新NISAは改悪?制度の変更点と活用のポイントを解説

新NISAは改悪?制度の変更点と活用のポイントを解説

2024年から始まる新NISAは、現行NISAと比べてメリットとなる点が多くあります。しかし、見方によっては、一部「改悪」と思われるような変更点もあるようです。
今回は、新NISAが現行NISAから変更になった点や改悪と考えられる理由、活用のポイントなどについてご紹介します。

新NISAとは?これまでのNISAから変更されたポイント

2024年1月からNISAの抜本的拡充・恒久化が図られ、新NISA制度が始まります。限定的だった現行のNISAと比べ新NISAは恒久的な制度となり、政府が掲げる「資産所得倍増プラン」でも、中核とされています。

そもそもNISAとは、「NISA口座(非課税口座)」を利用することで、投資で得られた配当金や分配金、売却益などが非課税になる税金優遇制度です。通常は、投資で得られた利益には20.315%の税金がかかり、場合によっては確定申告を行わなければなりません。NISAを利用することで、税金を気にせず投資が可能になるため、メリットは大きいでしょう。

新NISAの5つの変更点

新NISAに変更となることで、NISAはさらに利用しやすく便利な制度になります。
ここでは、新NISAとなって変更された点を、5つ見ていきましょう。

非課税保有期間の無期限化

これまでのNISAでは、非課税保有期間はつみたてNISAで最大20年、一般NISAで最大5年と上限があり、期間終了後も運用するためには、課税口座に移行するか、翌年の非課税投資枠に移行するロールオーバー(一般NISAのみ)が必要でした。

新NISAは非課税枠で買付した商品の保有期間が無期限になるため、制度の変更がない限り、半永久的に保有できることになります。

口座開設期間の恒久化

現行のNISAの口座開設期間は、つみたてNISA・一般NISAともに2023年末までと期限のある制度です。新NISAからは制度が恒久化され、口座開設期限がありません
制度が廃止や改定されない限り、期限を意識することなく、いつでも口座開設や運用ができるようになりました。

つみたて投資枠と成長投資枠の併用

NISA口座は一人1口座しか持てないため、これまでNISAはつみたてNISAか一般NISAのどちらかを選び、NISA口座を開設する必要がありました。

新NISAでも1口座しか持てないことに変わりはありませんが、つみたてNISAが「つみたて投資枠」、一般NISAが「成長投資枠」となり、それぞれを併用して1つの口座で運用ができます

年間投資枠の拡大

つみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円だった現行NISAから、新NISAではつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円と、年間投資枠が大きく拡大します。
前述のように2つの枠は併用可能なので、最大年間360万円運用できるようになりました

非課税保有限度額の新設

新NISAでは、一人あたり1,800万円の非課税限度額が設けられます。これは、生涯に非課税で投資できる額を指し、さらに、保有している金融商品を売却することで投資枠を再利用できることになりました。

例えば、上限の1,800万円まで金融商品を保有していたとしても、300万円分売却したらその分で再度投資が可能になるということです。状況に応じて柔軟な投資が可能になるでしょう。
■現行NISAと新NISAの変更のポイント
現在のNISA 新NISA
つみたてNISA 一般NISA つみたて投資枠 成長投資枠
制度の併用 併用不可 併用可
年間投資枠 40万円 120万円 120万円 240万円
非課税保有期間 最大20年間 最大5年間 無期限
非課税保有限度額 800万円 600万円 1800万円
(成長投資枠は1,200万円まで)
投資対象商品 投資信託 株式・投資信託・ETF つみたてNISAと同じ 株式・投資信託・ETF
(一部制限あり)
NISAの変更ポイントと注意点については、下記の記事をご覧ください。
新NISAはいつから?2024年からの変更ポイントと注意点を解説

なぜ新NISAは改悪とされる?

なぜ新NISAは改悪とされる?

