火災保険の家財対象とは?家電の故障など支払い例や範囲を解説
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この記事では、家財補償の対象や対象外のもの、保険金が支払われる具体的なケース、保険金額の設定目安について解説します。家財補償への加入を検討している方や、補償範囲を確認したい方はぜひお役立てください。
監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司
東証一部上場企業で10年間勤務後、業務中の交通事故を機に福利厚生や社会保障に関心を持ち、学びを深める。
現在はファイナンシャルプランナーとして、個人・法人の相談対応やテレビ番組のコメンテーター、セミナー講師(年約100件)として活動。健康とお金を軸に豊かなライフスタイルを発信している。
目次
家財保険とは?補償される範囲と対象になるもの
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家財補償では、火災による焼失や消火活動の水ぬれだけでなく、風災・水災・盗難・破損や汚損など、契約プランに応じたさまざまな損害がカバーされます。以下の表は、家財保険で補償される主な損害の種類と内容をまとめたものです。
損害の種類 | 内容 |
火災・落雷・爆発 | 火災による焼失、落雷による家電の故障、ガス爆発による損害 |
風災・雪災・雹(ひょう)災 | 台風などの強風、雹や霰(あられ)、豪雪の際の雪の重み、雪の落下、雪崩による損害 |
水災 | 台風や豪雨による洪水・高潮・土砂崩れなどによる損害 |
物体の衝突・落下・飛来 | 飛び石や車の飛び込みといった建物外部からの物体の衝突・落下・飛来による損害 |
水ぬれ | 給排水設備の破損や詰まりなどによって発生した漏水や放水、溢水による損害 |
汚損や破損など | 子どもの行為による破損のように、事前に予測できない突発的な事故による損害 |
盗難 | 家財の盗難による損害 |
騒じょう・集団行動などに伴う暴力行為 | 集団行動などに伴う暴力・破壊行為による損害 |
なお、建物と家財では補償の対象が明確に区別されています。建物は住居そのものや門・塀・物置など不動産に該当するものが対象で、家財は建物内に収容されている家具や家電などの動産が対象です。
賃貸住宅の場合、建物の火災保険を大家が契約しています。そのため、借主は「家財のみ」で加入するのが一般的です。持ち家の場合は、建物、家財のどちらも自身の所有物なので、「建物+家財」のセットでの加入を検討しましょう。
また、地震・噴火・津波を原因とする損害は火災保険では補償されないため、これらのリスクに備えるには火災保険に付帯する形で地震保険に加入する必要があります。
家具や家電など家財補償の対象となるもの一覧
家財補償の対象になるものとならないものの主な例は、以下の通りです。
家財補償の対象になるもの | 家財補償の対象にならないもの |
・家具類(ソファ、テーブル、ベッド) | ・自動車、125cc超のバイク |
ただし、賃貸住宅で借主自身が持ち込んだエアコンなどは「家財」として扱われる場合もありますので、契約時に確認しておくとよいでしょう。
自動車や30万円超の貴金属など対象外になるもの
まず、自動車や125ccを超えるバイク(二輪の場合は総排気量125cc超、三輪以上の場合は総排気量50cc超)は家財保険の対象外です。これらは自動車保険など別の保険で備える必要があります。
通貨や有価証券、クレジットカード、印紙、切手なども原則として対象外ですが、盗難補償が付帯されている契約では、盗難に限り一定額まで補償される場合もあります。
そのほか、動物や植物、パソコンのデータやソフトウェアといった無形資産、業務用の設備や商品なども家財保険では補償されません。
注意が必要なのは、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や美術品などの高額品(明記物件)です。これらは契約時に個別に申告して保険証券に記載(明記)しておかないと、十分な補償を受けられない場合があります。
洗濯機やテレビも?家財保険の具体的な支払い例
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隣家の火事で家具が損傷した
・消火活動による水ぬれで使用不能になった家財
また、損害が家財に及んだ場合、家財補償に加入していなければ補償を受けられません。
台風や水濡れで冷蔵庫や洗濯機が故障した
・床上浸水が発生した場合
・地盤面から45cmを超える浸水があった場合
たとえば、水道管の破裂でソファが濡れて使用できなくなったケースや、冷蔵庫・テレビなどの家電が浸水で故障したケースが該当します。
ただし、経年劣化による故障や水漏れの原因となった給排水管そのものの損害は、補償の対象外です。
また、火災保険はあくまで突発的な事故による損害を補償するものであり、長期間の使用に伴う自然な消耗や劣化で故障した家電は対象になりません。
子どもがテレビを壊した
このような日常生活で起こりうる偶然の事故は、「不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)」として家財保険で補償される可能性があります。
たとえば、「子どもがおもちゃを投げてテレビの液晶画面を割ってしまった」「掃除中に家電製品を落として壊してしまった」などが代表的なケースです。
ただし、補償されるのは偶然かつ突発的な事故に限られます。故意に壊した場合や、日常的に使用することによるすり傷や外観上の軽微な損傷は対象外です。
小さな子どもがいる家庭では、思わぬ事故で家財が壊れることも珍しくないため、破損・汚損の補償が含まれるプランへの加入を検討しましょう。
