公開日：2024-10-31

犬がごはんを食べないのはなぜ？対処法と病院に行くべき症状を解説

いつもは食欲旺盛な犬がごはんを食べないと、飼い主としては心配になってしまうことでしょう。

健康な成犬なら、1～2日程度ご飯を食べなくても問題ないかもしれませんが、体力の少ない子犬や老犬にはリスクがあります。また、病気の症状として食欲不振の可能性もあり、その場合は早めに対処しなければなりません。

今回は、犬がごはんを食べないときに考えられる理由や対処法などについてご紹介します。

監修者ガイア動物病院院長松田唯

北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年7月、ガイア動物病院開設、院長となる。

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。

【監修者プロフィール】

犬がごはんを食べない原因
犬がごはんを食べないときは、すぐに対処が必要？
犬がごはんを食べないときは原因を見極めよう

犬がごはんを食べない原因

犬がごはんを食べない理由はさまざまです。いつから食べていないのか、ほかに症状はあるかなど、犬の様子を振り返って対処する必要があります。

まずは、犬がごはんを食べないときに、考えられる理由について見ていきましょう。

原因1　病気や体調不良

症状として食欲不振を起こす犬の病気は多いです。

犬がごはんを食べないときは、まず病気や体調不良を疑ってみてください。取り越し苦労になるかもしれませんが、もしも病気が原因の場合は、早期に対処することで犬の健康を守ることができます。

病気や体調不良を見分けるポイントは、ごはんを食べない以外にどのような様子が見られるかです。下痢を伴うなら、腸に何らかの異常があると考えられますし、嘔吐もしているなら胃腸やすい臓などの消化器系のトラブルが考えられます。

特に高齢で、「食べたそうにしているが食べない」場合は、歯周病など口腔内や歯に異常があって、痛みや不快感でごはんを食べない可能性もあるでしょう。いずれにせよ、ごはんを食べないほかにも症状がある場合は、獣医師に相談することをおすすめします。

ごはんを食べないだけでなく水も飲まない場合は、重度の感染症や腫瘍、痛みの強い椎間板ヘルニアなどの疾患かもしれません。脱水のおそれもあるため、早めに動物病院を受診してください。

原因2　偏食

ずっと同じフードを与えていたり、反対にフードを変えたばかりだったりで食べない場合は、偏食かもしれません。

犬にも味の好みがありますから、飽きてしまった、好きな味ではないなどの理由でごはんを食べないこともあったりします。おやつには反応する場合は、偏食の可能性が高いです。

食べないからといって、頻繁にフードを変えたり、人間の食べ物をあげたりするのは、偏食を助長するためNGです。栄養バランスが崩れるおそれや、人間の食べ物によって犬が中毒を起こすリスクもあります。

犬のごはんは決まった時間に出し、一定時間経っても食べない場合は潔く片付けることを心掛けてください。「この時間でなければ食べられない」と学習すれば、偏食せずに犬がごはんを食べるようになる可能性があります。

原因3　加齢

犬が高齢になってくると、内臓機能や運動機能が低下し、消費カロリーも必要なカロリーも落ちてきます。そのため、食が細くなることがあります。また嗅覚や味覚が衰えて、あまりごはんに興味が持てなくなったり、歯が弱って固いフードが苦手になったりすることもあります。

犬が高齢期に入ったら、少量でも十分な栄養がとれる高齢犬用のフードを選んでください。いつものフードにトッピングしたり、フードを少し温めて匂いを強くしたりと、犬の食欲をかきたてる工夫も有効です。

歯が弱くなっている場合は、フードをお湯でふやかす、缶フードにするなどの対策をとる必要があります。

原因4　ストレス

ストレスを感じてごはんを食べなくなる犬もいます。散歩に行けない、引越しや模様替えをした、留守番の時間が長いなどで、犬はストレスを感じることがあります。

ごはんを食べない以外に、急に吠えたり噛んだりといった問題行動を起こす、飼い主とのコミュニケーションを避けて自分の居場所に閉じこもるなどの様子が見られれば、ストレスの可能性を考えてみてください。

思いあたることがあれば、犬のストレスが軽減されるように工夫が必要です。

犬の気持ちが落ち着けば、自然とごはんを食べるようになる可能性が高くなります。1～2日経ってもまったく食べないという場合は、ほかの疾患の可能性もあるため、獣医師に相談するようにしてください。

また、ストレスにより、嘔吐や下痢、脱毛などが表れる犬もいます。これらは、ほかの病気の症状でもあるので、気になることがあれば早めに獣医師に相談しましょう。

犬がごはんを食べないときは、すぐに対処が必要？

環境省が公開している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」では、「正常な犬でも1～2日ごはんを食べない個体もいる」としています。ごはんを食べないこと以外に気になる症状がなく、犬がいつもどおり元気な様子であれば、1～2日程度様子を見ても問題ありません。

焦って、ごはん以外の犬が食べたがるものを手当たり次第に与えると、かえって体調を崩したり、偏食を助長したりするリスクもあるため、注意してください。

また、食欲を確認するためにごはんを見せるなどは問題ありませんが、体調不良のときに無理に食べさせようとすると、それによってさらに体調が悪化する可能性があります。心配な場合は、獣医師に相談するといいでしょう。

嘔吐や下痢など、ほかにも症状があるなら早めに動物病院の受診が必要です。

特に子犬の場合は、体が小さく蓄えているエネルギーが成犬より少ないため、長時間ごはんを食べないことで脱水症状や低血糖症状を起こす危険性がありますので注意してください。

※環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」

犬がごはんを食べないときは原因を見極めよう

犬は基本的に食欲旺盛ですから、ごはんを食べなくなると飼い主は心配になってしまいます。

万が一のことを考えて、まずは体調不良や病気を疑うことが必要ですが、健康な犬でも1～2日程度ごはんを食べないことはあります。普段から犬の様子を観察し、ごはんを食べないときに適切な対処がとれるようにしましょう。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「ペット保険オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料はもちろん、ペットの種類別や精算方法別など、さまざまな視点でのランキングをご確認いただけますので、ぜひ保険会社選びの参考にしてください。

ペット保険オリコン顧客満足度ランキング

監修者ガイア動物病院院長松田唯

埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院（東京都杉並区）開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主さまが選択できる診療を心掛けるようにしています。
　●ガイア動物病院

※監修は医療情報についてのみであり、ペット保険への加入を推奨するものではありません。