10万円からできる資産運用は?おすすめの運用方法などを解説

10万円からできる資産運用は?おすすめの運用方法などを解説

資産運用を始めたいけれど、ある程度まとまった資金がなければ難しいと考えている人もいるのではないでしょうか。実際は、10万円程度の資金があれば、投資を始めることも可能です。

今回は、資金10万円から始められる主な資産運用の方法と、そのメリット・デメリットを紹介します。利益を出すために心掛けることや資産運用で活用すべき国の制度、始める際の注意点などについても詳しく見ていきましょう。
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

mokuji目次

  1. 10万円からできる資産運用の方法
    1. 株式投資
    2. 投資信託
    3. ETF
    4. 外貨預金
    5. 個人向け国債
  2. 10万円の資金でも利益を出すために心掛けること
    1. 長期で投資をする
    2. 積立投資をする
    3. 分散して投資をする
  3. 資産運用で活用すべき制度
    1. iDeCo
    2. NISA
  4. 資産運用を始める際の注意点
    1. 生活資金を確保しておく
    2. リスクをよく理解する
    3. 必ずもうかるといった話には注意する
  5. 10万円からでも資産運用はできる

10万円からできる資産運用の方法

資金10万円からできる代表的な資産運用の方法としては、株式投資や投資信託、ETF、外貨預金、個人向け国債があります。まずは、それぞれの詳しい内容を見ていきしょう。

株式投資

株式投資は、上場企業の株式を売買して利益を得る方法です。株式投資で期待できる利益には、売却益配当金株主優待の3つがあります。売却益は、購入時より価格が上がったタイミングで株を売却した際、差額として得られる利益のことです。配当金は企業が利益の一部を株主に還元するお金のことで、株主優待は企業の製品やサービスをお得に利用できる権利になります。それぞれ、配当あり・株主優待ありの株式を保有していると得られます。
株式投資は、このような利益が期待できる一方、株価が値下がりして損失が出たり、企業の倒産で投資したお金を失ったりする可能性もあります

なお、国内の上場企業の株式は100株=1単元となっており、通常の取引では、1単元単位で売買が行われます。そのため資金10万円では、株価(株式1株あたりの価格)が2,000円や3,000円の株式は購入できません。ただし、証券会社や株の銘柄によっては、1株から売買できる「単元未満株」や、10株単位で売買できる「ミニ株」の取引を扱っている場合もあります。

投資信託

投資信託とは、専門家に資金の運用を委託する方法です。多くの投資家から集めたお金で大きな資金を作り、専門家が株式や債券などに投資します。運用で得た利益は、投資家それぞれが投資した金額に応じて分配される仕組みです。

投資信託は、100円程の少額から投資が可能です。運用を専門家に任せるので投資の知識がなくても始めやすく、分散投資もできるといった仕組みもメリットです。一方、運用の手数料として、「信託報酬」などの費用がかかります
また、元本が保証されているわけではないため、価格の変動によっては損失が発生する可能性もあります

ETF

ETFは、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託のことで、日本語で「上場投資信託」といいます。投資信託と同じように、日経平均株価などの特定の指数に連動した運用を目指す「インデックス型」と、連動する指数を定めない「アクティブ型」の両方の商品を買うことが可能です。

投資信託は、1日1回算出される基準価額という価格を基準に取引が行われます。一方、ETFは株式と同様に、金融商品取引所の時間内ならいつでも取引ができ、価格もリアルタイムで変動するといった違いがあります。
ETFは、少額から購入できる銘柄も多く、小さい単位で取引ができることがメリットですが、価格の変動によっては損失が発生する可能性があります

外貨預金

外貨預金は、日本円を米ドルや豪ドルなどの外国通貨に替えて預金する方法で、預け入れた外国通貨の金利を受け取ることができます。

外貨預金の魅力は、日本円と比較して、より高金利の国の通貨で預金ができることです。また、預け入れ時より円安になったタイミングで外貨を円に戻せば、為替差益も得られます。
一方、引き出し時のほうが円高相場になっていると損失が出てしまうことや、預け入れ・引き出し時に手数料がかかるなどのデメリットもあります。

