インフレで貯金が減る?物価上昇から資産を守るための方法を解説

インフレで貯金が減る?物価上昇から資産を守るための方法を解説

1990年代から長年続いた日本のデフレは、世界経済の変化に伴い、段階的にインフレへと移行しました。インフレによりお金の実質的な価値が下落する一方で、貯金の利率は依然として低いままです。これにより、貯金をしていても、実質的な資産価値は目減りしているのが現状です。

今回は、インフレ下の日本の現状や、インフレから資産を守るための方法についてご紹介します。

インフレとは物価が継続して上がること

インフレ(インフレーション)とは、商品やサービスの価格が継続的に上がることです。これに対し、物価が長期にわたって低下する状況はデフレ(デフレーション)と呼ばれます。

インフレは、経済が活性化し、景気が回復する過程で起こることが一般的です。景気が上昇すると雇用が増えて賃金が上昇し、消費者の購買力が強まります。これにより、消費者は価格が上がっても商品やサービスを購入し続けるため、企業の収益が増え、さらに賃金が上昇します。これが経済の好循環を生み、物価の上昇につながるのです。

しかし、インフレのデメリットは、お金の実質的な価値が下がることです。例えば、以前150円で買えていたペットボトルのお茶が、インフレにより200円に値上がりしたとします。商品は同じであっても、購入するためには以前より50円多くの支払いが必要です。同じ150円では以前と同じ商品を買うことができなくなるため、お金の実質的な価値が低下していることになります。

日本におけるインフレ

日本では、1990年代から長くデフレが続いていました。しかし、最近では新型コロナウイルス感染症の流行による経済活動の停滞や、国際情勢の影響による輸入品のコスト上昇など、さまざまな要因が重なり、日本はインフレに転じています。

2024年1月時点の消費者物価指数(総合指数)は、2023年比で2.2%上昇(※)しています。2024年以降の物価上昇率は鈍化するといわれていますが、先行きが不透明な現在、家計の負担軽減や、将来に向けた資産形成をするための対策が欠かせません。

※総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)1月分

インフレ時には貯金の価値が下がる

インフレが進行すると、貯金の実質的な価値は減少します。貯金は、銀行などの金融機関にお金を預け、定められた利率で利息を得る資産運用法です。元本保証があり、元本が減少するリスクがないことから、多くの人が資産を守るための資産運用方法として貯金を選んでいます。しかし、インフレ率が貯金の利率を上回ると、実質的なお金の価値は低下します。なお、インフレ率は物価の上昇率を示しており、前後1年間の消費者物価指数によって計算される指標です。

日本の現状では、インフレ率が上昇し続けている一方で、貯金の利率は依然として低い水準にとどまっています。この状況では、貯金だけに頼る資産運用では、資産の価値が実質的に減少しているのです。

インフレ下で資産を守るためには、インフレを上回るリターンが期待できる投資に目を向けることが重要です。しかし、投資はリスクを伴うため、すべての資金を1つの投資先に集中させるのではなく、リスクの分散を行います。安全性の高い貯金と、資産を増やせる投資をバランスよく組み合わせて運用しましょう。

インフレ対策については、下記の記事をご覧ください。
個人でできるインフレ対策とは?資産を守る方法を解説

インフレに有効な資産運用方法

インフレに有効な資産運用方法

インフレ下では、ただお金を貯金するだけでは資産の価値が目減りしてしまうため、インフレに強い資産運用方法を取り入れる必要があります。ここからは、インフレに強いとされる資産運用方法について解説します。

有価証券

有価証券は、株や債券など、企業や政府が発行する証券のことです。インフレ下では、企業の収益増加が株価の上昇につながりやすいため、有価証券はインフレに対して比較的強い資産だといえます
有価証券の中でも特におすすめしたいのが、次に説明する株式投資と投資信託です。

株式投資
株式投資は、企業が発行する株式を購入し、企業が出した収益の一部を配当金として受け取ったり、株式を売却したりして利益を得る方法です。また、株主優待として特定のサービスや商品を受け取れることもあります。
インフレで企業の収益が伸びれば、株価も大きく上昇する可能性があります。しかし、市場は不確実性が高く、株価の下落時には資産が減少するリスクがある点には注意が必要です。

