犬のよだれが多いときの原因は?よだれを伴う犬の病気を紹介
ここでは、犬のよだれの原因と、よだれを伴う犬の病気について解説します。

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
犬がよだれを出す原因
生理現象によるもの
また、おいしそうなにおいを嗅いだり、食べ物が口の中に入っていたりしているときは、食べ物をスムーズに胃に送れるように、よだれが多く分泌されます。食事の前に「待て」をしているうちに、よだれを垂らしてしまうのは、決して異常なことではありません。さらに、興奮しているときにも、よだれが出やすくなります。
こうした生理現象によるよだれは、基本的には心配不要です。チワワやフレンチブルドッグ、パグといった短頭種と呼ばれる口先の短い犬種は、よだれが出やすい傾向があります。
心理的要因によるもの
ちなみに、緊張や恐怖を感じているとき、興奮しているときなどは、交感神経が優位になっている状態です。交感神経が優位になると、血圧や脈拍数が上昇します。一方の副交感神経は、安心してリラックスしているときに優位になり、消化器官の動きを活発化させます。
慣れない場所に行ったり、知らない人や犬たちといっしょになったり、苦手な動物病院に連れて行かれたりしたときによだれを垂らしてしまうのは、交感神経が優位になっている状況です。スキンシップなどで、リラックスさせてあげましょう。
病気によるもの
よだれを伴う病気には、いくつかの種類があり、中には命に関わる危険なものや、すぐに医療的処置が必要なものもあります。愛犬の様子を詳しく観察して「明らかにおかしい」と感じたら、すぐに動物病院を受診するほうがいいでしょう。そのためにも、愛犬の普段の状態を把握しておくことが大切です。
よだれを伴う犬の病気とトラブル
なお、病気・トラブルによってよだれが出る場合、よだれ以外の症状も同時に現れることが多いものです。いつから、どれほどのよだれが出ているか、ほかの症状はあるのかなど、愛犬の様子を観察してメモにまとめておくと、動物病院での診療に役立ちます。
誤飲・誤食
何かを吐き出そうとしていたり、頭を振ったりして落ち着かない様子が見られたら、誤飲・誤食を疑いましょう。また、それまではごく普通にしていたのに、急に様子がおかしくなったという場合も、誤飲・誤食の可能性が高いといえます。このような場合は、すぐに動物病院に連絡して、獣医師の指示を仰いでください。
中毒症状
愛犬がいけない物を食べたとわかったら、「いつ頃、何を、どれくらい食べたのか」を把握して、すぐに動物病院に連絡してください。病院に行く際には、食べた物の現物や写真、製品情報が記された包み紙などを持っていくと治療に役立ちます。また、犬がどのような状態なのかを伝えることも大切です。犬の様子をスマートフォンで動画撮影しておくのもいいでしょう。
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口腔内疾患
どのような病気でよだれが出ているのかを明らかにするため、なるべく早く動物病院を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。
消化器疾患
また、胃拡張捻転症候群という病気がありますが、これは胃の拡張と胃のねじれが起こってしまうというもの。大量の食事をした後で激しい運動をすると起こりやすいといわれ、大型犬に発症しやすい傾向があるので、日頃から注意が必要です。
胃拡張捻転症候群にかかると、吐き出したいけれど吐き出せないという特徴的な症状が見られます。それに加えて大量のよだれを流したり、呼吸が苦しそうになったりと、複数の症状も現れます。
胃がねじれているため、状態によっては血行障害が大きく、発症してから数時間のうちに急速に症状が進む場合もあるので、このような症状が現れたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
てんかん
てんかん発作が起こる前、犬はよだれを垂らすことがあります。また、舌をペロペロと出したり、落ち着きがなくうろうろと歩き回ったりすることも、てんかん発作の前兆のひとつです。
発作が始まると、手足を引きつらせたり、全身がガクガクとけいれんしたりといった発作症状が現れます。発作の多くは数十秒から長くても2分程度で終わり、しばらくもうろうとした状態になって、その後はいつもどおりの状態に戻ることが多いです。
発作が起きそうになってから発作が治まるまでの状態を動画撮影できれば、動物病院に行った際、獣医師のより正確な診断が期待できます。それが難しい場合には、できるだけ細かいメモを残しておくと診療に役立つでしょう。
熱中症
熱中症は、体温調節ができずに体に熱がこもり、体の各機能が障害を起こす病気です。高温多湿の環境での過度の運動や自動車内への閉じ込め、水分補給の不足などは、熱中症を引き起こす要因です。また、症状が進むと呼吸が荒くなり、ふらつきが見られることもあります。
熱中症は非常に緊急性の高い病気です。すぐに風通しが良く涼しい場所に移し、水を十分に飲ませて体の熱を逃がしてください。それでも体温が高いままで、パンティング(細かくハッハッハという呼吸をしている状態)が治まらない場合、体を冷やしつつ病院に行くようにしましょう。
犬の異常なよだれは、なるべく早く動物病院へ
どのような検査や治療が必要かは、実際に動物病院に行ってみないとわかりません。診療費が不安な場合は、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。
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監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
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※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。