【火災保険】引っ越しの際に必要な手続きを解説!見直しのヒントも

【火災保険】引っ越しの際に必要な手続きを解説!見直しのヒントも図形

引っ越しをする場合、これまでに加入している火災保険を引き継げる場合があります。この記事では引っ越しにともなって火災保険を引き継げるケース、引き継げないケースについて解説しています。

また火災保険の基本情報や、引っ越しで火災保険を変更・解約するときの注意点など、見直しをするときに知っておきたい知識も紹介します。

mokuji目次

  1. 引っ越しの際は火災保険の変更手続きが必要
  2. 火災保険の手続きを引っ越しのパターン別に紹介
    1. 賃貸から賃貸へ引っ越し
    2. 賃貸から持ち家へ引っ越し
    3. 持ち家から賃貸へ引っ越し
    4. 持ち家から持ち家へ引っ越し
  3. 火災保険を変更・解約手続きの注意点
    1. 満期を迎えていないなら自ら保険会社に連絡を
    2. 保険料が二重にならないよう解約と住所変更を忘れずに
    3. 解約を行うのは引き払い後に
  4. 火災保険を見直す3つのポイント
    1. 補償の範囲は充分か
    2. 契約期間は適切か
    3. 地震保険は必要か
  5. 引っ越し前に知っておきたい火災保険の基本情報
    1. 補償の対象は火災だけではない
    2. 火災保険の保険料は人によって大きく異なる
    3. 免責金額を設定すれば保険料の節約につながる
  6. 火災保険を見直して引っ越し後の備えを万全にしよう

引っ越しの際は火災保険の変更手続きが必要

引っ越しの際は火災保険の変更手続きが必要

引っ越しの際は、加入している火災保険の変更手続きが必要です。なぜなら火災保険は、加入するときに何を補償の対象とするのかという「保険の目的」を決める必要があるためです。

引っ越しで転居をすれば住所が変わることから、保険の目的も変わることになります。そのため火災保険の住所変更の手続きをして、保険の目的を正しく設定しなおさなければなりません。

保険の目的が正しくないと、万が一のことが起きたときに補償されない可能性があります。

ただし引っ越しをする場合、住所変更手続きをすれば現在加入している火災保険を継続ができるケースと、持ち家から賃貸住宅に引っ越しをするケースなど、引き継ぎができないケースがあります

火災保険の引き継ぎができない場合、引っ越しのタイミングでこれまでの火災保険を解約して、新たな火災保険に加入が必要です。

火災保険の手続きを引っ越しのパターン別に紹介

火災保険の手続きを引っ越しのパターン別に紹介

火災保険の手続きは、転居先が持ち家か賃貸かで異なります。基本的に、持ち家と賃貸では火災保険の仕組みが異なるため、「持ち家から賃貸」「賃貸から持ち家」に引っ越す場合、これまでの火災保険を引き継ぐことはできません。

引っ越しに伴って火災保険を考えるときは、持ち家と賃貸で加入する火災保険が異なるという点を押さえておきましょう。持ち家と賃貸の火災保険の違いについては「賃貸から持ち家へ引っ越し」の章で解説します。

引っ越しのパターンは以下の4つに分けられます。

賃貸から賃貸へ引っ越し
賃貸から持ち家へ引っ越し
持ち家から賃貸へ引っ越し
持ち家から持ち家へ引っ越し

以下、引っ越しパターン別の火災保険の手続き方法を紹介します。

賃貸から賃貸へ引っ越し

賃貸から賃貸へ引っ越す場合、住所変更をするだけで火災保険契約を引き継げる可能性があります。

ただし火災保険は以下の点が変わると保険料が変動し、追加で保険料を支払ったり、払い過ぎた保険料が戻ったりする場合もあります。
・物件の所在地
・築年数
・水災リスク
・入居する部屋の平米数
・物件の構造(木造・コンクリート造りなど)
また、火災保険の引き継ぎができたとしても、正しい情報を申告していないと、万が一のときに保険金が受け取れないことがあるため注意しましょう。

例えば火災保険の住所変更はしても、部屋の平米数は修正し忘れて転居前のままだったというのは、ありがちなミスです。

なお物件によっては、オーナーや管理会社指定の火災保険に変更するように求められますが、これまで加入している火災保険を継続しても問題ありません。

賃貸から持ち家へ引っ越し

賃貸から持ち家に引っ越した場合、火災保険を引き継ぐことはできません。理由は、賃貸と持ち家の火災保険は、仕組みが異なるからです。

火災保険は「建物」と家具や家電製品といった「家財」の火災保険に分かれており、持ち家の場合、建物の持ち主が建物の火災保険に加入し、必要に応じて家財の火災保険にも加入します。

しかし賃貸アパートやマンションは、自身の持ち物ではありません。そのため建物の火災保険はアパートやマンションの持ち主であるオーナーが加入し、入居者は建物ではなく、家財の火災保険に「借家人賠償責任特約」という特約が付いた火災保険に加入します。