個人向け国債

個人向け国債は、国が発行した債券を個人で購入できる方法で、購入額に応じた利子を受け取ることが可能です。1万円から購入できるので金額のハードルが低いことや、国に経済破綻が起こらない限り、満期を迎えると元本が返済される元本保証となっており、安全性が高いことがメリットになります。

一方で、2024年8月現在は日本の金利が上昇傾向にあるとはいえ、いまだ個人向け国債の金利の水準は低く、ローリスク・ローリターンの投資となっています。

10万円の資金でも利益を出すために心掛けること

10万円の資金でも利益を出すために心掛けること

リスクを抑えて安定的に利益を増やしていくには、一括で投資をして短期間の利益を狙うよりも、長期にわたって、少しずつでもコツコツと複数の金融資産に分散投資するのが良いとされています。
ここでは、利益を出すために心掛けたい「長期」「積立」「分散」の3つがどのようなものか、詳しく見ていきましょう。

長期で投資をする

10万円の資金でも利益を出すために心掛けることのひとつが、長期で投資を行うことです。例えば、世界経済は、短期的には上下に大きな値動きを見せる場合がありますが、10年、20年というスパンで見ると、成長を続けていることがわかります。長期スパンで投資を行うことによって、リスクを軽減できる可能性があるのです。
また、投資期間が長いほど、利益を元本に組み込んで再投資をすることで利益が増えていく、複利効果の恩恵も大きくなります

積立投資をする

10万円の資金でも利益を出すためには、積立投資を行うことが大切だといわれます。一括での投資は、相場が読みどおりに動けば短期で大きな利益が得られる可能性がありますが、逆に動けば大きな損失を被るリスクもあります。売買のタイミングを見極めるのは簡単ではなく、また「損をしたくない」という感情も、投資における判断を邪魔することがあるでしょう。

積立投資は、毎月一定額の株や投資信託を購入するなど、一定間隔で同じ金額をコツコツ投資していく方法です。少額からでも投資ができて続けやすく、買うタイミングの分散で価格を平均化し、価格変動の影響を減らせるなどのメリットがあります。

分散して投資をする

10万円の資金でも利益を出すための方法として、分散して投資を行うことも大切です。投資対象を集中させていると、その運用がうまくいかなかった場合に、大きな損失につながる可能性があります。
さまざまな商品の組み合わせで投資対象を分散させることや、長期の投資で時間を分散させることによって、価格変動のリスクを抑えることができます。

資産運用で活用すべき制度

資産運用で活用すべき制度

日本政府は、個人の資産運用を後押ししており、「iDeCo」と「NISA」という税制優遇制度を設けています。資産運用を行う際は、これらの制度を活用することで、利益の一部が非課税になるといったメリットがあります。ここでは、iDeCoとNISAについて詳しく見ていきましょう。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後資金の確保を目的として資産運用を行う、私的年金制度です。自分が設定した金額を掛金として積み立て、選んだ金融商品に投資し、60歳以降で運用成績に応じた金額を受け取れます。

iDeCoを利用するメリットは、拠出した掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となることと、運用益が非課税となることです。
また、資産を年金として分割で受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」が適用され、納める税金の額を抑えられるメリットもあります。

iDeCoは資産運用においてメリットのある制度ですが、活用する際は注意しておくべき点もあります。特に、下記のような点には注意しましょう。
<iDeCoの活用における注意点>
●掛金の拠出限度額は働き方によって変わる
iDeCoの拠出限度額は加入者の働き方によって異なり、下記のようになっています。上限を超える掛金の拠出はできません。また、2024年12月からは制度改正により、一部の被保険者の拠出限度額が引き上げられる予定となっています。
【働き方別・iDeCoの拠出限度額】
・国民健康保険の加入資格「第1号被保険者・任意加入被保険者」

職業

拠出限度額

自営業者など

月額6万8,000円

・国民健康保険の加入資格「第2号被保険者」

職業

拠出限度額

会社に企業年金がない会社員

月額2万3,000円

企業型DC(企業型確定拠出年金)のみに加入している会社員

月額2万円

DB(確定給付企業年金、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済)と企業型DCに加入している会社員

