外貨預金を始めるのはいつ?預け入れと引き出しのタイミング

外貨預金を始めるのはいつ?預け入れと引き出しのタイミング

外貨預金とは、その名のとおり外貨で預金を行うことです。日本円より高い金利を得られる可能性が高いことから、資産形成手段のひとつとして注目されていますが、注意すべきは為替変動です。為替相場の変動で外貨の価値は変わるため、預け入れや引き出しのタイミングが難しいと考える人も多いでしょう。

今回は、損失を抑え、利益を多く受け取るため、外貨預金の預け入れと引き出しのタイミングについて解説します

円を外貨に交換して預金する外貨預金

外貨預金とは、日本円を外貨に交換して預金することです。引き出すときも、外貨から日本円に交換します。日本は超低金利時代が続いており、一般的に外貨のほうが金利は高くなっており、日本円より多くの利息を得られる点が外貨預金の魅力でしょう

外貨預金は「預金」とはいえ、投資方法の一種であり、為替レートの変動によっては元金割れのリスクがあることに注意が必要です

外貨預金のメリット

外貨預金は円預金と同様に利息がつきますが、外貨の金利は日本円より高い傾向にあるため、より高い利息が得られる点が魅力です。さらに、引き出すときの為替レートが預け入れたときより円安になっていれば、「為替差益」を得られます。円安が進む中、資産を守る手段としても注目されています。

また、日本円預金と構造は同じなので、投資についての知識があまりない初心者でも、気軽に始めやすいこともメリットでしょう。

外貨預金を預け入れるタイミング

外貨預金を預け入れるタイミング

初心者でも始めやすいとされる外貨預金ですが、為替変動があることを不安に感じる人もいるでしょう。ここでは外貨預金で預け入れるべきタイミングをご紹介します

これまでより円高になったとき

円高とは、ある外貨と比較して日本円の価値が高い状態を指し、円安のときより安くたくさんの外貨と交換できるということです。為替レートは常に動いており、日本円の価値が高くなるときも低くなるときもあります。同じ金額を預け入れるとしても、円高だと円安のときよりたくさん預け入れできるため、外貨預金を始めるタイミングとしては最適でしょう

日本円預金の金利の低さが気になったとき

日本円預金の金利は現在のところ、普通預金で0.001%、定期預金でも0.002%などと、限りなくゼロに近い数字が一般的となっています。日本円預金は元本割れするようなリスクは少ないですが、預け入れているだけで資産を増やすのは難しいです。もっと効率の良い方法はないかと考えることもあるでしょう。

外貨預金は為替変動の影響があるため、日本円預金よりリスクはあるものの、金利は高めの傾向があり、円預金よりも資産を増やせる可能性は高いです。もちろん、為替変動で外貨の価値が下がることもありますが、評価額が下がっただけで実際にお金が減ったわけではありません。長期運用なら、外貨の価値が上がるタイミングまで待つことも可能です

日本の政治経済状況が不安になったとき

一般的に、政治や経済が低迷している国の通貨は、下がる傾向があります。例えば、経済活動が停滞して失業率が高い、賃金が上がらないなどという状況であれば、企業は借り入れしてまで積極的な設備投資を避け、株価も金利も下がりやすくなるでしょう。金利が下がればその通貨の魅力も下がりますから、売られやすく価値が下がってしまいます

外貨預金で、預け入れたときより引き出すときが円安になっていたら、受け取れる円が増えます日本の将来の先行きが不安になった場合、これから円が下がる可能性があるため、先に外貨預金でリスクに備えておくのもひとつの手です

外貨預金を引き出すタイミング

外貨預金で利益を得るためには、引き出すタイミングも重要です。ここでは、預けていた外貨預金を引き出すタイミングをご紹介します

預け入れたときより円安になったとき

預け入れたときより円安になれば、外貨のほうが日本円より価値が高く、受け取る額が増えます。このように、為替レートの変動で生じた利益を為替差益といい、為替差益が期待できるときは引き出すタイミングだといえるでしょう。反対に、為替レートの変動で生じた損失のことは為替差損といいます

