2017年01月16日 09時50分

知っておきたい【債券の基礎】 定期預金とはどう違う?

仕組みが似ている「債券」と「定期預金」の違いをFPが解説する [拡大する]

仕組みが似ている「債券」と「定期預金」の違いをFPが解説する

 借用証書の一種である「債券」。資金調達をしたい国や企業が、投資家からお金を借りるために発行するものだ。例えば、国が毎月発行している償還期限(=満期)10年の長期国債の場合、投資家は額面金額5万円単位で購入し、半年ごとに利息をもらいながら、10年後に額面金額が償還される。一定額を払い込んで、利息をもらって満期を迎える仕組みは、定期預金そっくりといえるだろう。

▼定期預金との違いは…

 だが、定期預金とは決定的に異なる点がある。債券は原則として中途解約ができないのだ。定期預金なら、満期前に解約しても利率は低くなるものの元本は保証されている。一方、債券の場合は、発行体(国や企業など)が途中で解約することを認めていないので、債券市場で売るしかなくなる。時価で売却するということだ。債券の価格変動は、株価に比べれば小さい傾向にあるが、日々の値動きがあるので、途中で売却すると値下がりによる損失が発生する可能性もある。

▼日本の債券市場の特徴

 日本の債券市場の特徴は、国債の取引が大半であること。また、証券取引所ではなく店頭市場で取引されるのが通常であることだ。店頭市場とは、証券会社の窓口で相対取引するもので、価格は証券会社と顧客の合意で決まる(実質的には前者が決めている)。同じ債券でも会社によって価格が異なるケースもあるが、あまりにも異なると投資家の不利益につながるので、日本証券業協会は各社の債券の取引価格を日々ヒアリングし、「公社債店頭売買参考統計値」としてWebサイトなどで公表している。

▼先進国の国債は負担が少ない

 現在、日本の国債は、同じ利付債でも2年、5年、10年、20年、30年、40年物、さらに15年変動利付国債や物価連動国債、個人向け国債(固定3年、固定5年、変動10年)など、さまざまある。それぞれが証券会社ごとに異なる価格で販売されているので、購入する場合は複数社に問い合わせよう。

 ちなみに、日本やアメリカ、フランスといった先進国の国債は、証券会社が徴収している手数料も安く、コスト負担が少ないので非常に魅力的といえる。債券の購入を検討する際は、まず初めに考えるべきといえるだろう。

<記事/菱田雅生(マイアドバイザー登録FP)>
早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社を経て独立系FPに。資産運用や住宅ローンなどを中心テーマに、相談業務や原稿執筆、セミナー講師などに従事している(http://www.la-consul.com)。

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