地震に強い家を建てるハウスメーカーは?特徴や比較ポイントを解説
この記事では、地震に強い家を建てるハウスメーカーの種類と地震に強い家の特徴のほか、比較のポイントや注意点などについて解説します。
地震に強い家のハウスメーカー
ここでは、オリコンが発表する「ハウスメーカー 注文住宅 顧客満足度ランキング」をもとに、地震に強い家を建てるハウスメーカーをご紹介します。
スウェーデンハウス
モノボックス?構造とは、強度に優れた木質壁パネルを強固な接合金物で接合し、地震の揺れを点ではなく面で受け止める構造のこと。これにより、実大振動実験で震度6以上の振動を19回も受けても、構造上の損傷がなかったという結果を、免震・制震構造なしで実現しています。
また、スウェーデンハウスの注文住宅は耐震性能だけでなく、木製サッシ3層ガラス窓による機能性・デザイン性や高い気密性・断熱性能にも定評があります。
(情報は2024年3月15日時点)
参照:スウェーデンハウス「耐震性能ASEISMIC」
スウェーデンハウスについては、下記の記事をご覧ください。
スウェーデンハウス ハウスメーカー 注文住宅の評判・口コミ
積水ハウス
その秘密のひとつは、木造住宅の躯体(柱)とコンクリートの基礎の接合部を土台部分を介さず直結させた独自技術です。この「基礎ダイレクトジョイント」によって、どの方向からの力にも耐える強い構造を実現しました。
また、軽量鉄骨住宅に組み込まれた震度7級の地震への対応を想定した独自の制震構造「シーカス」も特徴のひとつです。内部に組み込まれた「シーカスダンパー」が、地震の揺れのエネルギーを熱エネルギーに変換し吸収します。さらに、工業化住宅として型式適合認定を取得した鉄骨住宅の構法「ダイナミックフレーム・システム」は、高い安全性と設計自由度を両立した独自技術です。
(情報は2024年3月15日時点)
参照:積水ハウス「耐震性能」
積水ハウスについては、下記の記事をご覧ください。
積水ハウス ハウスメーカー 注文住宅の評判・口コミ
ヘーベルハウス
ヘーベルとは「縦壁」の意味で、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete:軽量気泡コンクリート)素材を使った壁面のパネルは、軽量ながら高い強度と防火性・耐火性を誇ります。地震の揺れで躯体が変形した場合、このALCパネルが独自の「ロッキング機構」によって揺れに追従。パネルの損傷や脱落を防ぐ仕組みを採用しています。
また、制震装置を組み込んだ地震の揺れに強い鉄骨躯体も、ヘーベルハウスの特徴です。
(情報は2024年3月15日時点)
参照:ヘーベルハウス「地震に強く」
ヘーベルハウスについては、下記の記事をご覧ください。
ヘーベルハウス ハウスメーカー 注文住宅の評判・口コミ
住友林業
加えて、?剛性・?減衰ゴムを採?した「地震エネルギー吸収パネル」により、地震の揺れによる躯体の変形を最大約70%抑えることにも成功しています。この?剛性・?減衰ゴムは、全国の超高層ビルや橋梁でも用いられており、振動を抑える性能は折り紙付きです。
(情報は2024年3月15日時点)
参照:住友林業「耐震性」
住友林業については、下記の記事をご覧ください。
住友林業 ハウスメーカー 注文住宅の評判・口コミ
一条工務店
ハウスメーカーの中でいち早く産学協同による実大振動実験を開始させた一条工務店は、一般的な基準よりも厳しい自社基準で高耐久・高耐震な基礎を採用しています。
また、2×6工法によって建てる箱型の木造住宅「i-smart(アイ・スマート)」では、「ツインモノコック構造」を採用。耐震等級3の高い耐震性能を誇りながら、断熱性能や気密性能、耐火性能なども両立しています。
なお、一条工務店では、仮に建物が倒壊した場合でも人命を確保する「木質耐震シェルター」を、既存の住宅用に提供中です。
(情報は2024年3月15日時点)
参照:一条工務店「耐震性」
一条工務店については、下記の記事をご覧ください。
一条工務店 ハウスメーカー 注文住宅の評判・口コミ
地震に強い家の特徴
地盤が強い土地に建っている
家を建てる際には、岩盤や砂れきを多く含む硬質地盤の土地を選ぶようにしましょう。水害などの被害を避けるためにも、ハザードマップを確認しておくことも大切です。
土地購入後や施工前に地盤調査を行い、地盤が強くないことがわかった場合には、地盤改良工事を行う必要があります。地盤調査は土地購入後でしか行えない点に注意してください。
耐震等級3である
ちなみに耐震等級1は、数百年に一度発生する規模の地震(震度6強〜7相当)で倒壊・崩壊しない耐震性能で、建築基準法で定められている建物の最低基準です。基本的に、一般住宅は耐震等級1ですが、大地震で倒壊・崩壊はしなくても損傷する可能性はあります。
