住宅ローンと火災保険の関係とは?加入必須の理由や選び方を解説

住宅ローンと火災保険の関係とは?加入必須の理由や選び方を解説

住宅ローンでマイホームを購入する際、検討が欠かせないのが火災保険です。ほとんどの金融機関では融資条件として加入を求めており、未加入の場合は融資が実行されないケースもあります。

本記事では、火災保険が必要な理由や選び方のポイント、手続きの流れ、完済後の注意点までをわかりやすく解説します。これから住宅購入を考えている方が、自分に合った火災保険を選ぶための判断材料としてお役立てください。
ファイナンシャルプランナー 金子賢司

監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司

東証一部上場企業で10年間勤務後、業務中の交通事故を機に福利厚生や社会保障に関心を持ち、学びを深める。

現在はファイナンシャルプランナーとして、個人・法人の相談対応やテレビ番組のコメンテーター、セミナー講師(年約100件)として活動。健康とお金を軸に豊かなライフスタイルを発信している。

mokuji目次

  1. 住宅ローンを組むなら火災保険への加入は必須
    1. 融資条件として金融機関が加入を求める理由
    2. 未加入の場合は融資が実行されない可能性がある
  2. 住宅ローン向け火災保険の選び方と見直しのポイント
    1. 保険会社は自分で自由に比較して選択できる
    2. 補償内容は「建物」と「家財」のリスクで決める
    3. 保険期間や支払い方法で保険料を調整する
    4. 引き渡し日に間に合うよう事前審査から検討する
  3. 住宅ローン完済後の火災保険の扱いや質権設定
    1. 質権設定がされている場合は抹消手続きを確認する
    2. 完済後も火災保険の継続・見直しは必要
  4. 住宅ローン申込時には火災保険の検討を始めよう

住宅ローンを組むなら火災保険への加入は必須

住宅ローンを組むなら火災保険への加入は必須

住宅ローンを利用してマイホームを購入する場合、ほとんどの金融機関では融資条件として火災保険への加入を求めています。これは、住宅が火災や自然災害で損害を受けた際に、金融機関と契約者の双方を経済的リスクから守るためです。

具体的な理由や未加入のリスクについて、以下で解説します。

融資条件として金融機関が加入を求める理由

金融機関が火災保険への加入を融資条件とするのは、担保となる建物の価値を守るためです。住宅ローンでは、融資の対象となる建物に抵当権が設定されています。

抵当権とは、ローンの返済が滞った場合に、金融機関がその建物を売却して融資金を回収できる権利のことです。火災や自然災害で建物に損害が生じると、この担保としての価値が下がり、金融機関にとっては債権の回収が困難になるおそれがあります。

一方、契約者(債務者)の側にとっても、火災保険は生活を守るための備えとなります。住宅が損害を受けたときに火災保険がなければ、修繕費用や再建費用を自己資金でまかないながら住宅ローンの返済もしなければなりません。

こうした家計破綻のリスクを防ぐことも、金融機関が火災保険の加入を求める理由のひとつです。火災保険は金融機関の債権保全と契約者の生活再建の双方を支える役割を担っています。

未加入の場合は融資が実行されない可能性がある

多くの金融機関では、融資実行日(物件の引き渡し日)までに火災保険の加入手続きが完了していることを条件としています。物件の引き渡し以降に発生した住宅の損害は所有者の責任となるため、その時点で補償が開始されていなければなりません。

火災保険に未加入のまま引き渡し日を迎えた場合、物件の引き渡しを受けられなかったり、融資そのものが実行されなかったりするケースもあります。住宅購入のスケジュール全体に影響を及ぼす可能性があるため、早めの対応が求められます

また、火災保険の契約条件によっては、申し込みから補償開始までに2〜3週間かかることもあります。 引き渡し日までに確実に加入できるよう、住宅ローンの申し込みと並行して早めに火災保険の検討を進めておきましょう。

