分析力が鍵! NISA(ニーサ)運用商品「値上がり株」「外国株」「高配当株」が上級者向けの理由

 2014年1月からスタートした新制度「NISA(ニーサ)」。投資初心者でも始めやすい少額投資制度として注目を集めているが、まとまった投資資金がある人や、株価上昇を狙って大きく儲けたいという投資上級者には、どのような商品が向いているのだろうか?
 今回は、銘柄を選ぶにあたって、決算書の知識や過去の株価の値動き、経済状況などを分析するスキルが必要となり、“ハイリスク・ハイリターン”に分類される「値上がり“期待”株」、「外国株」、「高配当利回り銘柄」に注目! これらの商品群が投資上級者向きである理由を、商品の特徴と併せてみていこう。

上級者ならではの投資経験や知識、スキルで運用する「3つの商品」

上級者向け商品1:今後の株価上昇に期待! 値上がり“期待”株とは
上級者向け商品2:グローバルな優良企業に投資! 外国株とは
上級者向け商品3:安定重視向き! 高配当利回りの銘柄とは

【上級者向け商品1】今後の株価上昇に期待! 値上がり“期待”株とは

 決算書の知識があり、損益報告書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書の読み方が分かる人であれば、それらを分析しながら株価値上がりが期待できそうな銘柄を狙ってみよう。NISA(ニーサ)で運用するのであれば、5年間ある非課税期間を考慮して、中長期かけて値上がりする銘柄を選ぶことがポイントになるだろう。

■値上がり“期待”株の探し方(1)ファンダメンタル分析で選別
 まず銘柄選びの分析方法には、企業の業績や財政、経済指標から判断して銘柄を選ぶ「ファンダメンタル分析」と、過去の株価の値動きの癖を掴んで値上がりしそうなタイミングを探る「チャート分析(テクニカル分析)」の2種類がある。株価は業績に連動して動くことが多いので、中長期で保有する銘柄はファンダメンタル分析で選ぼう。

■値上がり“期待”株の探し方(2)割安株を見つけよう
 ファンダメンタル分析で選んだ銘柄をさらに2種類に分けてみると、成長性が高く、売上や利益を年々伸ばしている「グロース株(成長株)」と、企業が保有している価値に比べて株価が割安に放置されている「バリュー株(割安株)」がある。
 バリュー株は企業価値に比べて株価が割安な銘柄なので、株価が企業価値まで上昇するまで待った後、売却するという投資手法が使える。5年という保有期間で考えるとバリュー株へ投資をするのが適当だろう。選定の際には株価指数に注目し、主流の指標で割安の目安とされているPER(株価収益率)20倍以下、PBR(株価純資産倍率)1倍以下などで割安株かどうか判断しよう。
 ネット証券のスクリーニング機能などを使えば、上記の条件を入力して、お目当ての銘柄を絞り込むこともできる。

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【上級者向け商品2】グローバルな優良企業に投資! 外国株とは

 日本企業に投資しても、将来の成長に限定感があると考える人は、NISA(ニーサ)口座を利用して、海外株式投資に挑戦するのも一考。海外株式銘柄では「アップル」や「マイクロソフト」など新しいビジネスモデルが次々と登場し、また人口増加の著しい新興国銘柄なら、今後の国内需要の高まりが期待できる。いずれもこれからの成長がある程度約束されているといっても過言ではないといえるのかもしれない。

■選択肢(1)回復傾向にある「アメリカ企業の個別銘柄」
 足元を見ると、逆風が吹いているといえるのが中国株をはじめとする新興国株。NISA(ニーサ)投資の期限が5年であることを考えると、当分のあいだは下落基調の新興国に投資するよりも、回復基調にあるアメリカ株を狙う方が賢明といえるのかもしれない。
 アメリカ株で狙い目のひとつは、先ほど紹介した「アップル」、「インテル」、「マイクロソフト」、「コカコーラ」といったグローバルな優良企業といえるだろう。

■選択肢(2)ポートフォリオにも有効な「海外ETF」
 もし個別銘柄をなかなか選べないというなら、特にアメリカ市場で発展している「海外ETF」に投資するのもひとつの手だ。
 海外ETFとは、上場型のインデックス投資信託のことで、例えばアメリカの「S&P500連動型ETF」を購入すると、アメリカの代表的な銘柄全体に投資することになる。
 幅広いラインナップがあるのが特長で、世界中の株式に投資するものや、あるエリアや国の株式に投資するもの、さらに、コモディティや不動産といった株式以外の投資対象に投資するものなどがそろい、これらはテーマ型といって、環境関連株式や水資源株式、SRI(社会的責任投資)などがある。
 また、海外ETFは自分の今あるポートフォリオを補うのにも有効だ。すでに投資を経験している人が、今自分が持っているポートフォリオで不足している投資対象の部分を、ETFを購入して補うといった有効利用も覚えておこう。

【上級者向け商品3】安定重視! 高配当利回りの銘柄とは

 高配当かどうかの判断基準は、一般的に“配当利回り2%以上が高配当株”と言われており、「5年間保有する」、「途中で売却するつもりがあまりない」という場合なら、年1〜2回受け取れる配当の高さで銘柄を選ぶのもひとつの方法だ(※配当利回りは「(年間配当金÷株価)×100」で算出する)。銀行にお金を預けても、1年定期預金の利率が0.02%と低金利のだが、日経平均株価の平均配当利回りは1%を超えていることを考慮すると、預貯金をするより、株式で配当を受け取るほうが身入りがいいというわけだ。

■高配当株の探し方と注意点
 基本的な考え方としては、“配当を出す=利益を安定して出している企業”ということがいえる。しかし、スクリーニング結果で出てきた高配当株ランキング上位の企業にそのまま投資するというのは考えものだ。
 その理由に、なかには業績が良いから配当利回りが高いのではなく、業績が悪化しているなどのマイナス材料が要因となっている場合が挙げられる。株価が急速に下落し、そのため、過去1年の配当金を株価で割ると、高い数字になったというケースは決してゼロではない。そういった背景を知らずに投資した結果、無配当という結末は避けたいところだ。
 判断目安となるのは、一株利益に対していくらの配当実績を出しているかという「配当性向」という数値。この数値が50%以上なら、配当を重視している企業と評価していいだろう。逆に100%を超えていたら、実力以上の配当を出していることになるので、いずれ配当の額が下がるかもしれないという予測も立つ。

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【高配当株の探し方】

STEP1:高配当株をスクリーニングする

STEP2:STEP1で探した銘柄の中から、業績が成長あるいは安定しているなど、気になった企業をいくつかピックアップする

STEP3:業績推移や配当推移を比較・分析して、安定している銘柄を選ぶ
【配当を非課税で受け取り続ける場合の注意点】
・ 配当は、証券会社の取引口座で受け取る「株式比例配分方式」を選んでおかなければ、非課税のメリットを受けられない。ゆうちょ銀行で受け取る「配当金領収書方式」や、指定の銀行口座で受け取る「登録配当金受取口座方式」、「個別銘柄指定方式」では、配当を受け取る際に20%の源泉課税分が差し引かれてしまうので、事前にしっかり確認しておこう。
※今回の特集内で紹介している情報やデータは2014年2月現在のものです。変更される場合もありますので、ご注意ください。
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