資産運用の勉強方法は?基礎知識やおすすめの勉強方法を紹介

資産運用の勉強方法は?基礎知識やおすすめの勉強方法を紹介

資産運用に興味を持ち始め、まずは基本的なことを勉強しておきたいと考えている方は多いのではないでしょうか。資産運用の基礎知識を身に付けるには、どのような方法で勉強すればいいのか迷っている人もいるはずです。

今回は、資産運用の基礎知識を学ぶ際におすすめの勉強方法を紹介します。勉強を進める際の注意点や具体的な始め方にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

mokuji目次

  1. 資産運用とは手持ちの資産を効率良く増やすこと
  2. 資産運用を行うメリット
    1. 老後の資産形成ができる
    2. 経済の知識を深められる
  3. 資産運用について知っておくべき基礎知識
    1. 経済動向
    2. 資産運用の種類
    3. 余剰資金
    4. 元本割れと損切り
    5. 長期・積立・分散投資の重要性
    6. 複利効果
    7. 節税効果がある投資方法
  4. 資産運用の勉強方法
    1. 関連書籍を読む
    2. インターネットで調べる
    3. YouTubeの動画で学ぶ
    4. 資産運用に関するセミナーに参加する
    5. お金に関する資格取得のために勉強する
  5. 初心者におすすめの資産運用方法
    1. 投資信託
    2. 株式投資
    3. 外貨預金
  6. 資産運用の勉強をする際の注意点
    1. 自分の知識レベルに合った勉強法を選ぶ
    2. 勉強で得た情報を鵜呑みにしない
  7. 資産運用の始め方
    1. 1. 目標を設定する
    2. 2. 資金を準備する
    3. 3. 運用を開始する
  8. 資産運用を始めるなら外貨預金も検討しよう

資産運用とは手持ちの資産を効率良く増やすこと

資産運用とは、手持ちの資金を手元に置いておくのではなく、さまざまな方法で効率良く増やしていくための取り組みのことを指します。金融機関などにお金を預けて運用してもらったり、株式投資や投資信託などで利益を得たりすること全般が資産運用に含まれると捉えてください。

資産運用には、大きく分けて「預貯金」と「投資」の2種類があります。預貯金とは、銀行などにお金を預けておくことです。金融機関は預金者の資産を債券や株式などに投資して運用して得た利益を、利息として預金者に還元します。ただし、日本では長年にわたり超低金利が続いているため、円建ての預貯金で資産を増やすのはあまり現実的とはいえません。

こうした背景から、一般的に資産運用という場合には投資を指しているケースが多く見られます。投資にはリスクが伴いますが、投資先によってリスクの大きさが異なるため、きちんと基礎知識を身に付けた上で取り組めば、比較的低リスクで資産を運用していくことも可能です。

資産運用を行うメリット

続いては、資産運用に取り組む主なメリットについて解説します。下記のようなメリットを得たい人は、資産運用に挑戦する意義が十分にあるでしょう。

老後の資産形成ができる

資産運用に取り組むことによって、老後の資産形成に役立ちます。「お金に働いてもらう」という表現があるように、資産運用によって得られる利益は労働収入ではありません。働いて給与を受け取る以外の収入源を確保することによって、定年退職後の生活資金などを増やせる可能性があります

厚生労働省が公表した「令和4年簡易生命表の概況」によれば、2022年における日本人の平均寿命は男性が81.05年、女性が87.09年です(※)。仮に65歳で定年退職を迎えた場合、平均で男性は16年以上、女性は22年以上暮らしていくための老後資金が必要になります。
老後の経済的なリスクに備えていく上で、資産運用は有効な対策のひとつです。

※厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況

経済の知識を深められる

資産運用に取り組むことで、さまざまな金融商品や為替相場、税金などの仕組みに関する知識を得られます。これまで経済関連のニュースなどにあまり興味がなかった人でも、自分に直接関係のある話題と認識するようになるため、必然的に知識が身に付きやすくなるのです

実際、経済の動向が投資した商品の値動きなどに影響を与えるケースは少なくありません。経済関連のニュースは日々報じられているため、こうしたニュースに目を通すようになるだけでも着実に知識量が増えていきます。
このように経済の知識を深める効果が得られることは、資産運用に取り組むメリットのひとつです。