また不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)に関しては、スマートフォンやタブレット、めがね、コンタクトレンズなど補償対象外の家財もあるので、各保険会社のパンフレットの「お支払いできない場合」を必ずチェックして、把握しておくことが大切です。
落雷でパソコンやテレビが故障した
パソコンのほかにも、テレビやゲーム機、電話機などの電子機器が壊れた場合にも補償されます。
ただし、補償の対象となるのはハードウェア(本体)の損害のみです。落雷によって消失したデータやソフトウェアは無形資産にあたるため、家財保険では補償されません。
また、スマートフォンなどの携帯式通信機器やノートパソコンなどの携帯式電子事務機器については、保険会社によっては破損等のリスクが補償対象外となる場合があります。契約内容によって取り扱いが異なりますので、加入時に確認しておくことが大切です。
敷地内での自転車や原付バイクの盗難に遭った
家財保険における盗難補償では、建物内や敷地内に収容されている家財が盗まれた場合に保険金が支払われます。空き巣に入られて家財が盗まれたケースや、敷地内に駐輪していた自転車が盗まれたケースなどが該当します。
一方で、自宅の敷地外で発生した盗難については、基本的な家財保険では補償されないことが多い点に注意が必要です。たとえば、駅前の駐輪場に止めていた自転車が盗まれた場合は、原則として家財保険の補償対象外となります。
敷地外での盗難リスクに備えたい場合は、自宅外に持ち出した家財を補償するプランを用意している保険会社もあるので検討してみましょう。
自動車が自宅に飛び込み家具が破損した
しかし、加害者が特定できない場合や、無保険車による事故、あるいは加害者に賠償能力がない場合には、家財保険での対応が可能です。
家財保険で補償を受けるためには、契約内容に「建物外部からの物体の落下・飛来・衝突」の補償が含まれている必要があります。この場合、自動車の衝突で破損した家具や家電製品、窓ガラスの破片で傷ついた家財などの損害が補償対象となります。
火災保険に家財補償は必要か?金額設定のポイント
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貯蓄で再調達できない場合は加入を検討する
とくに、新婚世帯や子どもがいる家庭では家財の量が多くなりやすく、再調達にかかる費用も高額になる傾向があります。こうした世帯では、家財補償への加入を積極的に検討するとよいでしょう。
また、賃貸住宅では契約時に火災保険(家財保険)への加入が必須条件となっているケースも多く見られます。
ただ、賃貸住宅の家財保険では、借家人賠償責任特約(借りている部屋を火災などで損壊させた際に、大家への賠償責任をカバーする特約)を付加しているかどうかが重視されます。
賃貸物件を借りる際は、不動産会社から案内される保険の補償内容をしっかり確認したうえで、自身の生活スタイルに合った契約を選びましょう。なお、自身で任意の賃貸物件向けの家財保険を選べるケースもあります。
家族構成や専有面積ごとの保険金額の目安
とはいえ、すべての家財を一つひとつ積み上げて計算するのは手間がかかりますので、保険会社が用意している「簡易評価表」を活用すると、目安額を把握しやすくなります。
以下は、世帯主の年齢と家族構成をもとにした家財の再調達価額の目安です。
【家族構成による目安】
| 家族構成 | 2名 大人のみ | 3名 大人2名 子ども1名 | 4名 大人2名 子ども2名 | 5名 大人2名 子ども3名 | 独身世帯 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 世帯主の年齢 | 25歳前後 | 490万円 | 580万円 | 670万円 | 760万円 | 300万円 |
| 30歳前後 | 700万円 | 790万円 | 880万円 | 970万円 | ||
| 35歳前後 | 920万円 | 1,000万円 | 1,090万円 | 1,180万円 | ||
| 40歳前後 | 1,130万円 | 1,220万円 | 1,310万円 | 1,390万円 | ||
| 45歳前後 | 1,340万円 | 1,430万円 | 1,520万円 | 1,610万円 | ||
| 50歳以上 | 1,550万円 | 1,640万円 | 1,730万円 | 1,820万円 | ||
【専有面積による目安】
専有面積 | 持ち家 | 賃貸 |
33u(10坪)未満 | 580万円 | 350万円 |
33〜66u(10〜20坪)未満 | 960万円 | 640万円 |
66〜99u(20〜30坪)未満 | 1,210万円 | 900万円 |
99〜132u(30〜40坪)未満 | 1,580万円 | 1,150万円 |
132u(40坪)以上 | 1,930万円 | 1,420万円 |
高額な家具や家電を多く所有している場合は目安よりも高めに、逆に必要最小限の家財で生活している場合は低めに設定するなど、実態に合わせて金額を調整するようにしましょう。
保険金額を過大に設定すると保険料が無駄になり、過少に設定すると万が一のときに十分な補償が受けられない可能性があります。
火災保険加入時には家財の対象をしっかり確認しよう
保険会社の簡易評価表を参考にして、実際の生活スタイルに合わせて必要な補償額を決めるようにしましょう。
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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司
東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
・CFP ®資格(資格番号:90260739)
・日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事