資産運用の適切な割合は?預貯金と投資のバランスや注意点を解説

資産運用の適切な割合は?預貯金と投資のバランスや注意点を解説

資産運用には大きく分けて「預貯金」と「投資」という2つの方法があります。資産運用を始めるにあたって、手元の資産のうちどれだけの割合を投資に回したらいいのか、迷っている人も多いのではないでしょうか。

今回は、資産運用における預貯金と投資の適切な割合を考える際のポイントを解説します。初心者におすすめの資産運用方法や、知っておきたい制度も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

日本と世界の資産運用の割合

初めに、日本と世界の資産運用の割合を比較してみましょう。結論からお伝えすると、日本は米国やユーロ圏に比べて現金や預貯金の保有比率が高く、投資に対して消極的な傾向が見られます。

各国やエリアの平均的な金融資産構成は、下記のとおりです。
■日本と米国、ユーロ圏の平均的な金融資産構成

日本と米国、ユーロ圏の平均的な金融資産構成

※日本銀行調査統計局「資金循環の日米比較」(2023年8月)
日本における平均的な金融資産構成のうち、現金・預貯金が占める割合は54.2%であるのに対して、米国では12.6%、ユーロ圏では35.5%といずれも日本より低いことがわかります。

しかし、日本では長年にわたって超低金利が続いており、預貯金による利息収入はほとんど期待できません。よって、投資によって積極的に資産を増やすことが求められます

世帯構成/年代別・資産運用の割合

次に、世帯構成別および年代別の資産運用の割合を紹介します。自分の資産運用の割合と比較してみましょう。

世帯構成別の金融資産の保有額と割合

世帯構成別に見た場合、単身世帯と2人以上世帯の資産運用の割合は下記のようになります。
■単身世帯と2人以上世帯の資産運用の割合
単身世帯 2人以上世帯
金額 割合 金額 割合
金融資産保有額 941万円 100% 1,307万円 100%
預貯金 408万円 43.4% 563万円 43.1%
保険 129万円 13.7% 257万円 19.7%
投資(有価証券) 372万円 39.5% 427万円 32.7%
そのほか 31万円 3.3% 59万円 4.5%
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年(単身世帯調査)」(2024年1月)
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年(二人以上世帯調査)」(2024年1月)
単身世帯と2人以上世帯では、共に預貯金の割合が43%台と最も高くなっています。単身世帯では投資(有価証券)の占める割合が高く、2人以上世帯では保険が占める割合が高いものの、大きな差はないことがわかります。

年代別の金融資産の保有額と割合

次に、年代別の金融資産の保有額と、資産運用の割合を見ていきましょう。
■年代別 金融資産保有額と割合

金融資産保有額

預貯金

保険

投資

その他

20代

151万円

49.7%

17.9%

31.1%

2.0%

30代

599万円

47.9%

11.7%

37.2%

3.2%

40代

811万円

41.9%

20.7%

32.9%

4.2%

50代

1,212万円

39.8%

20.3%

33.9%

5.9%

60代

1,862万円

43.6%

18.1%

35.7%

2.7%

70代

1,683万円

44.1%

17.0%

37.6%

1.3%

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」をもとに、当社が独自に作成
年代が上がるにつれて金融資産保有額は増加傾向にありますが、どの年代においても預貯金の割合は30〜40%台、投資の割合は30%台と大きくは変わりません。年齢を重ねて金融資産保有額が増えていっても、預貯金で保有している割合が高いことがわかります。

資産運用における預貯金と投資の割合

では、資産運用をしていく上で「預貯金」と「投資」の割合をどのように考えるべきでしょうか。基本的な考え方として、投資には「余剰資金」を活用することが大切です。余剰資金とは、日々の生活に必要な資金と、近い将来使い道が決まっている資金を差し引いた残りの資金のことをいいます。

日々の生活に必要な資金には、食費や住宅費、光熱費などのほか、ケガや病気に伴う医療費など、急な出費に備えた予備費が含まれています。近い将来使い道が決まっている資金とは、住宅購入費や子供の教育費など、数年以内に支払う必要があるお金のことです。
■資産運用における預貯金と投資の割合

資産運用における預貯金と投資の割合

生活に必要な資金や近い将来使う資金を投資に回した場合、日々の生活や近い将来の計画に影響を及ぼしかねません。余剰資金の割合によって、預貯金と投資の割合を決める必要があります。

預貯金と投資の割合を考えるときのポイント

預貯金と投資の割合を考えるときのポイント

資産運用における預貯金と投資の適切なバランスを見つけるためには、資産額や将来の計画を総合的に考える必要があります。下記のポイントを参考に、自分の状況に合った割合を見極めましょう。

目標額と期間を決める

資産運用を始める際には、目的を明確にし、必要な資金とその期間を具体的に設定することが重要です。運用の目的がはっきりしていれば、それに適した資産運用の方法を選びやすくなり、現実的な運用計画を立てることができます

例えば、住宅購入費や子供の教育費、退職後の生活費など、目的によって必要な資金額や運用にかける時間は異なります。目標をもとに、どれだけの期間をかけてどの程度の資金を準備するかを計画することで、預貯金と投資の適切な割合を決めることができるでしょう。