賃貸アパートやマンションの火災保険は「賃貸向け火災保険」として、パッケージ商品として取り扱っているのが一般的です。

したがって賃貸から持ち家に引っ越すときは、これまで加入していた賃貸向け火災保険を解約し、新たに持ち家の火災保険に加入する必要があります。

持ち家から賃貸へ引っ越し

持ち家から賃貸へ引っ越す場合も、基本的に火災保険の引き継ぎはできません。持ち家の火災保険をいったん解約して、賃貸向けの火災保険に加入しなおす必要があります。

しかし賃貸向けの火災保険は、家財の火災保険に借家人賠償責任特約を付加したパッケージ商品です。そのため持ち家で家財の火災保険に加入していた場合、借家人賠償責任保険特約を付加すれば、継続できる可能性があります。

また、持ち家を保有したまま、賃貸住宅に引っ越すときは、持ち家の火災保険を解約してはいけません。この場合、持ち家の火災保険に加えて、賃貸向けの火災保険にも加入をします。

なお引っ越しにともない持ち家が空き家になるときは、一般的な個人向け火災保険では補償の対象外となる可能性が高いため、必ず保険会社や保険代理店に相談をしてください。

持ち家から持ち家へ引っ越し

持ち家から持ち家へ引っ越しをするときは、変更手続きのみで、これまでの火災保険に引き継げる可能性があります。ただし、物件の所在地、築年数、水災リスク、建物の平米数、物件の構造で火災保険の金額が代わるため、正しい情報を申請しなければなりません。

申請する内容によっては追加で保険料を支払ったり、過剰な保険料を受け取ったりできる可能性があります。

もとの家にも火災保険をかけ続ける必要があるときは、新たな住居でも火災保険の加入が必要です。もとの家が空き家になるときは、個人向け火災保険では補償の対象外になる可能性があるため、保険会社や保険代理店に相談をしてください。

火災保険を変更・解約手続きの注意点

火災保険を変更・解約手続きの注意点

火災保険の変更や満期前の解約は、保険会社に自ら連絡しなければなりません。また保険料が二重にならないよう、解約と住所変更手続きを忘れずに済ませましょう。

引っ越しにともなって新規で火災保険に加入するときは、これまでの火災保険を解約するタイミングも重要です。

満期を迎えていないなら自ら保険会社に連絡を

保険加入者が引っ越しをするという情報は、加入者が伝えない限り、保険会社や保険代理店は把握ができません。そのため引っ越しで、火災保険の変更や、満期より前に解約をするときは、自ら連絡する必要があります

住所変更や物件所在地の変更など、従来の火災保険を引き継ぐときは「火災保険の異動届」の提出が必要です。火災保険の引き継に伴って、保険料の支払いが必要なときは保険料を支払い、保険料の過剰が生じたときは余剰分の返還を受けます。

火災保険の引き継ぎができないときは、これまでの火災保険を解約、新たな火災保険を契約しなければなりません。解約をする火災保険を扱っている保険会社に連絡をして「解約届」を、新たに加入する火災保険を扱っている保険会社に連絡をして「申込書」を入手し、それぞれ必要事項を記入して各保険会社に提出します。

満期を迎える前に解約をした場合、残りの保険期間に応じて解約返戻金を受け取れる可能性があります。

保険料が二重にならないよう解約と住所変更を忘れずに

引っ越しに伴って新規で火災保険に加入するときは、これまでの契約を忘れずに解約をしましょう。

例えば賃貸から持ち家に引っ越す場合、持ち家の火災保険に新規で加入します。賃貸住宅の保険の解約忘れをすると、住んでいない賃貸住宅の火災保険と持ち家の火災保険の保険料を、二重に負担することになってしまいます。

また火災保険の保険証券は契約者住所に届くため、物件の住所変更だけして、契約者住所を変更しないと、引っ越し前の住所に証券が届いてしまいます。

転送届の申請もしていないと、証券をはじめとした保険会社からの郵便物が届かないなどのトラブルにつながる可能性があるため、住所変更後の物件所在地と契約者住所がどちらも正しい内容になっているか必ず確認しましょう

解約を行うのは引き払い後に

火災保険を解約すると、解約日以降の事故は補償されません。解約してしまうと、引っ越し準備などで壁を損傷させたような場合、補償が受けられなくなります。

火災保険の解約をするときは、解約日や保険開始日をいつにするか、タイミングが重要です

賃貸から持ち家に引っ越すときの火災保険の解約と新規契約のタイミングは、賃貸住宅の退去日が賃貸向け火災保険の解約日、物件の引き渡し日を持ち家の火災保険の保険開始日とするのが一般的です

逆に持ち家から賃貸に引っ越すときの火災保険の解約と新規契約のタイミングは、物件の引き渡し日を持ち家の火災保険の解約日、賃貸住宅の入居日を賃貸向け火災保険の保険開始日とします

火災保険を見直す3つのポイント

火災保険を見直す3つのポイント

火災保険を見直すときは、引っ越し先のリスクに対応した補償内容になっているか確認をしましょう。また火災保険の契約期間が適切か、地震保険の要否についても検討する必要があります。

