資産運用の適切な割合は?預貯金と投資のバランスや注意点を解説
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今回は、資産運用における預貯金と投資の適切な割合を考える際のポイントを解説します。初心者におすすめの資産運用方法や、知っておきたい制度も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
監修者高見陽子
ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター
元大手銀行で個人営業を担当。現在は資産形成・相続・ライフプランなどの執筆や監修を行い、コンテンツ制作やSNSを通じた情報発信を支援している。
目次
日本人と世界の資産運用における割合の現状
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とはいえ、資産運用への取り組み方は、年代や世帯構成によってさまざまです。ここでは、具体的なデータを使って日本と欧米の金融資産の違いを比較し、年代・世帯別の平均的な貯金と投資の割合を解説していきます。
【データで比較】日本人と欧米の金融資産の割合
各国やエリアの平均的な金融資産構成は、下記のとおりです。
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日本と米国、ユーロ圏の平均的な金融資産構成
しかし、日本では長年にわたって超低金利が続いており、預貯金による利息収入はほとんど期待できません。よって、投資によって積極的に資産を増やすことが求められます。
【年代・世帯別】日本の平均的な貯金と投資の割合
興味深いのは、どちらも預貯金の割合が30%台とほぼ同水準である点です。ただし単身世帯では投資の割合が45%と高く、2人以上世帯では保険の割合が22%と高くなっています。これは家族を持つ世帯がリスクに備える傾向を示しています。
| 単身世帯 | 2人以上世帯 | |||
|---|---|---|---|---|
| 金額 | 割合 | 金額 | 割合 | |
| 金融資産保有額 | 989万円 | 100% | 1,374万円 | 100% |
| 預貯金 | 362万円 | 37% | 582万円 | 42% |
| 保険 | 152万円 | 15% | 250万円 | 18% |
| 投資(有価証券) | 449万円 | 45% | 481万円 | 35% |
| そのほか | 28万円 | 3% | 60万円 | 4% |
あなたの年代や世帯構成と比較して、現在の資産配分を見直してみましょう。
|
金融資産保有額 |
預貯金 |
保険 |
投資 |
その他 |
|
|
20代 |
151万円 |
49.7% |
17.9% |
31.1% |
2.0% |
|
30代 |
599万円 |
47.9% |
11.7% |
37.2% |
3.2% |
|
40代 |
811万円 |
41.9% |
20.7% |
32.9% |
4.2% |
|
50代 |
1,212万円 |
39.8% |
20.3% |
33.9% |
5.9% |
|
60代 |
1,862万円 |
43.6% |
18.1% |
35.7% |
2.7% |
|
70代 |
1,683万円 |
44.1% |
17.0% |
37.6% |
1.3% |
あなたに最適な貯金と投資の割合を決める3つのステップ
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ここでは、実践的な3つのステップを紹介します。ひとつめは、投資に回せる「余剰資金」の計算です。次に、あなたのリスク許容度を把握して投資と貯金のバランスを決定します。最後に年代別のモデルを参考にして、現実的な資産配分に調整していきます。
この3ステップに沿って進めることで、無理のない範囲で効果的な資産運用を始められるでしょう。
ステップ1:投資に回せる「余剰資金」を計算する
まずは手持ちの資産を3つに色分けしましょう。「資産を色分けする」とは、「生活に必要な資金」「近い将来使う資金」「当面使わない資金」に分類することを指します。
「生活に必要な資金」は、食費や住宅費、急な医療費などがあてはまります。目安として3〜6ヶ月分の生活費を確保し、予期せぬ出費に対応できるようにしましょう。「近い将来使う資金」は、住宅購入費や子供の教育費など、数年以内に支払う必要がある資金を指します。
これらを差し引いた「当面使わない資金」が、投資に回せる余剰資金です。生活に必要な資金まで投資に回してしまうと、急な出費や人生設計計画に支障をきたすリスクがあるため、慎重にお金を色分け計算しましょう。
