2,000万円を資産運用するなら?おすすめの方法やポイントを解説
ただし、資産運用にはリスクもありますから、間違った方法では、せっかくの資産を減らしてしまう可能性があります。目的や許容できるリスクに応じて、適切な方法を選ばなければなりません。
今回は、2,000万円を資産運用する場合におすすめの方法やポイントなどを解説します。
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
2,000万円あったら資産運用を行う理由とは?
しかし、人生100年時代と言われ、長生きすることが前提となるなか、できるだけ準備しておきたいところです。
まずは、2,000万円を資産運用すべき理由についてご紹介します。
インフレリスクがある
同じ物を買う場合でも、以前よりお金が必要となり、お金の価値が目減りしているのです。
そこで、現金ではなくインフレに強い資産を保有することや、資産運用によってお金を増やすことが対策になります。
インフレに強い資産とは、物価上昇に連動して上昇傾向がある有価証券(株式、投資信託など)のほか、金や不動産などの現物資産、海外の通貨で保有する外貨建て資産などが挙げられます。
低金利が続いている
長らく低金利時代が続いていましたが、ようやく終わりが見えてきたといえるでしょう。
ただし、金利が0.1%だと、2,000万円を10年間預けると、約20万円の利息が付きます。
これまでの普通預金の金利が0.001%、0.02%などだったことを考えると大きく上昇したといえますが、10年間で約20万円の利息では、資産が増えたとは言い切れません。
外貨預金のように、比較的高い金利が狙えるものでなければ、預金しているだけでお金を大きく増やすことは見込みにくいです。
さらに、日本はインフレの傾向にあります。
保有しているだけではお金が増えるどころか、価値が下がってしまうおそれがあり、資産運用でお金を増やすことの重要性が高まっています。
ゆとりある老後生活がおくれる
しかし、ゆとりある老後生活費にいくら必要かを尋ねると、最低日常生活費とは別に、平均で月額14.8万円が必要との回答となっています。
65歳から、仮に30年間ゆとりある生活を送るとすると、最低日常生活費のほかに14.8万円×30年で約5,300万円が必要ということになります。
老後生活に約2,000万円が不足するという「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、2,000万円あっても、ゆとりある生活には3,000万円以上不足することになるでしょう。
2,000万円を元手に資産運用を行うことで、老後生活の不足分を補えるほか、ゆとりある老後生活を送れる可能性が高まります。
投資の選択肢が多い
また、投資のリスクを低減する方法に、投資先を1つに集中させない「分散投資」がありますが、2,000万円であれば幅広い金融商品への投資が可能となります。
2,000万円で行う資産運用の種類
投資信託
投資信託は1つの銘柄を購入するだけで資産を分散させる効果があり、さらに運用はプロに任せられるというメリットがあります。
REIT
そこから得た家賃収入や売却益などが、出資金に応じて投資家に分配されます。
ETF
分散投資の効果がある点は投資信託と同様ですが、ETFは株式などと同様に証券取引所にて、リアルタイムで売買できます。
取引時間内であれば、値動きを見ながら売買することも可能です。
退職金定期
適用される期間は短く、適用される期間が終わった後は通常の預金と同じとなるため、期間終了後の運用を考えておく必要があるでしょう。
個人向け国債
満期日までに利子を受け取ることができ、満期(償還日)には原本が返還されます。
発行する国が破綻しない限り、元本が保証されているという大きなメリットがあります。
貯蓄型保険
貯蓄型保険の種類には、生命保険、介護保険、学資保険などがあり、保障とともに将来の資金の備えにできるでしょう。受け取れるお金は、契約内容や経過年数で異なるため、利用する場合はしっかり確認してください。
不動産投資
比較的価格変動のリスクが少なく、金融機関からの融資も踏まえて、自己資金2,000万円をもとに建物や土地を購入することができます。
不動産に資産を集中させるリスクはありますが、間取りや種別の異なる物件、エリアの異なる物件など、投資運用の対象を分けることでリスクを分散できるでしょう。
外貨預金
基本的には銀行を通じて預金するだけなので、初心者にもわかりやすい運用方法といえるでしょう。外国の比較的高い金利が適用されるため、預けておくだけでも資産を増やせる可能性があります。
また、為替レートが預入時より円安になっていれば、引出時に為替差益を得られる点もメリットです。
2,000万円を運用するポイント
資産運用の目的を考える
漠然と資産運用を行っていると、商品の選定や配分を誤って損失を出してしまう可能性があるでしょう。出費があった際に細かく取り崩して、いつの間にか大きく資産が減っていたということもあるかもしれません。
2,000万円という資産があれば、大抵の費用はまかなえますが、住宅購入や老後資金の準備といった大きなお金の確保が目的の場合、不足する可能性もあります。
何のために、いつまでに、いくら必要かという資産運用の目的を踏まえ、それに合った資産運用の方法を選んでください。
資産を分散させる
投資の格言として、「1つのかごに卵を盛るな」という言葉があります。
1つのかごにだけに卵を入れていれば、かごに何かあれば卵はすべて割れてしまいます。複数のかごに分散しておけば、1つのかごがひっくり返っても、ほかの卵は無事です。
これと同様に、さまざまな商品に資産を分散させることで、どれかが値下がりしてもほかで補填できる可能性があるでしょう。リスクを分散させて、安定的な収益を目指してください。
リスク許容度を考える
リスク許容度が大きければ収益の振れ幅が大きいことになり、「大きな損失が出る可能性も、大きな利益を得られる可能性もある」ということです。反対にリスク許容度が小さければ、「利益は小さいが損失も小さい」ということになるでしょう。
2,000万円の価値を維持するためには、リスクの高い商品は少なめに、リスクの低い商品をメインに運用することをおすすめします。
2,000万円で資産運用を行う際のポートフォリオ
ポートフォリオとは、資産運用において保有する金融商品の組み合わせを指し、資産を異なる金融商品に分散して運用する方法をポートフォリオ運用といいます。
資産を分散することは、リスクの軽減につながるでしょう。
例えば、一般的に株式と債券は、株式が上昇すれば債券は下降、株式が下降すれば債券は上昇というように、逆の値動きをする傾向があります。
もしも資産を株式だけに集中させれば、株式の価額が下降したときに大きく資産を減らしてしまいますが、債券にも振り分けておけば、リスクを回避できる可能性が高いです。
具体的にどのようなポートフォリオを組むべきかといえば、GPIF(年金積立管理運用行政法人)のポートフォリオを確認してみましょう。
GPIFは2020年4月1日からの5ヵ年で、「国内株式25%・外国株式25%・国内債券25%・外国債券25%」という基本ポートフォリオを発表しました。
GPIFは公的年金積立金の管理・運用を行っている団体で、そのポートフォリオは長期的に、安全かつ効率的な運用を目指したものです。
2,000万円という資産を目減りさせず、安定的に収益を得たいと考える場合は参考になるでしょう。
もちろん、もっとリスクを許容してでも資産を大きく増やしたいという場合は、値動きの大きい株式の保有比率を上げるといった方法もあります。
外国株式や外国債券も、先進国より新興国のほうがリスクもリターンも大きい傾向があるため、組み入れてみてもいいかもしれません。
リスクを管理しながら2,000万円を運用しよう
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監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。