資産運用は30代で始めるべき?始め方やおすすめの運用方法を解説

資産運用は30代で始めるべき?始め方やおすすめの運用方法を解説

30代から資産運用を始めるべきか、迷っていませんか?資産運用と一口にいってもさまざまな方法があるため、自分に合った運用方法を知りたいという人もいるでしょう。

今回は、30代で資産運用を始めたほうがいい理由や、具体的な資産運用の始め方について解説します。30代の人におすすめの資産運用方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

mokuji目次

  1. 30代で資産運用を始めたほうがいい理由
    1. 20代よりも資産運用できる資金が多い
    2. 複利効果を長く得られる
    3. ライフイベントへの備えが必要になる
  2. 30代の資産運用の始め方
    1. 1. 目的・目標金額・期間を明確にする
    2. 2. 現在の資産の合計を把握する
    3. 3. 資産運用に回せる資金を確認する
  3. 30代におすすめの資産運用方法
    1. 投資信託
    2. 株式投資
    3. 債券投資
    4. 外貨預金
    5. NISA
    6. iDeCo
  4. 30代で資産運用を始めるときの注意点
  5. 30代は資産運用を始めるのに適したタイミング

30代で資産運用を始めたほうがいい理由

結論からお伝えすると、資産運用は30代から始めておくのがおすすめです。40代・50代になってからではなく、30代で資産運用を始めたほうがいい理由として、以下の3点が挙げられます。

20代よりも資産運用できる資金が多い

30代になると、20代の頃よりも年収が高くなる傾向があり、暮らしに余裕が生まれる人が増えていきます。勤続年数が長くなるにつれて仕事に必要な知識やスキルが身に付いて昇給したり、役職に就いたりする人も現れ始めるからです。
国税庁が公表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、20代と30代では下記のように平均年収に差があります。

<20代・30代の平均年収>
・20〜24歳:273万円
・25〜29歳:389万円
・30〜34歳:425万円
・35〜39歳:462万円
※国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査

同調査によると全年代の平均年収は458万円であるため、30代後半は平均年収を上回っている人も少なくないことがわかります。月々の支出は人によって差があるものの、20代と比べて30代は余剰資金を確保しやすく、資産運用を始めやすい年代といえるでしょう。

複利効果を長く得られる

30代で資産運用を始めたほうがいいのは、複利効果を長く得られるというメリットもあるからです。複利効果とは、資産運用によって得た利益を元本にプラスして再投資することで、利益がさらなる利益を生んで資産が増えることを指します。反対に、元本のみを運用していくのが単利です。

例えば、300万円を年利3%で運用するとします。単利の場合、利息は毎年9万円で一定です。複利の場合、2年目以降は元本に利息を加えた金額に対して利息が発生するため、利息が増えます。10年運用した場合の差は次のとおりです。
■300万円を年利3%で10年間運用した場合の資産額

運用年数

単利

複利

差額

1年

309万円

309万円

0円

2年

318万円

318万2,700円

2,700円

3年

327万円

327万8,181円

8,181円

4年

336万円

337万6,526円

1万6,526円

5年

345万円

347万7,822円

2万7,822円

6年

354万円

358万2,157円

4万2,157円

7年

363万円

368万9,622円

5万9,622円

8年

372万円

380万310円

8万310円

9年

381万円

391万4,320円

10万4,320円

10年

390万円

403万1,749円

13万1,749円

※1年複利の場合。なお、税金は考慮していません。
同じ元本300万円でも、単利と複利では10年間で13万円以上の差が生じています。資産を運用する期間が長いほど複利効果を得やすくなるため、40代以降よりも30代から資産運用を始めておくのがおすすめです。

ライフイベントへの備えが必要になる

30代に入ると結婚や出産、子育てのほか、住宅購入など多くのライフイベントを経験する人が増えていきます。こうしたライフイベントでは、まとまった費用が必要になるのが一般的です。
備えとして預貯金を増やすという方法もありますが、それだけでは難しいケースが多いと考えられます。金融広報中央委員会の「家計の消費行動に関する世論調査」によれば、各年代の預貯金平均額は下記のとおりです。

<年代別・平均預貯金額>
・20代:131万円
・30代:419万円
・40代:496万円
・50代:705万円
・60代:1,090万円
・70代:954万円
※金融広報中央委員会「(参考)家計の消費行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)

調査結果を見ると、平均預貯金額が最も多い60代であっても1,000万円程度にとどまっているのが実情です。老後の資金も必要であることを考えると、やはり預貯金ですべてをカバーすることは困難でしょう。将来への備えを計画的に進めていくためにも、30代から資産運用を始めたほうが良いといえます。