住宅ローン向け火災保険の選び方と見直しのポイント

住宅ローン向け火災保険の選び方と見直しのポイント

住宅ローン契約時に加入する火災保険は、補償範囲や保険期間、支払い方法など、さまざまな検討ポイントがあります。金融機関から特定の火災保険を提案されることもありますが、契約者自身が自由に保険会社や補償内容を選ぶことが可能です。

また、戸建てとマンションでは必要な補償内容が異なるケースもあります。たとえば、マンションでは上階からの水漏れリスクへの備えが重要になるなど、物件の特性に応じて補償内容を選ぶことが大切です。

ここでは、火災保険を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。

保険会社は自分で自由に比較して選択できる

住宅ローンの契約時に金融機関から火災保険を提案されることがありますが、その保険に必ず加入しなければならないわけではありません。契約者は、自分で選んだ保険会社の火災保険に加入することができます

金融機関が融資の立場を利用して特定の保険会社や商品への加入を不当に強制することは、保険業法上問題とされます。また、業界ガイドラインでも顧客の自由な選択を妨げない説明が求められています。

自分で火災保険を探すことで、より自分の住まいに合った補償内容を選べるだけでなく、保険料を抑えられる可能性もあります。複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容と保険料を比較したうえで判断すると良いでしょう。

補償内容は「建物」と「家財」のリスクで決める

火災保険の補償対象は「建物」と「家財」の2種類に分かれており、それぞれ個別に契約するかどうかを選択できます。

住宅ローンでは「建物」への保険加入が融資条件となっているケースがほとんどですが、万が一の際、生活再建を考えるうえでは「家財」への補償も検討する必要があります。

家財とは、家具や家電製品、衣類など、住居内にある生活用の動産のことです。建物だけの補償では、火災などで家財が損害を受けても保険金は支払われません。特に新生活のスタートで家電や家具を一式そろえるタイミングでは、家財の補償も合わせて加入しておくと安心です。

また、補償内容を検討する際には、自治体が公開しているハザードマップを確認しておきましょう。ハザードマップとは、洪水や土砂災害などの被害が想定される区域や避難場所を地図上に示したものです。

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や各自治体のホームページから閲覧できます。水災リスクが高い地域であれば水災補償を手厚くするなど、住まいの立地に合わせて補償を選ぶときの目安になります。

保険期間や支払い方法で保険料を調整する

火災保険の保険期間は、2022年10月の改定により最長5年に短縮されました。 以前は最長10年の契約が可能でしたが、 自然災害の増加により将来のリスク予測が困難になったことを受けて、各損害保険会社が保険期間を見直しています。

保険料の支払い方法には、一括払い・年払い・月払いがあります。一般的に、長期契約の一括払いを選択すると、1年ごとに契約を更新するよりも保険料の総支払額を抑えることが可能です。

一方、月払いは1回の支払額が少なく家計への短期的な負担は軽いものの、総支払額は割高になる傾向があります。

それぞれの支払い方法のメリットとデメリットは、次の表のとおりです。

支払い方法

特徴・メリット

デメリット・注意点

一括払い
(最長5年)

・総支払額を最も安く抑えられる傾向にある
・契約更新の手間が少ない

・一度に支払う金額が大きくなるため、初期費用の負担が増える

年払い

・月払いよりも総支払額を抑えられる
・一括払いほど一度の負担は大きくない

・一括払いに比べると総支払額は割高になる
・毎年まとまった支出の準備が必要

月払い

・一回の支払額が少なく、家計への短期的な負担が軽い

・総支払額は最も割高になる傾向がある

住宅ローンの返済期間が保険期間よりも長い場合は、火災保険が満期を迎えるたびに契約を更新する必要があります。

更新のタイミングでは、自宅を取り巻くリスクに見合った補償内容になっているかを確認しましょう。また、保険料が変更されている場合もあるため、そのつど見直しを行うことが大切です。