月額1万2,000円
(2024年12月から月額2万円)

DBのみに加入している会社員

月額1万2,000円
(2024年12月から月額2万円)

公務員

月額1万2,000円
(2024年12月から月額2万円)

・国民健康保険の加入資格「第3号被保険者」

職業

拠出限度額

専業主婦・主夫など

月額2万3,000円

※厚生労働省「iDeCoの概要
●特定の株式銘柄に投資することはできない
iDeCoで投資先として選べる商品は、定期預金、保険商品、投資信託が中心で、特定の株式銘柄に投資することはできません。

●手数料がかかる
iDeCoは加入時に2,829円、掛金納付の際に都度105円がかかるほか、資産を管理する信託銀行への管理手数料がかかります。

●原則として60歳まで受け取れない
iDeCoは私的年金制度のため、口座のお金は原則として60歳までは引き出せません。ただし、加入者が60歳前や資産を受け取る前に亡くなった場合は、死亡一時金として遺族に給付されます。

NISA

NISAは、2014年にスタートした、一定枠内での株式や投資信託などの運用益が非課税になる、少額投資非課税制度です。2024年に、非課税枠の拡大などルール変更があり、新NISAが始まりました。

新NISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」に分かれており、2つの枠の併用も可能です。非課税が適用される年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、生涯を通じての限度額は両方あわせて1,800万円となっています。
また、非課税保有期間はどちらも無制限となるなど、さまざまな拡充でより活用しやすい制度になったといえるでしょう。
なお、つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託やETFが対象で、成長投資枠は上場株式や投資信託が対象という違いがあります。
NISAについては、以下の記事も参考にしてください。
NISAで積立の始め方は?新NISAを始めるSTEPを解説

資産運用を始める際の注意点

資産運用を始める際の注意点

資産運用を行うにあたっては、いくつか気をつけておきたい点があります。自分のお金を増やすだけでなく守るためにも、下記の注意点を確認しておきましょう。

生活資金を確保しておく

資産運用を行う際は、生活資金を別に確保しておきましょう。資産運用は、余剰資金で行うのが原則です。生活費まで資産運用に回してしまうと、損失が出た際に、日々の生活にまで影響を及ぼしてしまいます。
生活費に加え、何らかの理由で収入がなくなったときなどのために、3ヵ月〜半年程の生活費を資産運用に回さず分けておくのがおすすめです。

リスクをよく理解する

資産運用においては、そのリスクをよく理解しておきましょう。株式や投資信託の価格が上下する「価格変動リスク」のほかにも、投資先の会社が倒産する「信用リスク」や、保有している金融商品を売りたくても売れない場合を指す「流動性リスク」、為替の変動によって資産価値が変わる「為替変動リスク」など、さまざまなリスクが存在します。
資産が増える可能性もありますが、損失が出るようなリスクもあることを理解した上で、資産運用を行うことが大切です。

必ずもうかるといった話には注意する

資産運用では、「◯◯をすれば必ずもうかる」という必勝法はありません。長期・積立・分散投資も、取り組めば必ず利益が出るというわけではありませんが、さまざまな投資リスクを抑えて安定して利益を増やしていく方法と考えられています。

資産運用に関しては、さまざまな情報が飛び交っています。もし、将来への不安やリスクをあおり、必ず利益が出るなどと約束するような投資の話に勧誘された場合、投資詐欺に巻き込まれる可能性もあるため、十分な注意が必要です。

10万円からでも資産運用はできる

資産運用には、まとまった資金が必要なイメージがありますが、10万円程度の金額でも問題なく始められます。リスクを抑え、安定して利益を上げていくためには、長期・積立・分散による投資が有効だといわれています。また、資産運用は余剰資金で行い、リスクを理解してから始めることが大切です。
10万円程度の金額から始められて、仕組みが比較的わかりやすい外貨預金も、資産運用の方法のひとつです。自分に合った投資スタイルを検討して、資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

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外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

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