2013年09月18日 12時37分
投資上級者も初心者もおさえておきたい「NISA(ニーサ)」
株式や投資信託などの売却益や配当金を、年間100万円まで非課税とする「NISA」。その注意点とは?
最近、テレビCMなどでもよく目にする「NISA(ニーサ)」。2014年1月1日より始まる新しい投資制度の名称で、「株式や投資信託などの売却益や配当金を、年間100万円まで非課税とする」というもの。この新制度のスタートを来年に控えた今、投資上級者はもちろん、初心者でもわかる「NISA」の概要から、おさえておきたい注意点などを確認していこう。
■まだ間に合う! 新たな投資制度「NISA」とは?
「NISA」はもともと、イギリスで普及している「ISA」(Individual Savings Account /個人貯蓄口座)のこと。日本版ということで、日本のイニシャル「N」を頭につけて「NISA」といわれている。
制度利用の対象者は日本在住で満20歳以上の人。各ネット証券会社で専用口座を開く必要があり、作成の期限は2014年〜2023年まで。1人につき開設できるのは1口座で、最初の4年間はひとつの金融機関に統一することになっており、上場株式などの配当や譲渡益が5年間、非課税の対象になる。
非課税枠は、2023年まで「毎年100万円分ずつ新規投資額として追加」されていくため、1年で100万円の投資を5年間続けたと仮定すると、最大500万円までの投資で得られた利益が、非課税となる。
■「NISA」の注意点とは?
(1)非課税になるのは、あくまで「年間100万円以内の投資で得られた利益」
例えば80万円の株式投資をして、値上がり益でNISAの口座にある残高が100万円を超えた場合は、まだ20万円分の非課税の枠が残っていることになる。しかし、この残り20万円を、翌年に追加される100万円の非課税枠に繰り越す(追加非課税枠が120万円になる)といったことはない。
(2)株式や投資信託を売却しても、売却分は非課税枠に戻らない
1日に10万円分の株式を買って、その日に売って……ということを10日間繰り返した場合は、10日間で100万円分を投資したことになり、言い換えれば1年分の非課税枠を10日間で使い切ってしまったことになる。売却したからといって、すでに投資した非課税枠の額面がマイナス計算されることはない。
5年間という非課税期間も考えて、NISAは長期でじっくり運用できる株式や投信の投資に向いているといえる。さらに今後、投資家の運用状況を見て、金融庁が制度を改善していく可能性も考えられるため、利用する際には最新情報をしっかりチェックしよう。