犬の歯石の原因は?家庭でもできる歯石ケアの方法を解説
ここでは、犬の歯石の原因のほか、家庭や病院で行われる歯石ケアの方法について解説します。

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
犬の歯石とは、歯の表面などに付着する石のようなもの
歯石を放置しておくと歯周病へと進み、場合によっては深刻な状態にもなりかねません。早めの対処が大切です。
犬の歯石ができる理由
歯垢は歯磨きで取り除けるのですが、放置しておくと細菌の分泌物とともに石灰化して、石のように硬い歯石になります。
犬の歯には歯石がつきやすい
人間の場合も犬の場合も、歯に付着した食べかすが歯垢になるまでは、およそ6〜8時間かかります。しかし、歯垢が歯石に変化するまでの期間は、人間の場合は20日程かかる一方、犬の場合はわずか3日程です。つまり、愛犬の口腔ケアをほんの数日怠っただけで、たちまち歯石ができてしまうのです。
一度できた歯石は、簡単に取り除けるものではありません。また、歯石は表面がざらざらしているため、歯垢がさらに付着しやすくなり、そのままにしておくと口の中の歯垢はどんどん増えていきます。
歯周病の症状
歯茎のみに炎症が出ている状態なら、適切な治療を受ければ傷んだ組織の回復が望めますが、歯を支える組織まで破壊されている場合は、治療しても修復されることはありません。
歯周病が進行すると、下顎の骨折や、心臓病・腎臓病のリスクが高まるといった危険性があるので、早期発見・早期治療、そして日頃の予防が何より重要です。
犬の歯石ケアの方法
ここでは、犬の歯石ケアの具体的な方法をいくつかご紹介します。
歯磨きで歯垢を除去する
なかなか歯磨きに慣れてくれない場合は、チューイングボーン(牛皮などでできた骨型のガム)や歯磨きおもちゃなど、噛むことで歯磨き効果を発揮するアイテムを使うのもいいでしょう。とはいえ、歯磨きによるケアほどの効果は望めませんから、歯磨きが苦手な犬は、動物病院やサロンで定期的にケアするのがおすすめです。
歯垢がつきにくいドッグフードを与える
また、ドッグフードには配合成分を工夫するなどして、歯垢をつきにくくしたものもあります。こうしたドッグフードを選ぶのも、ケアとしては有効でしょう。ただし、年老いた犬の場合、噛む力や消化能力が衰えていることがありますから、犬に合ったフードを選ぶことが第一です。
動物病院で歯石除去を行う
歯石除去には、全身麻酔で行うケースと麻酔を使わずに行うケースがあります。全身麻酔は体への負荷が大きいというデメリットがありますが、歯石をより確実に除去できることから現在ではこの方法が主流です。費用は病院によって差がありますが、およそ3万〜7万円程度かかります。
老犬で体力が衰えていて麻酔に耐えられるか心配という場合は、麻酔をかけたほうがいいか、獣医師としっかり相談して決めるようにしましょう。
ちなみに無麻酔での歯石除去は、医学的な意味はほとんどないといわれています。麻酔をかけていない状態では、歯のあいだや裏、歯周ポケットと呼ばれる隙間にある歯石は除去できないためです。たとえ、見た目がきれいになったとしても、細かいところに存在する歯石が残ってしまっていては、口臭は残り、歯周病も進行してしまいます。
一度、麻酔下での歯石除去を行っていて、状態の維持を目的とするということであれば、麻酔を使わない歯石除去も意味はあるかと思います。
犬の歯石は、毎日のケアによる予防が重要
なお、もし犬が歯周病にかかってしまった場合、歯垢除去にも先述のとおり3万~7万円という診療費が必要になってきます。通院などの必要も出てくるかもしれませんから、診療費について心配になるかもしれません。こうした、いざというときのために、ペット保険への加入を検討してみてもよいでしょう。
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監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
●ガイア動物病院(外部リンク)
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。