ハイパーインフレとは?安全な資産運用のための対策を解説

ハイパーインフレとは?安全な資産運用のための対策を解説

最近では、エネルギー資源の価格高騰や物価の上昇がニュースで取り上げられることが増え、将来的に「ハイパーインフレ」と呼ばれる急激な物価上昇が起こるのではないかと、不安に感じる人もいるかもしれません。

今回は、ハイパーインフレに備えるための基本的な対策や、ハイパーインフレに強い資産について解説します。

日本でハイパーインフレが起こる可能性についてもふれていますので、参考にしてください。
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

mokuji目次

  1. ハイパーインフレは物価が急上昇し、通貨価値が急落する現象
    1. ハイパーインフレの原因
    2. ハイパーインフレがもたらす家計への影響
  2. ハイパーインフレに備えるための対策
    1. インフレに強い資産を持つ
    2. 分散投資をする
  3. ハイパーインフレに強い資産
    1. 株式や投資信託
    2. 外貨預金
    3. 不動産
    4. コモディティ
  4. 日本でハイパーインフレが起こる可能性はある?
    1. 日本でのハイパーインフレの事例
    2. 日本でハイパーインフレが起こる可能性
  5. ハイパーインフレへの備えには、インフレに強い資産の保有が重要

ハイパーインフレは物価が急上昇し、通貨価値が急落する現象

インフレとは、モノの値段(物価)が上昇することです。

インフレに伴い、相対的に通貨の価値は減少しますが、ハイパーインフレは、このインフレが極端に進行した状態のことを意味します。国際会計基準においては、3年間で累積100%以上の物価上昇が確認されることをハイパーインフレと定義しています。

例えば、1本120円で販売されていた缶飲料の価格が240円になった場合、実質的なお金の価値は半分に下落したことになります。このような物価の急上昇が3年以内に起これば、国際会計基準におけるハイパーインフレとみなされます。

まずは、ハイパーインフレが発生する原因や家計にもたらす影響について、詳しく見ていきましょう。

ハイパーインフレの原因

ハイパーインフレが発生する主な原因は、通貨への信用度が下がることです。例えば、政府の財政赤字の拡大や、通貨供給量の増加が引き金となることが多いとされています。

また、国際情勢の不安定化や戦争の勃発なども、ハイパーインフレの要因となることが少なくありません。

一般的に、物価は需要と供給のバランスによって決まります。戦争や大災害によって物資の供給が不足すると、需要に対して供給が追い付かなくなり、結果として物価が急上昇します。

その結果、貨幣価値が急激に下落し、通貨への信用が低下することがハイパーインフレにつながるのです。

ハイパーインフレがもたらす家計への影響

ハイパーインフレが発生した場合、家計に与える影響は甚大です。直接的な影響としては、生活費が急上昇することや、日用品が入手困難になるといった事態が想定されます。

例えば、食パン1斤がこれまでより大幅に値上がりして1万円になったり、電気代が数倍の月10万円に跳ね上がったりすれば、日常的に購入していた商品やサービスが気軽に買えなくなってしまうでしょう

ハイパーインフレは決して他人事ではなく、私たちの暮らしに直接的かつ多大な影響を与える現象といえます。

ハイパーインフレに備えるための対策

ハイパーインフレに備えるには、どのような対策が必要なのでしょうか。ここでは、具体的な対策として、2つの方法を紹介します。

インフレに強い資産を持つ

ハイパーインフレに備えるためには、資産価値を守るための工夫が重要です。現金や預金はインフレ時に価値が目減りしやすいことから、ハイパーインフレへの備えとしてはあまり適していません。

一方で、株式や投資信託、外貨預金などインフレに強いと言われる資産を保有することで、ハイパーインフレが起きた際の大きな影響を軽減できる可能性があります。

インフレに強い資産を保有していれば、物価が急上昇しても資産価値がそれに応じて上がるため、結果として資産の目減りを防ぐことができるのです。

分散投資をする

ハイパーインフレへの備えとして、分散投資も有効です。複数の資産に分散投資することにより、一部の資産価値が急落しても、ほかの資産によって損失を軽減できる可能性が高まります。

