火災保険と火災共済の違いは?それぞれのメリット・デメリットを解説
ここでは、火災保険と火災共済の違いや、メリット・デメリットなどについて解説します。
火災保険と火災共済の違い
運営母体の違い
一方の火災共済は、「生活協同組合(生協)」や「労働組合」「農業組合」など、一定の地域や職域に属する人たちがお互いに助け合うことを目的に組織した非営利団体によって運営されています。
用語の違い
火災保険 | 火災共済 |
保険料 | 掛金 |
保険金(給付金) | 共済金 |
補償 | 保障 |
加入条件の違い
一方の火災共済は、原則として運営団体の組合員にならなければ加入ができません(組合員の家族などの加入は認められています)。ただし、生協などでは簡単な手続きと1,000円程度の出資金で組合員になれるところもあります。
火災保険のメリット・デメリット
メリット:カバーできる補償範囲が広い
メリット:補償内容を自由にカスタマイズできる
しかし、今では契約者のニーズに合わせて、補償内容を自由に選ぶことができる販売スタイルをとっている損害保険会社も少なくありません。つまり、火災保険のカスタマイズが可能であることもメリットです。
例えば、大きな川の近くや土地の低い場所に住まいがあれば、「水災」はつけておきたい補償です。マンションの場合、最上階に住んでいれば「水漏れ」の心配は不要ですので、補償を外しても構わないでしょう。
どこまでカスタマイズできるかは損害保険会社によって異なりますが、火災保険は不要な補償は省いて、必要な補償だけを盛り込んだ契約にすることも可能です。
メリット:多彩な特約
この特約で受け取った保険金は使い道が限定されておらず、建物を修理しているあいだのホテルでの仮住まい費用や家財の保管費用など、日常生活を維持するために必要な出費にあてることが可能です。
このほか、外出先に持ち出した家財が偶然の事故で損害した場合に補償してくれる「携行品損害補償特約」や、社会問題化している自動車事故の賠償にも対応してくれる「個人賠償責任特約」など、多彩な特約から選ぶことができます。
デメリット:補償が幅広い分、保険料が高くなる
また、火災保険は建物の構造や立地に応じて異なる保険料率を採用しているため、住まいが水災の起こりやすい場所や豪雪地域などにある場合は、保険料が高くなる傾向があります。
火災共済のメリット・デメリット
メリット:掛金が安い
なお、基本的な保障というのは、火災のほか、落雷、破裂・爆発、消防破壊・消防冠水、車両の衝突、水漏れ、落下物といった損害が対象です。
メリット:割戻金が発生することもある
デメリット:保障範囲が狭い
また、給付金だけで再建費をまかなうことが可能な火災保険と比べ、火災共済の保障額は再建費をまかなうのに十分とはいえないので、この点で不安を感じる人もいるでしょう。
デメリット:カスタマイズできず、特約も種類が少ない
また、特約は類焼損害や借家人賠償責任、盗難といった種類に限られており、火災保険に比べて選択肢が少ないことがデメリットです。
火災保険も火災共済も、地震への備えは別途必要
地震による被害は、地震保険に加入して備えることが可能です。ただし、地震保険は火災保険に付帯するという扱いのため、地震保険だけ加入することはできません。補償内容は、国が運営に関わっているため全国一律となっています。
一方、火災共済の加入者は、地震保険をセットにすることができません。火災共済の場合、それぞれの運営団体が用意する地震災害共済や地震特約を付帯することで地震に備えます。
火災保険と火災共済は重複加入できる?
しかし、これはあまりおすすめしません。なぜなら、火災保険と火災共済に重複加入したからといっても、保険金・共済金の合計が損害額を超えることはないからです。これは、「実損払い方式」といわれ、それぞれの契約から支払われる合計額が損害額と同額となるよう、調整される仕組みになっています。
なお、重複して加入すること自体は契約者本人の自由ですが、新たに契約しようとする際には、ほかにも火災保険もしくは火災共済に加入していることを告知する必要があります。
しっかり備えるなら火災保険、最低限の保障なら火災共済
一方の火災共済は、火災による損害に特化したシンプルな商品設計となっているため、火災保険と比較すると圧倒的に支払う掛金が安いのが特徴。「最低限の保障を備えておければいい」「火災のみの備えで十分」と考える人は、火災共済を検討してみるといいでしょう。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年火災保険の顧客満足度ランキングを発表しています。保険料や商品内容、加入手続き、サービス体制などさまざまな視点でのランキングを確認できますので、保険会社選びの参考にしてください。
【最新】火災保険 オリコン顧客満足度ランキング・口コミ|おすすめ比較