットが多いといわれる理由
ここからは、NISAのデメリットを4つご紹介します。
損失が発生する可能性がある
特に投資初心者がNISAを利用する際には、リスク管理のために投資の基本や金融商品の知識をしっかりと学び、少額の投資からスタートすることが推奨されます。
損益通算と繰越控除ができない
NISA口座と課税口座(一般口座や特定口座)を併用している場合、NISA口座で損失が出ても、損益通算をすることができない点には注意が必要です。
すでに保有している株式や投資信託などは非課税の対象外
金融機関によって投資できる商品が異なる
また、NISA口座を開設した後に金融機関を変更することも可能ですが、年に1回の制限があるため、注意が必要です。
NISAのメリット
運用益が非課税になる
もし、株式投資で30万円の利益を得た場合、課税口座である一般口座や特定口座では、その20.315%の6万円程が税金として差し引かれます。しかし、NISA口座を利用していれば、6万円程の税金が免除され、30万円の利益の全額が手元に残ることになるのです。
非課税保有期間が無期限である
NISAでは、本来税金として差し引かれるはずの運用益を再投資に回すことで複利効果が大きく働き、運用に長い時間をかけることで、資産が着実に積み上がることが期待できるのです。
投資枠の再利用ができる
非課税枠は「簿価残高方式」により、金融商品を購入したときの取得価格で管理します。そのため、復活する非課税枠は、金融商品を売却した金額分ではなく、購入したときの取得価格分となります。
例えば、非課税保有限度額の1,800万円すべてを使用して投資していた人が取得価格800万円分の資産を売却すると、その年は非課税投資枠が1,000万円に減少しますが、翌年からは空いた800万円分の枠を再び使うことができます。
非課税投資枠の再利用が可能になったことで、旧NISAと比べて長期にわたる資産運用ができるようになりました。
金融庁の基準をクリアした商品が購入できる
金融庁の基準を満たす金融商品は、確実に分散投資を行いつつ、個人投資家の負担を軽減することを目的として選ばれているため、初心者でも安心して投資を行うことができます。
NISAで資産運用をする際のポイント
長期運用・分散投資をする
長期運用をすると、運用益を再投資することで新たな利益を生む複利効果が大きくなり、利益も大きくなる可能性が高くなります。また、数十年かけて利益を出すことを目的としているため、日々の値動きに一喜一憂する必要もありません。
また、複数の種類の資産に分けて投資する分散投資を行うことで、市場の短期的な変動で大きな損失を出してしまうのを防ぐことができます。
積立投資をする
積立投資とは、一定の金額を定期的に投資する手法のこと。積立投資を行うことで、市場の短期的な値動きに左右されずに、リスクを分散しながら着実に資産を増やすことができます。
余剰資金で投資をする
投資は長期的に行うものなので、日常生活に支障をきたさない範囲で資金を運用することが重要です。
資産運用の目的やリスク許容度に合った商品を購入する
過度なリスクを取って大きな損失を被ると、取り返しのつかない状況に陥ることがあります。投資は自分の生活に影響を与えない範囲で行い、特に初心者は少額からスタートすることがおすすめです。
資産運用の専門家にアドバイスをもらう
プロの知識と経験にもとづくアドバイスを受けることで、より安全で効率的な資産運用が可能になります。
手数料の安いネット証券を活用する
証券会社選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをはじめとする、比較サイトを参考にするのもいいでしょう。「ネット証券会社 オリコン顧客満足度ランキング」では、手数料や取扱商品数、分析ツールの使いやすさなど、さまざまな観点から証券会社を比較検討することが可能です。
【2024年】おすすめのネット証券 オリコン顧客満足度ランキング・比較
NISAで資産運用をする際の注意点
一人につき一口座しか開設できない
このため、NISA口座を開設する際には、取り扱う投資商品の種類や手数料、サービスの質などを慎重に比較検討し、最適な金融機関を選ぶことが重要です。
NISA口座は複数開設できる?金融機関変更や二重申込の場合を解説
18歳以上の人しか口座を開設できない
つまり、口座を開設したい年に18歳になる予定の人でも、その年の1月1日時点で18歳に達していなければ口座を開設することはできません。
旧NISAの商品は新NISAにロールオーバーできない
旧NISAで運用中の資産を新NISAで運用したい場合は、まずその資産を売却して現金化した後、新NISAであらためて金融商品を購入する必要があります。
新NISAの移行(ロールオーバー)はできない?手続きは必要?
ネット証券を活用してNISAのメリットを最大化しよう
特に、2024年から始まった新NISAでは、投資可能額や非課税保有限度額が大幅に拡大され、長期にわたって効率的な資産運用ができるようになりました。
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