円安の時にする事は?外貨預金や投資など個人でできる対策とその注意点

円安の時にする事は?外貨預金や投資など個人でできる対策とその注意点

日本はエネルギーや食料品など、多くを輸入品に頼っています。

そのため、円安になると物価高などにもつながり、私たちの生活への影響が気になる人も多いでしょう。

この記事では、円安時にできる個人の対策として外貨での運用を紹介した上で、その注意点について解説します。

また、外貨預金をする際の銀行を選ぶポイントについても説明していますのでぜひ参考にしてみてください。

mokuji目次

  1. 円安の基礎知識
  2. 円安のメリットとデメリット
    1. 円安のメリット
    2. 円安のデメリット
  3. 円安時にやるべき事
    1. 外貨建て投資信託に投資する
    2. 外貨預金をする
    3. 外国株式へ投資する
    4. 外国債券に投資する
    5. FX取引をする
    6. 輸出関連企業などに投資する
    7. 外貨積立をする
  4. 円安の時に資産運用する際の注意点
    1. 一時の値動きで判断してやめない
    2. 円高になる可能性を想定しておく
    3. 複数の投資先に投資する
  5. 外貨預金におすすめの銀行はどう選ぶ?
    1. 手数料が安い銀行を選ぶ
    2. 金利が高い銀行を選ぶ
    3. 通貨の種類が豊富な銀行を選ぶ
  6. 円安に備えて資産運用を検討しよう

円安の基礎知識

円安の基礎知識

円安とは、日本の通貨「円」と外国通貨を比較した時に相対的に円が弱いこと、つまり円1単位で交換できる外国通貨の単位数が相対的に少ない状態のことです。

最も頻繁に比較されるのが米ドルです。世界中で経済規模が最も大きい米国の通貨は、外国との貿易や資本取引などの経済取引での決済手段として用いられる通貨(基軸通貨)となっています。

為替レートが1ドル120円の時よりも、1ドル150円の時の方が、1ドルを購入するのにたくさんの円を支払わなくてはなりません。この状態を円の価値が下がり円安になったといいます。

例えば、100ドルの物を買うのに、1ドル120円の時には1万2千円(100ドル×120円)で買えますが、1ドル150円になると1万5千円(100ドル×150円)を払わなければなりません。

円安のメリットとデメリット

円安のメリットとデメリット

それでは、円安の時にドルを買ったり売ったりする場合には、実際にどんな影響があるのでしょうか。

円安時のメリットやデメリットを詳しく見てみましょう。

円安のメリット

円安時に私たち日本人が外国の物を買うには、多くの円が必要になりましたが、反対に外国人の立場から見てみましょう。

米国人が日本で1,000円の買物をする際は、為替レートが1ドル100円の時は10ドル(1,000円÷100円)を払いますが、円安で1ドル160円になると、6.25ドル(1,000円÷160円)しか払わなくてすむことになります。

つまり、円安になると外国人あるいは外国企業は、日本の商品やサービスを安く買えるようになります。

そこで日本の商品が外国で売れやすくなり、輸出関連企業の業績は上がる傾向があります。

また、外国人観光客が増えることにもつながり、インバウンド需要がある業界の業績やそこで働く社員の給与は上がる可能性があります。

また、外貨建ての資産を持っていて円安になると、1通貨で多くの円と交換できるので有利になります。

例えば、外貨建ての個人年金や生命保険などは、受け取る保険金が外貨のため、円安になると多くの日本円が受け取れるメリットがあります。

円安のデメリット

円安時には、外国人や外国企業が日本の物やサービス買いやすくなる一方で、日本人や日本企業が外国の物やサービスを買いにくくなることがデメリットです。

特に輸入に頼っているガソリンや食料品は値上がりしやすく、物価が上昇傾向になることもあるでしょう。

また、海外旅行のコストも上がります。例えば、米国へ海外旅行に行く時に、為替レートが1ドル120円の時に100ドルの買物をすると日本円では1万2千円(100ドル×120円)ですが、円安になり1ドル160円になると、同じ100ドルのものを買うのに1万6千円(100ドル×160円)かかります。

