住宅ローンと火災保険の必要性とは?検討すべきポイントを徹底解説

住宅ローンと火災保険の必要性とは?検討すべきポイントを徹底解説

住宅ローンでマイホームを購入する際、必ず検討しなければならないのが火災保険です。

ほとんどの金融機関では、住宅ローンの融資条件として火災保険への加入を求めています。これは、住まいを災害から守り、安定した返済を継続するために欠かせない備えとなります。

本記事では、住宅ローンと火災保険の関係性をはじめ、火災保険選びの重要なポイントや手続きの流れ、注意点までを体系的に解説します。マイホーム購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 住宅ローンを組むには火災保険の加入が必要
    1. 住宅ローンを組むときに火災保険への加入が必要な理由
    2. 火災保険会社は自分で選択できる
    3. 火災保険の補償範囲
    4. 火災保険の補償対象となる損害
  2. 住宅ローン申込時に検討すべき火災保険の内容
    1. 火災保険の期間
    2. 火災保険の金額
    3. 火災保険の補償内容
    4. 地震保険への加入も検討する
    5. 火災保険料の支払い方法
  3. 住宅ローンと火災保険加入の流れ
  4. 住宅ローンと火災保険の注意点
    1. 質権設定が必要か確認する
    2. 住宅ローン専用の火災保険も検討する
    3. 内容を必要に応じて見直す
    4. 住宅ローン完済後のプランも考えておく
  5. 住宅ローン申込時には火災保険の検討を始めよう

住宅ローンを組むには火災保険の加入が必要

住宅ローンを組むには火災保険の加入が必要

マイホームを購入する際に欠かせない火災保険は、火災はもちろん、自然災害による被害も補償する大切な保険です。住宅ローンを契約する際、ほとんどの金融機関では融資条件として火災保険への加入が不可欠となっています

マイホームと家族の暮らしを守るため、火災保険について理解していきましょう。

住宅ローンを組むときに火災保険への加入が必要な理由

万が一の火災や災害で住宅が損傷すると、自宅に住めなくなるだけでなく、住宅ローンの返済義務は継続します。新たな住まいの確保費用も必要となり、返済と併せて大きな経済的負担が生じる可能性も。

一方で金融機関にとっても、担保となっている建物が失われることは債権回収が困難になるリスクを意味します。このような事態を防ぐため、住宅ローン契約時に火災保険の加入を求めているのです

火災保険会社は自分で選択できる

住宅ローンの手続き時に、金融機関から提携している保険会社の火災保険を案内されることがありますが、どの保険会社と契約するかは自由に選択できます

金融機関が住宅ローンを提供する立場を利用して保険加入を強制することは法律で禁止されており、提案された保険に加入しなくても住宅ローン契約に不利益は生じません

火災保険の補償範囲

火災保険では、以下の3つから補償範囲を選択できます。
【火災保険の補償範囲】
・建物のみ
・家財のみ
・建物と家財
建物と家財に含まれる具体的な項目は以下の通りです。

建物

家財

・建物本体とその基礎部分
・畳・建具・備え付けの収納
・電気・ガス・冷暖房等の設備
・浴槽・流し・調理台
・門・塀・車庫・カーポート

・家具・家電製品
・家庭用の食器・日用品
・自転車・125cc以下の原動機付自転車
・衣服やカーテン
・貴金属・骨董品
(※高額貴金属等は別途申告が必要な場合がある)

火災保険の補償対象となる損害

【補償対象となる損害】
・火災、落雷、破裂・爆発
・風災、雹(ひょう)災、雪災
・水濡れ、外部からの物体の衝突
・水災
・盗難
火災保険は「火災」という名称ですが、実際には住まいを取り巻くさまざまなリスクに対応する総合的な保険です。ただし重要な注意点として、地震・噴火やこれらによる津波を原因とする損害は、通常の火災保険では補償されません

これらの自然災害による被害に備えるには、別途地震保険への加入が必要となります。

住宅ローン申込時に検討すべき火災保険の内容

住宅ローン申込時に検討すべき火災保険の内容

住宅ローンの契約にあたり、火災保険に関する重要な検討ポイントとして、以下があります。

火災保険の期間
火災保険の金額
火災保険の補償内容
地震保険への加入
火災保険料の支払い方法

以降では、それぞれについて解説します。

火災保険の期間

火災保険は住宅ローンの返済期間をカバーできるよう設定する必要があります。以前は30年以上の長期契約も可能でしたが、現在は最長でも5年となっています

そのため、住宅ローンの返済期間が長期にわたる場合は、自動継続特約を付けて更新していく方法が一般的です。

この際、1年や5年などの更新期間を選択できますが、長期での契約ほど保険料の割引が大きくなる傾向にあります。例えば、1年契約を5回更新するより、5年契約で加入するほうが総支払い額を抑えられます。

火災保険の金額

火災保険の保険金額は、住宅の再調達価額(同等の建物を再建築・再購入するのに必要な金額)を基準に設定します。多くの金融機関では、建物の評価額以上の補償があることを条件としています。

住宅ローンの借入額とは別に考える必要があり、実際に建物を再建できる金額で設定することが重要です。借入額と同等の保険金額では、返済だけで終わり、新しい住宅を準備できなくなる可能性があるためです

保険金額は、建築年月や新築時購入価格(土地代を除く)、建物の所在地域と構造、延床面積などから算出されます。

火災保険の補償内容

火災保険の商品タイプには、一定の補償を束ねて提供するパッケージ型と、契約者自身で補償を選択するカスタマイズ型があります。パッケージ型は商品選びが簡単ですが、個々の補償は選べず保険料は固定的です。

