火災保険の給付金とは?給付金請求の仕方や注意点を解説
火災保険の給付金は、契約者自身が損害保険会社に請求する必要があるため、どんな場合に補償が受けられ、どうやって請求すればいいのかをあらかじめ知っておくと安心です。この記事では、給付金請求の仕方や注意点についてご紹介します。
目次
火災保険の給付金とは、請求によって支払われる保険金のこと
受け取れる給付金は、実際に負った損害の「実損額」で、あらかじめ設定した保険金額の上限までとなっています。火災保険の加入時に、保険金額を再調達価額(同じ場所に同じ建物を購入する場合に必要となる金額)で契約していれば、基本的に火災保険の給付金のみで原状回復は可能です。
給付金は、再建費や修理費などにあてることになります。参考として、木造住宅が火災の被害に遭い、建て直す場合に最低限必要な金額は、解体費用が150万円程度、建て替え費用が1,000万〜2,000万円程度です。
給付金はできれば契約者本人が請求する
できることなら、請求は契約者本人が行うのがおすすめです。今では、スマートフォンを使って損害保険会社へ問い合わせができ、インターネットから請求に関する情報も簡単に探し出せることから、契約者自身で手続きを完了させるハードルが下がっているといえます。
代理店や業者に請求代行を依頼する場合は、当然手数料がかかります。さらに近年では、トラブルの報告件数も急増しているようです。高額な手数料を請求されたり、保険金請求のために住宅を損傷されたりする事例もあるため、依頼する場合は信頼できる相手かどうかをしっかり見極めてください。
>>火災保険の申請はどうすればいい?手順や必要書類を解説
給付金はどんなときにもらえる?
火災などによる損害を補償する「損害保険金」
風災・雹災・雪災の被害事例としては、「台風などの強風で屋根瓦が飛んでしまった」「雹で窓ガラスが割れてしまった」「降り積もった雪の重みでカーポートがつぶれてしまった」というようなケースが見られます。水災は、台風や大雨に伴う水害で起こる「床上浸水」や「土砂崩れ」の被害が目立ちます。
ほかにも盗難、落下物などによる事故も補償対象に含まれていることがあります。下記は、火災保険の主な補償対象となる事故です。
<損害保険金の対象となる主な事故>
・火災、落雷、破裂・爆発:失火・延焼・ボヤなどの火災、落雷による損害、ガス漏れなどによる破損・爆発の損害
・風災・雹災・雪災:台風などの強風による損害、雹(ひょう)や霰(あられ)による損害、豪雪による雪の重みや落下などによる事故または雪崩で生じた損害
・水災:台風、暴風雨・豪雨、洪水、高潮、土砂崩れなどによる建物や家具の損害
・水濡れ:給排水設備の故障や、集合住宅のほかの戸室からの水漏れなどによる損害
・物体の落下・飛来・衝突:自動車の飛び込みや飛び石など、建物外部から物体が落下・飛来・衝突したことにより生じた損害
・盗難:家財の盗難や、盗難に伴う鍵や窓ガラスといった建物の損害
・騒擾(そうじょう)・集団行動等に伴う暴力行為:集団行動などに伴う暴力行為・破壊行為による損害
・破損・汚損等の不測かつ突発的な事故:誤って自宅の家具を傷つけたり、窓ガラスを割ってしまったりした場合など、事前に予測できなかった突発的な事故により生じた建物や家財の損害
・火災、落雷、破裂・爆発:失火・延焼・ボヤなどの火災、落雷による損害、ガス漏れなどによる破損・爆発の損害
・風災・雹災・雪災:台風などの強風による損害、雹(ひょう)や霰(あられ)による損害、豪雪による雪の重みや落下などによる事故または雪崩で生じた損害
・水災:台風、暴風雨・豪雨、洪水、高潮、土砂崩れなどによる建物や家具の損害
・水濡れ:給排水設備の故障や、集合住宅のほかの戸室からの水漏れなどによる損害
・物体の落下・飛来・衝突:自動車の飛び込みや飛び石など、建物外部から物体が落下・飛来・衝突したことにより生じた損害
・盗難:家財の盗難や、盗難に伴う鍵や窓ガラスといった建物の損害
・騒擾(そうじょう)・集団行動等に伴う暴力行為:集団行動などに伴う暴力行為・破壊行為による損害
・破損・汚損等の不測かつ突発的な事故:誤って自宅の家具を傷つけたり、窓ガラスを割ってしまったりした場合など、事前に予測できなかった突発的な事故により生じた建物や家財の損害
近年、集中豪雨や大型台風などの自然災害が頻繁に起きていることがその背景です。
損害に伴って生じる費用を補償する「費用保険金」
<費用保険金の対象となる費用>
・残存物取片付け費用:契約中の保険で損害保険金が支払われる場合に、焼け跡の整理・清掃、リサイクル費などの実際に負担した費用
・損害防止費用:消火薬剤の再購入など、損害の発生・拡大の防止のために必要な費用、あるいは有益な費用
・水道管修理費用:保険の対象となっている建物で、専用水道管が凍結によって損壊し、修理する場合の費用
・地震火災費用:地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災により、一定の損害(建物が半焼以上や家財が全焼)が発生した場合の費用(多くの場合、保険金額の5%)
・臨時費用:契約中の保険で損害給付金が支払われる場合、損害給付金とは別に支払われる給付金。使途は限定されず、建物を修復しているあいだのホテル滞在費用など(損害保険金との合計額が保険金額を超過する場合でも支払われる)