つまり、円安時に海外に行って物やサービスを買うと外貨価格が変わらなくても、より多くの日本円を支払わなければなりません。

円安時にやるべき事

円安時にやるべき事

為替レートの変動は輸入品に頼る私たちの生活に影響を及ぼすため、急な円安、円高に備えて中長期で資産を形成していくことも大切でしょう。

そこで、個人でできる対策として、外国通貨(外貨)建ての金融商品などを仕込む資産運用を検討してもよいでしょう。

ただし、外貨建ての商品は、為替変動による利益(為替差益)を得られるメリットがある一方、損失(為替差損)を被るリスクというデメリットもある点は注意しましょう。

円安のときにすること

  1. 外貨建て投資信託に投資する
  2. 外貨預金をする
  3. 外国株式へ投資する
  4. 外国債券に投資する
  5. FX取引をする
  6. 輸出関連企業などに投資する
  7. 外貨積立をする
それぞれ解説します。

外貨建て投資信託に投資する

投資信託とは、投資家のお金を1つの資金としてまとめ、専門家が投資家に代わって運用する金融商品です。

運用で得られた利益や損失は投資家の投資比率によって分配されます。

外貨建ての投資信託とは、外貨で取引される投資信託のことで基準価額や分配金は外貨で表示されます。

一般的に日本円を外貨に両替して投資を行い、為替手数料が必要な場合もあります。

買った時より円安になった時に売って日本円に換金すると、為替変動による利益(為替差益)でより多くの日本円を受け取れます。

ただし、投資信託には値動きがあるので値下がりしている時に売ると、売却損が発生して為替差益が相殺される可能性もあります。

外貨預金をする

外貨預金は外貨で預金をすることですが、一般的に外貨の方が日本の預金よりも金利が高い事がメリットです。

外貨預金にも普通預金と定期預金があり、定期預金の方が金利は高い傾向があります。

金利が高いことに加えて、他の外貨建て商品と同様に、預金時よりも円安時に日本円へ交換をすると為替変動よる利益(為替差益)も受けられます。

外国株式へ投資する

外国株とは、海外企業が発行している株式の事で、日本の証券会社でも買うことができます。

外貨での売買が一般的で配当金も外貨で支払われ、購入時よりも円安になった時に売却すれば、為替差益を得られます。

ただし、円安になっていても、株価自体が購入時より下がってしまうと、売却損が出てしまいますので注意しましょう。

株式の含み益が出ていて、更に円安になった時が売却にベストのタイミングといえるでしょう。

外国債券に投資する

投資家が債券を発行している国や企業など(発行体)にお金を貸した時に出される借用証書のようなものが債券です。

投資家が債券を購入すると、定期的に利息を受け取れます。

発行体、発行市場、通貨のいずれかが海外であるものを外国債券(外債)といいます。

外国債券は日本債券と比較して一般的に金利が高いものがあります。

満期を迎えると発行体へ貸した金額(元本)もしくはあらかじめ決められた金額が払い戻されるので、比較的リスクが少ない商品です。

債券は途中売却もできますが、その際は時価での売却になり需要が少ないと元本割れする可能性もあります。

日本よりも高金利で運用しつつ、為替差益も狙える金融商品です。

FX取引をする

FXとは、Foreign Exchange (外国為替)の略で外国為替証拠金取引のことです。

日本円と外国通貨を売買した時に為替レートの変動によって生じる利益を得る取引です。

投資した時より円安になった時には為替差益が期待できます。

取引額の一部に相当する証拠金を預けることで証拠金以上の取引ができるため、少額で大きな金額の取引ができますが、その分リスクも大きくなるため注意が必要です。

輸出関連企業などに投資する

日本の輸出関連企業など、円安で業績が上がる企業は、株価が上昇する可能性が高いといえます。

今後円安になると予測した際には、輸出関連企業や日本でインバウンド需要が期待できる観光業やホテル業などの株式を購入しておくと、値上がり時に売却して売却益を得られることが期待されます。

ただし、株式は値動きが比較的大きい金融商品であることには注意しましょう。

外貨積立をする

外貨積立は、定期的に外貨を定量・定額ずつ購入して外貨普通預金口座へ積み立てていくものです。

複数回に分けてさまざまな為替レートで外貨を購入することになり、結果的に取得単価を平準化できるので、一度にまとめて購入するよりもリスクを分散できる効果が期待されます。

平均取得単価の為替レートと比較して円安時に日本円に換金すれば、為替差益が得られます。

円安の時に資産運用する際の注意点

円安の時に資産運用する際の注意点

個人が円安時の対策として外貨建ての金融商品などへ投資をしていく際は、為替変動などのリスクを伴います。

そこで次に資産運用で気をつけなければいけないポイントを見ていきましょう。

一時の値動きで判断してやめない

資産運用は、長期で行うことが望ましいといえます。

金融庁作成の「NISAガイドブック」によると、1989年以降、毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券に積立投資をして5年間(短期)と20年間(長期)保有した場合の年間収益率を計算した結果があります。