資産運用について知っておくべき基礎知識

資産運用を始めるにあたって、知っておくべき基礎知識をまとめました。すべての知識を十分に身に付けてから資産運用を始めるのではなく、必要な知識を把握しておくだけでも問題ありません。基本的な知識として挙げられるのは、下記の7点です。

経済動向

経済動向は、さまざまな金融商品の値動きや、保有資産の価値に影響を与えます。日本経済はもちろんのこと、世界経済の動きについても日々情報を収集し、株価や金利などの動きに敏感になっていくことが重要です。

一例として、原油価格は幅広い産業に多大な影響をもたらします。原油関連銘柄に直接投資していない場合でも、原油を原料とする製品を製造している企業や、ガソリンなどの燃料を業務で使用している企業の利益に直接的・間接的な影響を与えるからです。
経済の大きな動きをつかんでおくことは、リスクをいち早く見極めるためにも重要なポイントといえます

資産運用の種類

資産運用と一口にいっても、多種多様な種類があります。どの方法で資産を運用するかによってリスクやリターンが異なることから、さまざまな金融商品の特徴やリスクについて基本事項を把握しておくことが大切です。

例えば、投資と聞くと株式投資をイメージする人は多いのではないでしょうか。しかし、投資は必ずしも株式投資だけを指しているのではありません。投資信託や不動産投資のほか、NISAなどの制度を活用することも投資に含まれます
自分に合った資産運用方法を選択するためにも、資産運用の種類を知っておくことが大切です。

余剰資金

資産運用は、余剰資金で行うのが基本です。余剰資金とは、当面の生活費や近い将来必要になることがわかっているお金を除いた資金のことを指します。すぐに必要になる可能性が高いお金を資産運用に回してしまうと、いざというときに引き出せなかったり、短期間で売却することにより損失が発生したりする原因となりがちです。

手元にあるお金をすべて資産運用に回すのではなく、暮らしに必要な資金を確保した上で、余剰資金を活用するという考え方を身に付けていく必要があります。

元本割れと損切り

金融商品で資産運用をする場合には、元本割れという概念を押さえておくことが大切です。元本割れとは、投資した資金よりも保有している金融商品の価値が低くなり、売却する際に損失を被ることを表します。
元本割れは資産が減ってしまうことを意味するため、資産運用に取り組む際には避けたい事態のひとつです。ただし、元本割れが発生するからといって金融商品をいつまでも保有しておくのは得策ではないケースもあるでしょう。

なお、価額が下落して損失が大きくなる前に、ある程度の損失が生じることは承知の上で売却することを、損切りといいます。損切りするタイミングに正解はないため、自分の中で損失を確定する基準を決めておくことが重要です。

長期・積立・分散投資の重要性

長期・積立・分散投資は、投資の基本といわれています。短期間で資産を大幅に増やそうとすると、ハイリスク・ハイリターンの投資対象を選ばざるをえない場合があります。こうした投資の仕方は資産を減らす原因になりやすいため、資産運用は長期にわたって取り組むべきものと捉えておくことをおすすめします。一度に多額の資金を投資するのではなく、少額ずつ積み立てていくのが得策です。

また、投資対象が偏ってしまうと、リスクが高くなりやすいため注意が必要です。特定の投資対象に資金が集中することのないよう、さまざまな金融商品に分けて投資することで、リスクを分散させられます。

複利効果

複利効果とは、資産運用によって得られた利益を元金に組み込み、さらに投資することで利益を増やす効果を得られることを指します。複利の対義語である単利とは、元本のみに利益が発生する状態のことです。

単利と複利でどの程度利益に差が生じるのか、具体例を見ていきましょう。例えば、元本100万円を単利5%で30年運用した場合の30年後の元本と金利の合計は、250万円です。一方で、元本100万円を複利5%で30年運用した場合、30年後の元本と金利の合計は、432万1,942円にも上ります。つまり、30年間で180万円以上の差が生じていることがわかります。
このように、投資によって得た利益をさらに投資に回すという複利効果を活用することで、効率良く資産を増やすことが可能です。

