新NISAは改悪?制度の変更点と活用のポイントを解説
今回は、新NISAが現行NISAから変更になった点や改悪と考えられる理由、活用のポイントなどについてご紹介します。
目次
新NISAとは?これまでのNISAから変更されたポイント
限定的だった現行のNISAと比べ新NISAは恒久的な制度となり、政府が掲げる「資産所得倍増プラン」でも、中核とされています。
そもそもNISAとは、「NISA口座(非課税口座)」を利用することで、投資で得られた配当金や分配金、売却益などが非課税になる税金優遇制度です。
通常は、投資で得られた利益には20.315%の税金がかかり、場合によっては確定申告を行わなければなりません。
NISAを利用することで、税金を気にせず投資が可能になるため、メリットは大きいでしょう。
新NISAの5つの変更点
ここでは、新NISAとなって変更された点を、5つ見ていきましょう。
非課税保有期間の無期限化
新NISAは非課税枠で買付した商品の保有期間が無期限になるため、制度の変更がない限り、半永久的に保有できることになります。
口座開設期間の恒久化
新NISAからは制度が恒久化され、口座開設期限がありません。
制度が廃止や改定されない限り、期限を意識することなく、いつでも口座開設や運用ができるようになりました。
NISA口座開設“よくあるQ&A”
つみたて投資枠と成長投資枠の併用
新NISAでも1口座しか持てないことに変わりはありませんが、つみたてNISAが「つみたて投資枠」、一般NISAが「成長投資枠」となり、それぞれを併用して1つの口座で運用ができます。
新NISAはつみたてNISAと併用可能?2つの投資枠と活用方法を解説
年間投資枠の拡大
前述のように2つの枠は併用可能なので、最大年間360万円運用できるようになりました。
非課税保有限度額の新設
これは、生涯に非課税で投資できる額を指し、さらに、保有している金融商品を売却することで投資枠を再利用できることになりました。
例えば、上限の1,800万円まで金融商品を保有していたとしても、300万円分売却したらその分で再度投資が可能になるということです。
状況に応じて柔軟な投資が可能になるでしょう。
現在のNISA | 新NISA | |||
---|---|---|---|---|
つみたてNISA | 一般NISA | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
制度の併用 | 併用不可 | 併用可 | ||
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 最大20年間 | 最大5年間 | 無期限 | |
非課税保有限度額 | 800万円 | 600万円 | 1800万円 (成長投資枠は1,200万円まで) |
|
投資対象商品 | 投資信託 | 株式・投資信託・ETF | つみたてNISAと同じ | 株式・投資信託・ETF (一部制限あり) |
新NISAはいつから?2024年からの変更ポイントと注意点を解説
なぜ新NISAは改悪とされる?
自分で判断しなければならない
さらに、非課税保有期間が無期限になったことで、いつまでも資産を保有できるようになり、自分で売却のタイミングを考える必要があります。
自由度が増すのはメリットでもありますが、投資する種類はもちろん、銘柄選びや購入金額、リスク許容度など、自分で判断しなければならない場面が増えます。
これまでのNISAに比べて、運用が難しくなったと考える人もいるでしょう。
元本割れリスクが増えた
しかし、これまでのNISAより幅広く金融商品を選べることや、投資できる額が増えたことで、結果的にリスクが高まったと考える人もいるようです。
現行のNISAから新NISAにロールオーバーできない
しかし、現行NISAと新NISAは分離しており、非課税枠は別のため、現行NISAから新NISAにロールオーバーすることはできません。
新NISAで運用するためには、一度資産を売却し、新口座で再び購入することになります。
新NISAの移行(ロールオーバー)はできない?手続きは必要?
ジュニアNISAが廃止される
2023年までにジュニアNISAで投資した商品は、非課税保有期間が終了しても18歳までは非課税で保有が可能です。
投資可能商品に制限ができた
少額資金で数倍の金額の取引ができるレバレッジ型の商品は選べなくなり、上場廃止が予定される整理・監理銘柄、信託期間20年未満・毎月分配型の投資信託なども対象外となります。
NISAを活用するポイント
目標や目的を明確にする
例えば、「10年後に住宅購入のために◯円必要だから、毎月の投資額は◯円」といった計画が立てられますし、一度払い出したら枠を再利用できるため、また新しい運用計画を立てられます。
長期で分散投資する
さらに、リスクを分散するために、1つの金融商品ではなく、複数の商品を選んで分散投資することも重要です。
たとえ1つの商品が値下がりしても、ほかの商品が値上がりしていれば、大きな損にはなりません。
無理のない金額で投資する
目標や目的に合わせて投資金額を考えることは重要ですが、投資のために生活費を圧迫したり、続けられなくなったりしては本末転倒。
無理なく、長期的に投資できる金額を考えましょう。
悩んだら専門家に相談
新NISAを活用する方法を学べるほか、運用の基礎や銘柄選びのポイントのほか、目標や目的に合わせた運用方法なども相談できます。
どの金融機関でも相談会やセミナー開催しているわけではありませんから、Webサイトなどで確認してください。
新NISAは改悪ではない!ポイントを知ってうまく活用しよう
現行NISAから新NISAへの変更点を知って、どのように利用するかを考えてみてください。
自分だけでは判断が難しい場合は、金融機関もうまく使って新NISAを活用することをおすすめします。
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