犬の痙攣(けいれん)はなぜ起こる?原因や対処法を解説
この記事では、犬が痙攣する原因や対処法などについて解説します。

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
犬の痙攣とは意志と関係ない筋肉のこわばり
犬の痙攣は数秒〜数分で落ち着くことが多いですが、泡を吹いたり失禁したりすることもあり、普段とは違う様子に飼い主はパニックになってしまうかもしれません。
しかし、痙攣には重大な病気が隠れていることもありますので、慌てず冷静に犬の様子を観察し、対処法を考えることが必要です。
犬が痙攣を起こす原因や考えられる病気
てんかん
症状としては全身の痙攣がありますが、ほかにも大量のよだれや落ち着きのなさ、歯を食いしばるなどの症状も、てんかんの前兆、または発作の一部とされています。
また、てんかんには、脳に炎症や腫瘍などの異常がない「特発性てんかん」と、脳の外傷や疾患などといった異常があって引き起こされる「症候性(構造的)てんかん」があります。「特発性てんかん」は遺伝的な要因が疑われており、下記のような犬種が発症しやすいとされています。
●関連リンク:
犬のよだれが多いときの原因は?よだれを伴う犬の病気を紹介
・イタリアングレーハウンド
・キャバリアキングチャールズスパニエル
・ゴールデンレトリバー
・シェットランドシープドッグ
・シベリアンハスキー
・ダックスフンド
・ボーダーコリー
・ビーグル
・プードル
・ラブラドールレトリバー
脳の疾患や外傷
また、脳疾患の1つであり、脳内に過剰な水が溜まって脳を圧迫することで、痙攣をはじめとするさまざまな症状を起こす水頭症は、先天的な発症が多いとされています。外傷などで発症することもありますが、特に下記のような小型で短頭の犬種は先天的な要因での発症が起こりやすいとされているため、飼い主は普段から犬の様子に注意しましょう。
・シーズー
・チワワ
・トイプードル
・パグ
・ポメラニアン
・ペキニーズ
・マルチーズ
・ヨークシャーテリア
脳以外の疾患
中毒
殺虫剤や除草剤、保冷剤などにも中毒成分が含まれるため、気を付けてください。誤って食べてしまった場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
低血糖
成犬の場合は体内に糖分の蓄えがありますが、子犬は体が小さいため一度にとれる食事量では十分に蓄えられまません。そのため、長時間食事をとれないと低血糖を起こすことがあります。また、活動量が多くエネルギー消費が多いことや、寄生虫感染しやすいことなども、子犬が低血糖を起こしやすい理由です。
成犬の場合でも、膵臓の腫瘍や糖尿病など、何らかの疾患の合併症で低血糖を起こすことがあります。
感染症
犬ジステンパーウイルスはワクチン接種で予防できますが、予防接種の完了していない子犬は注意が必要です。
●関連リンク:
・犬の鼻水の原因とは?考えられる病気を紹介
・犬の咳が止まらない!原因と注意すべき病気について
・愛犬が下痢をしたらどうする?原因や対処法を解説
筋肉疲労
ただし、意識を失っているような場合はそのほかの原因が考えられるため、よく観察してください。
犬の痙攣が起きたときの飼い主の対処
周囲の安全確保
ソファや椅子の上などにいるときに犬が痙攣した場合は、落ちてケガをしないように、クッションや毛布などを下に敷いておくことをおすすめします。散歩中など野外の場合は、犬のお尻側を支えて安全な位置に移動させます。
犬が痙攣すると、パニックになって大声で呼びかけたり、体を揺すったりしてしまいがちですが、まずは落ち着くことが大切です。
時間と犬の様子を確認
痙攣が治まった後、犬がボーっとしていたり落ち着かなかったりする場合も、何らかの異常が起きている可能性があり、動物病院での相談が望ましいです。
できる限り、犬が痙攣している様子を動画撮影すると、獣医師が診断しやすくなり、時間を測ることもできます。
動物病院に相談
特に、痙攣が2分以上続いた場合や、1回目から24時間以内にまた痙攣するような場合は、受診が望ましいです。
犬の痙攣は慌てず冷静に対処しよう
どのような検査や治療が必要になるか、実際に動物病院に行ってみないとわかりません。診療費が不安な場合は、ペット保険の加入を検討することをおすすめします。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「ペット保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料はもちろん、ペットの種類別や精算方法別など、さまざまな視点でのランキングをご確認いただけますので、ぜひ保険会社選びの参考にしてください。
■ペット保険 オリコン顧客満足度ランキング

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
●ガイア動物病院(外部リンク)
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。