積立預金と定期預金の違いは?比較やメリット・デメリットを解説

積立預金と定期預金の違いは?比較やメリット・デメリットを解説

金融機関にお金を預け入れる際には、普通預金以外にも「積立預金」や「定期預金」を利用できます。どちらも資産運用に役立つ預金の仕組みではありますが、具体的な違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。

今回は、積立預金と定期預金の仕組みや、両者の違いについてわかりやすく解説します。また、積立預金と定期預金のメリット・デメリットのほか、それぞれの預金が向いている人の特徴も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

mokuji目次

  1. 積立預金と定期預金の仕組み
    1. 積立預金:定期的に決まった金額を積み立てる預金
    2. 定期預金:まとまった金額を一定期間預け入れる預金
  2. 積立預金と定期預金の違い
    1. 預け入れ方法
    2. 引き出し制限・解約ルール
    3. 預け入れ期間
    4. 金利
  3. 積立預金のメリット・デメリット
    1. メリット:少額から積み立てが始められ、金額の調整がしやすい
    2. デメリット:簡単に預金を引き出せるため、貯蓄に強制力がない
  4. 定期預金のメリット・デメリット
    1. メリット:満期まで預ける仕組みであるため、貯蓄しやすい
    2. デメリット:最初からまとまった金額が必要で、引き出しの自由度が低い
  5. 積立預金と定期預金、どちらに預けたほうが良い?
    1. 積立預金が向いている人
    2. 定期預金が向いている人
  6. 外貨預金にも積立預金と定期預金がある
  7. 積立預金と定期預金の特徴を押さえて、効果的に使い分けよう

積立預金と定期預金の仕組み

積立預金と定期預金はどちらも、お金を預けて利息を受け取ることができる預金ですが、大きな違いはお金の預け入れの方法です。2つの仕組みの違いを見ていきましょう。

積立預金:定期的に決まった金額を積み立てる預金

積立預金とは、毎月預け入れる金額を決めて積立を行う預金です。積立は1年など比較的短い期間で満期が設定されている場合もあれば、期間の定めがない場合もあるなど、金融機関によって異なります。預け入れ期間や金額が柔軟に選べることに加え、目標とする金額を積み立てる前に、いつでも一部解約もしくは中途解約することができます。目標金額を決めてお金を貯めたい場合に活用できる上、比較的自由度が高いため、柔軟に活用しやすい点が特徴です。

定期預金:まとまった金額を一定期間預け入れる預金

定期預金とは、まとまった金額を一定期間預け入れておく預金を指します。預け入れ期間には制限が設けられており、満期までは原則として預金を引き出すことができません。満期前に預金を引き出すには、定期預金の一部解約もしくは中途解約の手続きが必要で、金融機関によっては満期前解約ができない場合もあります。このような制限が設けられていることから、使途が決まっている資金の保管などに活用されています。

積立預金と定期預金の違い

積立預金と定期預金の違い

積立預金と定期預金の主な違いとして、預け入れ方法のほか、引き出し制限や解約ルール預け入れ期間金利の違いがあります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

預け入れ方法

積立預金は毎月少額ずつ預け入れていくのに対して、定期預金はまとまった金額を一括で預金する点が大きな違いです。例えば、毎月2万円ずつ長期にわたって積み立てていきたい場合には積立預金を活用し、使途が決まっている200万円が手元にあり、一度に預けたい場合は定期預金を活用します。

ただし、定期預金はまとまった金額でなければ預け入れができないというわけではありません。多くの金融機関は、1円以上から1円単位で定期預金を利用できる仕組みとなっています。
一方の積立預金は、1,000円以上から1,000円単位で積み立てるよう指定されていることが一般的です。

引き出し制限・解約ルール

積立預金と定期預金には、引き出し制限や解約ルールにも違いがあります。積立預金は、期間途中でも引き出しや解約が可能なケースが一般的です。全額を引き出す場合には積立預金口座そのものを解約することもできますが、預金を引き出した口座にて再度積み立てを継続することも可能です。

一方、定期預金は原則として、満期まで引き出せません。定期預金に預け入れた資金を引き出したい場合には、一部解約または中途解約の手続きを行う必要があり、金融機関によっては満期前解約ができない場合もあります。

預け入れ期間

積立預金の預け入れ期間は、金融機関によってさまざまです。短ければ数ヵ月、長ければ10年以上といった期間で積み立てが可能な商品もあれば、積立期間が指定されていない商品もあります。
また、積立期間の満了後は据え置き期間が設けられており、満期日まで預金を続ける必要がある点も特徴です。

一方、定期預金の場合は、1ヵ月〜数年単位で預け入れ期間を選べます。10年など長期間を指定することもできますが、預け入れの際に指定した満期を迎えるまで、原則として資金を引き出せない点に注意が必要です。

金利

一般的に、積立預金よりも定期預金のほうが、金利を高く設定している傾向があります。定期預金に預け入れられた資金は満期まで引き出せない前提のため、金融機関は安定した運用計画を立てやすいことが主な理由です。
ただし、特に近年は長く続いた低金利の影響で、積立預金と定期預金の金利を同水準に設定している金融機関も少なくありません

積立預金のメリット・デメリット

積立預金のメリット・デメリット

積立預金にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。積立預金を検討する際には、下記の点を理解しておくことが大切です。