耐震等級3だと、耐震等級1の想定する地震力の1.5倍以上の地震にも耐えられる強度となり、例えるなら警察署や消防署など、防災拠点レベルの耐震性能を有しています。耐震等級3の新築住宅であれば、地震に強い家といえるでしょう。
耐震・制震・免震構造である
具体的には、建物の構造を強化して揺れに耐えられるようにした「耐震構造」や、建物の構造部に制御装置(ダンパー)を組み込んで揺れを吸収する「制震構造」のほか、建物と基礎とのあいだに緩衝装置(積層ゴム)を設置し、揺れを緩和する「免震構造」があります。
どれを採用しているかはハウスメーカーによって異なるものの、これらの構造を採用している家は、概して地震に強いといえるでしょう。なお、建築にかかるコストは耐震構造が最も安く、制震、免震の順に高くなります。
家の形状がシンプルな四角形である
一方で、でこぼこがあったり開口部が多かったり、あるいは1階部分に車庫のある複雑な構造の家だと、地震に対する強度は低下してしまうので注意が必要です。
地震に強い家のハウスメーカーを比較するポイント
耐震等級
■耐震等級の段階
等級 | 耐震性 |
耐震等級3 | 建築基準法で想定するレベルの1.5倍の地震力に対抗できる耐震性 |
耐震等級2 | 建築基準法で想定するレベルの1.25倍の地震力に対抗できる耐震性 |
耐震等級1 | 建築基準法レベルの耐震性 |
構造・工法
■注文住宅の主な構造・工法
構造 | 工法 |
木造 | 木造軸組工法(在来工法) |
鉄骨造 | 軽量鉄骨軸組工法(ブレース工法) |
鉄筋コンクリート造 | RC工法 |
柱と梁で支える日本古来の在来工法に比べ、パネルの「面」で支える2×4工法は耐震性能に優れているといわれているもの、在来工法でも高い耐震性能を持つ住宅もあります。また、木造より鉄骨造のほうが耐震性能は高い傾向がありますが、しなやかで軽い木造のほうが地震の揺れに耐えやすいともいえるのです。
構造・工法にはそれぞれの利点があり、ハウスメーカーによっても地震の揺れに対する考え方が異なります。設計自由度や工期、費用などもそれぞれ一長一短があるため、予算や地震に対する考え方、建てたい家のイメージなどを鑑みて、それぞれのバランスをとりながらハウスメーカーを比較検討するようにしてください。
保証期間
新築時には地震に強い家も、経年劣化や度重なる地震によって耐震性能が低下するため、保証期間やメンテナンス体制が充実しているハウスメーカーを選ぶことをおすすめします。
地震に強い家を建てる際の注意点
ハウスメーカーによって、地震に強い家の定義が異なる
例えば、あるメーカーは優れた制震構造を持っていたり、別のメーカーは耐震構造と免震構造を組み合わせていたりします。また、耐震構造と制震構造を備えた地震に強い家をアピールするハウスメーカーもあるのです。
それぞれのハウスメーカーは、独自の研究開発による地震に強い家のセールスポイントを持っています。パンフレットや文字情報だけでは判断が難しいので、実際にモデルハウスを見学したり、内部構造や実大振動実験映像を見せてもらったりして、ハウスメーカーを決めるようにしましょう。
耐震等級3相当には注意が必要
注意したいのは、この性能評価を行うかどうかは任意であることです。「耐震等級3相当」とうたっている家は評価を受けていないことを意味しており、実際には「耐震等級3」の性能を有していない可能性もあるので、注意が必要です。
建築費用が高額になる
まず、地盤調査後に地盤が弱いことがわかった場合、地盤改良工事が必要です。強い地盤を作るための費用(数十万〜数百万円)が発生します。
また、耐震構造や制震構造、免震構造の家を建てるには、数十万から数百万円の追加費用がかかる点にも注意が必要です。「耐震構造<制振構造<免震構造」の順番で高コストになるので、予算内でどのように対策するかを十分に検討しましょう。
間取りに制限がかかる可能性もある
なぜなら、耐震等級3の家には地震に強い耐力壁の量や柱・梁の太さ、窓の位置などにさまざまな規定があり、そのしわ寄せが間取りにかかることが起こりうるからです。希望の間取りでの建築を断念せざるをえない場合もあるので、耐震性能と間取りとのバランスを適切に判断するようにしてください。
地震に強い家を建てるには、耐震等級や考え方を参考にしてハウスメーカーを選ぼう
この記事で紹介したハウスメーカーは、各社の独自技術によって地震に強い家を提供しています。耐震等級や地震に対する考え方を参考にしながら、気になるハウスメーカーに相談してみてはいかがでしょうか。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「ハウスメーカー 注文住宅 満足度ランキング」を発表しています。デザインや金額の納得感、モデルハウス、営業担当者の対応など、さまざまな視点でのランキングを確認できますので、ハウスメーカー選びの参考にしてください。
【2024年】ハウスメーカー 注文住宅 満足度ランキング|オリコン顧客満足度