火災保険や地震保険は、年末調整で所得控除を受けられる?
年末調整と所得控除の仕組み
年末調整とは、会社が従業員に支払った給与・賞与から源泉徴収された税額の年間合計額と、本来徴収するべき所得税の年間総額を比較し、過不足金額を調整して年税額を一致させる精算手続きのこと。源泉徴収では毎月の給与から年間総額を想定するため、どうしてもずれが生じてしまうのです。
そして、医療費や保険料などを支払っている場合には、年末調整の際、所得の年間合計額から各種所得控除が差し引かれ、所得税額が計算されます。これが、所得控除の仕組みです。
火災保険は所得控除対象になる?
結論からいうと、火災保険は所得控除の対象にはなりません。以前は「損害保険料控除」という制度があり、火災保険も年末調整や確定申告で手続きを行えば控除を受けることができました。ですが、2006年の法改正によって制度の廃止が決まり、2007年1月以降、火災保険は保険料控除の対象から外れています。
なお、経過措置として、下記の条件を満たす長期の火災保険は、引き続き保険料控除(旧・長期損害保険料による控除)を受けることが可能です。
<旧・長期損害保険料による控除の対象となる要件>
・2006年12月31日までに契約締結済み(保険期間または共済期間の始期が2007年1月1日以後のものは除く)
・満期返戻金などがあり、保険期間または共済期間が10年以上の契約
・2007年1月1日以後に対象の損害保険契約等の変更をしていない
・2006年12月31日までに契約締結済み(保険期間または共済期間の始期が2007年1月1日以後のものは除く)
・満期返戻金などがあり、保険期間または共済期間が10年以上の契約
・2007年1月1日以後に対象の損害保険契約等の変更をしていない
地震保険は所得控除の対象になる?
廃止された損害保険料控除に代わって、2007年から地震保険を対象とした「地震保険料控除」が創設されました。これにより、年末調整や確定申告で申請をすれば、支払った地震保険料に応じて一定の金額が所得から控除されるのです。
地震保険料の控除額
その年に支払った地震保険料の金額が5万円以下であれば、保険料の全額が所得金額から控除されます。地震保険料が5万円を超えていれば、一律5万円が控除されます。
住民税に対する控除
その年に支払った地震保険料の金額が5万円以下であれば、保険料の2分の1が所得金額から控除されます。地震保険料が5万円を超えていれば、一律2万5,000円が控除されます。
ただし、地震保険と旧・長期損害保険の両方を契約している場合、所得税については合算して5万円まで、住民税については合算して2万5,000円までが所得金額から控除されます。
地震保険料控除の対象
地震保険料控除は、持ち家であろうと賃貸住宅であろうと、地震保険に加入していれば適用されます。また、建物を夫婦共有名義にするケースもありますが、保険契約者はどちらか1人にする必要があり、控除の対象は保険契約者です。
地震保険料控除を受けるには、どうすればいい?
その際、提出を求められるのが、保険会社から送付される「地震保険料控除証明書」です。通常は、毎年10月以降に保険会社からはがきなどで送られてきますが、火災保険とセットで加入した契約初年度は、保険証券に添付されているので確認が必要です。
年末調整であれば勤務先に地震保険料控除証明書を提出し、確定申告であれば申告書を税務署に提出します。
なお、複数年分の地震保険料を一括で払った場合、控除額は「控除対象の保険料=一括払保険料÷保険期間(年)」という計算式で、1年分の金額に換算して算出します。あらかじめ保険期間で割った金額を地震保険料控除証明書に掲載する保険会社もあるので、具体的な控除額は証明書で確認してください。
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