補償の範囲は充分か

例えば、マンションの高層階に住んでいて水災に遭うリスクが低い場合、水災補償が付いていない火災保険に加入している方もいるでしょう。

しかし、その方が河川の近くや土地の高さが周囲より低い、水災リスクが高い地域に引っ越す場合は、火災保険の補償内容を変更する必要があります。

このように引っ越しに伴って火災保険を見直すときは、転居前と転居先の災害リスクを考慮して補償内容を考える必要があります

転居先の災害リスクが分からないときは、ハザードマップが役立ちます。ハザードマップとは自然災害が発生したときに被害が想定される区域や避難場所などの情報を地図上に示したものです

ハザードマップは、国土交通省の特別機関である国土地理院が運営するハザードマップポータルサイトで確認できる他、最寄りの市区町村役場の窓口で配布しています。

契約期間は適切か

火災保険の保険期間は最長5年で、長期契約のほうが保険料が安くなる傾向があります。ただし引っ越し先が賃貸で、2年しか住む予定がないのに、5年契約をする必要はありません。

火災保険を見直すときは、転居先に住む期間も考慮することが大切です。5年以上住む予定があるなら、保険料が割安になる傾向がある保険期間5年の火災保険への加入を検討すると良いでしょう

地震保険は必要か

地震保険とは、地震・噴火あるいはこれらによる津波を原因とする、火災・損壊・埋没・流出による損害を補償する保険です。

火災保険は火災で建物が損害を受けたら補償対象となりますが、火災の原因が地震だった場合、地震保険に加入していなければ補償されません

基本的に地震保険は、火災保険に加入していなければ付けられないため、引っ越しのタイミングで見直しをするのがおすすめです

なお地震保険は、火災保険の保険期間中に加入もできます。地震のリスクが不安な方は、現在火災保険に加入している保険会社に問い合わせてみましょう。

引っ越し前に知っておきたい火災保険の基本情報

引っ越し前に知っておきたい火災保険の基本情報

引っ越し先の火災保険を検討する際、次のような基本情報を押さえておきましょう。

補償の対象は火災だけではない
火災保険の保険料は人によって大きく異なる
免責金額を設定すれば保険料の節約につながる

それぞれ詳しく紹介します。

補償の対象は火災だけではない

火災保険は、次のようなケースで建物や家財が損害を受けたときに支払われます。
・火災
・落雷
・破裂・爆発
・風災・雹(ひょう)災・雪災
・水災
・外部からの衝突・飛来・落下
・水濡れ
・盗難
・不測かつ突発的な事故
火災保険で補償されるのは火災だけではありません。自然災害、事故による損害も補償対象に含まれます。保険会社によっては、一部の補償を対象外にすることも可能です。補償範囲を限定することで、保険料を抑えられます。

火災保険の保険料は人によって大きく異なる

火災保険の保険料は、主に以下の要素で決まります。
【建物の場合】
・建物の評価額
・建物の構造
・築年数
・水災リスク
・補償内容
・保険金額
・支払方法
新築の場合、建物の評価額が建築価額となります。新築ではない場合は、当時の建築価額がわかっているときは「建築価額×価格変動率(建築費倍率)」、不明なときは「1平米あたりの標準的な単価×建物の延床面積」で計算をします。

保険会社に見積りを依頼すれば、建物の評価額は計算してもらえるため、実際に自身で計算することはありませんが仕組みを理解しておきましょう。

また建物の築年数が古いほど、保険料が高くなる傾向があります。2024年10月1日以降の契約は、地域における水災リスクも保険料に反映されるようになりました

さらに補償内容が広い、あるいは保険金額が大きいとそれだけ保険料は高くなります。支払方法は、長期契約をするほど保険料が安くなる傾向があります。

一方家財の保険料も家財の評価額で決まります。家財の評価額は、家財の金額をひとつひとつ評価する方法もありますが、世帯主の年齢や家族構成で概算を決める方法が一般的です。概算は保険会社のパンフレットなどで確認できます。

このように火災保険はさまざまな要素で決まるため、人によって大きく異なります。

免責金額を設定すれば保険料の節約につながる

免責金額を設定すると、保険料が安くなります。免責金額とは自己負担のことです。例えば、建物の火災保険で5万円の免責金額を設定した場合、30万円の損害が発生しても支払われる金額は「30万円―免責金額5万円=25万円」となります。

免責金額を高くするほど保険料は抑えられますが、万が一のときに支払われる保険金額が減るため注意が必要です

火災保険を見直して引っ越し後の備えを万全にしよう

火災保険は引っ越し前後の住居が賃貸か持ち家かで引き継げるケースと、引き継げないケースがあります。

引っ越しにともなって新たに火災保険に加入するときは、保険料を二重に支払うことがなく、なおかつ保険期間後の事故が生じないよう、これまでの火災保険を解約するタイミングを考えることが大切です。

また引っ越し前の地域と、引っ越し後の地域では災害リスクが異なります。見直すときは、補償範囲や保険期間、地震保険の要否について十分検討しましょう。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
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