ペット保険の加入条件|既往歴や持病・治療中の病気があると入れない?
「うちの子は病気をしたことがあるけれど保険に入れるの?」、「何歳まで加入できるの?」といった疑問をお持ちの方もいるでしょう。
この記事では、ペット保険の基本的な加入条件から年齢制限、持病があるペットの加入可能性まで詳しく解説していきます。
また、告知制度の重要性や最適な加入タイミング、保険選びのポイントについてもご紹介しますので、愛するペットに最適な保険を見つけるときの参考にしてください。

監修者トータルマネーコンサルタント 新井智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
目次
ペット保険の基本的な加入条件
加入条件は、ペット保険の基本的な仕組みと密接に関わっており、加入者全員が公平に保険を利用できるようにするために設けられています。
ペット保険の仕組み
加入者みんなが保険料を出し合い、病気やケガで治療が必要になった際に集まった保険料から保険金を支払うという相互扶助の仕組みです。
個々のペットのリスクに応じて保険料が決まるため、病気にかかる確率が高いペットほど保険料は高くなります。例えば高齢のペットは若いペットよりも病気になる可能性が高いため、保険料も割高に設定されるのが一般的です。
ペット保険に加入条件が設けられている理由
病気になる可能性が高いペットばかりが加入すると、保険会社が支払う保険金が増加し、経営が困難になってしまいます。
また、病気になりやすいペットとそうでないペットが同じ保険料で加入すると、不公平感が生じてしまいます。
そこで、加入条件を設けて保険料の公平性を保ち、すべての加入者が安心して保険を利用できる環境を整えているのです。
ペット保険に加入するペットの年齢条件
人間の保険と同じように、ペット保険にも加入できる年齢に制限があり、保険会社によってその条件は異なります。
ここでは、新規加入時の年齢条件と、ペット保険に加入する最適なタイミングについて詳しく解説します。
新規加入可能な年齢は保険会社によって異なる
例えば「生後45日以上満7歳以下」、「生後120日以上満9歳未満」、「満12歳11カ月まで」など、保険会社ごとに独自の年齢条件を設定しています。下限年齢は生後0日から60日以上、上限年齢は7歳から13歳程度が一般的です。
なかには満9歳以上の場合、健康診断の受診が必要となるケースもあります。
新規加入時の年齢制限と、加入後の継続条件は異なり、多くの保険では一度加入すれば終身で補償を受けられるものもあるため、早めの検討が大切です。
何歳からペット保険に加入するのがベストなのか
子犬や子猫は好奇心旺盛で活発に遊ぶため、骨折や誤飲などの事故リスクが高く、免疫力が十分でない時期には感染症や下痢、嘔吐などの健康トラブルも起こりやすくなります。加入が遅れると、年齢制限により選択肢が狭まったり、病歴により加入を断られたりする可能性があります。
また、高齢になるほど保険料も高くなる傾向にあるため、経済的な負担を考慮しても、若齢期からの加入がおすすめです。ペットショップやブリーダーから迎え入れたタイミングで加入することで、将来の医療費に備えることができます。
持病や既往歴があるペットの保険加入
確かに健康なペットと比べて加入のハードルは高くなりますが、決して諦める必要はありません。保険会社によって審査基準は異なり、条件付きでの加入や完治後の加入など、さまざまな可能性があります。
加入が難しくなる主な疾患とその理由
■悪性腫瘍
■糖尿病
■慢性腎不全
■甲状腺疾患
■肝硬変(肝線維症)
■膵外分泌不全
■猫伝染性腹膜炎
■猫白血病ウイルス感染症
■突発性てんかん
など
ただし、保険会社によって受入基準は異なるため、11つの保険会社で断られても他の保険会社では加入できるケースもあります。
持病があっても条件付きで加入できる可能性
また、下痢や嘔吐、皮膚炎、歯周病、外耳炎、尿路結石、血便などの症状がある場合でも、症状が落ち着いた時点であれば審査に通る可能性もあるでしょう。
治療中でも加入できるペット保険の探し方
審査基準は保険会社によって大きく異なるため、A社で断られてもB社やC社では加入できる可能性があります。
まずは複数の保険会社に問い合わせを行い、ペットの現在の状況を正確に伝えて審査を受けてみることをおすすめします。
ペット保険の告知制度とその重要性
正直で詳細な告知を行うことで、適切な保険契約を結び、将来的にトラブルを避けることができるでしょう。
告知が必要な項目と正確に申告する理由