さまざまなメリットにある新NISAですが、なぜ一部では改悪といわれるのでしょうか。ここでは新NISAのデメリットとされる点をご紹介します。

自分で判断しなければならない

新NISAではつみたてNISAと一般NISAが併用可能となることで、金融商品選びや投資額の自由度が増しました。さらに、非課税保有期間が無期限になったことで、いつまでも資産を保有できるようになり、自分で売却のタイミングを考える必要があります。

自由度が増すのはメリットでもありますが、投資する種類はもちろん、銘柄選びや購入金額、リスク許容度など、自分で判断しなければならない場面が増えます。これまでのNISAに比べて、運用が難しくなったと考える人もいるでしょう。

元本割れリスクが増えた

投資には必ずリスクがあるものなので、現行NISAにもリスクはあり、新NISAのリスクが高まったわけではありません。
しかし、これまでのNISAより幅広く金融商品を選べることや、投資できる額が増えたことで、結果的にリスクが高まったと考える人もいるようです。

現行のNISAから新NISAにロールオーバーできない

現行のNISAでは、非課税保有期間の終了後、保有している資産を翌年の年間投資枠に移行するロールオーバーができます(一般NISAのみ)。
しかし、現行NISAと新NISAは分離しており、非課税枠は別のため、現行NISAから新NISAにロールオーバーすることはできません

新NISAで運用するためには、一度資産を売却し、新口座で再び購入することになります。
新NISAの移行(ロールオーバー)については、下記の記事をご覧ください。
新NISAの移行(ロールオーバー)はできない?手続きは必要?

ジュニアNISAが廃止される

ジュニアNISAは未成年が利用できるNISA制度ですが、2023年末で新規投資は停止となります。2024年以降は未成年を対象としたNISAはありませんから、その点でも改悪といわれることがあるようです。

2023年までにジュニアNISAで投資した商品は、非課税保有期間が終了しても18歳までは非課税で保有が可能です。

投資可能商品に制限ができた

つみたてNISAとつみたて投資枠の投資対象商品は同じですが、一般NISAに比べ、成長投資枠には投資可能商品の制限が設けられました
少額資金で数倍の金額の取引ができるレバレッジ型の商品は選べなくなり、上場廃止が予定される整理・監理銘柄、信託期間20年未満・毎月分配型の投資信託なども対象外となります。

NISAを活用するポイント

NISAを活用するポイント

改悪とされることもある新NISAですが、基本的にはメリットが多い制度です。ここでは、新NISAを活用するポイントをご紹介します。

目標や目的を明確にする

新NISAは投資できる額が大きくなり、売却すれば投資枠の再利用もできるようになりました。そのため、ライフイベントに合わせて柔軟に利用できるでしょう。「いつまでに、何のために、いくら」という目標と目的を決めることで、運用計画が立てやすくなります。

例えば、「10年後に住宅購入のために◯円必要だから、毎月の投資額は◯円」といった計画が立てられますし、一度払い出したら枠を再利用できるため、また新しい運用計画を立てられます。

長期で分散投資する

非課税保有期間の無期限化を活かし、売却で運用益を狙うより、長期で運用益を得られる商品を選ぶことがポイントです。長期運用することで複利効果が高くなります。複利効果とは、運用で得た利益を元本にプラスして再投資することで、利益が利益を生んで膨らんでいくことを指します。

さらに、リスクを分散するために、1つの金融商品ではなく、複数の商品を選んで分散投資することも重要です。たとえ1つの商品が値下がりしても、ほかの商品が値上がりしていれば、大きな損にはなりません。

無理のない金額で投資する

新NISAでは年間で投資できる額が増えた分、投資額を増やそうと考える人もいるかも知れません。
目標や目的に合わせて投資金額を考えることは重要ですが、投資のために生活費を圧迫したり、続けられなくなったりしては本末転倒。無理なく、長期的に投資できる金額を考えましょう

悩んだら専門家に相談

新NISAで自由度が増した分、悩む場面も増えるでしょう。そういった場合は金融機関の相談会やセミナーなどを活用してみてください。新NISAを活用する方法を学べるほか、運用の基礎や銘柄選びのポイントのほか、目標や目的に合わせた運用方法なども相談できます。

どの金融機関でも相談会やセミナー開催しているわけではありませんから、Webサイトなどで確認してください。

新NISAは改悪ではない!ポイントを知ってうまく活用しよう

新NISAでは運用の期間や投資額などの自由度が増し、自己判断する場面が増えます。しかし、基本的には利用者にとってメリットが多い制度になるでしょう。
現行NISAから新NISAへの変更点を知って、どのように利用するかを考えてみてください。

自分だけでは判断が難しい場合は、金融機関もうまく使って新NISAを活用することをおすすめします。

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