ペット保険は治療中でも入れる?加入時の注意点について解説

ペット保険は治療中でも入れる?加入時の注意点について解説

 ペットが病気やケガをしたときに、初めてペット保険の加入を検討する人も多いのではないでしょうか。ところが、ペット保険は罹患歴があったり、病気やケガの治療中だったりする場合、加入できないことがあるので注意が必要です。

 この記事では、治療中のペットがペット保険に加入できないケースや条件付きで加入できるケースについて紹介するほか、加入・更新(継続)ができない病気などについても解説します。現在、ペットに病気があって治療中だけれど、ペット保険に加入したいという人は参考にしてください。

ペット保険の加入条件とは?

 ペット保険の加入には、原則としてペットが健康体であることが条件です。多くの保険会社では、加入時に年齢制限を設けているほか、保険会社が指定する病気の罹患歴がある場合などは、加入できないことがあります。

年齢制限がある

 保険会社の多くは、犬・猫は8〜12歳くらいまでなど、ペット保険に加入年齢制限を設けています。これは、犬や猫が7歳を過ぎると「シニア」と呼ばれるようになり、年齢が上がるほど病気やケガのリスクが高まるためです。

 新規加入の際は、加入年齢制限についてよく確認し、ペットが若くて健康なうちに加入を検討することをおすすめします。

罹患歴による制限がある

 ペットが過去に病気にかかったり、先天性の病気や治療中の病気があったりすると、保険に加入できないことがあります。

 また、保険会社が補償対象外と設定する病気の場合も加入できないことがあるため、注意が必要です。

体重、肥満度をチェックされることもある

 ペット保険に加入する際に、ペットの体重は適正か、肥満ではないかをチェックされることがあります。肥満は多くの健康問題を引き起こす可能性が高くリスクとみなされ、保険の加入資格を満たさないこともあるのです。

 ペットの体型を評価するため、多くの保険会社が採用しているのが、視診と触診により9または5 段階で評価する「ボディコンディションスコア(BCS)」です。5段階の場合、3が適正、4以上は肥満傾向、2以下はやせ傾向と判定されます。

 特に、元々体重が重い大型犬は、肥満になると関節に大きな負担がかかるため注意が必要です。また、太りすぎだけではなく、やせすぎも病気のリスクにつながりますので、日常的に食事や運動に気をつけて、ペットが適切な体型を維持できるように管理しましょう。

ペット保険の加入時には告知義務がある

ペット保険の加入時には告知義務がある

 ペット保険に限らず、保険は加入者同士が助け合うことで成り立っています。そのため、保険加入前の病気に対して補償を受ける人が多くいると、保険そのものが成り立たなくなってしまうかもしれません。そのような事態を防ぐため、保険会社は加入・更新の際に厳しい審査を行うのです。

 ペット保険に加入する際、契約者は病歴や治療歴など、ペットの健康について告知する義務があり、保険会社はその告知内容をもとに引受審査を行い、加入の可否を判断します。告知を怠ったり虚偽の申告をしたりすると、補償されなかったり、契約そのものが解除されることもあるので、必ず事実を伝えましょう。

ペット保険に加入できないケース

 これまでお伝えしたように、ペットに罹患歴や治療中の病気があると、ペット保険に加入できないことがあります。具体的に加入ができない疾患例について見ていきましょう。

加入できない疾患例

 一般的にペット保険への新規加入が難しい疾患には、下記のようなものがあります。特に、過去に重い病気にかかったことがある場合は、新規加入が難しい場合が多いようです。
<ペット保険に新規加入が難しい疾患例>
・悪性腫瘍(がん)
・慢性腎不全
・糖尿病
・肝硬変(肝線維症)
・甲状腺疾患
・膵外分泌不全
・尿路結石
・緑内障
・白内障
・猫伝染性腹膜炎
・猫白血病ウイルス感染症
 ただし、これらは一例であり、新規加入が難しいと指定される病気は、保険会社やプランによって異なります。条件付きで加入できることもあるため、心配な疾患がある場合も「加入不可」と明記されていなければ、ひとまず申し込んでみましょう。

ペット保険に条件付きで加入できるケース

 再発性の高い病気に罹患したペットは、ペット保険に加入できないことがありますが、保険会社によっては病気にかかっていても、「特定傷病除外特約」を付帯することで加入できる場合があります。

特定傷病除外特約

 特定傷病除外特約とは、特定の傷病に対する補償をしないという条件を付けた上で契約することです。保険加入時に、ある病気にかかっているペットでも、その傷病に対しては補償をしないという条件で契約が可能になります。

