外貨預金に向いている人は?メリットや金融機関の選び方も解説
そこで本記事では、外貨預金の概要やメリット・デメリットを解説した上で、向いている人と向いていない人の特徴をご紹介します。あわせて、代表的な通貨や金融機関を選ぶ際のポイントについても見ていきましょう。
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。
目次
外貨預金とは外国の通貨で預金すること
外貨預金ならではの魅力は、外貨の中には金利が高いものがあることです。また、外貨預金を解約するときに、預け入れたときよりも円安であれば、「為替差益」という利益を得られるメリットもあります。
詳しくは後述しますが、反対に預け入れるときよりも円高の場合は「為替差損」という損失を被る可能性もある点に注意が必要です。このように、外貨預金は為替レートの変動によって、利益と損失のどちらが出るのかが変わってきます。
外貨預金のメリット
高金利で資産形成できる
為替差益を獲得できる可能性がある
例えば、手数料などを無視した場合、14万円を1ドル140円のときに米ドルに交換すると、外貨預金に預け入れるのは1,000ドルです。その後、円安となって1ドル160円のときに1,000ドルを円に交換すると16万円となり、2万円の為替差益を得られます。
始め方や仕組みがわかりやすい
また、外貨預金では、どの外国の通貨で行うかを選ぶ必要はありますが、複雑な分析などをする必要がありません。株式投資をするとなると企業分析が必須となりますが、そうした専門的な知識がなくても運用しやすい点も魅力といえるでしょう。
外貨預金のデメリット
為替差損が出る可能性がある
外貨預金は、外貨ベースでは元本が保証されますが、円ベースは元本が保証されません。為替レートの変動によって円に戻したときの金額が異なるため、預け入れたときよりも円高になっていた場合は為替差損が生じ、元本割れとなる可能性があるのです。
例えば、手数料などを無視した場合、16万円を1ドル160円のときに米ドルに交換すると、外貨預金に預け入れるのは1,000ドルです。その後円高となり、1ドル140円のときに預けた1,000ドルを円に戻すと14万円を受け取ることとなり、2万円の為替差損が生じてしまいます。
外貨で運用しているあいだは利息で増えていたとしても、換金時の為替レートによっては為替差損が発生するリスクがある点を押さえておきましょう。
為替手数料がかかる
TTSレート | 円から外貨に交換する際のレート。その日の為替レートに金融機関の手数料が加えられる。 |
TTBレート | 外貨から円に交換する際のレート。その日の為替レートから金融機関の手数料が差し引かれる。 |
預金保険制度(ペイオフ)の対象にならない
預金保険制度とは、お金を預け入れている金融機関が破綻しても、1つの金融機関あたり1,000万円とその利息分が保護されるという制度です。円での普通預金や定期預金は預金保険制度の対象ですが、外貨預金は対象外となるため、外貨預金を始める際は破綻するリスクの低い金融機関を選びましょう。
また、1つの金融機関に多額の資金を預け入れるのではなく、複数の金融機関に分散して預け入れることも、こうしたリスクを軽減することにつながります。
外貨預金に向いている人の特徴
投資初心者
通貨の分散投資をしたい人
外貨預金によって外貨を保有していれば、もし円安が進んだとしても、外貨高となっていることで総合的な資産価値を維持しやすくなります。
海外に行く機会が多い人
金融機関によっては、外貨普通預金口座を開設しておけば、現地のATMで引き出してそのまま利用することも可能です。空港やホテルの両替所で円から現地の通貨へ両替する手間や手数料をカットできます。
外貨預金に向いていない人の特徴
為替レートの変動次第で為替差益が期待できますが、大きな収益を獲得するには、その分まとまった金額を預け入れる必要があります。
外貨預金の代表的な通貨
通貨 | 特徴 |
米ドル(USD) | ・世界の中心的な地位を占める通貨で、最も取引流通量が多い |
ユーロ(EUR) | ・米ドルに次いで取引流通量が多い |
豪ドル(AUD) | ・比較的値動きが大きく、米ドルよりも高金利に設定されていることもある |
NZドル(NZD) | ・取引流通量は少なめで、為替レートが変動する要因は豪ドルと似ている傾向がある |
英ポンド(GBP) | ・為替レートの変動する要因はユーロと比較的似ている傾向がある |
外貨預金を始める金融機関を選ぶ際のポイント
ここでは、外貨預金を始める金融機関を選ぶ際に重視したい、3つのポイントについて見ていきましょう。
希望する外貨を扱っているか
運用したい外貨を取り扱っているか、運用したい期間預け入れられるかを、口座開設前に確認しておきましょう。
為替手数料が低いか
通貨交換にかかる手数料は金融機関ごとに異なるため、複数の金融機関の手数料を比較して、より負担を抑えられる銀行を選ぶことをおすすめします。
金利が高いか
外貨預金のメリットとデメリットを踏まえて運用を検討しよう
なお、外貨預金を行う場合は、金融機関によって運用できる通貨や預入可能期間が異なるため、しっかり比較検討し、自分の運用方針に合う選択をすることが大切です。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。
外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング
監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基
ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。