より詳しい30代の平均資産保有額や預貯金額については、下記の記事をご覧ください。
30代の平均資産保有額・預貯金額は?効率良く資産を増やす方法も解説

30代の資産運用の始め方

30代の資産運用の始め方

30代から資産運用を始めるにあたって、具体的に何をすれば良いのでしょうか。資産運用の始め方を順に見ていきましょう。

1. 目的・目標金額・期間を明確にする

まず、資産運用に取り組む目的と目標金額を明確にします。例えば、「結婚資金を貯めたい」「住宅購入時の頭金を用意したい」「子供の教育資金を準備したい」「老後資金を用意したい」など、資産運用の目的は人によってさまざまです。目的によって目標金額や運用できる期間が異なるため、目的をしっかりと決めておく必要があります。
漠然と資産運用を始めるのではなく、「何のために(目的)」「いくら(目標金額)」「いつまでに(期間)」資産を形成するのかを明確にしておきましょう

2. 現在の資産の合計を把握する

次に、現在の資産合計を把握しておく必要があります。預貯金や手元の現金のほか、保険、車・不動産などの資産を書き出していくといいでしょう。
仮に目標金額が2,000万円で現状の資産合計額が300万円なら、残りの1,700万円が運用によって形成すべき資産とわかります。

3. 資産運用に回せる資金を確認する

資産運用は余剰資金で行うのが基本です。今すぐに必要な生活費や、近い将来使う予定のあるお金を資産運用に回してしまうと、短期間で資金を引き出すことになりかねません。現状の収支についても把握した上で、資産運用に回せる資金を確認しておくことが大切です。

資産運用に回せる資金を確認することは、現状の収支を見直すきっかけにもなります。使っていないサブスクリプションサービスがないか、補償内容が重複している保険がないかなどを確認・整理していきましょう。家計の見直しを通じて、資産運用に回せる資金を確保していくことも重要なポイントのひとつです。

30代におすすめの資産運用方法

30代におすすめの資産運用方法

続いては、30代におすすめの資産運用方法を紹介します。それぞれの資産運用方法の主なメリット・デメリットも紹介しますので、自分に合った運用方法を見つける際に役立ててください。

投資信託

投資信託は、投資家から集めた資金をファンドマネージャーが運用し、得られた利益を配分する仕組みの金融商品です。投資先は株式や債券、不動産など多岐にわたります。

・メリット:投資のプロに資産運用を委ねられるため初心者にも始めやすい
投資信託は、投資のプロに資産運用を委ねられるため、資産運用が初めての人でも安心して始められるほか、相場のチェックや売買に時間が割けない人でも資産運用に取り組むことが可能です。複数銘柄へ分散投資ができるため、リスクを抑えることもできます。商品によっては少額から積立投資が可能なものもあるため、まずは少額から資産運用を始めたいという人にも適しているでしょう。

・デメリット:短期間で大きな利益を得ることは難しい
特に積立投資の場合は、短期間で大きな利益を期待するのは現実的ではありません。近い将来に必要な資金を貯めたい場合には、投資信託以外の資産運用方法を検討したほうが良いといえます。また、運用にあたり手数料がかかる点もデメリットのひとつです。商品や手数料は金融機関によって異なることから、複数の商品を比較検討した上で選ぶ必要があるでしょう。

株式投資

株式投資とは、上場企業の株式を取得して配当金や売却益を得る資産運用方法のことです。投資と聞くと、最初に株式投資を連想する人も多いのではないでしょうか。国内外に膨大な数の企業があるため、さまざまな投資先を検討できる資産運用方法といえます。

・メリット:配当金に加え、株主優待を受けられる場合がある
株式投資では配当金や売却益を得られるだけでなく、企業によっては株主優待を受けられる場合があります。企業が提供するサービスをお得に利用できたり、株主向けの特別なサービスを活用できたりする点は株式投資に特有のメリットです。
また、株主総会にも参加することにより、株主の一人として会社の意思決定に関わることもできます。

・デメリット:株価が下落する影響を受けやすい
株式投資のデメリットとして、株価が短期間で上下することの影響を受けやすい点が挙げられます。企業の業績や経済・社会情勢、国際情勢など、多種多様な要因によって株価が大きく下落することも決して珍しくありません。取得時の株価よりも下落すれば、結果として損をしてしまうこともありえます。すべての資産を株式投資に回すのではなく、ほかの運用方法と組み合わせるのが得策です。

債券投資

債券投資とは、国や地方自治体、企業などが発行する債券を保有する資産運用方法のことを指します。債券を保有していることで利息を受け取れるほか、償還日には元本と利息が戻ってくる点が特徴です。

・メリット:計画的な資産運用を行いやすく比較的リスクが低い
債券には償還日が定められており、あらかじめ支払われる利息が決まっているため計画的に資産運用に取り組みやすい点がメリットです。また、債券の発行体が破綻しない限り基本的に元本は保証されているため、比較的リスクの低い資産運用方法といえます。リスクを抑えて資産運用に取り組みたい人におすすめの投資先です。