・残存物取片付け費用:契約中の保険で損害保険金が支払われる場合に、焼け跡の整理・清掃、リサイクル費などの実際に負担した費用
・損害防止費用:消火薬剤の再購入など、損害の発生・拡大の防止のために必要な費用、あるいは有益な費用
・水道管修理費用:保険の対象となっている建物で、専用水道管が凍結によって損壊し、修理する場合の費用
・地震火災費用:地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災により、一定の損害(建物が半焼以上や家財が全焼)が発生した場合の費用(多くの場合、保険金額の5%)
・臨時費用:契約中の保険で損害給付金が支払われる場合、損害給付金とは別に支払われる給付金。使途は限定されず、建物を修復しているあいだのホテル滞在費用など(損害保険金との合計額が保険金額を超過する場合でも支払われる)
給付金請求から受け取りまでの流れ
万が一の場合を想定し、給付金の請求から受け取りまでの一般的な流れを把握しておきましょう。
1. 被害に気づいたら、すみやかに問い合わせ
伝えることは、契約者氏名や保険証券番号のほか、事故内容、被害状況などです。
中でも被害状況の説明は重要で、憶測ではなく事実だけを言うようにしてください。いつ、どの程度の被害を受けたか、どのような状況で事故が起きたかなど、把握している範囲で事実を伝えることが大切です。
最近では、電話やインターネットでの問い合わせだけでなく、SNSを使った報告が可能な損害保険会社もあります。
2. できるだけ早く、被害状況の写真を撮っておく
損害保険会社としては、「どの部分にどの程度の損害が生じているのか」という証拠がなければ、給付金を支払えません。
損害に気づいたら極力早めに、損害箇所や家全体などの写真を複数枚撮っておきましょう。
3. 損害保険会社からの説明
次に行われるのは、損害保険会社から契約者へ、加入中の契約内容の確認や、今後の請求手続きの流れなどについての説明です。
ただし、この時点では、給付金が支払われるかどうかは確定していません。
給付の可否は、その後に提出する請求書類で決定します。
4. 修理の見積もりを取る
見積書は、適切な給付金額の算定のために必要です。
5. 必要書類を送付する
提出する主な書類は下記のとおりです。
<給付金請求に必要となる主な書類>
・保険金請求書
・事故内容報告書
・損害明細書
・修理見積書
・罹災(りさい)証明書
・保険金請求書
・事故内容報告書
・損害明細書
・修理見積書
・罹災(りさい)証明書
保険金請求書には、給付金を請求する契約者名や住所、連絡先のほか、保険証券番号などを記載します。
給付金の受け取り先となる振込口座番号も必要です。
事故内容報告書は、事故内容をできるだけ詳細に書き込んでください。
被害箇所や修理費用だけでなく、簡単な被害状況の平面図も記載するのがおすすめです。
このほか、修理業者から取り寄せた修理見積書や、被害状況がわかる写真も複数添付しましょう。
また、状況によっては罹災証明書が必要となることもあります。罹災証明書の申請先は、火災の場合は消防署、災害の場合は自治体です。
なお、同時に他社の火災保険にも入っている場合は、保険金請求書にその損害保険会社名や証券番号などの記入が必要です。
火災保険は複数の保険に加入していても、支払われるのは実際の損害額を上限とした金額なので、各損害保険会社からは按分された金額が給付されることになります。
>>火災保険の必要書類は?契約時、請求申請時に必要なものを解説
6. 給付金が支払われる
支払われる給付金の金額が確定するには、損害保険会社の調査結果と契約者からの申請書類などをもとにした審査をパスしなければなりません。
裏付けとなる証拠写真などで損害状況がすぐにでも確認できれば、2〜3日で支払われるケースもありますが、審査にはある程度の日数が必要です。
多くの場合、2週間以内に口座に給付金が振り込まれるようですが、損害保険会社の審査業務が混み合っていたり、請求額が100万円を超えたりする場合には、鑑定人による現地確認が行われるので、その分、支払時期は遅くなります。
給付金請求の注意点
請求期限は3年
保険法第95条によって定められた火災保険の請求期限は、原則として損害を受けてから3年以内です。
ただし、大規模な自然災害などが原因であると証明できるのであれば、3年を過ぎていても請求が認められることがあります。
請求が通らないこともある
例えば、建物の老朽化によって壁や屋根などが破損していたことがわかれば、経年劣化によるものとして給付金は支払われません。
また、故意に引き起こされた火災や、重大な過失がある場合は補償対象外となります。
書類に不備があって却下となった場合や審査結果に不服がある場合は、再審査が可能です。
再審査が適切に進められるよう、不備があった書類を再提出するとともに、被害状況を示す証拠となる追加資料を提出することをおすすめします。
もしものときのために、契約内容と給付金請求の流れを把握しておこう
そのため、損害を受けているのに給付金を請求しないまま時効を迎えるケースも少なくありません。
また、最近は日本各地で毎年のように集中豪雨や台風による洪水が起こり、どこに住んでいても100%安全とはいえません。平時から契約内容と給付金請求の流れを把握しておくと、もしものときに慌てず対応できるでしょう。
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