投資信託
投資信託は、複数の投資家から集めた資金を、資産運用の専門家がさまざまな金融商品に投資して運用し、利益を投資家に分配する金融商品です。
個々の投資家が投資先を選ぶ必要がなく、複数の金融商品にリスクを分散できるため、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。

現物資産

現物資産とは、不動産や金などの物理的な資産を指します。現物資産はインフレの影響を受けにくく、価値が下がりにくいといわれています。

不動産投資
不動産投資とは、不動産を取得して貸し付けることで家賃収入を得たり、不動産が値上がりしたときに売却して利益を得たりする方法です。一般的に、インフレ時には不動産の価格は上昇し、家賃も上がる傾向があります。
しかし、立地や物件の条件が悪いと思うように入居者が集まらず、期待した家賃収入が得られないリスクもあります。また、不動産は流動性が低く、必要なときにすぐに売却できない点にも注意が必要です

金投資
金は、世界情勢の変化や経済危機が起きても価値が下がりにくい金融資産といわれています。インフレ時や災害時、世界情勢や経済が混乱しているときに、資産を守るために金投資を行う投資家が増えます。信用度が高く、世界中どこでも換金できることも特徴です。
ただし、盗難などのリスクに備えるための設備費用や管理費用などのコストがかかります

外貨建て資産

外貨建て資産とは、円を米ドルやユーロといった外貨に替えて運用する金融商品のことです。インフレになると日本円の実質的な価値が下がるため、外貨を持つことはインフレ対策になると考えられます。

外貨建て資産には、外貨預金や外国株式のほか、外国債券、外貨建ての保険商品などがあります。特に外貨預金は、外貨建ての金融商品の中でも比較的仕組みがわかりやすく、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。

外貨預金は、円高時に外貨を購入し、円安時に日本円に戻すことで、為替差益(為替レートの変動により生じる利益)を得る仕組みです。例えば、1米ドル=100円のときに100万円を米ドルに交換して預金し、1米ドル=120円のときに円に交換すれば、20万円の為替差益を得ることができます。

外貨預金をする上で金融機関やサービス選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをはじめとする、比較サイトを参考にしましょう。「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」では、手数料や金利、入出金のしやすさなど、さまざまな観点から外貨預金を比較検討できます。

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インフレ時の資産運用を成功させるコツ

インフレが進行する中で資産の価値を守り増やすためには、インフレに強い資産への投資が有効です。ただし、どの金融商品にもリスクが伴うため、適切な知識を身に付けておきましょう。
ここからは、インフレ時の資産運用を成功させるためのコツをご紹介します。

長期投資

長期投資とは、長期(一般的には10年以上)にわたって資産を運用することを指します。金融商品の中には短期的に価値が大きく変動するものも存在し、短期間での運用では元本割れによる損失が生じることもあります。しかし、長期にわたる投資では、金融商品の価格が時間をかけて安定することが多く、結果として損失リスクを低減できる可能性が高いのです。

長期投資の最大の魅力は、日々の市場の変動に左右されずに、長い目で見た資産の成長を目指せる点にあります。短期的な価格の変動に一喜一憂することなく、安定した資産運用を行うことで、長期的には安定した利益を得られる可能性が高くなります。

分散投資

分散投資とは、すべての資産を1つの投資先に集中させるのではなく、さまざまな金融資産や金融商品、地域、産業などに配分することです。例えば、株式や債券、不動産などの異なる金融資産に投資をしたり、株式や投資信託を利用してさまざまな地域や産業に投資をしたりといったことが可能です。

1つの企業の株式に集中的に投資した場合、業績が急激に悪化して倒産してしまったり、経済危機などで株価が大暴落したりしたときのダメージが大きくなります。一方、分散投資をしておけば、1つの金融資産や金融商品の価格が下落した場合でも、ほか金融資産や金融商品の上昇で損失を補い、資産を守ることができます。

インフレから資産を守るために投資に挑戦しよう

お金の実質的な価値が下がるインフレ時であっても、インフレ率より利率の高い資産運用を行えば、資産を守り、効率的に増やすことができます。本記事でご紹介したおすすめの資産運用方法や注意点を理解した上で、資産運用を始めてみましょう。

資産運用の初心者には、仕組みがわかりやすくお金の出し入れも比較的しやすい、外貨預金がおすすめです。オリコンでは日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表しているので、外貨預金選びの参考にしてください。

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  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

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    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

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