保有期間5年では投資を始めたタイミングによって収益にはばらつきがあり元本割れすることもありましたが、20年ではいつから投資を始めても安定した収益が得られ元本割れはありませんでした。(ただし、今後の利益を保証するものではありません)

運用を短期間でやめてしまうと、利益を十分に得られないばかりか、タイミングによっては損失を確定させることもあります。

資産運用の過程でさまざまな資産の値下がり局面に遭遇しても、慌てて売却せずに運用を続けていくことも大切です。

円高になる可能性を想定しておく

外貨建ての金融商品は、常に為替の変動リスクを伴います。

手持ちの余剰金をすべて外貨に換えてしまうと、その後、急に資金が入用になった際に外貨を円へ交換しなければなりませんが、その際に円安になっているという保証はありません。

むしろ、円高になっていると為替差損(為替レートの変動での損失)を被ってしまいます。

為替変動を予測して外貨を購入するタイミングを判断することは専門家でも難しいので、すべてを外貨建ての金融商品で運用せず、円貨での金融商品もバランスよくおり交ぜながら運用を行うとよいでしょう。

複数の投資先に投資する

資産運用では、分散投資をすることが重要です。

投資先を1つに絞ってしまうと、それが値下がりすると運用資産のすべてが減ってしまいますが、複数の投資先に分散していれば、値上がりしているものと相殺され、結果的に運用資産全体ではプラスになることはあるでしょう。

1つの資産だけに投資をせずに値動きが異なる複数の資産(国内・海外・株式・債券など)へ分散投資をしたり、株式や債券は複数銘柄を持ったりすることで、すべての資産が値下がりするリスクを減らせます。

外貨預金におすすめの銀行はどう選ぶ?

外貨預金におすすめの銀行はどう選ぶ?

外貨預金をする際は、次のポイントをチェックするとよいでしょう。

外貨預金の銀行を選ぶ際のポイント

以下ではそれぞれについて解説します。

手数料が安い銀行を選ぶ

外貨預金をする際には、日本円を外貨にするための為替手数料がかかります。

また、外貨で預けた預金を再度日本円に戻す際にも為替手数料がかかります。

外貨での運用は、こうした手数料などのコストも運用成績に影響を及ぼすため気をつけておきましょう。

為替手数料は銀行によって異なるので、比較して低いところを選ぶのがポイントです。

通貨によっても手数料が異なるので、特に自分が取引したい通貨の手数料が安い銀行を探すとよいでしょう。

金利が高い銀行を選ぶ

外貨預金の特徴は、一般的には日本の預金よりも金利が高い事です。

日本の預金と同様に、普通預金と定期預金があり、定期預金の方が預金期間は制限されるため、金利は高い傾向があります。

まずは、同じ外貨預金の種類で銀行によって金利に違いがあるかを比較してみましょう。

また、通貨によっても金利は異なります。

例えば、政情不安定になりやすい国の通貨は、高い金利をつけないと預金者を集められないなどの事情があり、リスクが高く為替変動が大きいこともあります。そのため、金利が高い通貨が多ければよいというわけではありません。

銀行によっては、ボーナス時期などに外貨預金の金利優遇キャンペーンなどを実施することもあるので、チェックしておきましょう。

通貨の種類が豊富な銀行を選ぶ

外国通貨は種類が多いので、どの通貨がよいかわからないという人もいるでしょう。

まずはなじみのある通貨から始めて、その後自分に合う通貨を選択できるように取り扱い通貨の種類が多い銀行を選んでおくと安心でしょう。

外貨預金の通貨の種類が多い銀行は、外貨の取引を積極的に行っている銀行ともいえるので、オンラインで取引がしやすい工夫をしているなど、ユーザーにとってメリットが多い可能性は高いでしょう。

円安に備えて資産運用を検討しよう

円安とは、日本円が外国の通貨に対して相対的に弱い状態のことです。

海外の物が買いにくくなる一方で日本の物が海外で売れやすくなります。

こうした理論を応用して、資産運用に役立ててみてはいかがでしょうか。

個人の対策として、外貨・外貨建ての金融商品・輸出関連企業の株式などによる運用が考えられます。

こうした金融商品を持っていれば、円安の時に日本円に交換してより多くの日本円を手にすることができるのが魅力です。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。
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