■生年月日
■体重
■ペットの種類
■ワクチンの接種状況
■過去にかかったことのある病気やケガの有無
■現在治療中の病気やケガの有無
■ほかのペット保険への加入状況
など
多くの補償を必要とするペットばかりが加入すると保険制度が成り立たなくなるため、公平性を保つために正確な告知が求められます。
なお、申し込んだあとに保険会社から獣医師や動物病院などに照会が行われる場合もあります。
告知を怠った場合のリスクと対処法
「これくらいの病気なら言わなくても大丈夫ないだろう」、「言わなければバレないのでは」といった軽い気持ちで虚偽の告知をすると、補償が受けられなくなったり、契約そのものが解除されたりする可能性が高いです。
なお、保険会社は獣医師や動物病院に照会を行う場合もあるため、隠し通すことは困難です。
告知内容に不明な点がある場合は、必ず保険会社に確認することが大切です。正確な情報を提供することで、安心してペット保険を利用できます。
審査に落ちてしまった場合の対応策
また、現在治療中の病気がある場合は、健康状態が改善した後に再度申し込む方法も効果的です。症状が落ち着いたタイミングや完治後であれば、審査に通る可能性が高まります。
さらに、持病がある場合でも「特定傷病除外特約」などを付けることで、条件付きでの加入を検討できる場合もあります。
ペット保険選びのポイントと加入タイミング
加入のタイミング、保険料と補償内容のバランス、そして長期的な継続性を考慮することで、愛するペットにとって最適な保険を見つけることができるでしょう。
ペットの健康状態と年齢を考慮した加入タイミング
病気になってからでは加入を断られたり、条件付きでの加入となったりする可能性があります。
また、若いペットは好奇心旺盛で活発に遊ぶため、ケガや誤飲で病院に行くことも考えられます。子犬や子猫の時期から加入しておけば、骨折やおもちゃの誤飲などの突発的なトラブルにも備えることができます。
高齢になると加入できる保険の選択肢が狭まる可能性もあるため、早めの検討と加入をおすすめします。
保険料と補償内容のバランスを見極めるポイント
多くの保険では、病気のリスクが上がる高齢になるにつれて保険料が割高になる傾向があるため、ペットの平均寿命を踏まえて10歳以降の高齢時の保険料も無理なく支払えるかで判断することが大切です。
また、1日あたりの保険金支払い限度額や年間の限度額、保険金の支払い回数に制限があるかどうかも重要な要素になります。
アレルギー疾患や下痢・嘔吐などの不調は定期的な通院が必要になることもあるため、年間の支払い回数に制限がない保険を選んでおくと安心です。
長期的に継続できる保険を選ぶためのポイント
更新時に審査がなく初年度と同じ条件で更新できる保険もあれば、保険の利用状況に応じて補償内容や保険料が変更になる保険もあります。
保険金の支払い回数や金額によって次年度の補償条件が変わらない保険を選ぶことで、安心して長期間利用することができます。
参考:令和5年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)(外部リンク)
ペット保険は加入条件を確認して選ぼう
持病があるペットでも条件付きで加入できる可能性があり、諦めずに複数の保険会社に相談することが大切です。また、ペットが若くて健康なうちに加入することで、将来のリスクに備えることができるでしょう。
保険選びでは保険料と補償内容のバランス、更新時の条件も重要なポイントになります。愛するペットの健康を守るためにも、ペット保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、オリコンでは実際にサービスを利用した方にアンケート調査を実施し、「ペット保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料だけでなく、ユーザー満足度からもサービスを比較できるため、保険選びの参考にご活用ください。

監修者トータルマネーコンサルタント 新井智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。
(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP®
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員
公式サイト:https://marron-financial.com/