反対に、特定の金融商品に資産を集中させてしまうと、その商品の価値が急激に下がった場合、資産全体に大きな打撃を受ける可能性があります。

分散投資はリスクを抑える上で重要な手法であり、ハイパーインフレへの対策としても効果的です。

ハイパーインフレに強い資産

続いては、ハイパーインフレに強い金融資産をご紹介します。なぜ、ハイパーインフレに強いのか、その理由についても見ていきましょう。

株式や投資信託

株式や投資信託は、一般的にインフレに強い資産といわれています。

物価の上昇に伴って企業の収益が改善し、株価が上昇する可能性があるからです。

株式や投資信託の価値が上がれば、資産の目減りを防ぐ効果が期待できます。

外貨預金

円安リスクに備えるための資産運用として、米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨で預金する、外貨預金が挙げられます。

外貨建ての資産は、急激に円安が進行した場合でも、資産が目減りするリスクを低減できる効果が期待できるでしょう。

また、日本国内では長らく超低金利が続いているため、円建てで預金しても利息はほとんどつきません。

一方、外貨預金であれば円建ての預金と比べて利息が高い傾向があるため、より高い利息を得やすい点もメリットです。

不動産

土地やマンションなどの不動産も、インフレに強い資産です。

不動産価値は物価上昇にあわせて上がることが多いため、仮に物価が高騰しても土地の価格上昇や家賃の値上げでハイパーインフレの影響をやわらげることができます。

ただし、不動産投資を始めるには、まとまった資金が必要です。

また、賃貸需要の動向や物件の管理コストなども加味して物件を選ぶ必要があることから、ある程度の投資経験を積んでからチャレンジすることをおすすめします。

コモディティ

金(ゴールド)やエネルギー資源、農産物などのコモディティ(実物資産)も、インフレに強い資産です。

ものの値段は物価の上昇に伴って上がるため、ハイパーインフレが起きても資産が目減りしにくいからです。

ただし、コモディティは価格の変動が予測しにくい面があります。

投資対象によっては、さまざまな要因により価格が大きく下落する可能性も否定できません。

そのため、コモディティは、複数の投資先の一部として組み込むのが賢明です。

日本でハイパーインフレが起こる可能性はある?

日本でハイパーインフレが起こる可能性はある?

今後の日本でハイパーインフレが起こるのかどうか、気になっている人も多いのではないでしょうか。

過去に日本で起きたハイパーインフレの事例と、将来的に日本で起こる可能性について解説します。

日本でのハイパーインフレの事例

過去の日本で起きたハイパーインフレとして、1945〜49年の事例が挙げられます。

わずか数年間で物価が約70倍に上昇した、典型的なハイパーインフレです。

このハイパーインフレの主な要因には、戦時から平時へ移行したことによる消費財需要の急増と供給不足、通貨供給量の急増、物価統制の廃止などが挙げられます。

このように、日本もハイパーインフレと決して無縁ではなく、過去には実際に急激な物価上昇に直面した時期があったのです。

日本でハイパーインフレが起こる可能性

近年、日本国内で物価上昇が起きているものの、将来的にハイパーインフレが発生するリスクは低いと考えられます。

戦後すぐのハイパーインフレが顕著な例であるように、戦争などに伴う深刻な物資不足や国としての信頼失墜が起こらない限り、円の信用が根底から揺らぐ事態は考えにくいからです。

ただし、経済や国際情勢を将来にわたって正確に予測することは、誰にもできません。

今後、日本でハイパーインフレが起こる可能性がゼロとは言い切れないのが実情です。

ハイパーインフレに備えた資産運用の検討は、資産を守る上で重要なポイントであることに変わりないでしょう。

ハイパーインフレへの備えには、インフレに強い資産の保有が重要

ハイパーインフレとは、物価が急激に上昇し、通貨の価値が大幅に下落する現象のことです。

政府の極端な財政赤字や、通貨供給の急増などが主な原因として挙げられます。

ハイパーインフレへの対策として、現預金ではなく株式や投資信託、外貨預金などインフレに強い資産の保有や、分散投資の実践が重要です。

日本で今後ハイパーインフレが起こるリスクは低いものの、インフレに備えた資産運用に関しては検討しておく必要があります。

例えば、外貨預金は急激に円の価値が下がった場合でも、資産が目減りするリスクを低減できる可能性があります。

なお、外貨預金を始める際には、外貨預金を取り扱っている金融機関で口座を開設する必要があります。

金融機関によって手数料や取扱通貨が異なるため、複数の金融機関を比較検討しておくことが大切といえるでしょう。
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AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

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