ペット保険は保護犬も加入できる?告知事項・注意点を解説

ペット保険は保護犬も加入できる?告知事項・注意点を解説

保護犬を迎え入れるにあたって、ペット保険への加入を考える人もいるでしょう。ペット保険に加入するときは、人間の保険と同じように、健康状態や既往症などを申告する「告知義務」があります。

犬の生年月日や種類、ワクチン接種状況、既往症などがペット保険の告知事項にあたりますが、保護犬の場合は不明なことも多いです。その場合、ペット保険には加入できないのでしょうか。

今回は、保護犬がペット保険に加入できるかどうかや、告知事項がわからない場合の対応加入前に確認したい注意点について解説します。
※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。
安田賢

監修者 まさの森・動物病院 院長 安田賢

プロフィールを見る

日本獣医生命科学大学卒業。
幼少期より動物に興味を持ち、さまざまな動物の飼育経験を持つ。
2012年11月、石川県金沢市にまさの森・動物病院を開業。
・獣医がん学会
・日本エキゾチックペット学会
・鳥類臨床研究会(鳥類臨床研究会認定医)
・爬虫類・両生類の臨床と病理のための研究会

■所属先

まさの森・動物病院

https://masanomori.com/

mokuji目次

  1. 保護犬でもペット保険に加入できる
    1. ペット保険の告知義務とは
    2. 嘘の告知はペナルティの対象
  2. 保護犬のペット保険加入前にしておくこと
    1. 動物病院を受診する
    2. 犬の誕生日を決める
    3. 保険料を確認する
  3. 保護犬がペット保険に加入する際の注意点
    1. 加入できないケースと条件付き契約になるケース
    2. 待機期間(免責期間)への注意
  4. 保護犬がペット保険に加入する場合は告知事項に注意

保護犬でもペット保険に加入できる

保護犬でもペット保険に加入できる

基本的に、保護犬でもペット保険に加入することは可能です。保護犬だからという理由だけで、ペット保険への加入を断られるわけではありません。

ただし、申込時の健康状態や年齢、既往症の有無などによっては、保険会社の加入条件に合わず、加入できない場合があります。これは保護犬に限ったことではなく、ペットショップやブリーダーから迎えた犬でも同様です。
ペットショップやブリーダーから迎えた犬は、生年月日や犬種、ワクチン接種歴、既往症などの情報が比較的わかりやすい傾向があります。一方、保護犬は正確な誕生日や過去の病歴がわからないこともあります。

そのため、保護犬がペット保険に加入する際は、わかる範囲の情報を整理し、健康状態などを正しく申告することが大切です。不明な点がある場合は、動物病院で確認したり、保険会社に相談したりして、正確な告知につなげましょう。

ペット保険の告知義務とは

告知義務とは、ペット保険に申し込む際に、ペットの健康状態や既往症など、保険会社が求める情報を正しく申告する義務のことです。

ペット保険は、契約者が支払う保険料をもとに、病気やケガの治療費を補償する仕組みです。すでに病気にかかっているペットや、治療中のペットが無条件で加入できると、契約者間の公平性が保ちにくくなります。

そのため、多くのペット保険では、加入前に告知事項の申告が求められます。
ペット保険に加入する際の主な告知事項には、以下のようなものがあります。
<ペット保険に加入する際の主な告知事項>
■生年月日、または推定年齢
■品種種類
■体重
■現在の健康状態
■過去にかかった病気やケガ
■治療中の病気やケガの有無
■手術歴
■ワクチン接種状況
■他のペット保険への加入状況
告知が必要な内容や対象となる期間は、保険会社やプランによって異なります

たとえば、過去数か月以内の通院歴を聞かれる場合もあれば、過去に診断された病気や手術歴を広く申告する必要がある場合もあります。

保護犬の場合、これまでの病歴やワクチン接種歴がすべてわからないこともありますが、その場合は、わからないことを隠したり、事実と異なる内容を記載したりせず不明であることを前提に、保険会社へ確認しながら手続きを進めましょう。

嘘の告知はペナルティの対象

保護犬の情報が一部わからない場合でも、事実と異なる告知をすることは避けましょう。年齢や既往症、通院歴などについて虚偽の申告をすると、告知義務違反にあたる可能性があります。

保険会社は、申込時だけでなく、保険金の請求時や契約更新時など、さまざまなタイミングで告知内容を確認することがあります。動物病院の診療明細書や診断書、過去の通院歴などから、申告内容との違いがわかる場合もあります。

告知義務違反と判断された場合、保険金が支払われなかったり契約を解除されたりする可能性があります。また、補償を受けたい病気やケガが、加入前から発症していたと判断されると、その治療費は補償対象外となることもあります。
保護犬の場合は、過去の情報がすべて明らかでないこともあります。そのような場合は、推測で記入するのではなく、動物病院で健康状態を確認したうえで、わかる範囲で正しく申告しましょう。

ペット保険の告知義務違反については、下記の記事をご覧ください。

保護犬のペット保険加入前にしておくこと

保護犬のペット保険加入前にしておくこと

保護犬がペット保険に加入する際は、告知事項をできるだけ正確に整理しておくことが大切です。生年月日や健康状態などが不明な場合は、加入前に次のような準備をしておきましょう