投資の目標を達成したとき

投資には目標設定が重要です。いつまでにいくら増やすかという目標を立てることで、毎月どれだけ投資に充てるかがわかります。外貨預金の目標値に達したときは、そのとき円安でも円高でも、引き出すタイミングです。

また、目標に達していなくても、資産運用の方法を見直したい場合は、一度引き出してもいいでしょうある程度資産が増えて、「今後は日本円で保有したい」「より変動リスクを抑えたい」などと考えた場合は、引き出すタイミングかもしれません

保有している外貨の国の将来が不安になったとき

日本以外の国でも、政治経済の状況が悪化すると通貨の価値が下がるのは同じです。保有している外貨の国の将来が不安になったら、早めに引き出して、他の将来性のある国を探して外貨預金をしてもいいでしょう

ただし、長期的な目線で見れば政治経済の状況は回復する可能性があり、それに伴って前述のように、通貨の価値も再び上がる場合があります。情勢不安になったからといってすぐに引き出さず、価値が回復するのを待つという判断も間違いではありません

タイミングを読むのは難しい

これまで、外貨預金の預け入れと引き出しのタイミングを解説してきましたが、為替レートの動きを読むのは困難です。リスク回避のためには、まとめてひとつの通貨で預金するのではなく、複数の通貨に分散することをおすすめします通貨を分散しておくと、もしもひとつの通貨が下がってしまった場合でも、資産全体の損失を抑えられるでしょう

加えて、時間を分散させることもリスク回避には有効です想定外の為替変動があった場合でも、預け入れや引き出しのタイミングを分散させることで、損失リスクを抑えられる場合があります

外貨預金の預け入れ・引き出しの注意点

外貨預金の預け入れ・引き出しの注意点

外貨預金で資産形成を目指す場合は、タイミング以外にも気をつけたいことがありますここでは、外貨預金で預け入れや引き出しを行う場合の注意点をご紹介します

為替手数料に注意する

外貨預金の預け入れや引き出しの際は、日本円と外貨を交換することになり、金融機関に交換のための手数料を支払わなければなりません。これを為替手数料といい、外貨預金を行うときは為替レートだけでなく、為替手数料にも注意が必要です実際に通貨を交換する際の価格は、仲値(なかね)と呼ばれる為替相場の基準価格に、為替手数料を加えた価格となります。

また、為替手数料は通貨や金融機関によって違うため、外貨預金を行う場合は、金融機関ごとの為替手数料がいくらなのかも確認しておくといいでしょう。金融機関や出入金の方法によって、手数料は「1ドルにつき〇円」「1回の出金の〇%」などと決められています。

余裕資金で運用する

外貨預金の預け入れや引き出しには為替手数料がかかるので、頻繁な出入金はその都度手数料が引かれて損になる可能性があります。できるだけ、あまり引き出す必要のない余裕資金で長期的に運用しましょう

また、外貨預金は金利や為替変動で利益を得られる可能性がありますが、為替変動で損をする可能性もあります。元本割れするリスクがある方法のため、その点も考慮して、当面使わない余裕資金で運用すべきです。

手数料の違いを考える

前述のように、金融機関で為替手数料は異なります。さらに、同じ金融機関でも窓口とインターネットバンキングで違い、インターネットバンキングのほうが手数料は低いです。

為替手数料は外貨預金の利益に関係するため、できるだけメリットの多い金融機関を選びたいもの。これから外貨預金を始める場合、口座開設する金融機関を選ぶ必要がありますが、取り扱っている通貨の種類のほか、手数料でかかる金額についても確認しておきましょう。

タイミングに注意して外貨預金で資産形成しよう

日本円預金は低金利が続いており、なかなか銀行に預けているだけでは資産は増えません。そんな中、外貨預金は高い金利や為替差益が期待でき、円安のリスクにも備えられる資産形成の方法として注目されています。

ただし、預金といっても投資の一種のため、為替変動で損をしてしまう恐れもあります。預け入れや引き出しのタイミング、為替手数料といった注意点を押さえて着実に資産形成していきましょう。

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