ペット保険で薬代が補償される?対象になる場合とならない場合を解説

ペット保険で薬代は補償される?対象になる場合とならない場合を解説

ペットが病気やケガをして動物病院にかかると、薬が処方されることがあります。このような薬代も、ペット保険の補償の対象になりますが、薬の中にはペット保険の補償対象にならないものもあります。

何がペット保険の補償対象で、保障にならない薬は何かを知っておくことはとても大切です。

この記事では、ペット保険の対象にならない薬の費用や、飼い主だけで薬をもらった場合に対象になるのかといった、ペットの薬と保険の関係について解説します。
まさの森・動物病院 院長 安田賢

監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢

日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

mokuji目次

  1. 治療目的なら薬代は保険の補償対象になる
    1. 保険の補償対象になる薬?:病気の治療のために処方された飲み薬
    2. 保険の補償対象になる薬?:ケガの治療のために処方された塗り薬
    3. 保険の補償対象になる薬?:診察時に治療のために塗布されたり投与されたりした薬
  2. ペット保険の対象にならない費用
    1. 既往症・先天性異常などによる病気の治療費
    2. ワクチンなどで予防できる病気の治療費
    3. 予防目的の費用
    4. 病気やケガの治療にあたらない費用
    5. 検査費用
    6. 健康食品や医薬部外品の費用
    7. 代替医療費
    8. 治療費以外の費用
    9. 自然災害による傷病の治療費など
    10. 保険契約者や被保険者の過失による傷病の治療費など
  3. ペットにかかる治療費や薬代は病院次第
  4. ペット保険の補償対象でよくある質問
    1. 飼い主だけで薬をもらいに行った場合は補償対象になる?
    2. 薬浴はペット保険の補償対象になる?
    3. 犬・猫の保険で薬代を重視する際の選び方は?
  5. ペットの病気やケガの治療費・薬代はペット保険で備えられる

治療目的なら薬代は保険の補償対象になる

治療目的なら薬代は保険の補償対象になる

ペットの薬代は、治療目的の場合に限りペット保険の補償対象になります。

例えば、病気の治療のために処方された飲み薬や、ケガの治療のために処方された塗り薬、診察時に治療のために塗布されたり投与されたりした薬代などは、基本的にすべてペット保険の補償対象です。

それぞれについて解説していきます。

保険の補償対象になる薬?:病気の治療のために処方された飲み薬

飲み薬は、ペット保険で補償対象になりやすい薬の代表例です。

例えば、下痢や嘔吐などの消化器症状を抑える薬、細菌感染に対応する抗菌薬、心臓病や皮膚炎などの治療のために継続して使う内服薬などは、治療目的が明確であれば補償対象として扱われやすいでしょう。
特に、診察のうえで病名や症状に応じて処方された薬は、通院時の診療費とあわせて補償の対象になることが一般的です。

保険の補償対象になる薬?:ケガの治療のために処方された塗り薬

塗り薬は、すり傷や掻き壊し、軽い外傷、皮膚の炎症などに対して処方されることがあります。

こうした外用薬は、傷口の悪化を防いだり、炎症やかゆみを抑えたりする治療目的が明確なため、補償対象になりやすい薬のひとつです。

一方で、病院で購入した皮膚のケア用品薬用シャンプーなどは、治療そのものではなく日常的なケアとして判断され、補償対象外となる場合があります。

保険の補償対象になる薬?:診察時に治療のために塗布されたり投与されたりした薬

補償対象になるのは、自宅で使うために処方された薬だけではありません。診察時に院内で塗布された薬や、その場で投与された薬も、治療の一環であれば補償対象になることがあります。

例えば、外耳炎や皮膚炎の患部に病院で薬を塗る処置、傷口の処置とあわせて行う薬剤の使用、診察中に行う経口投与や注射などが該当します。
こうした薬は持ち帰りではないものの、治療行為に含まれるため、診療費の一部として補償対象になるケースが一般的です。

ペット保険の対象にならない費用

ペット保険の対象にならない費用

基本的にペット保険の補償対象となるのは治療を目的としたものに限られ、動物病院で受けた施術のすべてが対象になるわけではありません。後で慌てないよう、どういった費用が補償対象外なのか知っておきましょう。

