本当に安全? ネット証券のセキュリティと自己防衛法

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ネット証券のセキュリティ体制と自分でできる対策を紹介(画像はイメージ)

 取引が簡単・手数料が安いといったメリットの「ネット証券」。しかし、インターネット上で資産管理というと、安全性の面で不安に思う人もいるのではないだろうか。そこで今回は、ネット証券で行われているセキュリティ対策と、ネット犯罪の被害を避けるために利用者側が実践できるポイントを紹介しよう。

■情報漏洩を防ぐ万全なセキュリティ体制

 まず、ネット上で取引をする上で心配なのが、取引内容が外部に漏洩して、第三者に悪用されてしまうことだが、こうした事態を防ぐため、ネット証券各社では一般的に「SSL(Secure Sockets Layer)」による暗号化通信を使用している。SSLとは、インターネット上でデータを暗号化して送受信する仕組みのことで、個人情報やクレジットカード情報といった機密性の高いデータを暗号化することで、サーバーとPC間での通信を安全に行うためのものである。

 SSLを利用した通信は、通常のhttp接続よりもセキュリティ性を増したhttps接続の下で行われる。サイトのURLが「https://〜」から始まっており、ブラウザやアドレスバーに鍵のアイコンが表示されていることが目印だ。証券会社によっては、SSL証明書以上に厳格な「EV SSL」を導入しているところもあり、各社ともに、なりすましや盗聴、改ざんの防止に精力を注いでいる。

 また、利用者によるその時々のアクセスだけでなく、個人情報が記録・保存されているデータベースやサーバーも、ファイアウォール(Firewall)やシステム監視によって防御されている。システム監視は多くの場合、24時間体制で行われており、外部からの侵入や攻撃だけでなく、サーバーや回線の障害に対しても万全の管理体制が整えられているのだ。

 そして、こうしたセキュリティの上でもし不正にログインされたとしても、ネット証券でただちに不正出金が行われることはない。出金先の口座として指定できるのは本人名義に限定されているため、第三者名義の口座には送金できないからだ。各社のサポートセンターへ連絡すれば、出金先口座の変更機能にロックをかけることも可能だ。

■パスワードの安全性を高めて自己防衛を

 ネット証券では以上のようなセキュリティ対策が行われているが、利用者側が普段から注意することで防げる被害もある。ここからは、個人でもできるセキュリティ対策を紹介しよう。

 ネット上の取引を安全に行う上で何よりも重要なのが、安全性の高いパスワードを設定することだ。第三者に知らせないのは当然として、名前や生年月日など他人が推測しやすいものを避けたり、万一の被害拡大を防止するため、他のサイトや金融機関と同じパスワードは使用しないことなどが挙げられる。パスワードや暗証番号の定期的な変更も、第三者による悪用を防ぐのに有効だ。

 また、ネットカフェなど、不特定多数の人が利用するパソコンでログインすると、入力したパスワードがパソコン上に残ってしまう可能性がある。自分が所有するパソコン以外からのログインは、極力控えることをおすすめする。

■ネット犯罪で特に多い「フィッシング」と「スパイウェア」

 ネット上の取引をめぐる犯罪で非常に多いのが、「フィッシング」と呼ばれる犯罪。これは、証券会社の名前をかたって利用者にメールを送り、実在のウェブサイトにそっくりな偽のサイトに誘導することで、IDやパスワード、ときにはクレジットカード番号などを入力させて個人情報を盗み取るもので、警視庁も悪質なネット犯罪として特別に注意を呼びかけている。

 金融機関が、電子メール・フォームなどで利用者の個人情報を尋ねることは絶対にない。怪しいメールやリンクは開かないことが一番だが、もし正規のメールかどうか判断がつかない場合は、メールに記載された電話番号ではなく、各社のカスタマーサービスセンターまで確認しよう。

 ほかにも、ネット上で配布されているソフトウェアをむやみにダウンロードすると、知らないうちにパソコンにプログラムがインストールされ、個人情報が盗まれたりパソコンが遠隔操作されることがある。こうした「スパイウェア」による被害を未然に防ぐためにも、自身で使用するパソコンにセキュリティソフトを利用し、常に最新の状態を保つように心がけよう。

 ネット証券各社は、利用者の資産や個人情報を守るために、万全の管理体制を整えている。犯罪被害は利用者側の心がけで防げるものでもあるので、ネット取引の利便性だけに気を取られず、利用環境の見直しを定期的に行おう。

(文/経済ジャーナリスト 酒井富士子)

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