節税効果がある投資方法

投資方法によっては、投資によって利益が発生するだけでなく、節税効果を得られる場合があります。例えば、NISAなどの非課税制度を利用する方法もあります。通常、投資の利益には約2割の税金が発生します。一方でNISAの成長投資枠であれば年間240万円、つみたて投資枠であれば年間120万円までの投資で得た利益が非課税です。
このように、節税につながる投資方法を知っておくことで、資産を効率良く増やせるでしょう。

資産運用の勉強方法

資産運用の勉強方法

資産運用について勉強するには、どのような方法を選べばいいのでしょうか。ここでは、資産運用に関する知識を得られる勉強方法を紹介します。

関連書籍を読む

資産運用の基本を学ぶには、関連する書籍を読むのがおすすめです。初心者向けに書かれた本を一読することで、資産運用の概略を学べます。
インターネットや動画で勉強する方法もありますが、最初に本で資産運用の全体をつかんでおくことにより、より実践的な知識やノウハウに関する知識を吸収するための土台を形成することができます。

インターネットで調べる

インターネット上での検索を通じて知識を得る方法もあります。検索サイトで知りたいキーワードを調べていくことにより、得たい情報をピンポイントで収集できる点がインターネットのメリットです。
金融機関のWebサイトのほか、資産運用に関するメディアの記事やブログなどの記事も参考になる場合があります。

注意点としては、個人が運営するブログなどの中には、誤った情報や信頼性の低い情報が含まれているケースもあることです。Webサイトの運営者や著者の情報を十分に確認することに加え、複数のWebサイトを閲覧して情報の真偽を確かめておくことが大切です。

YouTubeの動画で学ぶ

YouTubeにも、資産運用が学べる動画が多数アップロードされています。数分程度で要点をまとめている動画も多く見られるため、通勤中などの移動中に学びたい人や、家事の合間など隙間時間を有効活用したい人におすすめです。インターネットで動画を視聴できる環境さえ整っていれば、無料で勉強できる点も大きなメリットといえます。

一方で、YouTubeは誰でも配信できる点に注意してください。発信者の個人的見解が多く含まれている動画も存在するため、情報の真偽を精査する必要があります
発信者の投資経験や実績などを確認した上で、信頼できる情報を得ることが重要です。

資産運用に関するセミナーに参加する

資産運用をテーマとしたセミナーを受講するのもひとつの方法です。無料で受講できるセミナーから有料のものまで開催されているため、初めは初心者向けのセミナーを選んで受講するといいでしょう。

ただし、無料セミナーの中には有料セミナーへの誘導を目的としたものや、主催者が扱っている金融商品などを宣伝するための場として開催されているものもあります。
主催者や講師のプロフィールを確認した上で、信頼できるセミナーかどうかを見極めることが大切です。独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)など、中立の立場から資産運用に関するアドバイスをする専門家が主催しているセミナーを選ぶことをおすすめします。

お金に関する資格取得のために勉強する

お金に関する資格の取得に向けて勉強するのも、おすすめの方法です。試験の出題範囲を網羅的に学べることに加え、合格すれば保有資格として将来活かせます。
資格によって難度や必要な勉強時間が異なるため、まずは初心者向けの資格や検定から挑戦してみるといいでしょう。

<お金に関する資格・検定の例>
・3級FP技能検定
・資産運用検定3級
・投資信託3級
・外務員資格
・投資診断士

初心者におすすめの資産運用方法

初心者におすすめの資産運用方法

資産運用にはさまざまな方法がありますが、中でも初心者におすすめの方法をご紹介します。自分に合った資産運用方法を見極めた上で、まずは少額から始めるのがポイントです。

投資信託

投資信託とは、投資家から集めたお金をファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が運用し、運用益を配分する仕組みのことです。金融機関によっては1万円程度の少額から始められる商品を用意しているケースもあるため、初めて資産運用に取り組む人にも適しています。

投資信託の大きなメリットは、自分で投資先の銘柄などを選ぶ必要がない点です。売買のタイミングもファンドマネージャーが判断するため、専門知識がなくても資産運用を始められます。
一方で、商品によって手数料が異なるため、できるだけ低く抑えることが大切です。

