地震保険はいくら払ってる?5年相場やマンション・戸建ての目安
![]()
この記事では、戸建てやマンション別の保険料目安や月額換算での費用感を紹介するとともに、長期契約や割引制度を活用して保険料負担を抑えるポイントをわかりやすく解説します。
監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司
東証一部上場企業で10年間勤務後、業務中の交通事故を機に福利厚生や社会保障に関心を持ち、学びを深める。
現在はファイナンシャルプランナーとして、個人・法人の相談対応やテレビ番組のコメンテーター、セミナー講師(年約100件)として活動。健康とお金を軸に豊かなライフスタイルを発信している。
目次
地震保険とは?火災保険とセットで加入する仕組み
![]()
火災保険は、火災や風災、水災などに備える保険ですが、地震・噴火・津波による損害は補償の対象外となっています。地震が原因で発生した火災であっても、火災保険では補償されない点に注意が必要です。
そのため、地震に起因する損害に備えるには、火災保険とあわせて地震保険に加入する必要があります。すでに火災保険を契約している場合は、契約期間の途中からでも地震保険を付帯できます。
地震保険は「地震保険に関する法律」にもとづき、政府と民間の保険会社が共同で運営しています。公共性の高い保険であるため、補償内容や保険料はどの保険会社で契約しても同一です。
地震保険料の相場はいくら?戸建て・マンションの事例
![]()
鉄骨・コンクリート造のマンション(イ構造)は保険料が低く、木造の戸建て住宅(ロ構造)は保険料が高くなる傾向にあります。
また、地震リスクの高い地域ほど保険料は高額です。東京都と北海道では保険料に約3.8倍の差が生じることもあるでしょう。まとまった支出になるケースもあるため、事前に保険料の目安を確認しておくことが大切です。
【1年契約】都道府県別の地震保険料目安
| 都道府県 | 等地区分 | イ構造(鉄骨・コンクリート造など) | ロ構造(木造など) |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 1等地 | 7,300円 | 11,200円 |
| 宮城県 | 2等地 | 11,600円 | 19,500円 |
| 東京都 | 3等地 | 27,500円 | 41,100円 |
| 神奈川県 | 3等地 | 27,500円 | 41,100円 |
| 静岡県 | 3等地 | 27,500円 | 41,100円 |
| 愛知県 | 2等地 | 11,600円 | 19,500円 |
| 大阪府 | 2等地 | 11,600円 | 19,500円 |
| 福岡県 | 1等地 | 7,300円 | 11,200円 |
【5年契約】長期一括払いの場合の保険料相場
契約方法 | 保険料の計算 | 5年間の総額 |
1年契約を毎年更新 | 27,500円×5年 | 137,500円 |
5年契約で一括払い | 27,500円×4.70(長期係数) | 129,250円 |
地震保険は月々いくら?月額換算での費用感
都道府県 | イ構造(月額換算) | ロ構造(月額換算) |
北海道(1等地) | 約608円 | 約933円 |
大阪府(2等地) | 約967円 | 約1,625円 |
東京都(3等地) | 約2,292円 | 約3,425円 |
地震保険の補償対象
![]()
ただし、現金や有価証券、自動車などは補償対象になりません。30万円を超える貴金属や骨董品も同様です。30万円を超える貴金属などについては、家財保険の対象にすることは可能ですが、地震保険の対象にはならない点に注意しましょう。
また、自宅の補償については、下記のように戸建て住宅と集合住宅で考え方が変わります。
戸建て住宅の場合
また、損害が居住用の建物以外の塀や門のみに生じた場合も、補償を受けることはできません。
集合住宅の場合
一方で、マンションのエレベーターやエントランス、階段のような共用部分は、個人の地震保険の補償対象にはなりません。通常は、管理組合が別途地震保険に加入して補償を受けられるようにします。
地震保険料が決まる3つの要素と計算方法
![]()
地震保険は政策にもとづく保険であり、保険料や補償内容はどの保険会社で契約しても変わりません。同じ条件であれば、A社でもB社でも保険料は同額になる仕組みです。
それぞれの要素がどのように保険料に影響するのか、以下で詳しく見ていきましょう。
所在地(都道府県)による保険料率の違い
各等地区分に該当する都道府県は、下記のとおりです。
![]()
・1等地(リスクが低い):
北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県
・2等地(リスクが中程度):
宮城県、福島県、山梨県、愛知県、三重県、大阪府、和歌山県、香川県、愛媛県、宮崎県、沖縄県
・3等地(リスクが高い):
茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、徳島県、高知県
まずは自分が住んでいる地域の等地区分を確認してみましょう。
建物構造(イ構造・ロ構造)による区分の違い
構造区分 | 該当する建物 | 保険料の傾向 |
イ構造 | 耐火建築物、準耐火建築物、省令準耐火建物など(鉄骨・コンクリート造が中心) | 低い |
ロ構造 | イ構造以外の建物(木造が中心) | 高い |
ただし、木造であっても省令準耐火建物などに該当する場合はイ構造に分類されることがあります。自宅がどちらの構造区分に該当するかは、保険会社や代理店にご確認ください。
免震・耐震性能による割引適用
割引制度 | 割引率 | 適用条件の概要 |