下記は、動物病院への支払いで、ペット保険の補償対象にならないものの一覧です。
<ペット保険の補償対象にならないもの>

対象にならないもの

概要

既往症・先天性異常などによる病気の治療費

保険期間開始前に発症した既往症や、保険期間開始前に見つかった先天性異常の治療費

ワクチンなどで予防できる病気の治療費

ワクチンを接種することで防げる病気の治療費(ワクチンを接種しても発症した場合など、例外的に対象になる場合がある)

予防目的の費用

ワクチンの費用やフィラリアの予防薬、ノミ・ダニ予防薬など、予防を目的とした費用

病気やケガの治療にあたらない費用

去勢・避妊手術や爪切り、肛門腺しぼりなど、動物病院で支払った病気やケガの治療以外の費用

検査費用

健康診断など検査のための費用(体調不良の原因を探るための検査費用などは補償対象)

健康食品や医薬部外品の費用

動物病院で処方されたサプリ代など医薬品以外の費用

代替医療費

アロマテラピーなど、代替医療にかかる費用

治療費以外の費用

マイクロチップ埋め込み費用や往診料など、治療費以外の費用

自然災害による傷病の治療費など

地震など自然災害によるケガなどの治療費

保険契約者や被保険者の過失による傷病の治療費など

飼い主の重大な過失によるペットのケガなどの治療費

それぞれについて解説していきます。

既往症・先天性異常などによる病気の治療費

保険に加入する前から発症していた病気やケガの治療費は、原則として補償対象外となります。

例えば、契約前から続いていた皮膚病や関節の不調過去に診断を受けていた病気の再発などは、対象外と判断されることがあります。

先天性異常についても、保険期間が始まる前に獣医師によって発見されていた場合は、補償対象外とされるのが一般的です。
また、保険商品によっては、初年度契約の開始直後に発症した病気に待機期間が設けられている場合もあります。

加入後すぐにすべての病気が対象になるとは限らないため、告知内容や責任開始日、待機期間の有無まで確認しておくと安心です。

ワクチンなどで予防できる病気の治療費

ワクチン接種によって予防できる病気は、治療費そのものも補償対象外とされることがあります。

これは、保険会社が「予防可能な病気については、まず予防措置を講じること」を前提にしているためです。

犬パルボウイルス感染症や犬ジステンパーウイルス感染症、猫汎白血球減少症など、各社が具体的な病名を挙げて対象外としている例もあります。
ただし、この点は一律ではなく、予防措置の有効期間内で発症した場合や、健康状態などの理由で予防接種ができないと獣医師が判断した場合など、例外が設けられていることもあります。

ワクチンで防げる病気だから必ず全件対象外、というより、約款上の条件に照らして判断されると考えるとわかりやすいでしょう。

予防目的の費用

予防目的の費用は、ペット保険の補償対象外となる代表例です。

例えば、ワクチン接種費用フィラリア予防ノミ・ダニ予防病気を防ぐための投薬定期的な予防検査などは、病気やケガの治療ではなく、健康を維持するための支出として扱われます。
保険は治療費を補う仕組みであるため、こうした予防的な費用まではカバーしないのが一般的です。一方で、同じ駆虫薬でも、すでに発症している傷病の治療のために使う場合は、対象となる余地があります。

つまり、重要なのは薬の名前よりも使用目的です。予防のために使うのか、治療のために使うのかで判断が分かれる点は押さえておきたいところです。

病気やケガの治療にあたらない費用

動物病院で受けた処置でも、病気やケガの治療にあたらないものは補償対象外になるのが一般的です。

例えば、去勢・避妊爪切り耳掃除肛門腺しぼり歯石取り美容目的の処置などは、日常管理や身だしなみ、繁殖管理の一環として扱われやすく、保険でカバーされないことがあります。
ただし、これらの処置が別の病気の治療手段として必要になった場合は、例外的に扱いが変わることもあります。

