火災保険とは?補償内容と加入の際のポイントを解説
契約内容によってはかなり広範囲の補償を受けられるため、加入を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事では、戸建て住宅、マンション、賃貸物件それぞれについての火災保険の必要性や補償内容、加入する際のポイントなどについて解説します。
新たに住宅を購入する人や現在火災保険に加入していない人、更新時期が近づいている人は、火災保険についてあらためて考えてみてください。

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
火災保険は、火災などによる損害を補償する保険
火災や洪水などで家屋が焼失したり、流されたりした場合、建物を修繕するには多大なコストがかかります。
新しい家を購入する場合も同様です。
火災保険は、このような事態に備え、できるだけスムーズに生活を再建できるよう補償を提供する保険です。
火災保険はなぜ必要?
しかし、持ち家でも賃貸住宅でも、火災保険に加入しておくのがおすすめです。
消防庁が発表した「令和5年(1月〜12月)における火災の概要(概数)について」によると、2023年の全国の住宅火災発生件数は1万1,293件でした。
火災が起きる確率はそれほど高くありませんが、万一の事態が起きてしまった場合、家屋や家財が被る損害は甚大です。
火災保険に加入すれば、このような損害に備えられます。
また、豪雨や洪水などによる水災のほか、落雷といった自然災害にも備えることが可能です。
火災に遭う危険性は、戸建て住宅、マンション、賃貸住宅など、住宅のタイプによって異なりますが、火災保険はタイプごとの特徴に応じて必要です。
ここでは、戸建て住宅、マンション、賃貸住宅における、火災保険の必要性について解説します。
戸建て住宅における火災保険の必要性
木造建築の場合、建物が密集した地域では、隣近所で火災が起きると延焼により火災被害に遭う可能性があります。
こうした事態に備え、火災保険に加入しておくことが大切です。
火災などによって建物が全焼した場合、建物の再建や家財の再調達にかかる費用を用意しなければなりません。
住宅ローンを組んでいる場合は、たとえ火災で建物がなくなっても返済は続きます。
多大な金銭負担をしいられることになるため、火災保険で備えておく必要があります。
なお、住宅ローンを組む場合は、契約時に火災保険への加入が義務付けられていることもあります。
それだけ、火災のリスクに備える必要性が高いといえるでしょう。
マンションにおける火災保険の必要性
一方で、隣家と天井や壁を隔てて接していることから、棟内の近い所で火災や水漏れが発生した際には、影響が及ぶリスクがあります。
そうした点から、火災保険で備えておくことが大切です。
また、戸建て住宅と同様、分譲マンションも住宅ローンの返済中に火災で部屋に住めなくなったとしても、支払いは免除されません。
リフォーム費用や生活再建のための資金を確保するために、火災保険で備えておくと安心です。
賃貸住宅における火災保険の必要性
賃貸住宅の火災保険は、火災などで家財に損害が生じた場合に補償を受けられる「家財保険」と、建物の損害を被った大家が補償を受けられる借家人賠償責任補償がセットになっているのが一般的です。
この保険に加入していないと、火災などによる損害の賠償責任をすべて借主が負わなければならなくなるため、加入するようにしましょう。
火災保険の主な補償内容
契約内容によっては、塀や車庫も補償範囲に含まれることもありますが、自動車は対象になりません。
また、地震、噴火、津波による損害は、建物も家財も対象外です。
これらの損害を補償に含めたい場合は、地震保険に加入してください。
地震保険とは、地震・噴火・津波といった自然災害に備えるための保険です。
火災保険に付帯する形で加入する必要があり、地震保険のみの加入は基本的にできません。
火災保険では、具体的にどのような場合に補償を受けられるのでしょうか。
建物と家財についてそれぞれ解説します。
家屋に対する主な補償内容
家屋に対する火災保険の主な補償内容
・火災、落雷、破裂、爆発による建物の損害
・風災、雹災、雪災による建物の損害
・水災(洪水、床上浸水)による建物の損害
・水濡れによる建物の損害
・外部からの物体の落下や衝突、騒擾、破損・汚損
・盗難による損害(窓ガラスや鍵の破損)
・火災、落雷、破裂、爆発による建物の損害
