最近人気が高まっているフクロウを飼う方法とは?

 フクロウカフェの増加などで知名度も上がり、フクロウをペットとして飼う人が増えています。癒やし系の動物として人気のフクロウですが、実際は猛禽(もうきん)類ということもあり、エサがほかの鳥と比べて特殊です。また、飼育における注意点もいくつかあります。ここでは、自宅でフクロウを飼いたい人が押さえておくべき、購入方法や飼育方法をご紹介します。

フクロウをペットにする方法

 まずは、フクロウの基礎知識と、フクロウの購入場所、相場についてご紹介します。

■フクロウってどんな動物?

 ペットとして飼育されているフクロウは、小型・中型・大型のタイプに分けることができます。いずれのタイプも夜行性で、警戒心が強い性格が多くなっています。そのため、ストレスを与えないように飼育することが大切です。初めてフクロウを飼う場合は、あまりスペースを必要とせず、力も強くない小型のタイプがおすすめです。「ヨーロッパコノハズク」は、比較的人になつきやすく、小型で飼いやすいということもあり人気の種類になります。

 寿命は小型で10〜15年、中型・大型になると20年以上と長寿です。健康管理をしっかり行いながら育てましょう。

■購入場所や価格は?

 フクロウは、人気の種類であれば一般的なペットショップでも取り扱っていることがあります。目当ての種類がいない場合は、正規ルートでフクロウを取り扱っている専門店や業者に相談してみましょう。

 フクロウの価格は、小型・中型・大型いずれも20〜30万円が相場です。種類によっては10万円台で購入できるケースもあります。

飼育に必要なアイテムは?

 フクロウをペットとして迎えるには、必要な費用や用具なども把握しておくことが大切です。フクロウの飼育に、最低限必要とされているアイテムをご紹介します。

■ケージ・止まり木

 放し飼いは窓から逃げてしまうリスクがあります。また、放し飼いの場合、フクロウにはテリトリーの意識があるため、1室分のスペースを与えなければなりません。ですから、一般的にはケージを用意することがおすすめです。ケージは、フクロウのサイズに合わせて、十分な広さがある物を選びましょう。20cmほどのサイズのフクロウであれば、一辺70cmほどのサイズが理想です。

■体重計

 見た目で体調が判断しにくいフクロウは、体重をチェックして体調管理をすることになります。わずかな体重変化でも大きく体調に変化があることもあるため、小まめに体重を確認することが大切です。フクロウの体重を量ることができる止まり木なども販売されています。

■温湿度計

 フクロウを飼育する際は、常に部屋の温度と湿度もバランス良く整えてあげることが大切です。人間と気温の感じ方も違うため、温湿度計でいつでもチェックできるようにしておきましょう。

■保温グッズ

 インコと同様、フクロウは寒さが苦手です。寒い時期は、ペット用の小型ヒーターなどでケージ全体を保温してあげられるようにしましょう。

エサはどんなものが必要?

 猛禽類であるフクロウのメインのエサは、新鮮な「生肉」となります。スーパーなどで購入できる市販の物は血抜きがしてあり、フクロウが必要な栄養素をとることができません。そのため、フクロウ用のエサを扱っている販売店などで、生肉を準備する必要があります。

 フクロウのエサとして代表的なのは、ラットやヒヨコ、ウズラの生肉です。基本的には飼い主自身で肉をさばく必要があるため、苦手な人にはフクロウの飼育は難しいかもしれません。飼い主がエサを与えることが苦手な場合、あまりエサを与えられずに餓死するフクロウも多いようです。ただし、個体差によって昆虫を好んで食べる場合もありますので、飼っているフクロウの好き嫌いを見つつ、きちんとエサを与えるようにしましょう。

飼育のポイントは?

 フクロウを上手に飼育するために、次のようなポイントを押さえておきましょう。

■十分なスペースを確保し、ストレスを与えない

 フクロウは室内で放し飼いをするのであれば、1部屋分必要といわれるほど、広いスペースを要します。これは、自分のいるスペースをテリトリーと認識するからです。また、警戒心が強い性格が多く、大きな震動や物音によってストレスを受けやすいという側面もあります。ストレスを与えない環境づくりを常に意識することが大切です。

■定期的に爪やくちばしの手入れをする

 鋭い爪やくちばしを持つフクロウ。フクロウ自身と飼い主双方のケガを避けるためにも、定期的な手入れをしましょう。爪切りややすりで手入れができますが、慣れていないとフクロウを傷付けてしまうこともあります。動物病院やペットショップに依頼できるのであれば、プロに依頼することをおすすめします。

注意点は?

 そのほか、フクロウを飼うにあたって注意すべきポイントをまとめました。

■エサやりは栄養不足とならないよう十分に行う

 生肉が主食となるフクロウ。飼い主が血生臭さやラットの処理などが苦手なために、フクロウに十分なエサやりができないケースがあります。栄養不足にさせたり、餓死させたりしないように、しっかりエサをあげましょう。

■「ロスト」に要注意!

 「ロスト」とは、インコやフクロウを室内で放鳥している際に、開いていた窓からペットを逃してしまう事故のことです。一度逃げてしまうと自力で戻ってくることは難しいケースが多いため、放し飼いをする際は十分注意しましょう。

■フクロウを診てくれる動物病院を探しておく

 フクロウを診察してもらえる動物病院は少ないです。いざ体調不良となったりケガを負ってしまったりしたときにすぐに診てもらえるよう、近くにある動物病院を探しておくようにしましょう。

注意を守れるかを考え、本当に飼えるかを見極めましょう

 フクロウをペットとして飼うノウハウについてご紹介してきました。診察してもらえる動物病院がまだ少ない点やエサが特殊な点、広い飼育スペースが必要であることなど、飼う上で注意すべきポイントがたくさんあります。人気だからといって安易に購入するのは避け、事前にリサーチをしっかり行ってから飼育準備をして、大切な家族として迎えることが大切です。

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