メリット:少額から積み立てが始められ、金額の調整がしやすい

積立預金の大きなメリットとして、少額から積み立てを始められる点が挙げられます。毎月数千円から積み立てができるため、手元にまとまった資金がない人や、長期間をかけて少しずつ資産を形成していきたい人にとって利用しやすい商品です。

また、状況に応じて、金額や期間などを調整しやすいというメリットもあります。積立額を途中で変更したり、ボーナスの時期は積立額を増やしたりすることも可能です。反対に、積立額が家計の負担になるようなら、途中で金額を減らすといったこともできます。
まとまった資金が必要になった際には、積立預金の一部または全部を引き出すこともできるため、積立預金は資金の出し入れに関して自由度が高い預金の方法といえるでしょう。

デメリット:簡単に預金を引き出せるため、貯蓄に強制力がない

柔軟に引き出せるというメリットは、考え方によってはデメリットにもなります。原則として一定期間は引き出せない定期預金とは異なり、目標金額に達する途中で、気軽に預金を引き出してしまうことにもなりかねません。
預金への強制力が低くなることから、より確実に資金を確保しておきたい場合は、定期預金のほうが適しているといえます。

定期預金のメリット・デメリット

次に、定期預金のメリット・デメリットについて見ていきます。積立預金とは異なる特徴があるため、仕組みを知って自分に合った方法を活用していきましょう。

メリット:満期まで預ける仕組みであるため、貯蓄しやすい

満期までお金を預けておくことが前提となっているため、中途解約に一定のハードルが設けられている点もメリットといえます。あえて自由度を下げることで、普通預金や積立預金と比べてついお金を使ってしまうような事態を防ぐことが可能です。大切な資金を必ず確保しておきたい場合に適した商品といえるでしょう。

デメリット:最初からまとまった金額が必要で、引き出しの自由度が低い

定期預金は一度にまとまった金額を預金するため、最初から一定の資金の確保が必要なことがデメリットのひとつです。実際には1円単位から定期預金を始められるケースが多いものの、普通預金や積立預金よりも高く設定されていることが多い金利のメリットを活かすのであれば、ある程度の金額を預ける必要があります。

また、事前に決めた預け入れ期間中は預金を引き出さないことが前提となっており、積立預金と比べて自由度が低い点もデメリットといえます。
所定の手続きを行うことで中途解約も可能ですが、満期を迎える前に解約してしまうと、約定利率よりも低い金利しか受け取れない可能性があります。

積立預金と定期預金、どちらに預けたほうが良い?

積立預金と定期預金、どちらに預けたほうが良い?

積立預金と定期預金は、それぞれメリット・デメリットがありますが、実際にお金を預ける際にはどちらを選んだほうが良いのでしょうか。積立預金に向いている人、定期預金に向いている人の特徴は、下記のとおりです。

積立預金が向いている人

積立預金は、毎月少額ずつお金を預け入れていくための商品であることから、計画的にお金を貯めたい人に適しています。貯金をしたいものの、自分でコツコツと貯金をするのは苦手な人は、普通預金口座から積立預金口座へと自動的に一定金額を振り替える設定にしておくことで、強制的に貯金をすることが可能です。

また、貯めたお金の使途が現状ではまだ決まっていない人にもおすすめです。普通預金よりは比較的金利が高い積立預金に預けておき、資金が必要になったタイミングで柔軟に引き出すことも可能です。

定期預金が向いている人

すでに使途の決まっている一定の資金が貯まっているものの、お金を持っているとつい使ってしまいがちな人には、定期預金が向いています。定期預金に預けていれば、あらかじめ満期が決まっていることから、途中での解約には手続きが必要となり、お金を簡単に引き出せません。

また、まとまった資金を長期的に運用していきたい人にも、定期預金の活用をおすすめします。例えば、結婚資金や住宅購入資金などのように、将来的に使う目的が決まっている資金を、普通預金や積立預金よりも比較的高い金利で効率良く運用することが可能です。

外貨預金にも積立預金と定期預金がある

積立預金や定期預金を検討する際は、外貨預金も選択肢に加えておくことをおすすめします。円建ての預金は長らく低金利が続いていて、資産を増やすという点では有利とは言い難い状況です。一方、外貨預金の中には、円建ての預金と比べて金利が高く設定されているものも少なくありません

円建ての預金と外貨預金の大きな違いとして、外貨預金は為替相場の影響を受ける点が挙げられます。円高になれば、預け入れた元本部分に為替差損が発生し、円に戻して引き出す際に資産が目減りする可能性があります。反対に、円安になれば為替差益を受け取れる可能性もあるということです。
また、預け入れ・引き出し時には手数料が必要です。これらの特徴を理解しつつ、外貨預金を活用することで、より効率的に資産運用を行うことができるでしょう。

積立預金と定期預金の特徴を押さえて、効果的に使い分けよう

積立預金と定期預金は、目的や特徴が異なる商品です。積立預金は少額ずつ積み立てていくことが目的であるのに対し、定期預金は一度にまとまった資金を預けて運用することが目的となります。両方の違いを押さえた上で、目的に応じて活用していくことが大切です。

また、外貨預金にも積立預金と定期預金があります。円建ての預金よりも金利の高い外貨預金を活用することで、効率的な資産運用に取り組んでみてはいかがでしょうか。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。

外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

\ 4,747人が選んだ /
外貨預金ランキングを見る