一方、カスタマイズ型は自ら補償を選択する必要がありますが、必要な補償に絞ることで保険料を調整できます。水害ハザードマップで確認した水災リスクなど、所在地の災害リスクを踏まえた補償内容を選択することが大切です。

家族構成や生活スタイルに応じて必要な補償を見極めましょう。

地震保険への加入も検討する

地震大国である日本では、地震保険への加入を強くおすすめします。火災保険だけでは地震や噴火、これらによる津波を原因とする損害は補償されないためです。地震保険は単独での加入はできず、必ず火災保険とセットでの契約が必要です。

保険金額は火災保険の30〜50%の範囲内で設定でき、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度額となります。

また、地震保険料は税制優遇の対象となり、所得税(国税)で最大50,000円、住民税(地方税)で最大25,000円の控除を受けられます。

火災保険料の支払い方法

保険料の支払い方法は、月払い、年払い、一括払いから選択できます。同じ保険期間であっても、支払い方法によって総支払い額は異なり、月払いよりも年払い、年払いよりも一括払いの順で総支払い額を抑えられる傾向にあります。

ただし、一括払いは一度の支払い額が大きくなるため、無理のない範囲で検討することが必要です。また、住宅ローンの諸費用と重なる契約時期では、当面の支出を考慮して支払い方法を選択することも検討しましょう。

住宅ローンと火災保険加入の流れ

住宅ローンと火災保険加入の流れ

マイホームの取引において、物件の引き渡し時および住宅ローンの融資実行時には、火災保険の補償が開始されている必要があります。物件の引き渡し以降に発生した損害は、所有者の責任で修繕することになるためです。

なお、火災保険は契約条件により、申し込みから補償開始まで2〜3週間ほどかかることがあります。そのため、住宅ローンの事前審査申し込みの段階から、火災保険の検討を始めることをおすすめします
住宅ローン 火災保険
住宅ローンの事前審査を申し込む 火災保険の情報収集を始める
建物の売買契約を締結する
住宅ローンの本審査を申し込む 見積もりの作成
火災保険の申し込み
住宅ローン契約の締結
住宅ローンの融資実行・建物の引き渡し 火災保険の補償開始
住宅ローンの事前審査申込みから融資実行までは約1ヶ月程度かかりますので、この期間を活用して火災保険の内容をじっくりと検討することができます。慌てずに自分に合った保険を選びましょう。

住宅ローンと火災保険の注意点

住宅ローンと火災保険の注意点

住宅ローンと火災保険の契約においての重要なポイントとして、以下があります。

質権設定が必要か確認する
住宅ローン専用の火災保険も検討する
内容を必要に応じて見直す
住宅ローン完済後のプランも考えておく

これらの点を事前に押さえておくことで、より適切な火災保険の選択が可能になります。以降では、それぞれについて解説します。

質権設定が必要か確認する

金融機関によって、火災保険への質権設定の要否が異なります。質権設定とは、火災保険の保険金を請求する権利を金融機関に設定することです。

質権を設定すると、火災等で住宅が損傷した際の保険金は金融機関が直接受け取ることができ、住宅ローンの返済に充てることが可能になります。

近年は質権設定を求めない金融機関も増えていますので、住宅ローン契約時に確認しておくとよいでしょう。質権設定がある場合、保険金請求時には金融機関の承認が必要になるなど、手続きが煩雑になることもあります。

住宅ローン専用の火災保険も検討する

火災保険は自由に保険会社を選択できますが、住宅ローンを契約する金融機関が用意している専用の火災保険にも魅力的な特徴があります。

例えば、保険料の割引制度が適用されたり、住宅ローンと火災保険の手続きがワンストップで完了したりするメリットがあります。

また、住宅ローンの返済期間中は契約が自動で継続されるため、更新の手間も省けるでしょう。ただし、他の保険商品と比較検討したうえで、総合的に判断することが賢明です。

内容を必要に応じて見直す

火災保険は契約期間が長期にわたるため、以下のようなタイミングで見直しを検討するとよいでしょう。
【見直しのタイミング】
・契約更新時期
・家族構成の変化があったとき
・建物をリフォームしたとき
・家財を購入・処分したとき
・災害リスクが変化したとき
定期的に補償内容や保険料を見直すことで、その時々のニーズに合った保障を確保できます。

住宅ローン完済後のプランも考えておく

住宅ローンを完済すると、火災保険の加入は必須ではなくなります。しかし、住宅を維持する限り、火災や自然災害のリスクは継続して存在します。生活の基盤である住まいと家財を守るため、完済後も適切な補償を継続することが望ましいでしょう

完済時期に合わせて、それまでの生活環境の変化も踏まえながら、必要な補償内容を見直すことをおすすめします。保険料の支払いは必要経費として考え、安心できる住まいづくりを心がけましょう。

住宅ローン申込時には火災保険の検討を始めよう

マイホーム購入時の住宅ローン契約では、火災保険への加入が必須となります。この火災保険は、住まいと家族の生活を守る大切な備えです。保険会社は自由に選択でき、補償内容や保険料もさまざまです。

そのため、住宅ローンの事前審査を申し込む段階から、じっくりと火災保険の検討を始めることをおすすめします。必要な補償を見極め、家計の負担も考慮しながら、納得のいく火災保険を選びましょう。

また、地震大国である日本では、地震保険の加入も併せて検討することが賢明です。マイホームという大切な資産を守るため、火災保険選びは慎重に進めていきましょう。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。
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