検査費用

検査費用は、目的によって扱いが異なります。

健康な状態で受ける健康診断や定期健診、予防的な検査は、一般的に補償対象外です。異常のない状態で受けるチェックは治療とはみなされません。

一方で、体調不良の原因を調べるための血液検査や画像検査など、診察の一環として行われる検査は治療に必要な費用として補償対象になることがあります

健康食品や医薬部外品の費用

動物病院で購入したものであっても、医薬品ではないものは補償対象外になるのが一般的です。

例えば、サプリメントなどの健康補助食品医薬品指定のない漢方薬医薬部外品療法食入院中の食餌にあたらない食品などは、治療そのものに直接あたる医薬品とは区別して扱われます。
飼い主から見ると「病院で勧められたものだから保険が使えそう」と感じやすい部分ですが、保険上は医薬品かどうかがひとつの判断材料になります。

処方という形で受け取った場合でも、それが健康補助食品やケア用品の位置づけであれば対象外になる可能性があります。

代替医療費

代替医療にかかる費用も、補償対象外とされることが多い項目です。

具体的には、アロマセラピーハーブ療法ホメオパシー中国医学の一部インド医学温泉療法酸素療法などが例として挙げられています。一般的な獣医療の治療費とは別枠で扱われやすく、約款上で明確に除外されている場合があります。
ただし、どこまでを代替医療として扱うかは商品によって異なる場合があります。名称だけでは判断しにくいこともあるため、一般的な治療と異なる処置を受ける予定がある場合は、事前に補償範囲を確認しておくと安心です。

治療費以外の費用

治療そのものではない付随費用も、補償対象外となるのが一般的です。

往診料時間外・夜間休日診療の加算料相談料指導料カウンセリング料セカンドオピニオンの費用薬剤の配達料マイクロチップの埋め込み費用ペットホテルや預かり料などは、診療を受ける際に発生しても治療費とは別に扱われやすい項目です。

また、シャンプーイヤークリーナーも、院内処置で使われた場合を除いて対象外とされる例があります。
つまり、同じものでも院内での治療処置の一部か、自宅用の購入品かで扱いが変わることがあるため、明細の内容まで確認しておくことが大切です。

自然災害による傷病の治療費など

地震や噴火、それに伴う津波などの自然災害によって生じた傷病は、補償対象外とされる場合があります。

保険会社の案内でも、自然災害による傷病は主な支払対象外項目として挙げられています。

ペット保険は、日常生活の中で起こる病気やケガの治療費を想定した商品設計になっていることが多く、大規模災害に起因する被害まで広く補償する仕組みにはなっていない場合があります。

保険契約者や被保険者の過失による傷病の治療費など

飼い主の故意や重大な過失によってペットが傷病を負った場合も、補償対象外となるのが一般的です。

例えば、基本的な給餌や給水などの管理を怠ったことによる健康被害や、正常な判断ができない状態での行為によって生じた事故などが例として挙げられています。

ペットにかかる治療費や薬代は病院次第

ペットにかかる治療費や薬代は病院次第

動物病院は自由診療のため、ペットの治療費は治療を受ける病院によって異なります。薬価についても同様です。

動物病院での薬に関する費用には、薬そのものの代金のほかに、薬をペットの体重に合わせて分割・粉末化したり複数の薬を混ぜたりする「調剤料」や、獣医師や看護師が直接ペットに薬を飲ませる「投薬料」といった技術料が含まれます。

公益社団法人日本獣医師会が2023年に発表した「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」によると、内服薬を1回調剤した場合の費用は、500円未満と答えた病院が最も多く31.6%、次いで「無料」が28.3%でした。

また治療中に医師や看護師がペットに薬を飲ませる経口投与の場合も、「500円未満」が39.1%で最も多く、「無料」は29.7%となっています。
以下の表は、こうした技術料にあたる「調剤料」、「投薬料」の費用の相場です。
動物病院の調剤料、投薬料の費用割合
費用区分 調剤料・内用 調剤料・外用 経口投与
無料 28.3% 45.1% 29.7%
500円未満 31.6% 21.4% 39.1%
500〜1,000円未満 24.2% 17.2% 24.5%
1,000〜2,000円未満 6.2% 6.4% 2.8%
2,000〜3,000円未満 1.2% 1.2% 0.2%
3,000〜5,000円未満 0.6% 0.5% 0.2%
5,000〜7,500円未満 0.1% 0.1% 0.0%
7,500〜10,000円未満 0.1% 0.1% 0.0%
10,000〜12,500円未満 0.1% 0.1% 0.0%
12,500〜15,000円未満 0.1% 0.0% 0.0%