条件付きで加入できる可能性のある病気

 すでに、膝蓋骨脱臼、皮膚炎、外耳炎、歯周病、眼科疾患などの病気にかかっている場合でも、前述の「特定傷病除外特約」を付帯すれば加入できる可能性があります。ただし、具体的な保険の内容や補償範囲は保険会社やプランによって異なるため、必ず保険会社に確認しましょう。

ペット保険を更新(継続)できないケース

 ペット保険は、基本的に1年ごとに更新(継続)を行い、その都度審査があります。人間の終身保険の場合、契約後は一生涯にわたって補償が継続され、契約の更新手続きは必要ありませんが、ペットの終身保険の場合、契約後は補償が一生涯継続されるものの、1年ごとに更新(継続)の手続きが必要となる場合が多いようです。なお、更新(継続)とは、保険期間の満了を迎えた際、更新(継続)前と同様の条件で契約ができることをいいます。

 しかし、次のようなケースでは更新(継続)ができない場合がありますので注意してください。

慢性疾患を患っている場合

 ペットがアトピー性皮膚炎や糖尿病などの慢性疾患を患っている場合は、更新(継続)が難しくなる可能性があります。これは、慢性疾患は長期にわたって継続的な治療が必要になることが多く、治療費がかさみやすくなるためです。

 仮に更新(継続)ができたとしても、慢性疾患に関する医療費は、補償の対象外になることもあります。

補償限度額に達してしまった場合

 補償限度額に達すると、保険期間中でも保険契約が終了したり、次回の更新(継続)が自動でできなくなったりすることもあるため、別のペット保険に加入し直さなければならない場合があります。

 なお、ペット保険に設定されている補償限度額には、2つのタイプがあるので覚えておきましょう。

 まず、入院・通院・手術のそれぞれに対して、1日あたりの利用限度額と年間の最大利用回数を設定しているタイプです。例えば、入院における利用回数制限が10日間と設定されていたのに、治療が長引いて14日間入院した場合、補償が適用されるのは10日間分の入院費用のみとなり、残り4日分の入院費用に関しては補償対象外となります。

 次に、1日あたりの利用限度額や利用回数制限を設けず、年間の支払い最大金額を設定するタイプです。こちらは利用限度額の範囲内であれば、利用回数を気にすることがないため便利ですが、保険料が高めに設定されている場合もあります。

ペット保険を条件付きで更新(継続)する方法

ペット保険を条件付きで更新(継続)する方法

 前述したように、慢性疾患をわずらっている場合や補償限度額に達してしまった場合は、更新(継続)が難しいケースがあります。

 しかし、「特定疾病不担保」「特定部位不担保」という2つの特約のいずれかを付けることで、更新(継続)できる場合があります。それぞれどのような特約か、詳しく見ていきましょう。

特定疾病不担保

 特定疾病不担保とは、特定の病気を不担保とする特約です。例えば、過去に胃がんで治療を受けたことがある場合、胃がんを補償しない特定疾病不担保を付けたとします。この場合、同じ部位でも胃炎や胃潰瘍などの胃がん以外の病気にかかった場合は、通常どおり補償を受けられるのです。

特定部位不担保

 特定部位不担保とは、特定の部位に生じた病気や治療を目的とする入院・手術が不担保となる特約です。過去に胃潰瘍で治療を受けた場合、胃に特定部位不担保の特約を付けることがありますが、そうすると胃に関する病気はすべて補償されなくなるため、特定疾病不担保に比べ厳しい条件となります。

なお、不担保となる期間は保険会社によって異なるため、契約前によく確認しておきましょう。

ペット保険が更新(継続)できなかったときの対応

 ペット保険を更新(継続)できなかった場合は、他社への乗り換えを検討することをおすすめします。ただし、新規加入の場合は年齢制限や待機期間(契約から補償開始までの空白期間)が設けられていることが多いので、早めに検討を開始するべきです。

 更新(継続)できない不安を抱えたくない場合は、あらかじめ終身型のペット保険や自動更新型のペット保険に加入しておくことをおすすめします。

「治療中だから」とあきらめずに確認を

 多くのペット保険は、加入時に「年齢」と「過去の病気・ケガ」の制限を設けています。また、ペットの年齢が7歳以上(シニア)であったり、過去に重い病気やケガを経験していたりするほか、「先天性の病気がある」「現在、病気の治療中である」といった場合も、加入を断られることがあるため注意が必要です。

 制限を設けている病気は保険会社によって異なるため、条件付きで加入できたり、低リスクと判断されて加入が認められたりする可能性はゼロではありません。現在、病気の治療中だからとあきらめず、保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。また、大切なペットが十分な治療を受けられるよう、複数の保険会社やプランを比較検討して、ご自身とペットに合った保険を選びましょう。

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