株式投資

少額から株式投資を始めるのも、初心者が資産運用について学びながら取り組む方法としておすすめです。株式の取得時よりも売却時の株価が上がっていれば、利益を得られます
また、株式を保有していることで配当金が受け取れたり、株主優待を受けられたりする点もメリットといえるでしょう。

ただし、企業の株価は、業績や社会情勢などの影響を受けて、短期間で上下するケースも少なくありません。余裕資金の範囲内で、無理のない金額を投資に回すことが重要です。

外貨預金

外貨預金とは、円建てではなく米ドルや豪ドルといった外貨で預金することを指します。円建ての預金と比べて金利が高く、効率良く金利収入を得られる点が大きなメリットです。
また、外貨建て金融商品の中では比較的仕組みがわかりやすく、少額から始められるため、初心者向けの資産運用方法といえます。
なお、外貨預金は預け先によって、金利や手数料、入出金のしやすさなどが異なります。複数の外貨預金を比較した上で、できるだけ条件の良い預け先を選ぶことが大切です。

オリコンでは実際に、外貨預金を利用した経験がある方を対象に調査をした結果を「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」として公表しています。外貨預金を比較検討する際には、ぜひご活用ください。

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資産運用の勉強をする際の注意点

続いては、資産運用について勉強する際の注意点を紹介します。特に初心者の人は、下記の2点を意識して勉強を進めていくことが大切です。

自分の知識レベルに合った勉強法を選ぶ

資産運用に関する情報は、初心者向けのものから上級者向けの専門的な内容のものまで、広範囲にわたります。自分の知識レベルを大きく超える勉強方法を選んでしまうと、内容が十分に理解できなかったり、偏った情報を得たりする原因にもなりかねません。高額な教材やセミナーが初心者に適しているとは限らない点に注意しましょう。

勉強で得た情報を鵜呑みにしない

資産運用には、絶対的な正解や確実に利益を得られる方法は存在しません。たとえ専門家の意見であっても、万人にとって最適なアドバイスとは限らない点に注意が必要です。
情報の発信者によっては、自身が取り扱っている金融商品を薦めることを目的としているケースもあります。勉強で得た情報を鵜呑みにせず、参考程度にとどめておくことが大切です。

資産運用の始め方

資産運用の基本を学んだら、実践を通して知識を強化していくことをおすすめします。資産運用を始める際の基本的な流れは、下記のとおりです。

1. 目標を設定する

資産運用を始めるにあたって、目標を設定しておくことは重要なポイントといえます。何のために資産を増やしたいのか、いつまでにいくら資産を形成したいのかによって、適した資産運用方法も異なるからです。
基本的には長期的に資産運用に取り組むことを見据え、将来に向けた資産形成を目標にするのが望ましいでしょう

2. 資金を準備する

次に、無理のない範囲で資金を準備します。現在の保有資産のうち、生活費や予備資金などを除いた余裕資金を算出しましょう。近い将来使う予定のあるお金を投資に回してしまうことのないよう注意が必要です。
今すぐにまとまった資金を用意するのが難しい場合には、少額ずつ投資ができる積立投資などの方法を選ぶことをおすすめします。

3. 運用を開始する

目標と資金の額に適した資産運用方法を見極め、実際に運用を開始します。運用実績は随時確認できるケースがほとんどですが、短期間の値動きに一喜一憂しないことが大切です。
特に初心者が短期間のうちに保有資産を売却してしまうと損失を被りやすいため、長い目で見て運用に取り組みましょう。「長期・積立・分散投資」の基本に則って運用していくのがポイントです。

資産運用を始めるなら外貨預金も検討しよう

資産運用の知識を得るには、書籍やインターネットなどを通じて情報を得る方法もありますが、実践を通じて体験から学んでいくことも重要です。
少額から無理なく始められる資産運用方法を選び、「長期・積立・分散投資」の基本に忠実に運用していきましょう。なお、資産運用の選択肢に迷った場合、外貨建て商品の中でも仕組みが比較的わかりやすい外貨預金も、検討してみてはいかがでしょうか。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。

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AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

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