猫の歯石の原因は?歯周病のリスクと対処法を解説
今回は、歯石ができる仕組みや、歯石の放置が招く病気のほか、家庭でできるケア方法を解説します。

監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
目次
猫の歯石の原因
食べかすや歯垢の段階であれば、歯磨きなどの口腔ケアをしっかり行うことで除去できます。ですが、歯石は文字どおり石のように硬く、歯にこびりついているため、家庭で除去することはできません。
また、歯石の表面はざらついているため、食べかすがつきやすく、ますます歯垢・歯石が溜まるという悪循環となります。
なお、人間の場合、歯垢が歯石に変わるまでには数週間かかるといわれますが、猫の口腔内はアルカリ性のため歯石に変わるスピードが速く、1週間程度で歯垢が歯石化します。猫の歯石を防ぐためには、人間以上にこまめな口腔ケアが必要なのです。
歯石が招く猫の病気
歯石が招く猫の病気といえば歯周病ですが、これは歯石による口腔疾患の総称です。歯周病は病状の段階によって、下記のように「歯肉炎」、「歯周炎」、「歯槽膿漏」に分類することができます。
歯肉炎
また、歯茎や舌などに、粘膜がえぐれたような潰瘍ができることもあります。
歯周炎
歯槽膿漏
家庭でできる猫の歯石予防法
歯磨きをする
口の中が見られるようになったら、いよいよ歯磨きです。歯ブラシを使うことを嫌がる場合は、飼い主の指に巻いて使う歯磨きシートや、指にはめて使う指サックブラシを使ってみましょう。
歯磨きは子猫の頃から習慣付けるのが一番で、成長してからだと慣れるまでに時間がかかります。くれぐれも無理をせず、愛猫に合った方法で歯磨きを習慣付けていきましょう。1日に1回以上、食事の後に歯磨きができれば理想的です。
歯磨きアイテムやフードを活用する
歯磨き効果のあるフードとは、噛むことで歯磨き効果が得られるドライフードやおやつです。いつも与えているキャットフードに混ぜて使ったり、間食として与えたりすることで、歯磨き効果が期待できます。
なお、猫の歯石除去をうたう「スケーラー」という器具が市販されています。金属棒の先端に小さな鎌状の刃がついた形状で、歯石の除去に用いられるものですが、これを使うには正確な技術が必要です。慣れない方が使うと、愛猫を傷つけることになりかねないので、あまりおすすめできません。
猫に歯石ができたら動物病院での除去が必要
病院での歯石除去は、全身麻酔をかけた上で、超音波振動で歯石を除去する「超音波スケーラー」といった器具を使用して行います。歯と歯茎のあいだに隠れた歯石まできれいに除去することができるので、定期的に除去してもらうのがおすすめです。
ただし、全身麻酔は高齢の猫にとって負荷が大きい場合があります。獣医師にご相談の上、決めてください。
歯石ケアで猫の健康を維持しよう
毎日歯磨きをしていてもできてしまった歯石は、動物病院で除去してもらいましょう。定期的に獣医師にチェックしてもらうことで、歯石のケアだけでなく、そのほかの病気が潜んでいた場合も、早めに気付くことができます。また、万が一大きな病気が見つかったときに備えて、ペット保険に加入しておくと安心です。
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監修者 ガイア動物病院 院長 松田唯
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
●ガイア動物病院(外部リンク)
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。