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ステップ2:リスク許容度から投資と貯金のバランスを考える
基本的な資産配分のモデルは3つあります。
・バランス型…50%ずつで、現役世代の中長期運用に最適です。
・積極運用型…預金30%、投資70%で、若年層の長期投資に向いています。
ステップ3:年代別のモデルを参考に資産の割合を調整する
若年層(20代・30代)は将来の収入増加が期待でき、運用期間も長いため積極運用型(預金30%・投資70%)が適しています。
中年層(40代・50代)は収入が安定する一方で支出も増えるため、バランス型(50%ずつ)が現実的です。
高年層(60代以降)は蓄えた資産を守ることが中心となるため、安全性重視型(預金70%・投資30%)がおすすめです。
また、投資金額によっても戦略を変える必要があります。投資金額が50万円以下の少額の場合は、では積立投資でリスク分散を図りましょう。一方で、100万円以上のまとまった資金がある場合は、株式や外貨預金などに分散投資することが効果的です。
投資割合が決まったら|初心者におすすめの資産運用と制度
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ここでは、初心者でも取り組みやすい投資信託や外貨預金の特徴について解説し、税制優遇制度であるNISAやiDeCoの活用方法もご紹介します。
また、資産運用は一度始めたら終わりではなく、長期的に続けていくものです。定期的な見直しによって理想的な資産バランスを維持する方法についても説明していきます。
これらのポイントを押さえることで、安心して資産運用をスタートできるでしょう。
少額から始めやすい投資信託や外貨預金
投資信託は多数の投資家から集めた資金を金融の専門家が運用する仕組みです。専門家に運用を任せられるため、個別銘柄の選択や売買のタイミングで悩む必要がありません。少額から投資できるため、初心者でも始めやすいでしょう。
デメリットは販売手数料や信託報酬などのコストがかかる点です。元本保証がないため、市場の変動によって元本割れのリスクがあります。
一方、外貨預金は円を米ドルやユーロなどの外国通貨に換えて預金する方法です。国内での預貯金よりも高い利息収入を得られることが多く、円安が進めば為替変動による利益も、為替変動による利益や利息収入が期待できます。
仕組みがわかりやすくお金の出し入れも比較的容易なため、こちらも初心者向けの資産運用方法として人気があります。
どちらも少額から始められるため、まずは無理のない範囲でスタートしてみましょう。
税金の負担を減らせるNISA・iDeCoの活用
NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つの投資枠があります。
「成長投資枠」は積極的な資産増加を目的とし、年間240万円まで非課税で投資できる投資枠です。「つみたて投資枠」は、長期的な視点で資産を積み立て、リスクを分散しながら運用するのに適しており、年間120万円までが非課税対象となっています。
iDeCoは、自分で決めた金額を積み立てて運用し、60歳以降に受け取る私的年金制度です。所得税や住民税の節税効果に加えて運用益も非課税になります。
ただしiDeCoで積み立てたお金は原則として60歳まで引き出せないため、老後の資金作りなど長期的な資産形成を目的とする場合に適しています。
NISAとiDeCoの両制度とも、節税しながら資産形成ができる魅力的な制度です。
定期的な見直しで理想の資産バランスを維持する
例えば、投資信託の価値が上がって投資の割合が増えると、リスク許容度を超える可能性があるため、一部を売却して預貯金に移すことで元の配分に戻します。
資産バランスの見直しは、年1〜2回の定期的なチェックに加えて、結婚や住宅購入、転職など生活に変化があったタイミングがおすすめです。ライフイベントによってリスク許容度が変化する場合があるため、収入と支出の状況に合わせて資産配分を見直す必要があります。
預貯金・投資の適切な割合を理解して資産運用を始めよう
初心者には、仕組みがわかりやすくお金の出し入れも比較的しやすい外貨預金がおすすめです。オリコンでは日本最大級の規模で調査を行い、毎年「外貨預金 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。
外貨預金を始めるにあたって知っておきたい取引メニューや手数料、金利の満足度など、さまざまな視点のランキングを発表していますので、外貨預金選びの参考にしてください。
監修者高見陽子
ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター
元大手銀行で個人営業を担当。現在は資産形成・相続・ライフプランなどの執筆や監修を行い、コンテンツ制作やSNSを通じた情報発信を支援している。