動物病院を受診する

保護犬の年齢や健康状態がわからない場合は、まず動物病院を受診しましょう。獣医師は、歯や歯茎の状態、毛づや、体つきなどを確認し、年齢の目安や健康状態を判断します。

健康診断を受けることで、現在治療が必要な病気やケガがないかも確認できます。もし疾患が見つかった場合は、ペット保険に申し込む際に正直に申告しましょう。病気があるからといって必ず加入できないわけではありませんが、補償対象外の条件が付いたり、加入できなかったりする場合があります。
また、保護犬はワクチン接種歴が不明なこともあります。ペット保険では、ワクチン接種によって予防できる病気が補償対象外となることもあるため、必要なワクチン接種についても獣医師に相談しておくと安心です。

犬の誕生日を決める

ペット保険に加入する際は、犬の生年月日を申告する必要があります。しかし、保護犬の場合は正確な誕生日がわからないことも多いでしょう。

誕生日が不明な場合は、動物病院で確認した推定年齢をもとに、飼い主が誕生日を決めることになります。家に迎えた日や、家族にとって覚えやすい日を誕生日として設定するのもひとつの方法です。

ただし、保険会社によっては、誕生日が不明な場合の申告方法やルールを設けている場合があります。推定年齢で申し込めるか、誕生日をどのように設定すればよいかは、加入を検討している保険会社に事前に確認しましょう。

保険料を確認する

ペット保険では、年齢や犬種、体重などによって保険料が変わることがあります。保護犬がミックス犬の場合、特定の犬種として分類できないため、体重によって保険料区分が決まるケースがも多いです。

そのため、保護犬の体重や体格を確認したうえで、各保険会社の保険料を比較しておきましょう。

特に、ミックス犬は成長後の大きさによって保険料区分が変わる場合があるため、現在の体重だけでなく、成犬時の推定体重も確認しておくと安心です。動物病院を受診した際に、獣医師へ成犬時の体重の目安を相談してみるとよいでしょう。

保護犬がペット保険に加入する際の注意点

保護犬がペット保険に加入する際の注意点

保護犬だからという理由だけで加入を断られるわけではありませんが、ペット保険にはそれぞれ加入条件が設けられています。

一般的には、加入時点で健康体であること、保険会社が加入不可としている傷病にかかっていないこと、新規加入できる年齢の上限を超えていないことなどが条件として挙げられます。

なお、既往症や治療中の病気がある場合でも、必ずしも加入できないとは限りません。特定の病気や部位を補償対象外とする「条件付き契約」であれば加入できたり、保険料が割増で設定されたりするケースもあります。

加入前には、補償内容や対象外となる病気の範囲、条件付き契約の有無を確認しておきましょう。

加入できないケースと条件付き契約になるケース

ペット保険の加入条件は、保険会社やプランによって異なります。ただし、一般的には「健康状態」、「既往症・治療中の病気」、「年齢」が確認されます。

主な加入可否の考え方は、以下のとおりです。
ペット保険の主な加入可否

状況

加入の可否

健康な体(原則)

通常加入できる

既往症あり・治療中

特定疾病・特定部位を補償対象外とした条件付き契約、または加入不可

新規加入上限年齢超過

加入できない

既往症がある場合、保険会社によっては「特定疾病不担保」や「特定部位不担保」といった条件が付くことがあります。これは、過去にかかった病気や治療中の病気、関連する体の部位について、補償対象外とする契約方法です。

たとえば、過去に皮膚疾患の治療歴がある場合、皮膚に関する病気が補償対象外になることがあります。また、足の病気やケガの治療歴がある場合、その部位に関する治療費が補償されない可能性もあります。
条件付きで加入できるか、加入そのものが難しいかは、保険会社の審査によって異なります。申込み前に重要事項説明書や約款を確認し、不明点があれば保険会社へ問い合わせましょう。

ペット保険の加入条件については、下記の記事をご覧ください。

待機期間(免責期間)への注意

ペット保険には、加入後すぐに補償が始まらない「待機期間(免責期間)」が設けられている場合があります。待機期間とは、保険契約が成立したあと、一定期間は病気などの治療費が補償されない期間のことです。

待機期間の有無や日数は、保険会社やプランによって異なります。病気については加入後30日程度、がんなど一部の病気についてはさらに長い期間が設けられている場合もあります。一方で、ケガには待機期間がない保険がほとんどです。

注意したいのは、待機期間中に発症した病気は、待機期間が終わった後に治療を受けても補償対象外となる場合がある点です。

たとえば、保護犬を迎えた直後に体調不良が見つかり、待機期間中に発症したと判断されると、その後の治療費も補償されない可能性があります。
保護犬は、迎え入れ後に健康診断や通院をする機会が多い傾向があります。そのため、ペット保険を検討する際は、待機期間の有無や期間、補償が始まるタイミングを必ず確認しておきましょう。

保護犬がペット保険に加入する場合は告知事項に注意

保護犬を迎え入れて、ペット保険への加入を検討する場合は、告知事項に注意してください。

告知事項には犬の生年月日や犬種、既往症などがあり、保護犬の場合はそういった情報が明らかでないこともあるでしょう。しかし、犬種がわからなくてもペット保険には加入できますし、動物病院で確認することで、推定年齢や健康状態を把握することもできます

ペット保険は保険会社やプランによって補償内容や保険料は大きく変わるため、複数の保険会社でそれぞれのプランを比較検討して、ご自身とペットに合った保険を選びたいところです。

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