免震建築物割引 | 50% | 「免震建築物」の基準に適合する建物であること |
耐震等級割引 | 10%〜50% | 耐震等級に応じて割引率が変動します。 |
耐震診断割引 | 10% | 耐震診断または改修の結果、改正建築基準法(1981年6月施行)の耐震基準を満たすことが確認された建物 |
建築年割引 | 10% | 1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物であること |
地震保険の保険金を決める損害区分
![]()
実費を請求できるわけではないため、実際にかかった修理費用と保険金の額が一致しない可能性もあります。損害区分に応じた保険金額は下記のとおりです。
■地震保険の損害区分と保険金額
| 損害区分 | 住居の損害 | 家財の損害 | 保険金 | |
|---|---|---|---|---|
| 主要構造部の損害割合 | 焼失または流出した床面積 | |||
| 全損 | 時価額の50%以上 | 70%以上 | 時価額の80%以上 | 保険金額の100% (時価額が限度) |
| 大半損 | 40%以上50%未満 | 50%以上70%未満 | 60%以上80%未満 | 保険金額の60% (時価額の60%が限度) |
| 小半損 | 20%以上40%未満 | 20%以上50%未満 | 30%以上60%未満 | 保険金額の30% (時価額の30%が限度) |
| 一部損 | 3%以上20%未満 | なし | 10%以上30%未満 | 保険金額の5% (時価額の5%が限度) |
実際の損害区分は、保険会社による被害状況の立ち会い調査を経て決まります。立ち会い調査までに一定の時間がかかることもあるため、片付けなどをする際は被害状況を写真に残しておくことが大切です。
なお、時価額とは、建物や家財の現時点での価値を指します。新築時や購入時の価格から、築年数や使用による劣化分を差し引いた金額です。
保険金額の設定範囲と上限(建物・家財)
たとえば、火災保険の保険金額を建物3,000万円で設定している場合、地震保険の保険金額は900万円〜1,500万円の範囲で決めることになります。
地震保険は、住まいを元どおりにするためのものではなく、被災後の生活再建を支援する目的の保険です。補償される金額に上限がある点を理解したうえで、必要な保険金額を検討しましょう。
参考:財務省|地震保険制度の概要
地震保険の保険金が支払われないケース
![]()
・損害が一部損未満の場合
・地震発生してから10日以降に損害が生じた場合
・門、塀、垣のみが損害を受けた場合
・補償対象が紛失、盗難に遭った場合
なお、補償対象の紛失・盗難とは、いわゆる火事場泥棒のようなケースなどが該当します。災害に乗じた盗難や、災害時に家財を紛失した場合は、地震保険でも火災保険でも保険金は支払われません。
地震保険料を安く抑える3つのポイント
![]()
長期契約(5年)と一括払いで保険料を抑える
地震保険には、2年以上の長期契約をして保険料を一括払いすると割引が適用される「長期係数」があります。長期係数とは、地震保険を長期契約して、保険料を一括払いにすると適用される割引係数のことです。
地震保険の契約期間は最長5年で、契約期間ごとの長期係数と割引率は下記のとおりです。
契約期間 | 長期係数 | 割引率 |
2年 | 1.90 | 5% |
3年 | 2.85 | 5% |
4年 | 3.75 | 6.25% |
5年 | 4.70 | 6% |
耐震等級割引などの割引制度をフル活用する
特に、免震建築物割引や耐震等級3の割引が適用されれば、保険料は半額になります。1981年6月1日以降に建てられた建物であれば、建築年割引として10%の割引が受けられる可能性があります。
割引の適用を受けるには、契約時に耐震性能を証明する書類(住宅性能評価書、耐震基準適合証明書など)を保険会社に提出する必要があります。対象となる割引がないか、加入時に確認してみましょう。
地震保険料控除で所得税・住民税を軽減する
控除の上限額は、所得税で最大5万円、住民税で最大2万5,000円です。保険料が5万円以下の場合は、支払った保険料の全額が所得税の控除対象となります。
控除を受けるには、保険会社から届く「地震保険料控除証明書」が必要です。毎年10月頃に届くことが多いため、届いたら年末調整や確定申告まで保管しておきましょう。
なお、地震保険料控除は自動的に適用されるわけではなく、申告制となっています。申告を忘れると控除を受けられないため、毎年忘れずに手続きを行ってください。
参考:一般社団法人 日本損害保険協会|B保険料と税金の関係
地震保険がいくらになるかを把握し、火災保険に付帯しよう
![]()
地震保険の保険料は、家屋の所在地や構造などによって決まります。加入を検討する際は、まずは見積もりを取ってみてください。保険料がいくらになるかを知ることで、加入期間などを検討しやすくなるでしょう。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「火災保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料や商品内容、加入手続き、サービス体制など、さまざまな視点でのランキングを確認できますので、保険会社選びの参考にしてください。
監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司
東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
・CFP ®資格(資格番号:90260739)
・日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事