参考:公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」

このように、調剤料や投薬料は「無料」や「500円未満」とする病院が多い一方、自由診療のため病院ごとにルールが異なります。

なお、「無料」の病院が必ずしもトータルで安いとは限りません

技術料が無料の代わり、薬代自体にコストを反映させていたり、再診料に含めたりする場合もあるため、費用について不明な点があれば事前に動物病院に確認しておくと安心です。

ペット保険の補償対象でよくある質問

ペット保険の補償対象でよくある質問

ペット保険の薬に対して、補償対象となるか迷う場合があります。ここでは、よくある質問とその答えをご紹介しましょう。

飼い主だけで薬をもらいに行った場合は補償対象になる?

獣医師法では、獣医師が自ら診察しないで一定の医薬品を投与・処方してはならないとされています。薬の種類によっては可能な場合もありますが、基本的には診察せずに薬だけもらうことは不可能と考えてください。

詳細は加入しているペット保険の規約によりますが、基本的に診療費に対して補償が行われます。飼い主だけでペットの薬をもらいに行った場合は、ペット保険の補償対象外の可能性が高いでしょう。

ただし、「診察を受けた際に、たまたま薬が品切れしていて後から取りに行った」といった場合は、もともとの診療に基づく処方であることが確認できれば、対象になる可能性もあります。不明な場合は、詳細は加入しているペット保険に問い合わせてみてください。

薬浴はペット保険の補償対象になる?

皮膚病などの治療のために行う薬浴は、ペット保険の補償対象になる場合が多いでしょう。

ただし、健康な状態でのスキンケアや美容目的のシャンプーは対象外となるのが一般的です。補償範囲は保険会社やプランによって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

なお、保険加入前から皮膚炎がある場合は、その他の病気と同様に補償の対象外になります。

前述の「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」によると、薬浴の費用「3,000円〜5,000円未満」が28.1%と最も多く中央値は4,000円でした。薬浴は繰り返し行う必要がある場合が多いため、その分費用もかさみがちです。
継続的な通院が必要になるケースでは、ペット保険によって負担を抑えられる可能性がありますが、保険のプランによっては年間の通院回数や1回あたりの補償額に上限が設けられていることもあるため、限度に達してしまわないか事前に確認しておきましょう。

犬・猫の保険で薬代を重視する際の選び方は?

薬代を重視してペット保険を選ぶなら、まず確認したいのは、通院補償が含まれているかどうかです。

ペット保険の主な補償対象は、一般に通院・入院・手術の3つに分かれており、薬の処方は多くの場合「通院」の補償範囲に含まれます。反対に、「手術」に特化したプランでは、手術前後の通院や投薬にかかる費用が補償されないこともあります。
薬代の負担に備えたい場合は、「手術がカバーされるか」だけでなく、「日常的な通院治療まで対象か」を確認することが大切です。

また、通院補償があるプランでも、1日あたりの支払限度額年間の利用回数上限によって、実際の使いやすさは大きく変わります。

例えば、皮膚病や心臓病のように継続的な通院や薬の処方が必要になるケースでは、1回ごとの診察料や薬代は比較的少額でも、通院回数が増えると自己負担が積み重なりやすくなります。
そのため、通院1回あたりいくらまで補償されるのか年間で何回まで使えるのかまで見ておくと、自分のペットに合ったプランを選びやすくなるでしょう。
なお、慢性疾患などで定期的な投薬が必要な場合は、1回の診察でどのくらいの期間分の薬を処方してもらえるか獣医師に相談してみるのもひとつの方法です。

まとめて処方してもらうことで通院回数を抑え、保険の利用回数上限を効率的に使える場合があります。

ペットの病気やケガの治療費・薬代はペット保険で備えられる

 ペットの病気やケガの治療に必要な診察代や薬代は、基本的にペット保険の補償対象になります。人間のような健康保険制度がないペットは、治療費が高額になることも珍しくありません。ペットの万が一のときに必要な治療を受けさせるため、ペット保険の加入を検討しましょう。

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まさの森・動物病院 院長 安田賢

監修者まさの森・動物病院 院長 安田賢

日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
・獣医がん学会
・日本エキゾチックペット学会
・鳥類臨床研究会(鳥類臨床研究会認定医)
・爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会
 ●まさの森・動物病院

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

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