引き渡し日に間に合うよう事前審査から検討する

火災保険の比較・検討タイミング

火災保険は、住宅の引き渡し日(融資実行日)までに補償が開始されている状態にしておく必要があります。そのため、住宅ローンの事前審査を申し込む段階から、火災保険の情報収集や比較検討を始めるのが理想的です。

住宅ローンの事前審査申し込みから融資実行までは、一般的に1ヶ月程度かかるとされています。また、火災保険の申し込みから補償開始までに2〜3週間を要するケースもあるため、早めに動くことが重要です。

具体的なスケジュールの目安としては、住宅ローンの事前審査申し込みの時期に火災保険の情報収集を開始し、本審査の申し込みまでには複数社の見積もりを取得しておくとよいでしょう。

住宅ローン契約の前には、加入する火災保険を決定し、引き渡し日までに保険契約の手続きを完了させます。融資実行時に金融機関から保険証券や加入証明書の提出を求められるため、直前で慌てることのないよう計画的に進めることが大切です。

住宅ローン完済後の火災保険の扱いや質権設定

住宅ローン完済後の火災保険の扱いや質権設定

住宅ローンを完済した後も、火災や自然災害のリスクがなくなるわけではありません。住まいという資産を守り続けるために、完済後も火災保険の継続を検討しましょう。

また、住宅ローン契約時に火災保険へ「質権設定」されている場合は、完済時に抹消の手続きが必要です。ここでは、完済後の火災保険の扱いと質権設定について解説します。

質権設定がされている場合は抹消手続きを確認する

質権設定とは、住宅ローンの担保として、火災保険の保険金請求権に対して金融機関が質権を設定することです。質権が設定されている場合、火災などで保険金が支払われる際に、金融機関が契約者よりも優先して保険金を受け取ることができます。

かつては住宅ローン契約時に質権設定を求められるケースが多くありましたが、近年では質権設定を求めない金融機関も増えています。 ただし、質権が設定されている場合は、住宅ローンを完済した時点で質権の抹消手続が必要です。

質権抹消の手続きを行わないと、保険金の請求時に金融機関の承認が必要になるなど、不便が生じる場合があります。完済時には金融機関に質権設定の有無を確認し、必要な手続きを忘れずに行いましょう。

完済後も火災保険の継続・見直しは必要

住宅ローンを完済すると火災保険の加入義務はなくなりますが、だからといって解約してしまうのは避けたいところです。特に、築年数が経過した住宅は、設備の老朽化による火災リスクが高まる場合もあります。

完済のタイミングは、長年同じ内容で契約してきた火災保険を見直す良い機会です。補償内容が現在の生活状況に合っているか、保険料に無駄がないかを改めて確認してみましょう。

また、住宅ローン契約時には付帯していなかった地震保険の追加を検討するのもひとつの方法です。

「住宅ローンを完済したら火災保険はいつまで続ければよいのか」という疑問を持つ方もいますが、住宅を所有している限り、災害リスクに備えるための火災保険は継続することが望ましいでしょう。

住宅ローン申込時には火災保険の検討を始めよう

マイホーム購入時の住宅ローン契約では、火災保険への加入が必須となります。この火災保険は、住まいと家族の生活を守る大切な備えです。保険会社は自由に選択でき、補償内容や保険料もさまざまです。

そのため、住宅ローンの事前審査を申し込む段階から、じっくりと火災保険の検討を始めることをおすすめします。必要な補償を見極め、家計の負担も考慮しながら、納得のいく火災保険を選びましょう。

また、地震大国である日本では、地震保険の加入も併せて検討することが賢明です。マイホームという大切な資産を守るため、火災保険選びは慎重に進めていきましょう。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
ファイナンシャルプランナー 金子賢司

監修者ファイナンシャルプランナー 金子賢司

東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。

以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

・CFP ®資格(資格番号:90260739)
・日本FP(ファイナンシャルプランナー協会)幹事

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