・デメリット:大きなリターンは期待できない
債券投資は比較的リスクが低い一方で、大きなリターンは期待できない点がデメリットです。基本的にローリスク・ローリターンの資産運用方法と捉える必要があります。
また、債券には償還日が定められているとはいえ、万が一発行体が破綻するようなことになれば元本が返ってこない可能性もゼロではありません。

外貨預金

外貨預金とは、米ドルや豪ドルといった日本円以外の通貨による預貯金のことです。日本は長らく超低金利が続いていますが、外貨であれば日本国内よりも高金利が期待できます。
また、円安になった際には為替差益(為替レートの変動により生じる利益)を得られるため、資産を増やすことも可能です。

・メリット:円預金と比べて金利が高い傾向にある
外貨預金は円貯金と比べて高い金利を期待できます。また、あくまでも預貯金であることから、ほかの外貨建て商品と比べて仕組みがシンプルでわかりやすい点もメリットと言えるかもしれません。

・デメリット:為替レートの変動で資産価値が下がる可能性がある
為替レートによっては、預金した時点よりも資産価値が下がる可能性があります。元本が保証されているわけではないため、為替レートを注視していく必要があるでしょう。
また、預け先の金融機関によって手数料が異なる点にも注意が必要です。外貨預金を選ぶ際には、「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を参考に比較検討してみてはいかがでしょうか。

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NISA

NISAとは、国が推奨している「少額投資非課税制度」のことです。この制度を活用することにより、運用で得た利益を全額手元に残しておくことができます。NISAには「つみたて投資枠(年間投資枠120万円)」と「成長投資枠(年間投資枠240万円)」の2種類があり、両方の枠を併用することも可能です。

・メリット:運用で得た利益に税金がかからない
資産運用によって得た利益には、通常20.315%の税金が課されます。一方、NISAであれば利益が非課税となるため、手元に残る利益が減らないという点が大きなメリットです。
また、金融機関によっては数百円など少額からでも始められるため、資産運用が初めての人にとってハードルが低いというメリットもあります。

・デメリット:元本割れのリスクがある
NISAの投資対象となるのは投資信託や個別株となるため、運用結果によっては元本割れとなるリスクもゼロではありません。必ず利益が出ると保証されているわけではない点に注意が必要です。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、毎月一定額の掛金を積み立てて運用し、60歳以降に受け取れる私的年金制度のことです。老後資金を用意したい人におすすめの資産運用方法です。

・メリット:節税効果が期待できる
毎月の掛金が全額所得控除されることに加え、運用益が非課税となるため、節税効果が期待できる点がiDeCoの大きなメリットです。月5,000円の掛金から始められるため、まずは少額から資産運用に取り組みたい初心者にも適しています。

・デメリット:60歳まで資産を引き出せない
iDeCoは、原則60歳まで運用する必要があります。そのため、資金繰りが苦しくなったり、教育費などまとまった費用が必要になったりした場合に、iDeCoに積み立てたお金を引き出すことはできません。iDeCoは老後資金を準備するためのひとつの手段と捉え、ほかの資産運用方法も組み合わせて考える必要があるでしょう。

30代で資産運用を始めるときの注意点

30代で資産運用を始めるときの注意点

資産運用の基本は「長期・分散・積立」です。30代で資産運用を始めるなら、長期にあたって積立投資をしていくことでリスクを分散させる運用方法をおすすめします。一度に多額を投資したり、特定の金融商品に資産を集中させたりすることのないよう注意しましょう。

また、余剰資金の範囲内で運用するよう徹底していくことも重要です。直近で必要な資産や、近い将来必要になる可能性の高いお金をあらかじめ洗い出し、余裕を持って資産運用に回せる金額を明確にしておいてください。

なお、金融機関によって手数料は異なります。手数料が高ければ高いほど、売買したり引き出したりする際に手元に残るお金が少なくなってしまいます。投資先を選ぶ際には、必ず複数の金融機関を比較検討しておくことが大切です。

30代は資産運用を始めるのに適したタイミング

30代は20代と比べて資産運用に回せるお金を確保しやすいことに加え、長期にわたって資産運用に取り組めることから、複利効果を得やすいというメリットがあります。30代から資産運用を始めておくべきか迷っていた人は、今から資産運用に取り組んで、これらのメリットを最大限に活かしてみてはいかがでしょうか。
資産運用方法は複数ありますが、円貯金よりも金利が高い傾向にあり、仕組みが比較的わかりやすい、外貨預金も選択肢のひとつです。金融機関によって手数料や金利などが異なるため、外貨預金を始める際には、十分に比較検討することをおすすめします。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。

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AFP/2級FP技能士 吉田祐基

監修者 AFP/2級FP技能士 吉田祐基

ライター・編集者。編集プロダクションで、Web・紙媒体問わず主に金融系コンテンツの制作を担当後、HRテック企業に制作ディレクターとして入社。お客様向けの会報誌や、記事、Webサイト、PDF資料といった各種コンテンツ制作のディレクション業務ほか、Webメディアの運営を担当。

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

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