自分のリスク許容度を把握する

自分のリスク許容度に応じた預貯金と投資のバランスを見つけることも大切です。リスク許容度とは、投資でどの程度の損失まで許容できるかを表す度合いのこと。損失が大きくなるほど、現在の暮らしや将来の計画に与える影響が大きくなります。

リスク許容度を把握するには、自分の経済状況や将来の目標などを総合的に評価する必要があります。例えば、安定した収入があったり、緊急時に備えた予備費を十分に確保していたりする場合は、比較的高いリスクを許容できるかもしれません。
反対に、将来の収入が不透明であったり、家族を養う責任があったりする場合は、リスク許容度は低めに設定するべきです。

投資金額に応じた資産運用をする

適切な資産運用方法は、投資金額によっても異なります。例えば、投資金額が50万円未満など少額の場合と、100万円以上などまとまった金額の場合とでは、資産運用方法を変える必要があるでしょう。

例えば、50万円以下など少額の場合、投資のリスクを分散させるためは、積立投資のような方法が適しています。毎月一定額をコツコツと投資することで、市場の波に左右されずに長期的な資産形成を目指すことができます。

一方、100万円以上などの大きな金額を投資に回せる場合、資産を分散させる視点を持つことが重要です。特定の金融商品に資産を集中させるのは避け、株式や外貨預金、投資信託など、さまざまな金融資産に分散投資することによって、リスクを分散できます。

初心者におすすめの資産運用方法

資産運用の初心者におすすめしたい方法は、投資信託外貨預金です。それぞれの仕組みとおすすめする理由を解説します。

投資信託

投資信託は、多数の投資家から集めた資金を金融の専門家が運用し、運用利益を投資家へ還元する金融商品です。少額から始められることに加え、銘柄を自分で選択する必要がないことから、初心者にもおすすめの資産運用方法です。
ただし、投資信託は保有するあいだ、手数料や信託報酬と呼ばれるコストがかかります。また、元本保証はされておらず、元本割れのリスクがあることにも注意が必要です。

投資信託については、下記の記事をご覧ください。
外貨預金と投資信託はどっちがいい?初心者向きの投資とは

外貨預金

外貨預金とは、円を米ドルや豪ドル、ユーロといった外国通貨に換えて預金することです。為替変動を利用して利益を得たり、利息収入が期待できたりする点が魅力です。

外貨建ての金融商品の中でも仕組みがわかりやすく、お金の出し入れも比較的しやすいため、初心者にもおすすめの資産運用方法だといえます。預入時よりも円高になると元本割れが発生するリスクもありますが、毎月少額ずつ積み立ててリスクを分散することが可能です。

なお、外貨預金をする上で金融機関やサービス選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをはじめとする、比較サイトを参考にしてください。「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」では、手数料や金利、入出金のしやすさなど、さまざまな観点から外貨預金を比較検討できます。

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知っておきたい税制優遇制度

知っておきたい税制優遇制度

初心者が資産運用する際には、税制優遇制度を活用するのもおすすめです。NISAiDeCoを利用すれば、資産運用のリスクを抑えつつ節税効果も得られます。それぞれの制度の特徴やメリットを見ていきましょう。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)とは、株式や投資信託の売却益や配当金に対し、一定額まで税金がかからない制度です。少額からの投資が可能で、個別の金融商品の売買が必要ないことから、初心者にとっても取り組みやすい運用方法とされています。

NISAには2つの枠が存在します。「成長投資枠」はより積極的に資産を増やすことを目的としており、非課税になる年間の投資上限額は240万円です。一方、「つみたて投資枠」は長期的な積立と分散投資に適しており、年間120万円までが非課税対象となります。目標を短期間で達成したい人には成長投資枠が、長期的な資産形成を目指す人にはつみたて投資枠がおすすめです。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金を積み立てて運用し、60歳以降に受け取ることができる私的な年金制度です。利用者は掛金の額や運用方法を自分で選べ、最低5,000円からの掛金で始めることができます。iDeCoは、所得税や住民税の節税効果に加えて、運用益が非課税となるため、節税しながら資産形成をすることが可能です。

ただし、掛金は積み立てる本人の職業などによって上限が決まっています。また、iDeCoで積み立てたお金は原則として60歳になるまで引き出しができません。この点から、iDeCoは長期の資産運用を計画している人や、老後資金の準備を考えている人に適した選択肢だといえます

預貯金・投資の適切な割合を理解して資産運用を始めよう

資産運用における預貯金と投資の割合は、目標額や資産運用の期間のほか、リスク許容度、投資できる金額など、複数の要素を総合的に判断して決めることが重要です。資産運用の基本と注意点を理解したら、実際に資産運用に挑戦してみましょう。

初心者には、仕組みがわかりやすくお金の出し入れも比較的しやすい外貨預金がおすすめです。オリコンでは日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。

【最新】外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング

外貨預金オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    70.1

    ソニー銀行

  • 2位

    68.9

    住信SBIネット銀行

  • 3位

    67.9

    auじぶん銀行

  • 4位

    67.7

    SMBC信託銀行プレスティア

  • 5位

    67.6

    三井住友信託銀行

  • 6位

    67.1

    SBI新生銀行

  • 7位

    66.9

    楽天銀行

  • 8位

    66.3

    PayPay銀行

  • 9位

    65.9

    三井住友銀行

  • 10位

    65.2

    三菱UFJ銀行

  • 11位

    63.9

    イオン銀行

  • 12位

    63.1

    みずほ銀行

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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