NISA制度改定! 新ルール「金融機関変更OK」のメリット&注意点と手続き方法

 NISA(ニーサ/少額投資非課税制度)が始まって1年が経とうとしている。NISAの現行制度には細かいルールが設定されており、意外な落とし穴も多い。その一つに『利用金融機関を4年間変更できない』というルールがあるが、2015年1月からは毎年変更できるようになる。そこで今回は、現行制度のおさらいをしつつ、金融機関を変更する前に確認しておきたいメリットや注意点、実際の手続き方法を紹介する。

NISA口座の大原則は「1年に1人1口座」! 現行制度の問題点と制度改定の経緯

 金融庁の調査では、2014年6月末の口座数は約727万口座。総買付額は1兆5631億円となっている半面、同年8月末現在で約3分の2にあたる口座が空(=未投資)という現状でもある。NISA(ニーサ)は年100万円までの投資に関して、売却益も配当も非課税になるので、空口座のまま、今年の権利を失ってしまうのはもったいない。折しも、日銀金融緩和第2弾を受けて、日経平均株価は爆騰中だ(11月14日現在)。これからでも、今年中にNISA口座を利用して投資をし、非課税のメリットを享受しようとしても遅くはないだろう。

 ただNISA口座には「1年に利用できる口座は“1人1口座”」という大原則がある。

 NISA口座を開設するには金融機関に申し込みが必要だ。口座開設の申し込みを受け付けた金融機関は、NISA口座が二重に開設されていないかを確認するため、税務署に「非課税適用確認書」という書類を提出する。税務署はこの申請書を受けた順番に処理しているため、間違えて複数の金融機関に口座開設依頼をしてしまった場合、最初に交付申請手続きを受理された金融機関にNISA口座が開設されることになる。

 ここで問題だったのが、現行制度の場合、1度ひとつの金融機関に口座を開くと取り消しができないこと。さらに、最初の4年間(2014年1月1日から2017年12月31日まで)はNISA口座を開設した金融機関の変更ができないようになっていた。

 例えば、銀行に口座を開いた場合、いざNISA口座で株式投資をしようとしても、銀行では株式の取り扱いがない。せっかく値上がり益も配当も5年間非課税なのに、銀行では株式への投資ができないために、証券会社の一般口座で投資をすることになる。値上がり益を得たとしても、20%の源泉課税をかけられ、手取りでみすみす損をしてしまうことになるわけだ。また、証券会社にNISA口座を開いたとしても、自分が投資したい分野の投資信託を取り扱っていなかった、というように商品ラインナップが希望とそぐわない場合もある。それでも期間中は金融機関を動かせないので、投資家は投資の機会を失うことになる。

金融機関が毎年変更可能に! メリット&注意点とは

 こうした投資家の使い勝手の悪さを改善するべく、2015年からは1年ごとに金融機関を変更できるようなる。毎年金融機関を変えられるようになるため、例えば2014年はNISA口座をA銀行で開設して投資信託に投資、2年目はB証券に口座開設をして株式に投資、3年目はC証券でB証券では取り扱いがなかった金融商品に投資、ということも可能になる。

 ただし、2014年にA銀行にNISA口座を開いて、100万円の投資信託を購入した場合、その100万円はずっとA銀行で保有される。2年目にB証券にNISA口座を移したからといって、1年目のお金も移るわけではないので注意しよう。

 また、2014年からA銀行のNISA口座で投資信託を運用し、5年経過後もそのまま継続運用したい場合は「ロールオーバー制度」が利用でき、さらにプラス5年間、つまり10年間わたって安定運用ができる。しかし、ロールオーバーはあくまでも“同一金融機関でのみ利用が可能”というルールがあり、ロールオーバー時に金融機関を変えることはできないので、その点も注意が必要だ。

金融機関変更のための手続き方法〜「勘定廃止通知書」の堤出が必要

 金融機関の変更手続きは2015年1月1日から受付が開始。2015年分の変更手続き期間は同年1月1日から9月30日までとなっている。この間に、旧口座で買い付けをしていると、その年は変更できない。制度改正の施行が2015年1月1日からなので、2014年中に2015年分の口座変更手続きはできないが、2016年分の口座変更をしたい場合は、2015年10月以降にできる予定だ。

 では、NISA口座で利用する金融機関を変更したい場合の手続き方法を確認していこう。まず、現在利用している金融機関に対しては以下のような手順で手続きをする。

STEP1: 現在利用している金融機関に翌年から金融機関を変更したい旨を伝える

STEP2: 金融機関から「金融商品取引業者変更届出書」が郵送される

STEP3: 「金融商品取引業者変更届出書」を受け取り、必要事項を記入して返送する

STEP4: 返送後、金融機関から「勘定廃止通知書」が郵送される
※金融機関の変更の際に「勘定廃止通知書」が必要になるので必ず取得し、紛失しないように注意しよう
 
 準備が整ったら、変更したい金融機関にNISA口座開設を申し込む。堤出の際は、上記で発行された「勘定廃止通知書」のほか、「非課税口座開設届出書」と本人確認書類の3点が必要だ。

 NISA口座を初めて開設する際は住民票の写しが必要だが、変更時は本人確認書類のみで手続きができる。本人確認書類はもちろん住民票の写しでもいいが、免許証や健康保険証、印鑑登録証明書などでも代用できる。もし2014年にNISA口座開設をした後、引っ越しをしていた場合でも、住所変更手続きが完了していれば口座開設は問題なく進められる。住所変更の手続きをしていない人は、まず本人確認書類の住所変更から始めよう。

※今回の特集内で紹介してい情報は2014年11月14日現在のものです。変更されている場合もありますので、ご注意ください。
●ご利用の際のご注意事項(必ずお読みください)(外部リンク)

■禁無断複写転載
オリコン日本顧客満足度ランキングの著作権その他の権利は、株式会社oricon MEに帰属していますので、無断で番組でのご使用、Webサイト(PC、モバイル、ブログ等)や雑誌等で掲載するといった行為は固く禁じております。