・風災、雹災、雪災による建物の損害
・水災(洪水、床上浸水)による建物の損害
・水濡れによる建物の損害
・外部からの物体の落下や衝突、騒擾、破損・汚損
・盗難による損害(窓ガラスや鍵の破損)
また、破損・汚損とは、日常生活の中でうっかり窓ガラスを割ってしまった場合などのことです。
そのほか、車が衝突して自宅の塀を壊されたといった場合も、補償の対象になります。
上記の補償内容は一般的な傾向であり、保険会社によっては一部補償対象外となっていることがあります。
火災保険に加入する際は、事前に具体的な補償内容を確認してください。
家財に対する主な補償内容
家財に対する火災保険の主な補償内容
・火災、落雷、破裂、爆発による家財の損害
・風災、雹災、雪災による家財の損害
・水災(洪水、床上浸水)による家財の損害
・水濡れによる家財の損害
・外部からの物体の落下や衝突、騒擾、破損・汚損
・盗難による損害(家具や家電を盗まれた)
・火災、落雷、破裂、爆発による家財の損害
・風災、雹災、雪災による家財の損害
・水災(洪水、床上浸水)による家財の損害
・水濡れによる家財の損害
・外部からの物体の落下や衝突、騒擾、破損・汚損
・盗難による損害(家具や家電を盗まれた)
火災保険に加入する際のポイント
万一の際に必要な補償が受けられるようにしておくとともに、保険料の無駄をなくし、できるだけ負担を抑えて契約しましょう。
火災保険に加入する際、意識しておきたいポイントは下記のとおりです。
必要な補償範囲を選ぶ
火災保険は、補償範囲を任意に選択できる場合があります。
補償内容が異なるプランが複数設定されている場合や、必要な補償を選んで契約できる場合などがあるため、それぞれのリスクに応じて検討してください。
例えば、自治体のWebサイトなどで確認できるハザードマップを見ると、自宅周辺の洪水リスクがどの程度であるかがわかります。
リスクが低い地域では、水災に備える必要はあまりありません。
自宅の立地や暮らし方などに応じ、どのような損害に備えたいのかを検討するといいでしょう。
保険金額はいくらあれば十分かを知る
火災保険では、建物や家財の保険金額をある程度任意で設定できます。
保険金額を高く設定すると、それだけ保険料も高くなってしまうため、過不足のない金額にすることが重要です。
通常、火災保険の保険金は、火災などで損害が生じた後で、元の生活を取り戻すために必要な費用にもとづいて設定します。
具体的には、建物の修繕や建て替えの費用、家財を買い直すために必要な費用などから設定することとなるでしょう。
ただし、預貯金の額や、災害に遭った後の生活再建プランによっても、必要な金額は変わります。
いくらの補償があればいいかを考え、保険料とのバランスをとって設定してください。
保険期間を長くするなら一括払いもお得
火災保険の保険期間は、1年から5年のあいだで任意に設定できます。
保険料はまとめて支払うほど安価になるため、負担を抑えるなら、5年契約で一括払いを選択するのがおすすめです。
ただし、5年契約の火災保険料を一括払いにすると、1年あたりの保険料は安くなりますが、一度に支払う金額は高くなります。
一時的に負担が大きくなってしまうため、無理のない範囲で選択してください。保険料の見積もりを取った上で検討することをおすすめします。
なお、「契約は5年で支払いは1年ごと」といった支払方法もできる場合があります。
詳細は、保険会社の案内を確認してください。
地震保険の必要性を考慮する
火災保険では、地震保険を付帯させて加入することができ、地震、噴火、津波による家屋や家財の損害に備えることができます。
なお、地震保険はどの保険会社でも、保険料や補償内容は同じです。
火災保険の知識を身に付け、適切な補償内容で備えよう
日々の生活の中で生じる事故や盗難被害なども補償の対象になるため、加入しておくと安心です。
火災保険の補償範囲は、契約時にある程度任意で決められます。
家の立地や住まいの状況、経済状況などにもとづいて、必要な補償を検討してください。
補償内容や契約期間を最適化することで、保険料の負担を抑えることができます。
火災保険の正しい知識を身に付け、適切な補償内容で備えましょう。
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監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。