インフレとデフレの違いは?生活への影響やお金の守り方も紹介
デフレが続いていた日本にとっては久しぶりのインフレで、家計管理や将来への備えに悩む人も多いのではないでしょうか。若い世代の中には、初めて物価上昇を経験する人もいると考えられます。
今回は、インフレとデフレの違いや、インフレとデフレが生活に及ぼす影響のほか、対策などについて解説します。
インフレ・デフレとは?
インフレとは物価が継続的に上昇すること
インフレが起こる主な要因は、商品やサービスに対する需要の増加、製品や原材料の供給不足、労働コストの上昇などです。
インフレが続くと、食料品や生活用品の価格、住宅ローンの金利などが上昇します。しかし、適度に物価が上昇すれば働き手の賃金も増え、経済に良い影響をもたらすことがあります。これは、インフレのポジティブな側面です。
一方、物価の上昇が賃金の増加を伴わない場合や、原材料の高騰により物価が極端に上昇するといった、ネガティブなインフレも起こりえます。
デフレとは物価が継続的に下落すること
デフレの主な要因は、市場における物やサービスの需要の減少、物やサービスの供給過剰による価格競争、債務者の増加による消費や投資の抑制などです。
デフレが続くと企業の収益は減少し、それによって従業員の賃金が減少して家計が苦しくなります。その結果、消費が冷え込み、企業の製品開発や設備投資などもしづらくなります。デフレは不況時に発生することが多く、経済成長を妨げる要因だといえるでしょう。
インフレのメリット・デメリット
メリット:経済活動の活発化による好景気が期待できる
デメリット:実質的なお金の価値および資産価値が下がる
インフレが起きると、現金や定期預金、債券などの資産価値が落ちることにも注意が必要です。
デフレのメリット・デメリット
メリット:より低い価格で物やサービスが購入できる
しかし、経済全体にとっては長期的なメリットがなく、格差の拡大にもつながるため、デフレのメリットはほとんどありません。
デメリット:経済活動が停滞する
さらに、債務を抱えている人にとっては、お金の価値が上昇することで実質的な債務負担が増えるというデメリットもあります。
インフレが起きると生活のお金はどう変わる?
消費
一方で、インフレになると、これまでと同じ金額で買える物やサービスが少なくなるため、消費が減るという考え方もあります。例えば、毎朝立ち寄っていたカフェのコーヒーが値上がりしたため、立ち寄るのを週3回に減らしたり、いつも2つ買っていたパンを1つに減らしたりといった具合です。
また、将来への不安から、「いざというときに備えてお金を貯めておこう」と考え、消費を控える人が増える可能性もあります。
住宅ローン
日本銀行はこれまで、金利を低く保つマイナス金利やゼロ金利などの政策でお金の流通を促し、2%のインフレ率を目標にしてきました。この金利政策が維持されているあいだは、住宅ローンの金利が大幅に上昇する可能性は低いと考えられていますが、今後マイナス金利やゼロ金利が解除された際には、住宅ローンの金利は上昇すると予想されています。
一方で、インフレの影響で不動産価格が上昇することもあるため、物件を売却する際には有利な条件が期待できます。
銀行預金
たとえ預金残高が変わらなくても、物価が上昇すると同じ金額で購入できる物やサービスの量や質が低下するため、購買力が低下するのです。
資産運用でインフレに強い資産を作ることが重要
インフレに強い資産とは、株式や外貨、不動産など、物価の上昇に合わせて価値が上昇する金融資産のことです。
インフレが進むと、消費が増えて物やサービスの価格が上昇し、企業の業績や株価も上昇するという好循環が期待できます。物価が上昇するときには不動産価格も上昇する傾向があるため、預金を不動産に変えておくことでも、資産価値の低下を防ぐことが可能です。
さらに、国内のインフレは円の価値を低下させるため、円の預金を米ドルやユーロなどの外貨にして保有することも有効です。為替の変動によって預け入れ時より円安になると、為替差益が出る可能性があります。また、外貨は円に比べて金利が高いのもメリットです。
インフレによる資産価値の目減りを防ぐため、現在の資産を株式投資や外貨預金、投資信託、不動産などに再配分し、資産を増やすことを検討しましょう。
インフレ対策として外貨預金を始めてみよう
インフレ対策として、積極的に資産運用を検討しましょう。中でも外貨預金は、少額から始められる初心者向きの投資方法です。まずは外貨預金から、無理なく資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。
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